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【発明の名称】 内燃機関の電動発電機
【発明者】 【氏名】西ヶ谷 雅文

【氏名】多々良 雄大

【目的】
【構成】
【特許請求の範囲】
【請求項1】 内燃機関と、該機関の出力軸における回転駆動力が入力される変速機との間に設けられるものであって、前記内燃機関或いは変速機の少なくとも一方に固設されたハウジングと、該ハウジング内に配設され、前記出力軸に対して駆動連結されるとともに、ロータコイルが巻回されたロータコアと、同じく前記ハウジング内に配設され、該ハウジングに対して、前記ロータコアの外周部分との間に磁束が通過可能な空隙を有した状態で固設されたステータコアと、該コアに巻回されたステータコイルとを備えた内燃機関の電動発電機において、前記ハウジングの内周壁面から延出した区画部材を前記ステータコイルの外周壁面に当接させて、ステータコイル、ハウジング、及び区画部材により冷却媒体用通路を区画形成し、該通路を冷却媒体供給源に接続するとともに、冷却媒体を冷却媒体供給源から前記冷却媒体用通路に対して供給するようにしたことを特徴とする内燃機関の電動発電機。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、電動機として内燃機関を始動させる機能と、該機関の始動後は、発電機として充電作用を奏する機能とを併せ有する内燃機関の電動発電機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の技術として例えば、特開昭64−77752号公報に記載される技術を挙げることができる。同公報には、エンジンを始動させる際に用いられるスタータモータ(電動機)及びオルタネータ(発電機)の双方の機能を兼ね備えた始動充電装置を有するエンジンが記載されている。
【0003】この始動充電装置は図3に示すように、エンジンのクランク軸91に取着されたフライホイール92と、同ホイール92に設けられた回転界磁極93と、フライホイール92の内外周にそれぞれ配設されたフィールドコイル94及びステータコイル95とを備えている。
【0004】前記フライホイール92は始動充電装置のロータを構成するものであり、クランク軸91の端面に複数のボルト96により固定され、同軸91と一体回転可能となっている。また、フライホイール92の外周部には前記回転界磁極93がその周方向において一定間隔を隔てて複数形成されている。
【0005】前記フィールドコイル94は、エンジンの端面に設けられたアルミ製プレート97に取着され、フライホイール92に対して近接対向している。また、前記ステータコイル95は、エンジン本体98とクラッチハウジング99との間に挟持されたリング状枠体100に固着されている。そして、ステータコイル95のコア95aは前記回転界磁極93の外周面に対して近接対向し、同面との間には微少な空隙が形成されている。
【0006】また、前記ステータコイル95の外周部両側には、冷却水パイプ101が同コイル95に当接した状態でそれぞれ配設されている。上記のように構成された始動充電装置付エンジンでは、フィールドコイル94及びステータコイル95を通電制御して回転磁界を形成することにより、回転界磁極93に電磁力を作用させてフライホイール92を回転させることができる。そして、そのフライホイール92の回転力によりクランク軸91を回転させ、エンジンを始動させることができる。これに対して、エンジンの運転中にはフィールドコイル94のみを通電制御し、ステータコイル95に誘導起電力に発生させ、同起電力によりバッテリを充電することができる。
【0007】また、上記従来技術では、ステータコイル95の熱が前記冷却水パイプ101を流れる冷却水により吸収されるようになっている。従って、ステータコイル95の温度上昇が抑制され、始動充電装置における動作性能の低下が防止されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従来技術では以下に示す問題があった。即ち、ステータコイル95を冷却するための冷却水パイプ101は、同コイル95に対して別部材として設けられるものであるため、始動充電装置の部品点数が増加するといった問題を有していた。加えて、ステータコイル95を効率的に冷却するためには、同コイル95と冷却水パイプ101との接触面積を増大させる必要があるが、この場合には、冷却水パイプ101が大型化するとともに、始動充電装置の大型化を招くこととなる。
【0009】この発明は、上記問題に着目してなされたものであって、電動発電機の大型化、或いは、部品点数の増加を招くことなく、電動発電機のステータコイルにおける温度上昇を抑制することをその目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成させるために、本発明は、内燃機関と、該機関の出力軸における回転駆動力が入力される変速機との間に設けられるものであって、前記内燃機関或いは変速機の少なくとも一方に固設されたハウジングと、該ハウジング内に配設され、前記出力軸に対して駆動連結されるとともに、ロータコイルが巻回されたロータコアと、同じく前記ハウジング内に配設され、該ハウジングに対して、前記ロータコアの外周部分との間に磁束が通過可能な空隙を有した状態で固設されたステータコアと、該コアに巻回されたステータコイルとを備えた内燃機関の電動発電機において、前記ハウジングの内周壁面から延出した区画部材を前記ステータコイルの外周壁面に当接させて、ステータコイル、ハウジング、及び区画部材により冷却媒体用通路を区画形成し、該通路を冷却媒体供給源に接続するとともに、冷却媒体を冷却媒体供給源から前記冷却媒体用通路に対して供給するようにしたことをその要旨としている。
【0011】上記構成を備えた本発明における電動発電機は以下の作用を奏する。即ち、内燃機関の始動時においては、ステータコイルに生じる回転磁界によりロータコアには回転力が付与される。ロータコアは内燃機関の出力軸に駆動連結されているため、前記回転力により出力軸が回転駆動されて内燃機関の始動が行われる。
【0012】一方、内燃機関の始動後において、本電動発電機はロータコアの回転に伴って誘導起電力を発生し、同誘導起電力により内燃機関に備えられたバッテリ等の充電が行われる。
【0013】以上のように、本電動発電機は、内燃機関の始動時には電動機として機能し、また、内燃機関の始動後は発電機として機能する。この際、ステータコイルは同コイルに電流が通過するに伴って発熱し、また、同コイルには内燃機関或いは変速機の熱が伝達される。しかしながら、本電動発電機においては、ステータコイルの熱は冷却媒体用通路を通過する冷却媒体により吸収されるため、同コイルにおける温度上昇が抑制される。また、前記冷却媒体用通路は、ステータコイル、ハウジング、及び区画部材にて区画形成された空間により形成されている。従って、本電動発電機は、冷却媒体用通路を形成することによる大型化が防止され、また、冷却媒体用通路を形成するためのハウジング等を別途設ける必要がないものとなる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、この発明を具体化した実施の形態について図1〜図2に従って説明する。
【0015】図1に示すように、本実施の形態における電動発電機10は、内燃機関としてのエンジン(同図では左側に位置する)、及び変速機としてのトランスミッション(同図では右側に位置する)との間に配設されるものである。
【0016】エンジンの出力軸を構成するクランク軸12は、エンジンのシリンダブロック(図示しない)にて回転可能に支持されるとともに、その基端側(図において右側)の部分はシリンダブロックの側方、即ちトランスミッション側に延出されている。そして、クランク軸12の基端側端面にはドライブプレート27が一体回転可能に設けられている。
【0017】一方、トランスミッションの入力軸14は、クランク軸12と同一軸心上に配設されるとともに、その先端側(図において左側)の部分はトランスミッションのハウジング15からエンジン側に延出されている。また、入力軸14の先端部分には駆動プレート16が設けられている。同駆動プレート16は全体が略円板状をなし、その中央部にはボス部16aが形成されている。同ボス部16aは、図1に示すように前記入力軸14の先端部分に外嵌されるとともに同軸に対してスプライン結合されており、駆動プレート16及び入力軸14とは一体回転可能となっている。そして、エンジンのクランク軸12における回転駆動力は、前記ドライブプレート27から後述するカバー29、一対のリテーナプレート33,34及びコイルスプリング39、駆動プレート16を介してトランスミッションの入力軸14へと伝達されるようになっている。
【0018】トランスミッションのハウジング15にはポンプハウジング17が取着されている。ポンプハウジング17の先端側部分は、図1に示すように内部に挿通孔18を有する円筒状に形成されている。一方、ポンプハウジング17の基端側部分は、複数のボルト19によりトランスミッションのハウジング15に固定されている。また、前記ポンプハウジング17の基端側部分には、前記挿通孔18に連通され、前記ハウジング15側に向けて開口された収容孔20が形成されている。そして、ポンプハウジング17がトランスミッションのハウジング15に固定されることにより、同ハウジング15と前記収容孔20の壁面にて囲まれる空間により後述するオイルポンプ24用の収容空間21が形成されている。そして、前記挿通孔18及び収容空間21の内部には、前記入力軸14が挿通配置され、同軸14の先端側及び基端側の部分は挿通孔18内に配置されたベアリング22,23によってそれぞれ回転可能に支持されている。
【0019】また、前記収容空間21内には、オイルポンプ24を構成するドライブギヤ25及びドリブンギヤ26が配設されている。オイルポンプ24は内接ギア式のオイルポンプであり、本発明の油供給源を構成している。前記ドライブギヤ25には前記入力軸14が挿通されるとともにスプライン結合され、ドライブギヤ25及び入力軸14とは一体回転可能となっている。そして、入力軸14の回転に伴うドライブ及びドリブンギヤ25,26の回転により前記オイルポンプ24が駆動されて、オイルパン(図示しない)の潤滑油がトランスミッション内の油圧制御回路(図示しない)に圧送されて供給されるようになっている。
【0020】前記ドライブプレート27は、同プレート27に固定部28を介して固着された、カバー29及び連結部材30等により構成されている。前記カバー29には一対のリテーナプレート33,34が複数のリベット37により固着されている。そして、図1に示すように、前記駆動プレート16の外周側部分は両リテーナプレート33,34の間に挟まれた状態に配置されている。更に、駆動プレート16と、両リテーナプレート33,34とはコイルスプリング39により駆動連結されている。
【0021】電動発電機10のハウジング11は、第1固定部31及び第2固定部32と、支持部35と、前述したポンプハウジング17とから構成されている。第1固定部31は、前記ドライブプレート27の一側部を覆うようにしてエンジンのシリンダブロックに固設されるとともに、ベアリング36を介してクランク軸12を回転可能に支持している。また第2固定部32はトランスミッションのハウジング15に対してノックピン(図示しない)にて位置決めされた状態で、複数のボルト38により固定されている。そして、両固定部31,32の間には、全体が略環状をなす支持部35が配設され、前記両固定部31,32に対してノックピン(図示しない)により固着されている。
【0022】電動発電機46は、前記連結部材30とロータ支持部44を介して連結されて、ドライブプレート27と一体的に回転するロータ40と、同ロータ40の外周部分を覆うようにして配置されたステータ41とを備えている。前記連結部材30は全体が深皿状をなし、その中央部分には取付孔47が形成されている。同取付孔47内には円筒状をなすロータ支持部44が挿通され、同支持部44の端部に形成された係止部44aが連結部材30の側部に溶接されている。
【0023】前記ロータ40は、環状をなすロータコア42と、同コア42に巻回されたロータコイル43とから構成されている。ロータコア42はロータコイル43に磁束を導くためのものであり、高透磁率材料(例えば、ケイ素鋼鈑)により形成されている。そして、ロータ40は、ロータコア42が前記ロータ支持部44の外周部分にて焼き嵌め固定されることにより、前記クランク軸12と一体回転可能となっている。
【0024】また、前記ロータ支持部44の内部には、前記ポンプハウジング17の先端側の部分が延伸されて配置されている。そして、その延伸された部分には、円筒状をなすパイプ材45が圧入、外嵌されている。同パイプ材45は熱処理により耐磨耗性が向上された鉄材料により形成されている。そして、パイプ材45の外周部分と、前記ロータ支持部44の内周部分との間には2つのローラベアリング46a,46bが配置されている。そして、両ローラベアリング46a,46bにより、ロータ支持部44はポンプハウジング17に対して回転可能に支持されている。
【0025】一方、前記ステータ41は、環状に形成されたステータコア50と、同コア50に巻回され、その外周部分が樹脂層52により覆われたステータコイル51とから構成されている。ステータコア50は前記ロータコア42と同様に高透磁率材料から形成されている。そして、ステータコア50の外周部分は前記支持部35に焼き嵌め固定されている。また、ステータコイル51はインバータ(図示しない)を介してキャパシタ(図示しない)に接続される一方で、バッテリ(図示しない)にも接続されている。以上のように、ステータ41がハウジング11に対して固定されると、ステータコア50の内周壁面とロータコア42の外周壁面との間には環状の空隙Gが形成され、同空隙Gを介してロータコア42及びステータコア50に生じる磁束が通過可能となっている。
【0026】以上の構成に加えて本実施の形態では、図2に示すように、前記ハウジング11を構成する第2固定部32及び支持部35、ステータコア50、ステータコイル51との間の空間により冷却媒体用通路としての冷却用油路53が形成されている。この冷却用油路53は、第1内部空間57、第2内部空間62、及び前記両空間57、62を連通する接続油路65により構成されており、同油路53内には冷却媒体としての潤滑油が流通可能となっている。以下、この冷却用油路53の構成についてより詳細に説明する。
【0027】図2に示すように、ステータコイル51の外周壁面は、前記第2固定部32により覆われるとともに、同壁面の一部には、前記ポンプハウジング17から延出された円筒状をなすシール部54の先端部分が、前記樹脂層52を介して当接されている。このシール部54は、本発明の区画部材を構成するものであり、その先端部分には周方向に延びる環状溝56が形成されるとともに、同環状溝56内にはOリング55が配設されている。前記Oリング55により、シール部54とステータコイル51の樹脂層52との間がシールされることによって、第2固定部32、支持部35、ステータコイル51の樹脂層52、及びシール部54等により囲まれた第1内部空間57が形成されている。
【0028】一方、図1に示すように、支持部35の内周部分には周方向に延びる環状凸部58が区画部材として形成されている。同環状凸部58の先端部分にはOリング59が配設されるとともに、同Oリング59はステータコイル51の樹脂層52に当接されている。また、同環状凸部58に隣接した位置には、前記Oリング59を側方から支持する環状部材60が支持部35の内周部分に内嵌されて配置されている。そして、同環状部材60は、支持部35の内周壁に取着されたスナップリング61により固定されている。前記Oリング59により、環状凸部58と前記樹脂層52との間がシールされることによって、環状部材60、支持部35、及びステータコイル51の樹脂層52に囲まれた第2内部空間62が形成されている。
【0029】また、支持部35の内部には前記入力軸14の軸方向に延びる接続油路65が形成されており、同接続油路65により、前記第1内部空間57と第2内部空間62とは連通されている。更に、支持部35内部には、第2内部空間62と連通する油供給路64(図2ではその一部のみを示す)が形成されている。同油供給路64は、図示しない油通路を介してオイルクーラ(図示しない)と連通されており、前記油通路を介して前記オイルクーラ内の油は油供給路64に導入された後、第2内部空間62に供給されている。一方、第2固定部32の内部には、第1内部空間57とオイルパン(図示しない)とを連通する油排出路66(図1にてその一部を示す)が形成されている。
【0030】次に、以上のように構成された本実施の形態における電動発電機10の作用について説明する。先ず、エンジンの運転を開始する際、ステータコイル51は通電制御され、同コイル51にはロータコイル43の回転に対して進んだ位相となる回転磁界が発生する。そして、その回転磁界によってロータコア42には回転力が付与され、その回転力によりロータ40と連結されているドライブプレート27及びクランク軸12を回転させてエンジンを始動させることができる。また、ロータ40に発生する回転力はエンジンの始動時だけではなく、エンジンを高出力で運転させる際の補助動力としても利用される。
【0031】次に、エンジンが始動されると、クランク軸12における回転駆動力は、ドライブプレート27、カバー29、各リテーナプレート33,34、コイルスプリング39、及び駆動プレート16を介してトランスミッションの入力軸14に伝達される。この際、ステータコイル51は通電制御され、同コイル51にはロータコイル43の回転に対して遅れた位相となる回転磁界を発生させるとともに、ロータ40の回転に伴う誘導起電力を発生させる。そして、その誘導起電力はインバータを介してキャパシタ(いずれも図示しない)に充電される。また、このようにステータコイル51を通電制御して、同コイル51に誘導起電力を発生させた状態でロータ40を回転させると、その回転に伴って前記入力軸14における回転エネルギがより多く消費されるようになり、車両の制動補助を行うことができる。
【0032】以上のように、本実施の形態における電動発電機10によれば、同電動発電機10が電動機及び発電機として機能することにより、エンジンの始動、高出力時の補助、及び車両の制動補助を行うことができる。
【0033】そして、本実施の形態においては、エンジンが始動され、クランク軸12の回転に伴って入力軸14が回転駆動されると、同軸14にスプライン結合されているドライブギヤ25が回転してオイルポンプ24が駆動される。そして、オイルポンプ24の駆動に伴い、同ポンプ24の吐出口63からは潤滑油がトランスミッション内の油圧制御回路(図示しない)に加圧供給されるとともに、オイルクーラ(図示しない)、前記油供給路64を介して前記第2内部空間62に供給される。更に、第2内部空間62に供給された潤滑油は前記接続油路65を介して第1内部空間57に供給された後、油排出路66からオイルパン(図示しない)へと排出される。
【0034】以上のように、本実施の形態において、オイルポンプ24の油は、油圧制御回路、オイルクーラ(いずれも図示しない)、油供給路64、第2内部空間62、接続油路65、第1内部空間57、油排出路66、を順次通過してオイルパンに戻されている。ここで、第1内部空間57及び第2内部空間62を油が通過する際、前記ステータコイル51は油により冷却され、その温度上昇が抑制されている。即ち、前記両内部空間57及び62内の潤滑油は、ステータコイル51の樹脂層52に接しているため、同コイル51の熱は樹脂層52を介して潤滑油に伝達される。
【0035】また、前記潤滑油は、ステータコア50を固定している支持部35の外周部分に接するとともに、前記接続油路65の内周壁面においても同様に支持部35に接している。そのため、ステータコイル51から支持部35に伝達された熱は、同支持部35から潤滑油に伝達される。
【0036】その結果、ステータコイル51の熱は潤滑油に吸収されて、同コイル51の温度上昇は抑制される。そして、潤滑油によって吸収されたステータコイル51の熱は、潤滑油がオイルクーラを通過する際に外部に放出される。このように、ステータコイル51の熱が潤滑油により吸収され、同コイル51が冷却されることにより、電動発電機10の性能低下が防止される。
【0037】以上、本実施の形態の構成及び作用について説明したが、本実施の形態は以下の(イ)〜(ニ)の効果を奏するものである。
(イ)本実施の形態において、ステータコイル51を冷却するための冷却用油路53は、電動発電機10のハウジング11を構成する支持部35及び第2固定部32と、ステータコイル51との間の空間に形成されるものである。従って、本実施の形態における電動発電機10では、冷却用油路53を形成するための部材を別途設ける必要がなく、冷却用油路53を設けることによる部品点数の増加を防止することができる。
【0038】(ロ)冷却用油路53を、電動発電機10のハウジング11を構成する支持部35及び第2固定部32と、ステータコイル51との間の空間に形成したため、ハウジング11を大型化することなく同油路53を電動発電機10に設けることができるとともに、ステータコイル51と潤滑油の接触面積をより大きく設定することができ、効果的に同コイル51を冷却することができる。
【0039】(ハ)本実施の形態では、冷却媒体供給源としてトランスミッション側に潤滑油を供給する、既存のオイルポンプ24を用いるとともに、ステータコイル51を冷却するための冷却用媒体として、オイルポンプ24から供給される潤滑油を用いる構成とした。従って、ステータコイル51を冷却するための構成をより容易に構築することができる。
【0040】(ニ)本実施の形態では、ステータコイル51の外周部分を覆うようにして樹脂層52が形成されている。そのため、前記第1内部空間57及び第2内部空間62内にある潤滑油が、ステータコイル51内に浸透してしまうことを防止することができる。
【0041】尚、本実施の形態は以下のようにその構成を変更して実施することも可能である。
(1)本実施の形態における冷却用油路53を冷却水通路とし、同通路をエンジンのシリンダブロックに形成されたウォータジャケット(図示しない)に連通させる。そして、エンジンに設けられたウォータポンプ(図示しない)からウォータジャケットに加圧供給される冷却水を前記冷却水通路内に導入し、ステータコイル51を冷却する。以上のように構成しても、上記実施の形態と同様の作用効果を得ることができる。
【0042】以上、本発明を具体化した実施の形態について説明したが、上記実施の形態から把握される技術的思想についてその効果とともに記載する。
(a)請求項1記載の内燃機関の電動発電機において、冷却媒体用通路を、変速機側に潤滑油を供給するためのオイルポンプに接続するとともに、該ポンプから潤滑油を冷却用媒体として前記冷却媒体用通路に供給するようにしたこと。
【0043】以上の構成によれば、ステータコイルを冷却するための構成をより容易に構築することができる。
【0044】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、電動発電機の大型化、或いは、部品点数の増加を招くことなく、電動発電機のステータコイルにおける温度上昇を抑制することができる。
【出願人】 【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
【出願日】 平成7年(1995)9月11日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
【公開番号】 特開平9−79118
【公開日】 平成9年(1997)3月25日
【出願番号】 特願平7−233011