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【発明の名称】 始動発電装置
【発明者】 【氏名】梶野 定義

【目的】
【構成】
【特許請求の範囲】
【請求項1】エンジンに固定されるハウジングと、前記ハウジングに回転自在に支持される入力軸を有して前記ハウジングに収容されるとともにエンジンのクランク軸により駆動されて発電する発電部と、前記入力軸に固定されたリングギアと、前記ハウジングに回転自在に支持されて前記リングギアに着脱自在に噛合するピニオンを有して前記ハウジングに収容される電動部と、を備えることを特徴とする始動発電装置。
【請求項2】前記入力軸は前記クランク軸から所定の増速手段を介して駆動される請求項1記載の始動発電装置。
【請求項3】前記発電部及び前記電動部は共通ケーブルを通じてバッテリと電力を授受する請求項1記載の始動発電装置。
【請求項4】前記リングギアは、前記発電部を冷却する冷却ファンを兼ねる請求項1記載の始動発電装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エンジンの始動とエンジンによる発電とを行う始動発電装置に関する。
【0002】
【従来の技術】本出願人の出願になる特公昭60−53788号公報は、クランク軸に嵌着、固定されたフライホイール(リングギヤ)を有し、このフライホイールに噛合するピニオンを有するスタータと、このフライホイールと摩擦結合する弾性輪をもつオルタネータとを共通のハウジングに収容することにより、体格縮小及び取り付け工数の低減を図ることを提案している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】スタ−タのピニオンとオルタネータの入力軸との両方が、エンジン側の共通回転体であるフライホイールに連結されるために、フライホイールに対してピニオンとオルタネータの入力軸とをそれぞれ回転自在に支持する共通のハウジングの位置決めが難しかった。
【0004】具体的に説明すれば、ピニオンをフライホイールに良好に噛合可能としつつ、オルタネータの入力軸の弾性輪とフライホイールとの間の摩擦力を所定の許容範囲内に保持するべく弾性輪とフライホイールとの押接力を精密に調節する手間を生じた。また、フライホイールに弾性輪との摩擦結合面及びリングギアとを形成する必要があり、加工が面倒であった。
【0005】本発明は上記問題点に鑑みなされたものであり、全体の体格縮小を図るとともに組付け及び加工の簡素化を実現可能な始動発電装置を提供することを、その目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】本発明の第1の構成は、エンジンに固定されるハウジングと、前記ハウジングに回転自在に支持される入力軸を有して前記ハウジングに収容されるとともにエンジンのクランク軸により駆動されて発電する発電部と、前記入力軸に固定されたリングギアと、前記ハウジングに回転自在に支持されて前記リングギアに着脱自在に噛合するピニオンを有して前記ハウジングに収容される電動部とを備えることを特徴とする始動発電装置である。
【0007】本構成によれば、全体の体格縮小を図るとともに組付け及び加工の簡素化を実現可能な始動発電装置を実現することができる。詳しく説明すると、本構成では、発電部いわゆるオルタネータと電動部いわゆるスタ−タが一体に構成されているので全体としてコンパクトとなり、取り付け及び調整も一度で済ますことができる。更に、発電部の入力軸だけがエンジンのクランク軸に連結され、スタ−タのピニオンは発電部の入力軸に設けられたリングギヤに着脱自在に噛合するので、上記後方の2点同時位置合わせに比べて格段に位置合わせを簡素化することができる。
【0008】本発明の第2の構成は、上記第1の構成において更に、前記入力軸が前記クランク軸から所定の増速手段を介して駆動されることを特徴としている。本発明によれば、発電部を高速回転するための上記増速手段(例えばプーリとベルト)を電動部の始動トルクを増倍するための手段として共用することができるので、電動部の残りの減速手段の減速比を圧縮することができ、減速機構を簡素化することができる。
【0009】本発明の第3の構成は、上記第1の構成において更に、前記発電部及び前記電動部が共通ケーブルを通じてバッテリと電力を授受することを特徴としている。本発明によれば、始動発電装置の内部配線や端子構造を簡素化することができるとともに、バッテリとの間の電力授受ケーブル本数を節約することができる。本発明の第4の構成は、上記第1の構成において更に、前記リングギアが、前記発電部を冷却する冷却ファンを兼ねることを特徴としている。本発明によれば、発電部の構成を一層簡素化することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施態様を実施例に基づいて説明する。
【0011】
【実施例】本発明の始動発電装置の一実施例を図1及び図2を参照して説明する。1はハウジングであって、図示しないスルーボルトにより互いに締結されたフロントハウジング11、センターハウジング12及びリアハウジング13からなり、図示しない締結ボルトによりエンジンブロック2に締結されている。
【0012】センターハウジング12は、図2に示すように、それぞれ略コラム状の電動部収容室12aと発電部収容室12bとを有しており、電動部収容室12aにはスタータモータ(電動部)3が収容され、発電部収容室12bには発電部(オルタネータ)4が収容されている。31は永久磁石からなる直流モータ型のスタータモータ3の界磁極であってコアを介してセンタハウジング12の内周面に固定されている。32は界磁極の内周面にギャップg1を挟んで対面しつつ回転するアーマチャであり、アーマチャ32はハウジング1に軸受33などを介して回転自在に支持される出力軸34に装着されている。出力軸34はフロントハウジング11内に形成されたピニオン室を貫通して前方に突出しており、出力軸34には一方向性クラッチ35と一体のピニオン36が駆動方向相対回転不能、反駆動方向回転可能に、更に軸方向相対変位可能にヘリカルスプライン嵌着されている。37はピニオン36を初期位置に付勢するリターンスプリング、38はリターンスプリング37の基端を係止するサークリップである。上述したDCモータタイプのスタータモータ3により駆動されるピニオン36はヘリカルスプラインに沿って慣性により前進して後述するリングギヤ6に噛合し、このリングギヤ6及びベルト7を通じて図示しないエンジンのクランク軸を駆動する。なお、電動部収容室12aの後方に隣接してリアハウジング13内にはスタータモータ3のブラシ及びコンミテータ(図示せず)が収容されているが、この種のスタータモータ3及びスタータ構造とその動作自体は周知であるので、これ以上の説明は省略する。
【0013】一方、センターハウジング内の発電部収容室12b及びその前後に位置してフロントハウジング11及びリアハウジング13内の空間には発電部をなすオルタネータ4が収容されている。オルタネータ4のランデル型回転子40は入力軸41に装着されており、入力軸41は図示しない軸受けを通じてハウジング1に回転自在に支持されるとともに、前方に突出した入力軸41の前端部にはプーリ5及びリングギヤ6が嵌着、固定されている。プーリ5はエンジンのクランク軸(図示せず)とベルト7にてトルク授受可能に連結されている。42、43はランデル型回転子40の爪状磁極であり、44はセンタハウジング12の内周面に固定されて爪状磁極42、43に径方向にギャップg2を介して対面する固定子コアである。固定子コア44には固定子巻線(図示せず)が巻装されている。その他、この発電部(オルタネータ)の詳細構造は通常の整流器及びレギュレータ内蔵式の三相同期発電機(オルタネータ)と同じであるので、これ以上の説明を省略する。
【0014】なお、リングギヤ6は、外周に円筒状のシュラウドを有する軸流ファンであって、それが生起した冷却風はフロントハウジング11の前端壁に開口された空気流入孔(図示せず)を通じてハウジング1の内部に送入される。8はバッテリ端子であって、バッテリ端子8にはナット81により給電ケーブル9の一端が締結され、給電ケーブル9の他端は図示しないバッテリの高位端に接続されている。バッテリ端子8は発電部(オルタネータ)4の整流出力端及び電動部(スタータモータ)の3のブラシ及びマグネットスイッチ(図示せず)に連結されている。
【0015】以下、この始動発電装置の動作を説明する。キースイッチ(図示せず)をオンすると、図示しないマグネットスイッチがオンしてスタータモータ3のアーマチャ32に通電され、出力軸34が回転し、ピニオン36が前進してリングギヤ6に噛合し、入力軸41を回転させる。入力軸41のプーリ5はベルト7を通じてクランク軸(図示せず)を回転させ、エンジンが始動される。始動完了後、リターンスプリング37、一方向性クラッチ35の作用及び図示しないヘリカルスプラインの作用によりピニオン36がリングギヤ6から離脱し、始動が完了する。エンジン回転が更に上昇すると、入力軸41が充分な回転数となり、発電部(オルタネータ)4の発電電流によりバッテリが充電される。なお、プーリ5の直径はクランク軸(図示せず)に装着したプーリ径より小さく設定され、これによりリングギア6とピニオン36との間の減速比を圧縮することができ、リングギヤの径小化を図ることができる。また、リングギヤ6が軸流ファンを兼ねるので部品点数の節減もでき、上記したバッテリ給電回路系の共用化により一層の構造簡素化を図ることもできる。
【出願人】 【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
【出願日】 平成7年(1995)8月17日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】大川 宏
【公開番号】 特開平9−53550
【公開日】 平成9年(1997)2月25日
【出願番号】 特願平7−209493