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【発明の名称】 スタータ
【発明者】 【氏名】佐藤 敦

【目的】
【構成】
【特許請求の範囲】
【請求項1】エンジン始動用のモータへ給電するモータ給電線がナットにより締結されるモータ端子と、バッテリから給電されるバッテリ給電線が締結されるバッテリ端子と、前記両端子に個別に接続される一対の固定接点と、キースイッチからの始動指令電流に応じて駆動されて前記両固定接点を接続して前記バッテリから前記モータへ始動電流を通電させる可動接点とを有するマグネットスイッチを備え、前記モータへの始動電流の通電と同時にモータ始動信号送信線を通じてスタータ外部装置へモータ始動を報知するスタータにおいて、前記モータ始動信号送信線の送信端は、前記モータ端子に螺合済の前記ナットに締結されることを特徴とするスタータ。
【請求項2】エンジン始動用のモータへ給電するモータ給電線がナットにより締結されるモータ端子と、バッテリから給電されるバッテリ給電線が締結されるバッテリ端子と、前記両端子に個別に接続される一対の固定接点と、キースイッチからの始動指令電流に応じて駆動されて前記両固定接点を接続して前記バッテリから前記モータへ始動電流を通電させる可動接点とを有するマグネットスイッチを備え、前記モータへの始動電流の通電と同時にモータ始動信号送信線を通じてスタータ外部装置へモータ始動を報知するスタータにおいて、前記モータ始動信号送信線の送信端は、前記ナットが螺合済の前記モータ端子に締結されることを特徴とするスタータ。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スタータに関し、特に、スタータ外部装置へモータ始動を報知するスタータに関する。
【0002】
【従来の技術】スタータは、エンジン始動用のモータと、マグネットスイッチとを備え、マグネットスイッチは、モータへ給電するモータ給電線がナットにより締結されるモータ端子と、バッテリから給電されるバッテリ給電線が締結されるバッテリ端子と、これら両端子に個別に接続される一対の固定接点と、キースイッチからの始動指令電流に応じて駆動されて両固定接点を接続してバッテリから前記モータへ始動電流を通電させる可動接点とを備えている。スタータのモータのターミナルとマグネットスイッチのモータ端子とはエンジン装着前にモータ給電線により予め接続され、スタータとして完成された後、エンジン組立ラインにてエンジンに装着される。
【0003】上記従来のスタータの一種として、エンジンのクランキング時にスタータ外部装置であるエンジンへ供給する燃料を増量する始動時燃料増量回路へモータ始動信号を送信するモータ始動報知形式のスタータが生産されている。このような始動時燃料増量回路は、例えばエンジンを電子制御するエンジンコントロールユニット(ECU)すなわちマイコン構成のコントローラに内蔵されるので、車両のそれぞれ別位置に装着されたECUとスタータとをその後、モータ始動信号送信線又はそれを含むワイヤハーネスで接続する必要がある。
【0004】図8に従来のモータ始動報知形式のスタータの一例を示し、図9にそのモータ端子Mの拡大図を示す。スタータは、モータ1aと、それと一体に形成されたマグネットスイッチ2aとからなる。3aはモータ1aとマグネットスイッチ2aのモータ端子Mとを接続するモータ給電線である。
【0005】雄ねじであるモータ端子Mには、モータ給電線3aの一端に固定された圧着端子31aと、補助ケーブル4aの基端に固定された圧着端子41aとはモータ端子Mに嵌められてナットNにより締結されている。51はワッシャである。補助ケーブル4aの先端には、モータ始動信号送信線(図示せず)の一端に接続されるコネクタ60aが固定されており、上記モータ始動信号送信線の他端はECU(図示せず)に接続されている。組付けは、この補助ケーブル4a付のスタータをエンジンに装着し、エンジン及びECUをそれぞれ車体に固定した後、補助ケーブル4aとECUとをワイヤハーネス化されたモータ始動信号送信線で接続して行っている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記した従来のモータ始動報知形式のスタータでは、コネクタ付の補助ケーブルを必要とするため、工数及び資材の両面において負担が大きかった。もちろん、コネクタ付の補助ケーブル4aを節約してモータ始動信号送信線の一端に固定された圧着端子をモータ給電線3aの一端に固定された圧着端子と重ねてモータ端子MにナットNで締結することも可能であるが、この場合には予めモータ端子Mに強く締結されてモータ給電線3aを締結しているナットNを緩めて外し、モータ始動信号送信線の圧着端子をモータ端子Mに嵌め込み、その後、再びナットNをモータ端子Mに螺合する必要があった。しかしながら、このような一旦所定の締結トルク範囲で螺合したナットを緩め、更に再び螺合して締結する場合、軟質の銅製のモータ端子Mの螺子面をナットNの螺子面が何度も通過することになるので螺子面を傷めないようにかつ大電流通電による発熱防止のために所定の締結トルクを確保するように注意深い作業が必要となる。
【0007】当然、モータ給電線2aをモータ端子Mに締結せずに外しておいて、モータ始動信号送信線を締結する際に、モータ給電線3aとモータ始動信号送信線とを重ねてナットNでモータ端子Mに一挙に締結することも考えられる。しかし、組付け工程を流れる各車体中、モータ始動信号送信線を有するものは現状では少数であるので、全てのスタータのモータ給電線3aをモータ端子から外して置き、車両組立メーカ側のワイヤハーネス装着工程で全部のモータ給電線を所定の締結トルクで精密にモータ端子に締結することは検討する余地のない方策である。
【0008】結局、コネクタ付の補助ケーブル4aを必要なスタータに予め装着しておくのが無駄ではあるものの現状では最も信頼性の点で確実であった。なお、モータ端子Mとは別個にマグネットスイッチにモータ始動信号送信線のみを締結する専用端子を固定しておくという案も考えられる。しかし、この方式はマグネットスイッチ全体を専用端子付とそれ無しの2種類製作せねばならず、その製作及びその後の管理において多大な負担を必要とすることは論を待たない。
【0009】本発明は上記問題点に鑑みなされたものであり、軟質のモータ端子の螺子面を傷めることなく、材料費用及び製造工数の削減が可能なモータ始動報知形式のスタータを提供することを、その目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】本発明の第1の構成は、エンジン始動用のモータへ給電するモータ給電線がナットにより締結されるモータ端子と、バッテリから給電されるバッテリ給電線が締結されるバッテリ端子と、前記両端子に個別に接続される一対の固定接点と、キースイッチからの始動指令電流に応じて駆動されて前記両固定接点を接続して前記バッテリから前記モータへ始動電流を通電させる可動接点とを有するマグネットスイッチを備え、前記モータへの始動電流の通電と同時にモータ始動信号送信線を通じてスタータ外部装置(始動時燃料増量回路など)へモータ始動を報知するスタータにおいて、前記モータ始動信号送信線の送信端は、前記モータ端子に螺合済の前記ナットに締結されることを特徴とするスタータである。
【0011】本構成によれば、ナットに予めモータ始動信号送信線締結用の螺子面を創成しておき、この螺子面を利用してナットにモータ始動信号送信線を締結するので、モータ始動信号送信線専用の端子を新たに設置することもなく、またコネクタ付の補助ケーブルを予めモータ端子に締結しておく必要もなく、といって軟質のモータ端子の螺子面を傷めることもなく、モータ給電線をその規定締結トルクを確保しつつ何回も締結することもなく、工数及び資材の格段の削減を実現することができる。
【0012】本発明の第2の構成は、エンジン始動用のモータへ給電するモータ給電線がナットにより締結されるモータ端子と、バッテリから給電されるバッテリ給電線が締結されるバッテリ端子と、前記両端子に個別に接続される一対の固定接点と、キースイッチからの始動指令電流に応じて駆動されて前記両固定接点を接続して前記バッテリから前記モータへ始動電流を通電させる可動接点とを有するマグネットスイッチを備え、前記モータへの始動電流の通電と同時にモータ始動信号送信線を通じてスタータ外部装置(始動時燃料増量回路など)へモータ始動を報知するスタータにおいて、前記モータ始動信号送信線の送信端は、前記ナットが螺合済の前記モータ端子に締結されることを特徴とするスタータである。
【0013】本構成によれば、モータ端子に予めモータ始動信号送信線締結用の余分の螺子面を創成しておき、この螺子面を利用してモータ端子にモータ始動信号送信線を締結するので、モータ始動信号送信線専用の端子を新たに設置することもなく、またコネクタ付の補助ケーブルを予めモータ端子に締結しておく必要もなく、といってナットの取り外しにより軟質のモータ端子の螺子面を傷めることもなく、モータ給電線をその規定締結トルクを確保しつつ何回も締結することもなく、工数及び資材の格段の削減を実現することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の好適な実施態様を以下の実施例に基づいて説明する。
【0015】
【実施例】
(実施例1)図1にこのスタ−タを含む始動用回路図を示し、図2にこのスタータの正面図を示す。このスタータは、エンジン始動用のモータ1と、それと一体に形成されたマグネットスイッチ2とからなる。
【0016】マグネットスイッチ2は、モータ1へ給電するモータ給電線3が締結されるモータ端子21と、バッテリ4から給電されるバッテリ給電線5が締結されるバッテリ端子22と、両端子21、22に個別に接続される一対の固定接点23、24と、キースイッチ6を通じてバッテリ4の高位端に接続されて通電により可動接点25を作動させるコイル26とを有している。27はキースイッチ6からの電流が給電される制御端子である。
【0017】7はECUであり、本発明でいうスタータ外部装置(始動時燃料増量回路など)を含んでいる。8は一端がモータ端子21に接続され、他端がECU7に接続されるモータ始動信号送信線である。モータ始動信号送信線8は、モータ1への始動電流の通電と同時にECU7へモータ始動を報知する。上記説明したモータ1及びマグネットスイッチ2の更なる内部構造と作動自体は周知であるので、その説明は省略する。
【0018】次に、モータ始動信号送信線8の取り付け方式を説明する。マグネットスイッチ2のハウジングから、図1の左方へ突出する銅製の雄ねじからなるモータ端子21にはモータ給電線3の一端に圧着された圧着端子31がナット91により締結されている。ここでナット91は、図3に示すように、その一端側にモータ端子21と螺合する雌ねじ部910を有し、その他端側に雌ねじ部910より径小な第2雌ねじ部911が形成されている。そして、第2雌ねじ部911には、雄ねじ92が螺合されて、モータ始動信号送信線8の一端に圧着された圧着端子81をナット91に締結している。
【0019】このようにすれば、構造の複雑化を抑止しつつモータ始動信号送信線8の後付けが可能となる。すなわち、低接触抵抗を保証する規定の締結トルクでモータ端子21に螺合されたナット91によりモータ給電線3の圧着端子31をモータ端子21に締結した後において、ナット91に雄ねじ92を螺合すればモータ始動信号送信線8をモータ端子21に接続することができる。
(実施例2)実施例2を図4に示す。
【0020】この実施例においても、マグネットスイッチ2のハウジングから、図1の右方へ突出する銅製の雄ねじからなるモータ端子21にはモータ給電線3の一端に圧着された圧着端子31がナット93により締結されている。ここでナット93は、その基端側にモータ端子21と螺合する雌ねじ部930を有し、その先端側に雄ねじ部931が形成されている。そして、雄ねじ部931には、ナット94が螺合されて、モータ始動信号送信線8の一端に圧着された圧着端子81をナット93に締結している。
【0021】このようにすれば、構造の複雑化を抑止しつつモータ始動信号送信線8の後付けが可能となる。すなわち、低接触抵抗を保証する規定の締結トルクでモータ端子21に螺合されたナット93によりモータ給電線3の圧着端子31をモータ端子21に締結した後において、ナット93の雄ねじ部931にナット94を螺合すればモータ始動信号送信線8をナット93に固定することができる。
(実施例3)実施例3を図5に示す。
【0022】この実施例においても、マグネットスイッチ2のハウジングから、図1の右方へ突出する銅製の雄ねじからなるモータ端子21にはモータ給電線3の一端に圧着された圧着端子31がナット95により締結されている。ここでモータ端子21は長く形成されており、ナット95の上面にはモータ始動信号送信線8の一端に圧着された圧着端子81がナット96により締結されている。W1、W2はワッシャである。
【0023】このようにすれば、構造の複雑化を抑止しつつモータ始動信号送信線8の後付けが可能となる。すなわち、低接触抵抗を保証する規定の締結トルクでモータ端子21に螺合されたナット95によりモータ給電線3の圧着端子31をモータ端子21に締結した後において、モータ端子21にナット96を螺合すればモータ始動信号送信線8をナット95、96及びモータ端子21に固定することができる。
(実施例4)実施例4を図6に示す。
【0024】この実施例においても、マグネットスイッチ2のハウジングから、図1の右方へ突出する銅製の雄ねじからなるモータ端子21にはモータ給電線3の一端に圧着された圧着端子31がナット95により締結されている。ここでモータ端子21の先端部には螺子穴210が形成されており、螺子穴210には螺子98が螺合され、これによりモータ始動信号送信線8の一端に圧着された圧着端子81がモータ端子21に接続されている。
【0025】このようにすれば、構造の複雑化を抑止しつつモータ始動信号送信線8の後付けが可能となる。すなわち、低接触抵抗を保証する規定の締結トルクでモータ端子21に螺合されたナット95によりモータ給電線3の圧着端子31をモータ端子21に締結した後において、モータ端子21に螺子98を螺合すればモータ始動信号送信線8をモータ端子21に固定することができる。
(実施例5)図7に示すように、ナット91の外周面にねじ穴99を設けてもよい。このようにすれば、このねじ穴99にねじを螺合させてモータ始動信号送信線8をナット91に固定することができる。
【0026】なお、上記した実施例において、モータ始動信号送信線8は、ボルトとナットとの螺合によりモータ給電線3締結用のナット(例えば91)又はモータ端子21に締結(すなわち電気的接続)されたが、その他、モータ始動信号送信線8を例えばクランプなどの方法でモータ給電線3締結用のナット(例えば91)又はモータ端子21に締結することも当然可能である。
【出願人】 【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
【出願日】 平成7年(1995)7月31日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】大川 宏
【公開番号】 特開平9−42124
【公開日】 平成9年(1997)2月10日
【出願番号】 特願平7−195592