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【発明の名称】 原動機の始動装置および始動方法
【発明者】 【氏名】川端 康己

【氏名】山田 英治

【氏名】金森 彰彦

【氏名】宮谷 孝夫

【氏名】水谷 良治

【目的】
【構成】
【特許請求の範囲】
【請求項1】 出力軸を有し、該出力軸を回転させる原動機と、前記原動機の出力軸に結合される第1のロータと、該第1のロータと電磁的に結合し該第1のロータに対して相対的に回転可能な第2のロータとを有し、該第2のロータに結合される回転軸をトルクの出力軸とする第1の電動機と、前記第1の電動機における前記第1および第2のロータ間の電磁的な結合の程度を制御すると共に、前記第1のロータと第2のロータとの間に生じる滑り回転に応じた電力を前記第1の電動機により回生可能な第1の電動機駆動回路と、前記第1の電動機の第2のロータに結合される第3のロータを有し、該第3のロータに結合される回転軸をトルクの出力軸とする第2の電動機と、該第2の電動機を駆動する第2の電動機駆動回路と、前記第1の電動機駆動回路を介して前記第1の電動機から回生した電力を蓄えると共に、前記第1および/または第2の電動機駆動回路を介して対応する前記第1,第2の電動機に電力を供給可能な二次電池とを備える動力伝達装置における前記原動機を始動する始動装置であって、イグニッションスイッチがスタータ位置にあることを検出するスタータ位置検出手段と、該検出がなされたとき、前記第2のロータに結合される回転軸をロック状態にすると共に、前記二次電池に蓄えられた電力により前記第1の電動機駆動回路を制御して前記第1の電動機を駆動し、前記原動機の出力軸をクランキングするスタータ制御手段と、該クランキングに伴って前記原動機への燃料供給や火花点火を行なう点火手段とを備える原動機の始動装置。
【請求項2】 前記スタータ制御手段は、前記二次電池に蓄えられた電力により前記第2の電動機駆動回路を制御して第2の電動機をロック状態とすることで前記第2のロータに結合される回転軸をロック状態にする手段である請求項1記載の原動機の始動装置。
【請求項3】 前記スタータ制御手段は、前記二次電池に蓄えられた電力により、前記クランキングの際に前記第1の電動機により前記原動機の出力軸に加えられるトルクと略同一のトルクを、該クランキングに伴って前記第2のロータに結合される回転軸に出力するよう前記第2の電動機駆動回路を制御して第2の電動機を駆動することで該第2のロータに結合される回転軸をロック状態にする手段である請求項1記載の原動機の始動装置。
【請求項4】 請求項1記載の原動機の始動装置であって、前記スタータ制御手段に代えて、前記第3のロータに結合される回転軸に設けられたクラッチと、前記スタータ位置検出手段による検出がなされたとき、前記クラッチにより前記第3のロータに結合される回転軸の結合を解除し、前記二次電池に蓄えられた電力により前記第2の電動機駆動回路を制御して前記第2の電動機を駆動し前記第2のロータに結合される回転軸にトルクを出力すると共に、該トルクが前記原動機の出力軸に伝達されるよう前記第1の電動機駆動回路を制御して前記第1の電動機を駆動し、前記原動機の出力軸をクランキングするクランキング制御手段とを備える原動機の始動装置。
【請求項5】 前記第2スタータ制御手段は、前記第1の電動機により前記第1のロータと前記第2のロータとを電磁的にロック状態とする手段である請求項4記載の原動機の始動装置。
【請求項6】 出力軸を有し、該出力軸を回転させる原動機と、前記原動機の出力軸に結合される第1のロータと、該第1のロータと電磁的に結合し該第1のロータに対して相対的に回転可能な第2のロータとを有し、該第2のロータに結合される回転軸をトルクの出力軸とする第1の電動機と、前記第1の電動機における前記第1および第2のロータ間の電磁的な結合の程度を制御すると共に、前記第1のロータと第2のロータとの間に生じる滑り回転に応じた電力を前記第1の電動機により回生可能な第1の電動機駆動回路と、前記第1の電動機の第2のロータに結合される第3のロータを有し、該第3のロータに結合される回転軸をトルクの出力軸とする第2の電動機と、該第2の電動機を駆動する第2の電動機駆動回路と、前記第1の電動機駆動回路を介して前記第1の電動機から回生した電力を蓄えると共に、前記第1および/または第2の電動機駆動回路を介して対応する前記第1,第2の電動機に電力を供給可能な二次電池とを備える動力伝達装置における前記原動機を始動する始動装置であって、前記二次電池に蓄えられた電力により前記電動機駆動回路を制御して前記第2の電動機を駆動し前記第3のロータに結合される回転軸を回転駆動している際に、前記動力伝達装置の運転状態に応じて出力される前記原動機の始動開始の信号を検出する信号検出手段と、該信号の検出がなされたとき、前記二次電池に蓄えられた電力により前記第1の電動機駆動回路を制御して前記第1の電動機を駆動し、前記原動機の出力軸をクランキングすると共に、該クランキングの際に該原動機の出力軸に加えられるトルクと略同一のトルクを、該クランキングに伴って前記第2のロータに結合される回転軸に付加するよう前記第2の電動機駆動回路を制御して第2の電動機を駆動するスタータ制御手段と、前記クランキングに伴って前記原動機への燃料供給や火花点火を行なう点火手段とを備える原動機の始動装置。
【請求項7】 出力軸を有し、該出力軸を回転させる原動機と、前記原動機の出力軸に結合される第1のロータと、該第1のロータと電磁的に結合し該第1のロータに対して相対的に回転可能な第2のロータとを有し、該第2のロータに結合される回転軸をトルクの出力軸とする第1の電動機と、前記第1の電動機における前記第1および第2のロータ間の電磁的な結合の程度を制御すると共に、前記第1のロータと第2のロータとの間に生じる滑り回転に応じた電力を前記第1の電動機により回生可能な第1の電動機駆動回路と、前記原動機の出力軸に結合される第3のロータを有し、該第3のロータに結合される該原動機の出力軸をトルクの出力軸とする第2の電動機と、該第2の電動機を駆動する第2の電動機駆動回路と、前記第1の電動機駆動回路を介して前記第1の電動機から回生した電力を蓄えると共に、前記第1および/または第2の電動機駆動回路を介して対応する前記第1,第2の電動機に電力を供給可能な二次電池とを備える動力伝達装置における前記原動機を始動する始動装置であって、イグニッションスイッチがスタータ位置にあることを検出するスタータ位置検出手段と、該検出がなされたとき、前記二次電池に蓄えられた電力により前記第2の電動機駆動回路を制御して第2の電動機を駆動し、前記原動機の出力軸をクランキングするスタータ制御手段と、該クランキングに伴って前記原動機への燃料供給や火花点火を行なう点火手段とを備える原動機の始動装置。
【請求項8】 請求項7記載の原動機の始動装置であって、前記スタータ制御手段に代えて、前記第2のロータに結合される回転軸をロック状態にするロック手段と、前記スタータ位置検出手段による検出がなされたとき、前記ロック手段により前記第2のロータに結合される回転軸をロック状態にすると共に、前記二次電池に蓄えられた電力により前記第1の電動機駆動回路を制御して第1の電動機を駆動し、前記原動機の出力軸をクランキングする第2スタータ制御手段とを備える原動機に始動装置。
【請求項9】 出力軸を有し、該出力軸を回転させる原動機と、前記原動機の出力軸に結合される第1のロータと、該第1のロータと電磁的に結合し該第1のロータに対して相対的に回転可能な第2のロータとを有し、該第2のロータに結合される回転軸をトルクの出力軸とする第1の電動機と、前記第1の電動機における前記第1および第2のロータ間の電磁的な結合の程度を制御すると共に、前記第1のロータと第2のロータとの間に生じる滑り回転に応じた電力を前記第1の電動機により回生可能な第1の電動機駆動回路と、前記原動機の出力軸に結合される第3のロータを有し、該第3のロータに結合される該原動機の出力軸をトルクの出力軸とする第2の電動機と、該第2の電動機を駆動する第2の電動機駆動回路と、前記第1の電動機駆動回路を介して前記第1の電動機から回生した電力を蓄えると共に、前記第1および/または第2の電動機駆動回路を介して対応する前記第1,第2の電動機に電力を供給可能な二次電池とを備える動力伝達装置における前記原動機を始動する始動装置であって、前記原動機の出力軸をロック状態とするロック手段と、前記ロック手段により前記原動機の出力軸がロック状態とされ、前記二次電池に蓄えられた電力により前記第1の電動機駆動回路を制御して前記第1の電動機を駆動し前記第2のロータに結合される回転軸を回転駆動している際に、前記動力伝達装置の運転状態に応じて出力される前記原動機の始動開始の信号を検出する信号検出手段と、該信号の検出がなされたとき、前記ロック手段によるロック状態を解除すると共に、前記二次電池に蓄えられた電力により前記第2の電動機駆動回路を制御して前記第2の電動機を駆動し、前記原動機の出力軸をクランキングするスタータ制御手段と該クランキングに伴って前記原動機への燃料供給や火花点火を行なう点火手段とを備える原動機の始動装置。
【請求項10】 前記ロック手段は、前記第2の電動機である請求項9記載の原動機の始動装置。
【請求項11】 出力軸を有し、該出力軸を回転させる原動機と、前記原動機の出力軸に結合される第1のロータと、該第1のロータと電磁的に結合し該第1のロータに対して相対的に回転可能な第2のロータとを有し、該第2のロータに結合される回転軸をトルクの出力軸とする第1の電動機と、前記第1の電動機における前記第1および第2のロータ間の電磁的な結合の程度を制御すると共に、前記第1のロータと第2のロータとの間に生じる滑り回転に応じた電力を前記第1の電動機により回生可能な第1の電動機駆動回路と、前記第1の電動機の第2のロータに結合される第3のロータを有し、該第3のロータに結合される回転軸をトルクの出力軸とする第2の電動機と、該第2の電動機を駆動する第2の電動機駆動回路と、前記第1の電動機駆動回路を介して前記第1の電動機から回生した電力を蓄えると共に、前記第1および/または第2の電動機駆動回路を介して対応する前記第1,第2の電動機に電力を供給可能な二次電池とを備える動力伝達装置における前記原動機を始動する始動方法であって、イグニッションスイッチがスタータ位置にあることを検出し、該検出がなされたとき、前記第2のロータに結合される回転軸をロック状態とし、前記二次電池に蓄えられた電力により前記第1の電動機駆動回路を制御して前記第1の電動機を駆動することで前記原動機の出力軸をクランキングし、該クランキングに伴って前記原動機への燃料供給や火花点火を行なって、前記原動機を始動する原動機の始動方法。
【請求項12】 出力軸を有し、該出力軸を回転させる原動機と、前記原動機の出力軸に結合される第1のロータと、該第1のロータと電磁的に結合し該第1のロータに対して相対的に回転可能な第2のロータとを有し、該第2のロータに結合される回転軸をトルクの出力軸とする第1の電動機と、前記第1の電動機における前記第1および第2のロータ間の電磁的な結合の程度を制御すると共に、前記第1のロータと第2のロータとの間に生じる滑り回転に応じた電力を前記第1の電動機により回生可能な第1の電動機駆動回路と、前記第1の電動機の第2のロータに結合される第3のロータを有し、該第3のロータに結合される回転軸をトルクの出力軸とする第2の電動機と、該第2の電動機を駆動する第2の電動機駆動回路と、前記第1の電動機駆動回路を介して前記第1の電動機から回生した電力を蓄えると共に、前記第1および/または第2の電動機駆動回路を介して対応する前記第1,第2の電動機に電力を供給可能な二次電池とを備える動力伝達装置における前記原動機を始動する始動方法であって、前記二次電池に蓄えられた電力により前記電動機駆動回路を制御して前記第2の電動機を駆動し前記第3のロータに結合される回転軸を回転駆動している最中に、前記動力伝達装置の運転状態に応じて出力される前記原動機の始動開始の信号を検出し、該信号の検出がなされたとき、前記二次電池に蓄えられた電力により前記第1の電動機駆動回路を制御して前記第1の電動機を駆動し、前記原動機の出力軸をクランキングすると共に、該クランキングの際に該原動機の出力軸に加えられるトルクと略同一のトルクを、該クランキングに伴って前記第2のロータに結合される回転軸に付加するよう前記第2の電動機駆動回路を制御して第2の電動機を駆動し、前記クランキングに伴って前記原動機への燃料供給や火花点火を行なって、前記原動機を始動する原動機の始動方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、原動機の始動装置および始動方法に関し、詳しくは、原動機より得られる動力を効率的に伝達または利用する動力伝達装置が備える原動機の始動装置および原動機の始動方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の動力伝達装置における原動機の始動装置または始動方法としては、原動機の出力軸と電動機のロータに結合された回転軸とを電磁継手により電磁的に結合して原動機の動力を伝達する動力伝達装置を搭載した車両において、電磁継手による結合を解除した状態で電動機を駆動して車両を走行した後に、電磁継手に励磁電流を与えて電磁継手の結合力を得て原動機の出力軸をクランキングし、原動機を始動するものが提案されている(例えば、特開昭53−133814号公報等)。
【0003】また、原動機の出力軸と電動機のロータに結合される回転軸とをクラッチおよびトランスミッションを介して結合して原動機の動力を伝達可能な動力伝達装置を搭載した車両において、クラッチの結合を解除した状態で電動機を駆動して車両を走行した後に、クラッチを結合して原動機の出力軸をクランキングし、原動機を始動するものも提案されている(例えば、特開平6−17727号公報等)。この装置では、クランキングの際に、電動機のトルク指令値を高くして車輪への出力トルクの落ち込みによるショックを小さくしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の装置では、電動機により車両を走行した後でないと原動機を始動することができないという問題があった。これらの車両では、電動機で車両を走行するのに必要な電力を供給する電源として二次電池を搭載している。この二次電池は、長い間放置されたり、長年の使用により放電可能な電力が小さくなり、電動機により車両を走行する程の十分な電力を供給することができない場合がある。このような場合には、上述のいわゆる押しかけでは、原動機を始動することができなくなってしまう。
【0005】また、上記特開平6−17727号公報記載の装置では、押しかけの際の車輪への出力トルクの落ち込みによるショックを小さくするため、電動機へのトルク指令値を高くするが、トルク指令値を高める量(値)は一定であり、車速やトランスミッションにおける選択ギヤ等によって定まるクランキングに必要なトルクと一致していないため、車輪へのトルクが変動し、ショックを完全に吸収することができないという問題があった。さらに、この装置では、原動機の始動時に、原動機の回転数を、原動機が安定して回転する最小の回転数(アイドリング時の回転数)より大きな回転数であるクラッチの出力側(車輪側)の回転数とするから、大きなトルクを必要とし、出力トルクの落ち込みによるショックを大きくするという問題もあった。
【0006】本発明の原動機の始動装置および原動機の始動方法は、こうした問題を解決し、動力伝達装置から動力が伝達されていない状態で原動機を始動することを第1の目的とし、動力伝達装置から動力を伝達している際に伝達される動力に変動を与えないよう原動機を始動することを第2の目的とし、次の構成を採った。
【0007】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】本発明の第1の原動機の始動装置は、出力軸を有し、該出力軸を回転させる原動機と、前記原動機の出力軸に結合される第1のロータと、該第1のロータと電磁的に結合し該第1のロータに対して相対的に回転可能な第2のロータとを有し、該第2のロータに結合される回転軸をトルクの出力軸とする第1の電動機と、前記第1の電動機における前記第1および第2のロータ間の電磁的な結合の程度を制御すると共に、前記第1のロータと第2のロータとの間に生じる滑り回転に応じた電力を前記第1の電動機により回生可能な第1の電動機駆動回路と、前記第1の電動機の第2のロータに結合される第3のロータを有し、該第3のロータに結合される回転軸をトルクの出力軸とする第2の電動機と、該第2の電動機を駆動する第2の電動機駆動回路と、前記第1の電動機駆動回路を介して前記第1の電動機から回生した電力を蓄えると共に、前記第1および/または第2の電動機駆動回路を介して対応する前記第1,第2の電動機に電力を供給可能な二次電池とを備える動力伝達装置における前記原動機を始動する始動装置であって、イグニッションスイッチがスタータ位置にあることを検出するスタータ位置検出手段と、該検出がなされたとき、前記第2のロータに結合される回転軸をロック状態にすると共に、前記二次電池に蓄えられた電力により前記第1の電動機駆動回路を制御して前記第1の電動機を駆動し、前記原動機の出力軸をクランキングするスタータ制御手段と、該クランキングに伴って前記原動機への燃料供給や火花点火を行なう点火手段とを備えることを要旨とする。
【0008】こうした本発明の第1の原動機の始動装置は、イグニッションスイッチがスタータ位置にあることが検出されたとき、スタータ制御手段が、第1の電動機が有する第2のロータに結合される回転軸をロック状態にすると共に、二次電池に蓄えられた電力により第1の電動機駆動回路を制御して第1の電動機を駆動し、原動機の出力軸をクランキングする。即ち、第2のロータに結合される回転軸をロック状態とし第1の電動機を回転することで、原動機の出力軸を回転し、始動時におけるクランキングを実現するのである。
【0009】この第1の原動機の始動装置によれば、特別なスタータモータ等を用いることなく、動力伝達装置の構成を利用して原動機の出力軸のクランキングを行なうことができる。
【0010】ここで、この第1の原動機の始動装置において、前記スタータ制御手段は、前記二次電池に蓄えられた電力により前記第2の電動機駆動回路を制御して第2の電動機をロック状態とすることで前記第2のロータに結合される回転軸をロック状態にする手段であるものとすることもできる。この構成とすれば、第2のロータに結合される回転軸をロック状態とするのに、回転軸に特別な装置を設ける必要がない。
【0011】また、第1の原動機の始動装置において、前記スタータ制御手段は、前記二次電池に蓄えられた電力により、前記クランキングの際に前記第1の電動機により前記原動機の出力軸に加えられるトルクと略同一のトルクを、該クランキングに伴って前記第2のロータに結合される回転軸に出力するよう前記第2の電動機駆動回路を制御して第2の電動機を駆動することで該第2のロータに結合される回転軸をロック状態にする手段であるものとすることもできる。こうすれば、第2の電動機でクランキングに要するトルクを打ち消すから、第3のロータに結合される回転軸にはトルクは加えられない。したがって、第3のロータに結合される回転軸、即ち第2のロータに結合される回転軸は回転せず、見かけ上ロック状態となる。
【0012】第1の原動機の始動装置において、前記スタータ制御手段に代えて、前記第3のロータに結合される回転軸に設けられたクラッチと、前記スタータ位置検出手段による検出がなされたとき、前記クラッチにより前記第3のロータに結合される回転軸の結合を解除し、前記二次電池に蓄えられた電力により前記第2の電動機駆動回路を制御して前記第2の電動機を駆動し前記第2のロータに結合される回転軸にトルクを出力すると共に、該トルクが前記原動機の出力軸に伝達されるよう前記第1の電動機駆動回路を制御して前記第1の電動機を駆動し、前記原動機の出力軸をクランキングするクランキング制御手段とを備えるものとすることもできる。
【0013】この構成では、イグニッションスイッチがスタータ位置にあることが検出されたとき、クランキング制御手段が、第3のロータに結合される回転軸に設けられたクラッチによりこの回転軸の結合を解除し、二次電池に蓄えられた電力により第2の電動機駆動回路を制御して第2の電動機を駆動し、第2のロータに結合される回転軸にトルクを出力すると共に、このトルクが原動機の出力軸に伝達されるよう第1の電動機駆動回路を制御して第1の電動機を駆動し、原動機の出力軸をクランキングする。
【0014】この構成によれば、クラッチにより第3のロータに結合される回転軸の結合を解除すると共に第2の電動機によるトルクを第1の電動機で伝達するから、この伝達されるトルクにより原動機の出力軸をクランキングすることができる。
【0015】こうした第3のロータに結合される回転軸にクラッチを設けた第1の原動機の始動装置において、前記第2スタータ制御手段は、前記第1の電動機により前記第1のロータと前記第2のロータとを電磁的にロック状態とする手段であるものとすることもできる。こうすれば、第2の電動機の回転数で原動機の出力軸を回転させることができる。
【0016】本発明の第2の原動機の始動装置は、出力軸を有し、該出力軸を回転させる原動機と、前記原動機の出力軸に結合される第1のロータと、該第1のロータと電磁的に結合し該第1のロータに対して相対的に回転可能な第2のロータとを有し、該第2のロータに結合される回転軸をトルクの出力軸とする第1の電動機と、前記第1の電動機における前記第1および第2のロータ間の電磁的な結合の程度を制御すると共に、前記第1のロータと第2のロータとの間に生じる滑り回転に応じた電力を前記第1の電動機により回生可能な第1の電動機駆動回路と、前記第1の電動機の第2のロータに結合される第3のロータを有し、該第3のロータに結合される回転軸をトルクの出力軸とする第2の電動機と、該第2の電動機を駆動する第2の電動機駆動回路と、前記第1の電動機駆動回路を介して前記第1の電動機から回生した電力を蓄えると共に、前記第1および/または第2の電動機駆動回路を介して対応する前記第1,第2の電動機に電力を供給可能な二次電池とを備える動力伝達装置における前記原動機を始動する始動装置であって、前記二次電池に蓄えられた電力により前記電動機駆動回路を制御して前記第2の電動機を駆動し前記第3のロータに結合される回転軸を回転駆動している際に、前記動力伝達装置の運転状態に応じて出力される前記原動機の始動開始の信号を検出する信号検出手段と、該信号の検出がなされたとき、前記二次電池に蓄えられた電力により前記第1の電動機駆動回路を制御して前記第1の電動機を駆動し、前記原動機の出力軸をクランキングすると共に、該クランキングの際に該原動機の出力軸に加えられるトルクと略同一のトルクを、該クランキングに伴って前記第2のロータに結合される回転軸に付加するよう前記第2の電動機駆動回路を制御して第2の電動機を駆動するスタータ制御手段と、前記クランキングに伴って前記原動機への燃料供給や火花点火を行なう点火手段とを備えることを要旨とする。
【0017】この第2の原動機の始動装置は、二次電池に蓄えられた電力により電動機駆動回路を制御して第2の電動機を駆動し、第3のロータに結合される回転軸を回転駆動している際に、信号検出手段により動力伝達装置の運転状態に応じて出力される原動機の始動開始の信号の検出がなされたとき、スタータ制御手段が、二次電池に蓄えられた電力により第1の電動機駆動回路を制御して第1の電動機を駆動し原動機の出力軸をクランキングすると共に、このクランキングの際に原動機の出力軸に加えられるトルクと略同一のトルクを、クランキングに伴って第2のロータに結合される回転軸に付加するよう第2の電動機駆動回路を制御して第2の電動機を駆動する。
【0018】この第2の原動機の始動装置によれば、第2の電動機により第3のロータに動力を伝達している最中に原動機を始動することができる。しかも第2の電動機によりクランキングに要するトルクを付加するから、第3のロータに結合される回転軸に生じるトルクの変化を防止することができる。
【0019】本発明の第3の原動機の始動装置は、出力軸を有し、該出力軸を回転させる原動機と、前記原動機の出力軸に結合される第1のロータと、該第1のロータと電磁的に結合し該第1のロータに対して相対的に回転可能な第2のロータとを有し、該第2のロータに結合される回転軸をトルクの出力軸とする第1の電動機と、前記第1の電動機における前記第1および第2のロータ間の電磁的な結合の程度を制御すると共に、前記第1のロータと第2のロータとの間に生じる滑り回転に応じた電力を前記第1の電動機により回生可能な第1の電動機駆動回路と、前記原動機の出力軸に結合される第3のロータを有し、該第3のロータに結合される該原動機の出力軸をトルクの出力軸とする第2の電動機と、該第2の電動機を駆動する第2の電動機駆動回路と、前記第1の電動機駆動回路を介して前記第1の電動機から回生した電力を蓄えると共に、前記第1および/または第2の電動機駆動回路を介して対応する前記第1,第2の電動機に電力を供給可能な二次電池とを備える動力伝達装置における前記原動機を始動する始動装置であって、イグニッションスイッチがスタータ位置にあることを検出するスタータ位置検出手段と、該検出がなされたとき、前記二次電池に蓄えられた電力により前記第2の電動機駆動回路を制御して第2の電動機を駆動し、前記原動機の出力軸をクランキングするスタータ制御手段と、該クランキングに伴って前記原動機への燃料供給や火花点火を行なう点火手段とを備えることを要旨とする。
【0020】この第3の原動機の始動装置は、イグニッションスイッチがスタータ位置にあることを検出したとき、スタータ制御手段が、二次電池に蓄えられた電力により第2の電動機駆動回路を制御して第2の電動機を駆動し、原動機の出力軸をクランキングする。即ち、第3の原動機の始動装置では、第2の電動機の第3のロータが原動機の出力軸に結合されているから、この第2の電動機を回転することにより、原動機の出力軸をクランキングする。
【0021】この第3の原動機の始動装置によれば、特別なスタータモータ等を用いることなく、動力伝達装置の構成を利用して原動機の出力軸のクランキングを行なうことができる。
【0022】こうした第3の原動機の始動装置において、前記スタータ制御手段に代えて、前記第2のロータに結合される回転軸をロック状態にするロック手段と、前記スタータ位置検出手段による検出がなされたとき、前記ロック手段により前記第2のロータに結合される回転軸をロック状態にすると共に、前記二次電池に蓄えられた電力により前記第1の電動機駆動回路を制御して第1の電動機を駆動し、前記原動機の出力軸をクランキングする第2スタータ制御手段とを備えるものとすることもできる。
【0023】この構成では、イグニッションスイッチがスタータ位置にあることを検出したとき、第2スタータ制御手段が、ロック手段により第2のロータに結合される回転軸をロック状態にすると共に、二次電池に蓄えられた電力により第1の電動機駆動回路を制御して第1の電動機を駆動し、原動機の出力軸をクランキングする。
【0024】この構成によれば、第1の電動機により原動機の出力軸をクランキングすることができる。
【0025】本発明の第4の原動機の始動装置は、出力軸を有し、該出力軸を回転させる原動機と、前記原動機の出力軸に結合される第1のロータと、該第1のロータと電磁的に結合し該第1のロータに対して相対的に回転可能な第2のロータとを有し、該第2のロータに結合される回転軸をトルクの出力軸とする第1の電動機と、前記第1の電動機における前記第1および第2のロータ間の電磁的な結合の程度を制御すると共に、前記第1のロータと第2のロータとの間に生じる滑り回転に応じた電力を前記第1の電動機により回生可能な第1の電動機駆動回路と、前記原動機の出力軸に結合される第3のロータを有し、該第3のロータに結合される該原動機の出力軸をトルクの出力軸とする第2の電動機と、該第2の電動機を駆動する第2の電動機駆動回路と、前記第1の電動機駆動回路を介して前記第1の電動機から回生した電力を蓄えると共に、前記第1および/または第2の電動機駆動回路を介して対応する前記第1,第2の電動機に電力を供給可能な二次電池とを備える動力伝達装置における前記原動機を始動する始動装置であって、前記原動機の出力軸をロック状態とするロック手段と、前記ロック手段により前記原動機の出力軸がロック状態とされ、前記二次電池に蓄えられた電力により前記第1の電動機駆動回路を制御して前記第1の電動機を駆動し前記第2のロータに結合される回転軸を回転駆動している際に、前記動力伝達装置の運転状態に応じて出力される前記原動機の始動開始の信号を検出する信号検出手段と、該信号の検出がなされたとき、前記ロック手段によるロック状態を解除すると共に、前記二次電池に蓄えられた電力により前記第2の電動機駆動回路を制御して前記第2の電動機を駆動し、前記原動機の出力軸をクランキングするスタータ制御手段と該クランキングに伴って前記原動機への燃料供給や火花点火を行なう点火手段とを備えることを要旨とする。
【0026】こうした第4の原動機の始動装置は、ロック手段により原動機の出力軸がロック状態とされ、二次電池に蓄えられた電力により第1の電動機駆動回路を制御して第1の電動機を駆動し第2のロータに結合される回転軸を回転駆動している際に、信号検出手段により動力伝達装置の運転状態に応じて出力される前記原動機の始動開始の信号の検出がなされたとき、スタータ制御手段が、ロック手段によるロック状態を解除すると共に、二次電池に蓄えられた電力により第2の電動機駆動回路を制御して第2の電動機を駆動し、原動機の出力軸をクランキングする。
【0027】この第4の原動機の始動装置によれば、第1の電動機により第2のロータに結合される回転軸に動力を伝達している最中に、第2の電動機により原動機を始動することがでできる。
【0028】こうした第4の原動機の始動装置において、前記ロック手段は、前記第2の電動機であるものとすることもできる。
【0029】本発明の第1の原動機の始動方法は、出力軸を有し、該出力軸を回転させる原動機と、前記原動機の出力軸に結合される第1のロータと、該第1のロータと電磁的に結合し該第1のロータに対して相対的に回転可能な第2のロータとを有し、該第2のロータに結合される回転軸をトルクの出力軸とする第1の電動機と、前記第1の電動機における前記第1および第2のロータ間の電磁的な結合の程度を制御すると共に、前記第1のロータと第2のロータとの間に生じる滑り回転に応じた電力を前記第1の電動機により回生可能な第1の電動機駆動回路と、前記第1の電動機の第2のロータに結合される第3のロータを有し、該第3のロータに結合される回転軸をトルクの出力軸とする第2の電動機と、該第2の電動機を駆動する第2の電動機駆動回路と、前記第1の電動機駆動回路を介して前記第1の電動機から回生した電力を蓄えると共に、前記第1および/または第2の電動機駆動回路を介して対応する前記第1,第2の電動機に電力を供給可能な二次電池とを備える動力伝達装置における前記原動機を始動する始動方法であって、イグニッションスイッチがスタータ位置にあることを検出し、該検出がなされたとき、前記第2のロータに結合される回転軸をロック状態とし、前記二次電池に蓄えられた電力により前記第1の電動機駆動回路を制御して前記第1の電動機を駆動することで前記原動機の出力軸をクランキングし、該クランキングに伴って前記原動機への燃料供給や火花点火を行なって、前記原動機を始動することを要旨とする。
【0030】この第1の原動機の始動方法によれば、特別なスタータモータ等を用いることなく、動力伝達装置の構成を利用して原動機の出力軸のクランキングを行なうことができる。
【0031】本発明の第2の原動機の始動方法は、出力軸を有し、該出力軸を回転させる原動機と、前記原動機の出力軸に結合される第1のロータと、該第1のロータと電磁的に結合し該第1のロータに対して相対的に回転可能な第2のロータとを有し、該第2のロータに結合される回転軸をトルクの出力軸とする第1の電動機と、前記第1の電動機における前記第1および第2のロータ間の電磁的な結合の程度を制御すると共に、前記第1のロータと第2のロータとの間に生じる滑り回転に応じた電力を前記第1の電動機により回生可能な第1の電動機駆動回路と、前記第1の電動機の第2のロータに結合される第3のロータを有し、該第3のロータに結合される回転軸をトルクの出力軸とする第2の電動機と、該第2の電動機を駆動する第2の電動機駆動回路と、前記第1の電動機駆動回路を介して前記第1の電動機から回生した電力を蓄えると共に、前記第1および/または第2の電動機駆動回路を介して対応する前記第1,第2の電動機に電力を供給可能な二次電池とを備える動力伝達装置における前記原動機を始動する始動方法であって、前記二次電池に蓄えられた電力により前記電動機駆動回路を制御して前記第2の電動機を駆動し前記第3のロータに結合される回転軸を回転駆動している最中に、前記動力伝達装置の運転状態に応じて出力される前記原動機の始動開始の信号を検出し、該信号の検出がなされたとき、前記二次電池に蓄えられた電力により前記第1の電動機駆動回路を制御して前記第1の電動機を駆動し、前記原動機の出力軸をクランキングすると共に、該クランキングの際に該原動機の出力軸に加えられるトルクと略同一のトルクを、該クランキングに伴って前記第2のロータに結合される回転軸に付加するよう前記第2の電動機駆動回路を制御して第2の電動機を駆動し、前記クランキングに伴って前記原動機への燃料供給や火花点火を行なって、前記原動機を始動することを要旨とする。
【0032】この第2の原動機の始動方法によれば、第2の電動機により第3のロータに動力を伝達している最中に原動機を始動することができる。しかも第2の電動機によりクランキングに要するトルクを付加するから、第3のロータに結合される回転軸に生じるトルクの変化を防止することができる。
【0033】
【発明の他の態様】本発明は、以下のような他の態様をとることも可能である。
【0034】第1の態様は、前記第1ないし第4のいずれかの原動機の始動装置において、前記第2の電動機駆動回路は、前記第2の電動機から電力を回生可能な回路であり、前記二次電池は、前記第2の電動機駆動回路を介して前記第2の電動機から回生した電力を蓄える電池であるものとすることもできる。
【0035】こうすれば、第2の電動機により回生した電力をも蓄えることができ、動力伝達装置におけるエネルギ効率を高めることができる。
【0036】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を実施例に基づいて説明する。図1は、本発明の一実施例としてのエンジンの始動装置10を車両に搭載した際の概略構成図である。図示するように、エンジンの始動装置10は、大きくは、動力源であるエンジン50と、エンジン50を運転制御する電子制御ユニット(以下、EFIECUと呼ぶ)と、エンジン50の出力軸であるクランクシャフト56に取り付けられた動力伝達装置20と、動力伝達装置20を駆動・制御する制御装置80とから構成されている。以下、各部について説明する。
【0037】エンジン50は、ガソリンにより運転されるガソリンエンジンであり、吸気系からスロットルバルブ66を介して吸入した空気と燃料噴射弁51から噴射されたガソリンとの混合気を燃焼室52に吸入し、この混合気の爆発により押し下げられるピストン54の運動をクランクシャフト56の回転運動に変換する。ここで、スロットルバルブ66は、アクチュエータ67により開閉駆動される。点火プラグ62は、イグナイタ58からディストリビュータ60を介して導かれた高電圧によって電気火花を形成し、混合気はその電気火花によって点火されて爆発燃焼する。
【0038】このエンジン50の運転は、上述したようにEFIECU70により制御されている。EFIECU70には、エンジン50の運転状態を示す種々のセンサが接続されている。例えば、スロットルバルブ66のポジション(開度)を検出するスロットルバルブポジションセンサ68、原動機の50の負荷を検出する吸気管負圧センサ72、エンジン50の水温を検出する水温センサ74、ディストリビュータ60に設けられクランクシャフト56の回転数と回転角度を検出する回転数センサ76及び回転角度センサ78などである。なお、EFIECU70には、この他、例えばイグニッションキーの状態STを検出するスタータスイッチ79なども接続されているが、その他のセンサ,スイッチなどの図示は省略した。
【0039】エンジン50の出力軸であるクランクシャフト56に取り付けられた動力伝達装置20は、駆動軸22によりディファレンシャルギヤ24に結合されており、動力伝達装置20からのトルクが最終的に左右の駆動輪26,28に伝達される。この動力伝達装置20を駆動制御する制御装置80の構成は後で詳述するが、内部には制御CPUが備えられており、シフトレバー82に設けられたシフトポジションセンサ84やアクセルペダル64に設けられたアクセルペダルポジションセンサ65なども接続されている。また、制御装置80は、上述したEFIECU70と通信により、種々の情報をやり取りしている。これらの情報のやり取りを含む制御については、後述する。
【0040】図2は動力伝達装置20および動力伝達装置20を駆動制御する制御装置80の概略を例示する構成図、図3は動力伝達装置20を構成するクラッチモータ30及びアシストモータ40の構造を示す断面図である。図2に示すように、エンジン50のクランクシャフト56の一端に取り付けられた動力伝達装置20は、大きくは、クランクシャフト56にアウタロータ32が機械的に結合されたクラッチモータ30と、このクラッチモータ30のインナロータ34に機械的に結合されたロータ42を有するアシストモータ40とから構成されている。
【0041】クラッチモータ30は、図2に示すように、アウタロータ32の内周面に永久磁石35を備え、インナロータ34に形成されたスロットに三相のコイル36を巻回する同期電動機として構成されている。この三相コイル36への電力は、回転トランス38を介して供給される。インナロータ34において三相コイル36用のスロット及びティースを形成する部分は、無方向性電磁鋼板の薄板を積層することで構成されている。なお、クランクシャフト56には、その回転角度θeを検出するレゾルバ39が設けられているが、このレゾルバ39は、ディストリビュータ60に設けられた回転角度センサ78と兼用することも可能である。
【0042】他方、アシストモータ40も同期電動機として構成されているが、回転磁界を形成する三相コイル44は、ケース45に固定されたステータ43に巻回されている。このステータ43も、無方向性電磁鋼板の薄板を積層することで形成されている。ロータ42の外周面には、複数個の永久磁石46が設けられている。アシストモータ40では、この永久磁石46により磁界と三相コイル44が形成する磁界との相互作用により、ロータ42が回転する。ロータ42が機械的に結合された軸は、動力伝達装置20のトルクの出力軸である駆動軸22であり、駆動軸22には、その回転角度θdを検出するレゾルバ48が設けられている。また、駆動軸22は、ケース45に設けられたベアリング49により軸支されている。
【0043】係るクラッチモータ30とアシストモータ40とは、クラッチモータ30のインナロータ34がアシストモータ40のロータ42、延いては駆動軸22に機械的に結合されている。従って、エンジン50と両モータ30,40の関係を簡略を言えば、エンジン50のクランクシャフト56の回転及び軸トルクが、クラッチモータ30のアウタロータ32からインナロータ34に伝達されたとき、アシストモータ40による回転とトルクがこれに加減算されるということになる。
【0044】アシストモータ40は、通常の永久磁石型三相同期モータとして構成されているが、クラッチモータ30は、永久磁石35を有するアウタロータ32も三相コイル36を備えたインナロータ34も、共に回転するよう構成されている。そこで、クラッチモータ30の構成の詳細について、図2を用いて補足する。クラッチモータ30のアウタロータ32は、クランクシャフト56に嵌合されたホイール57の外周端に圧入ピン59a及びネジ59bにより取り付けられている。ホイール57の中心部は、軸形状に突設されており、ここにベアリング37A,37Bを用いてインナロータ34が回転自在に取り付けられている。また、インナロータ34には、駆動軸22の一端が固定されている。
【0045】アウタロータ32に永久磁石35が設けられていることは既に説明した。この永久磁石35は、実施例では4個設けられており、アウタロータ32の内周面に貼付されている。その磁化方向はクラッチモータ30の軸中心に向かう方向であり、一つおき磁極の方向は逆向きになっている。この永久磁石35と僅かなギャップにより対向するインナロータ34の三相コイル36は、インナロータ34に設けられた計24個のスロット(図示せず)に巻回されており、各コイルに通電すると、スロットを隔てるティースを通る磁束を形成する。各コイルに三相交流を流すと、この磁界は回転する。三相コイル36の各々は、回転トランス38から電力の供給を受けるよう接続されている。この回転トランス38は、ケース45に固定された一次巻線38Aとインナロータ34に結合された駆動軸22に取り付けられた二次巻線38Bとからなり、電磁誘導により、一次巻線38Aと二次巻線38Bとの間で、双方向に電力をやり取りすることができる。なお、三相(U,V,W相)の電流をやり取りするために、回転トランス38には三相分の巻線が用意されている。
【0046】隣接する一組の永久磁石35が形成する磁界と、インナロータ34に設けられた三相コイル36が形成する回転磁界との相互作用により、アウタロータ32とインナロータ34とは種々の振る舞いを示す。通常は、三相コイル36に流す三相交流の周波数は、クランクシャフト56に直結されたアウタロータ32の回転数(1秒間の回転数)とインナロータ34の回転数との偏差の周波数としている。この結果、両者の回転には滑りを生じることになる。クラッチモータ30及びアシストモータ40の制御の詳細については、後でフローチャートを用いて詳しく説明する。
【0047】制御装置80は、クラッチモータ30を駆動する第1の駆動回路91、アシストモータ40を駆動する第2の駆動回路92、両駆動回路91,92を制御する制御CPU90、二次電池であるバッテリ94から構成されている。制御CPU90は、1チップマイクロプロセッサであり、内部に、ワーク用のRAM90a、処理プログラムを記憶したROM90b、入出力ポート(図示せず)及びEFIECU70と通信を行なうシリアル通信ポート(図示せず)を備える。この制御CPU90には、レゾルバ39からのエンジン回転角度θe、レゾルバ48からの駆動軸回転角度θd、アクセルペダルポジションセンサ65からのアクセルペダルポジション(アクセルペダルの踏込量)AP、シフトポジションセンサ84からのシフトポジションSP、第1の駆動回路91に設けられた2つの電流検出器95,96からのクラッチ電流値Iuc,Ivc、第2の駆動回路に設けられた2つの電流検出器97,98からのアシスト電流値Iua,Iva、バッテリ94の残容量を検出する残容量検出器99からの残容量BRMなどが、入力ポートを介して入力されている。なお、残容量検出器99は、バッテリ94の電解液の比重またはバッテリ94の全体の重量を測定して残容量を検出するものや、充電・放電の電流値と時間を演算して残容量を検出するものや、バッテリの端子間を瞬間的にショートさせて電流を流し内部抵抗を測ることにより残容量を検出するものなどが知られている。
【0048】また、制御CPU90からは、第1の駆動回路91に設けられたスイッチング素子である6個のトランジスタTr1乃至Tr6を駆動する制御信号SW1と、第2の駆動回路92に設けられたスイッチング素子としての6個のトランジスタTr11乃至Tr16を駆動する制御信号SW2とが出力されている。第1の駆動回路91内の6個のトランジスタTr1乃至Tr6は、トランジスタインバータを構成しており、それぞれ、一対の電源ラインP1,P2に対してソース側とシンク側となるよう2個ずつペアで配置され、その接続点に、クラッチモータ30の三相コイル(UVW)36の各々が、回転トランス38を介して接続されている。電源ラインP1,P2は、バッテリ94のプラス側とマイナス側に、それぞれ接続されているから、制御CPU90により対をなすトランジスタTr1乃至Tr6のオン時間の割合を制御信号SW1により順次制御し、各コイル36に流れる電流を、PWM制御によって擬似的な正弦波にすると、三相コイル36により、回転磁界が形成される。
【0049】他方、第2の駆動回路92の6個のトランジスタTr11乃至Tr16も、トランジスタインバータを構成しており、それぞれ、第1の駆動回路91と同様に配置されていて、対をなすトランジスタの接続点は、アシストモータ40の三相コイル44の各々に接続されている。従って、制御CPU90により対をなすトランジスタTr11乃至Tr16のオン時間を制御信号SW2により順次制御し、各コイル44に流れる電流を、PWM制御によって擬似的な正弦波にすると、三相コイル44により、回転磁界が形成される。
【0050】こうして構成された実施例のエンジンの始動装置10の動作について説明する。エンジン50が運転されていない状態から、使用者がスタータスイッチ79を操作して車両を始動しようとすると、スタータスイッチ79の操作を認識したEFIECU70は、後述する制御装置80によるクランキングに伴ってエンジン50への燃料噴射制御やイグナイタ58による点火制御等を行なうと共に、始動の要求を制御装置80に通信により伝達する。制御装置80の制御CPU90は、この要求を受け取ると、図4に例示するスタータ処理ルーチンに基づくスタータ処理を行なう。
【0051】スタータ処理では、制御CPU90は、まずエンジン50の回転数Neをレゾルバ39から読み込み(ステップS102)、次に回転数Neが値0であるか否かの判断を行なう(ステップS104)。このルーチンが呼び出された時点でのエンジン50の回転数Neが値0でなければ、始動時ではないと判断して、何も行なわずに制御を停止して(ステップS116)、本ルーチンを終了する。このルーチンが呼び出された時点でのエンジン50の回転数Neが値0であれば、スタータ処理を実行するものと判断し、再度EFIECU70とやり取りしてスタータスイッチ79がオンであるか否かを確認する(ステップS106)。スタータ処理の途中でスタータスイッチ79がオフにされた場合には、制御を停止するのである(ステップS116)。
【0052】スタータスイッチ79がオンになっていれば、アシストモータ40を固定、即ち駆動軸22が回転しないようアシストモータ40を位置制御する処理を行なう(ステップS108)。即ち、後述するクラッチモータ30によりスタータ用のトルクTSTをクランクシャフト56に作用させた際、駆動軸22が回転しないようトルクTSTに対向可能なトルクを発生し得る定電流を流して、駆動軸22をアシストモータ40によりサーボロックするのである。この結果、クラッチモータ30によるクランキングがなされても、駆動軸22は回転しない。
【0053】その後、クラッチモータ30により発生させるトルクTcをスタータ用のトルクTSTとする制御を行なう(ステップS110)。具体的には、図5に例示するクラッチモータ制御処理を行なってクラッチモータ30を制御する。なお、このクラッチモータ制御処理は、スタータ処理時の制御だけでなく、始動後の種々の運転時の制御にも用いられる。以下にクラッチモータ制御について説明する。
【0054】クラッチモータ制御処理では、図5に示すように、まず駆動軸22の回転角度θdをレゾルバ48から読み込む処理(ステップS122)が行なわれる。次に、レゾルバ39からエンジン50のクランクシャフト56の回転角度θeを入力し(ステップS124)、両軸の相対角度θcを求める処理を行なう(ステップS126)。即ち、θc=θe−θdを演算するのである。
【0055】次に、電流検出器95,96により、クラッチモータ30の三相コイル36のU相とV相に流れている電流Iuc,Ivcを検出する処理を行なう(ステップS128)。電流はU,V,Wの三相に流れているが、その総和はゼロなので、二つの相に流れる電流を測定すれば足りる。こうして得られた三相の電流を用いて座標変換(三相−二相変換)を行なう(ステップS130)。座標変換は、永久磁石型の同期電動機のd軸,q軸の電流値に変換することであり、次式(1)を演算することにより行なわれる。
【0056】
【数1】

【0057】ここで座標変換を行なうのは、永久磁石型の同期電動機においては、d軸及びq軸の電流が、トルクを制御する上で本質的な量だからである。もとより、三相のまま制御することも可能である。次に、2軸の電流値に変換した後、クラッチモータ30におけるトルク指令値Tc*(スタータ処理時では−TST)から求められる各軸の電流指令値Idc*,Iqc*と実際各軸に流れた電流Idc,Iqcと偏差を求め、各軸の電圧指令値Vdc,Vqcを求める処理を行なう(ステップS132)。即ち、まず以下の式(2)の演算を行ない、次に次式(3)の演算を行なうのである。なお、このクラッチモータ制御処理では、トルク指令値Tc*は、駆動軸22の正転方向(車両が前進する方向)に作用するトルクを正(プラス)としているから、駆動軸22の逆転方向(車両が逆進する方向)に作用するトルクが駆動軸22に加えられることによりその反力としてエンジン50がクランキングされるスタータ処理時では負(マイナス)となる。
【0058】
【数2】

【0059】
【数3】

【0060】ここで、Kp1,2及びKi1,2は、各々係数である。これらの係数は、適用するモータの特性に適合するよう調整される。
【0061】ここで、電圧指令値Vdc,Vqcは、電流指令値I*との偏差△Iに比例する部分(上式(3)右辺第1項)と偏差△Iのi回分の過去の累積分(右辺第2項)とから求められる。その後、こうして求めた電圧指令値をステップS130で行なった変換の逆変換に相当する座標変換(二相−三相変換)を行ない(ステップS134)、実際に三相コイル36に印加する電圧Vuc,Vvc,Vwcを求める処理を行なう。各電圧は、次式(4)により求める。
【0062】
【数4】

【0063】実際の電圧制御は、第1の駆動回路91のトランジスタTr1乃至Tr6のオンオフ時間によりなされるから、式(4)によって求めた各電圧指令値となるよう各トランジスタTr1乃至Tr6のオン時間をPWM制御する(ステップS136)。以上の処理により、クラッチモータ30が機械的に駆動軸22に伝達するトルクを目標トルクにする制御が行なわれる。なお、スタータ処理時では、トルク指令値Tc*が負の値(−TST)であり、駆動軸22がアシストモータ40により回転しないように固定されているから、駆動軸22の逆転方向に作用するトルクTSTの反力として、エンジン50の正転方向に作用するトルクTSTがクランクシャフト56に作用することになる。
【0064】こうしたアシストモータ40の位置制御およびクラッチモータ30の制御により、駆動軸22を固定した状態でエンジン50のクランクシャフト56が回転されるから、クラッチモータ30がスタータモータとして働き、クランキングがなされる。EFIECU70は、このクランキングに伴ってエンジン50への燃料噴射制御や点火制御を行なう。図4のスタータ処理ルーチンでは、アシストモータ40の位置制御とクラッチモータ30の制御をした後、制御CPU90は、エンジン50の回転数Neを読み込み(ステップS112)、この回転数が完爆と判断できる回転数NSTを越えたか否かの判断を行なう(ステップS114)。読み込んだ回転数Neが完爆と判断できる回転数NST以下であれば、ステップS106に戻って上述した処理を繰り返す。
【0065】こうしたクラッチモータ30によるクランキングと、EFIECU70による燃料噴射制御および点火制御により、エンジン50はやがて完爆に至り、クランクシャフト56の回転数は上昇する。この結果、ステップS114でエンジン50の回転数Neが回転数NSTを上回ったと判断されると、制御CPU90は、スタータ用の制御を停止し(ステップS116)、「END」に抜けて本制御ルーチンを終了する。
【0066】以上説明したスタータ処理により、スタータモータがなくても、動力伝達装置20を用いてエンジン50を始動することができる。従って、スタータモータの組付けの手間やコストを削減できるだけでなく、スタータモータの重量分だけ車両の重量を軽減することもできる。
【0067】なお、上記実施例では、クランキングの際、駆動軸22が回転しないよう駆動軸22をアシストモータ40で固定する位置制御を行なったが、クラッチモータ30により発生するトルクを相殺するトルクをアシストモータ40に発生させることにより、駆動軸22が回転しないようにしてもよい。こうした相殺するトルクをアシストモータ40に発生させる構成では、車両が坂道に止まっている状態でクランキングを行なうと車両が車重により移動し駆動軸22が回転してしまうので、アシストモータ40に発生させるトルクを、上述の相殺するトルクに車重と傾斜とによる力をトルクとして付加したものとして制御する。また、駆動軸22から駆動輪26,28に動力を伝達する途中にクラッチなどを設け、始動を行なうときには、このクラッチを動作させて動力の伝達を遮断する構成としても良い。もとより、駆動軸22が回転しないよう駆動軸22を車両に固定する固定部材を設けてもよい。
【0068】本実施例では、アシストモータ40側でその回転軸を固定しクラッチモータ30によりクランキングを行なうものとして説明したが、駆動軸22から駆動輪までの間にクラッチを設け、始動時にはクラッチにより動力の伝達を遮断するものとすれば、クラッチモータ30をロックアップ状態とし、アシストモータ40の回転によりクランキングを行なうものとすることもできる。この場合、クランクシャフト56にアシストモータ40が発生するトルクが伝達されればよいので、クラッチモータ30は必ずしもロックアップ状態とする必要はなく、滑りを生じても差し支えない。
【0069】こうしてエンジン50が始動されると、エンジン50により発生するエネルギが動力伝達装置20により駆動軸22に伝達される。動力伝達装置20の動作原理、特にトルク変換の原理は以下の通りである。エンジン50がEFIECU70により運転され、所定の回転数N1で回転しているとする。このとき、制御装置80が回転トランス38を介してクラッチモータ30の三相コイル36に何等電流を流していないとすれば、即ち第1の駆動回路91のトランジスタTr1乃至Tr6が常時オフ状態であれば、三相コイル36には何等の電流も流れないから、クラッチモータ30のアウタロータ32とインナロータ34とは電磁的に全く結合されていない状態となり、エンジン50のクランクシャフト56は空回りしている状態となる。この状態では、トランジスタTr1乃至Tr6がオフとなっているから、三相コイル36からの回生も行なわれない。即ち、エンジン50はアイドル回転をしていることになる。
【0070】制御装置80の制御CPU90が制御信号SW1を出力してトランジスタをオンオフ制御すると、エンジン50のクランクシャフト56の回転数と駆動軸22の回転数との偏差(言い換えれば、クラッチモータ30におけるアウタロータ32とインナロータ34の回転数差)に応じて、クラッチモータ30の三相コイル36に一定の電流が流れる。即ち、クラッチモータ30は発電機として機能し、電流が第1の駆動回路91を介して回生され、バッテリ94が充電される。この時、アウタロータ32とインナロータ34とは一定の滑りが存在する結合状態となる。即ち、エンジン50のクランクシャフト56の回転数よりは低い回転数でインナロータ34は回転する。この状態で、回生された電気エネルギと等しいエネルギがアシストモータ40で消費されるように、制御CPU90が第2の駆動回路92を制御すると、アシストモータ40の三相コイル44に電流が流れ、アシストモータ40においてトルクが発生する。図6に照らせば、クランクシャフト56が回転数N1,トルクT1で運転しているとき、領域G1のエネルギをクラッチモータ30から回生し、これをアシストモータ40に付与することで、駆動軸22を回転数N2,トルクT2で回転するということになる。こうして、クラッチモータ30における滑り(回転数差)に応じたエネルギがトルクとして駆動軸22に付与され、トルクの変換が行なわれることになる。
【0071】また、こうした動力伝達装置20では、バッテリ94の充電容量やその状態によっては、アシストモータ40のみにより車両を駆動することもできる。即ち、クラッチモータ30のトルクTcを値0とし、バッテリ94からの電力を用いてアシストモータ40を駆動して車両を駆動するのである。この場合、クラッチモータ30のトルクTcは値0なので、エンジン50を停止することもできる。
【0072】このようにエンジン50を停止しアシストモータ40のみにより車両を駆動している際に、バッテリ94の残容量BRMが所定値より低下した場合や、使用者によりエンジン50からの動力に切り替える指示などがなされると、その信号がエンジン50を始動する信号としてEFIECU70に入力される。EFIECU70は、この信号が入力されると、後述する制御装置80によるクランキングに伴ってエンジン50への燃料噴射制御やイグナイタ58による点火制御等を行なうと共に、エンジン50の始動の要求を制御装置80に通信により伝達する。この通信の伝達を受けた制御装置80は、図7に例示する走行時スタータ処理ルーチンに基づくスタータ処理を行なってエンジン50をクランキングする。以下、車両がアシストモータ40による走行状態におけるエンジン50の始動処理(走行時スタータ処理)について、図7に例示する走行時スタータ処理ルーチンに基づき説明する。
【0073】走行時スタータ処理ルーチンが実行されると、制御CPU90は、まずエンジン50の回転数Neをレゾルバ39から読み込み(ステップS140)、次に回転数Neが値0であるか否かの判断を行なう(ステップS142)。このルーチンが呼び出された時点でのエンジン50の回転数Neが値0でなければ、スタータ処理時ではないと判断して、何も行なわずに本ルーチンを終了する。
【0074】このルーチンが呼び出された時点でのエンジン50の回転数Neが値0であれば、スタータ処理を実行するものと判断し、アシストモータ40のトルク指令値Ta*を読み込む処理を実行する(ステップS144)。ここで、アシストモータ40のトルク指令値Ta*は、車両がアシストモータ40のみにより駆動されているから、運転者が欲している出力トルク(即ち、駆動軸22のトルク)として求められる出力トルク指令値Td*に一致する。この運転者が欲している出力トルクは、アクセルペダルポジションセンサ65により検出されるアクセルペダル64の踏込量(アクセルペダルポジションAP)として検出され、出力トルク指令値Td*は、この検出されたアクセルペダルポジションAPに基づいて、予め記憶されたアクセルペダルポジションAPと出力トルク指令値Td*との関係を示す図示しないマップにより求められる。
【0075】アシストモータ40のトルク指令値Ta*を読み込むと、アシストモータ40のトルクTaを、読み込んだトルク指令値Ta*にクラッチモータ30により発生させるスタータ用のトルクTSTを加えたトルク(即ち、Ta=Ta*+TST)とする制御を行なうと共に(ステップS146)、クラッチモータ30により発生させるトルクTcをスタータ用のトルクTSTとする制御を行なう(ステップS148)。ここで、図7に示す走行時スタータ処理ルーチンでは、アシストモータ40の制御の次にクラッチモータ30の制御を行なう順に記載されているが、両制御は同時に行なわれる。このように、クラッチモータ30によるトルクTSTでのクランキングに伴って、アシストモータ40のトルクTaを、アクセルペダルポジションAPから求められるトルク指令値Ta*にクラッチモータ30により発生させるスタータ用のトルクTSTを付加したものとするから、駆動軸22に作用するトルクは、クランキングの前後で変わらない。なお、クラッチモータ30の制御は、図5に示すクラッチモータ制御処理と同じ処理により行なわれるから、ここでは説明は省略する。アシストモータ40の制御は、図8に例示するアシストモータ制御処理に基づいて行なわれる。
【0076】アシストモータ制御では、制御CPU90は、まず駆動軸22の回転角度θdをレゾルバ48から読み込む処理(ステップS160)が行なわれる。次に、電流検出器97,98により、アシストモータ40の三相コイル44のU相とV相に流れている電流Iua,Ivaを検出する処理を行なう(ステップS162)。三相の電流の総和がゼロであることから、W相の電流は、U相とV相の電流を測定することにより求められるのは前述した。その後、求めた三相の電流を用いて座標変換し(ステップS164)、電圧指令値Vda,Vqaの演算を行ない(ステップS166)、更に電圧指令値の逆座標変換(ステップS168)を行なって、アシストモータ40の第2の駆動回路92のトランジスタTr11乃至Tr16のオンオフ制御時間を求め、PWM制御を行なう(ステップS170)。これらの処理(ステップS164ないしS170)は、図5に示すクラッチモータ制御処理のステップS130ないしS136の処理と同一なので、詳細な説明は省略する。
【0077】こうしたアシストモータ40の制御およびクラッチモータ30の制御により、駆動軸22へのトルク変動なしにエンジン50のクランクシャフト56が回転される。EFIECU70は、こうしたクランキングに伴って、燃料噴射制御や点火制御を行う。図7の走行時スタータ処理ルーチンでは、アシストモータ40およびクラッチモータ30の制御をした後、制御CPU90は、エンジン50の回転数Neを読み込み(ステップS150)、この回転数が完爆と判断できる回転数NSTを越えたか否かの判断を行なう(ステップS152)。読み込んだ回転数Neが完爆と判断できる回転数NST以下であれば、ステップS144に戻って上述した処理を繰り返す。
【0078】こうしたクラッチモータ30によるクランキングと、EFIECU70による燃料噴射制御および点火制御により、エンジン50はやがて完爆に至り、クランクシャフト56の回転数は上昇する。この結果、ステップS152でエンジン50の回転数Neが回転数NSTを上回ったと判断されると、制御CPU90は、走行時におけるスタータ用の制御を停止し(ステップS154)、「END」に抜けて本制御ルーチンを終了する。
【0079】こうしたクランキングの際の駆動軸22に作用するトルクTd,アシストモータ40のトルクTa,クラッチモータ30のトルクTcおよびエンジン50の回転数Neの変化の様子を図9に示す。図示するように、時刻T1でエンジン50の始動の信号が入力され、アシストモータ40のトルクTaをTa=Ta*+TSTと制御すると共にクラッチモータ30のトルクTcをTc=−TSTと制御してクランキングを開始する。ここで、クラッチモータ30のトルクTcを負の値(−TST)とするのは、トルクTcの符号を駆動軸22の正転方向に作用するトルクを正(プラス)とすることにより、クランキングでは、エンジン50を正転する方向のトルク、即ちその半力として駆動軸22を逆転する方向にトルクを作用させることによるのは前述した。
【0080】クラッチモータ30によりクランクシャフト56にトルクTSTを作用させることにより、エンジン50のエンジン50の回転数Neは上昇し、時刻T2に完爆となり、アシストモータ40の制御およびクラッチモータ30の制御を終了する。エンジン50は、EFIECU70による燃料噴射制御や点火制御およびスロットルバルブ66の開度制御によりアイドル回転数に落ちつく。駆動軸22に作用するトルクTdは、アシストモータ40のトルクTaとクラッチモータ30のトルクTcとの和(Td=Ta+Tc)であるから時刻T1から時刻T2を含むクランキングの前中後で変化しない。
【0081】なお、図9では、説明を簡単にするため、運転者が欲するトルクTd*をクランキングの最中に変化しないものとしたが、運転者が欲するトルクTd*をクランキングの最中に変化させても、その変化に追従し更にスタータ用のトルクTSTが付加されてアシストモータ40から駆動軸22にトルクが作用するから、駆動軸22には、運転者が欲するトルクTd*がそのまま作用することになる。
【0082】こうしてエンジン50が完爆に至り、走行時スタータ処理を終了すると、前述した動力伝達装置20の動作原理で、エンジン50により発生するエネルギが動力伝達装置20により駆動軸22に伝達される制御に切り換えられる。
【0083】以上、説明した走行時スタータ処理により、スタータモータがなくても、走行状態においても動力伝達装置20を用いてエンジン50を始動することができる。しかも、クラッチモータ30により発生させるクランキングに要するトルクTSTをアシストモータ40のトルクに付加するから、駆動軸22のクランキングに伴うトルク変動をなくすことができ、乗り心地をより向上させることができる。
【0084】なお、実施例では、クラッチモータ30により発生させるスタータ用のトルクTSTを駆動軸22に要求されているトルクに付加してアシストモータ40を駆動したが、クランキングに伴う駆動軸22のトルク変動が若干許されるタイプであれば、駆動軸22に要求されているトルクに付加するトルクは、スタータ用のトルクTSTに完全に一致させなくてもよい。
【0085】また、実施例では、車両がアシストモータ40により走行状態にあるときにエンジン50を始動するものとして説明したが、車両が停止している状態でエンジン50を始動してもよい。この場合、アシストモータ40のトルク指令値Ta*は値0であるから、アシストモータ40のトルクTaはスタータ用のトルクTSTとなり、図4のスタータ処理ルーチンを用いて説明したスタータ処理の一態様となる。
【0086】次に、本発明の第2の実施例であるエンジンの始動装置10Bについて説明する。第2実施例のエンジンの始動装置10Bは、第1実施例のエンジンの始動装置10の構成のうち動力伝達装置20のクラッチモータ30とアシストモータ40との配置が異なる点を除いて同一の構成をしている。したがって、第2実施例のエンジンの始動装置10Bの構成のうち第1実施例のエンジンの始動装置10と同一の構成については同一の符号を付し、その説明は省略する。
【0087】図10は、第2実施例のエンジンの始動装置10Bが備えるエンジン50と動力伝達装置20Bの構成の概略を例示する構成図である。第2実施例のエンジンの始動装置10Bが構成として備える動力伝達装置20Bでは、アシストモータ40Bは、エンジン50とクラッチモータ30Bとの間のクランクシャフト56に取り付けられている。
【0088】次に、こうして構成された第2実施例のエンジンの始動装置10Bの動作について説明する。エンジン50が運転されていない状態から、使用者がスタータスイッチ79を操作して車両を始動しようとすると、スタータスイッチ79の操作を認識したEFIECU70は、第1実施例のエンジンの始動装置10と同様に、後述する制御装置80によるクランキングに伴ってエンジン50への燃料噴射制御やイグナイタ58による点火制御等を行なうと共に、始動の要求を制御装置80に通信により伝達する。制御装置80の制御CPU90は、この要求を受け取ると、図11に例示するスタータ処理ルーチンに基づくスタータ処理を行なう。
【0089】このスタータ処理ルーチンが実行されると、制御CPU90は、第1実施例のスタータ処理ルーチン(図4)と同様に、エンジン50の回転数Neをレゾルバ39から読み込み(ステップS202)、回転数Neが値0であるか否かの判断を行なう(ステップS204)。エンジン50の回転数Neが値0でなければ、始動時ではないと判断して、何も行なわずに制御を停止して(ステップS216)、本ルーチンを終了し、エンジン50の回転数Neが値0であれば、再度EFIECU70とやり取りしてスタータスイッチ79がオンであるか否かを確認する(ステップS206)。
【0090】スタータスイッチ79がオンになっていれば、クラッチモータ30BのトルクTcを値0とする制御を行なうと共に(ステップS208)、アシストモータ40Bにより発生させるトルクTaをスタータ用のトルクTSTとする制御を行なう(ステップS210)。具体的には、トランジスタTr1乃至Tr6をオフとしてクラッチモータ30Bのアウタロータ32とインナロータ34との電磁的な結合力を値0とすると共に、アシストモータ40Bのトルク指令値Ta*=TSTとして図8に例示するアシストモータ制御処理を行なってアシストモータ40Bを制御することになる。
【0091】こうしたクラッチモータ30Bの制御とアシストモータ40Bの制御とにより、アシストモータ40Bがスタータモータとして働き、エンジン50のクランクシャフト56が回転され、クランキングがなされる。EFIECU70は、このクランキングに伴ってエンジン50への燃料噴射制御や点火制御を行なう。図11のスタータ処理ルーチンでは、クラッチモータ30Bの制御とアシストモータ40Bの制御をした後、制御CPU90は、エンジン50の回転数Neを読み込み(ステップS212)、この回転数が完爆と判断できる回転数NSTを越えたのを判断して(ステップS214)、スタータ用の制御を停止し(ステップS216)、「END」に抜けて本制御ルーチンを終了する。なお、エンジン50の回転数Neが完爆と判断できる回転数NSTを越えるまでは、ステップS206に戻って上述した処理を繰り返す。
【0092】以上説明した第2実施例のエンジンの始動装置10Bによれば、スタータモータがなくても、動力伝達装置20Bを用いてエンジン50を始動することができる。従って、スタータモータの組付けの手間やコストを削減できるだけでなく、スタータモータの重量分だけ車両の重量を軽減することもできる。
【0093】なお、第2実施例のエンジンの始動装置10Bでは、クラッチモータ30BのトルクTcを値0とすると共にアシストモータ40Bによりクランキングしたが、駆動軸22を固定する固定部材を設け、この固定部材で駆動軸22が回転しないよう固定した状態で、クラッチモータ30Bによりクランクシャフト56をクランキングするものとしてもよい。この場合、クラッチモータ30Bのトルク指令値Tc*にスタータ用のトルクTSTを負の値として代入し、図5のクラッチモータ制御処理によりクラッチモータ30Bを制御すればよい。
【0094】こうしてエンジン50が始動されると、エンジン50により発生するエネルギが動力伝達装置20Bにより駆動軸22に伝達されるが、その動作原理、特にトルク変換の原理は、第1実施例で説明したので、ここでは省略する。
【0095】第2実施例の動力伝達装置20Bでは、バッテリ94の充電容量やその状態によっては、クラッチモータ30Bのみにより車両を駆動することもできる。即ちバッテリ94からの電力を用いてクラッチモータ30Bを駆動して車両を駆動するのである。この場合、クラッチモータ30Bから駆動軸22にトルクTcを作用させるためには、その反力としてのトルクをクランクシャフト56で支える必要がある。第2実施例の動力伝達装置20Bでは、エンジン50を停止し、アシストモータ40Bによりクランクシャフト56をサーボロックにより固定して、クラッチモータ30Bによる駆動軸22へのトルクTcの反力を支えるように制御されている。
【0096】このようにエンジン50を停止しアシストモータ40Bによりクランクシャフト56をロック状態としクラッチモータ30Bにより車両を駆動している際に、バッテリ94の残容量BRMが所定値より低下したり、使用者によりエンジン50からの動力に切り替える指示などがなされると、その信号がエンジン50を始動する信号としてEFIECU70に入力される。EFIECU70は、この信号が入力されると、後述する制御装置80によるクランキングに伴ってエンジン50への燃料噴射制御やイグナイタ58による点火制御等を行なうと共に、エンジン50の始動の要求を制御装置80に通信により伝達する。この通信の伝達を受けた制御装置80は、図12に例示する走行時スタータ処理ルーチンに基づくスタータ処理を行なってエンジン50をクランキングする。以下、こうしたエンジン50を停止しての走行状態におけるエンジン50の始動処理(走行時スタータ処理)について、図12に例示する走行時スタータ処理ルーチンに基づき説明する。
【0097】第2実施例の走行時スタータ処理では、制御CPU90は、まずクラッチモータ30Bのトルク指令値Tc*を読み込む処理を実行する(ステップS220)。ここで、クラッチモータ30Bのトルク指令値Tc*は、運転者が欲している出力トルク(即ち、駆動軸22のトルク)として求められる出力トルク指令値Td*に一致する。次に、アシストモータ40BのトルクTaを、読み込んだクラッチモータ30Bのトルク指令値Tc*にスタータ用のトルクTSTを加えたトルク(即ち、Ta=Tc*+TST)とする制御を行なう(ステップS224)。このようにクラッチモータ30Bのトルク指令値Tc*にスタータ用のトルクTSTを加えてアシストモータ40BのトルクTaとするのは、エンジン50の停止時にはクラッチモータ30Bが駆動軸22に作用させるトルクTcの反力としてのトルクをアシストモータ40Bで支えているからである。なお、アシストモータ40Bの制御は、クラッチモータ30Bのトルク指令値Tc*にスタータ用のトルクTSTを加えたトルクTaをアシストモータ40Bのトルク指令値Ta*として図8のアシストモータ制御処理を行なうことによりなされる。
【0098】こうしたアシストモータ40Bの制御により、駆動軸22へのトルク変動なしにエンジン50のクランクシャフト56が回転される。EFIECU70は、こうしたクランキングに伴って燃料噴射制御や点火制御を行う。アシストモータ40Bの制御をした後は、制御CPU90は、エンジン50の回転数Neを読み込み(ステップS224)、この回転数が完爆と判断できる回転数NSTを越えたのを判断して(ステップS226)、走行時のスタータ用の制御を停止し(ステップS228)、「END」に抜けて本制御ルーチンを終了する。なお、エンジン50の回転数Neが完爆と判断できる回転数NSTを越えるまでは、ステップS220に戻って上述した処理を繰り返す。
【0099】こうしてエンジン50が完爆に至り、走行時スタータ処理を終了すると、第1実施例で説明した動力伝達装置20の動作原理と同様の原理で、エンジン50により発生するエネルギを動力伝達装置20Bにより駆動軸22に伝達する制御に切り換えられる。
【0100】以上、説明した第2実施例のエンジンの始動装置による走行時スタータ処理によれば、スタータモータがなくても、走行状態においても動力伝達装置20Bを用いてエンジン50を始動することができる。しかも、駆動軸22へ作用するトルクは、クラッチモータ30Bにより作用するトルクだけなので、クランキングによる駆動軸22のトルク変動はない。
【0101】第2実施例では、車両がエンジン50を停止しクラッチモータ30Bによる走行状態にあるときにエンジン50を始動するものとして説明したが、車両が停止している状態でエンジン50を始動してもよい。この場合、クラッチモータ30Bのトルク指令値Tc*は値0であるから、アシストモータ40のトルクTaはスタータ用のトルクTSTとなり、図11のスタータ処理ルーチンを用いて説明したスタータ処理と同様になる。
【0102】こうした第2実施例のエンジンの始動装置では、アシストモータ40Bをエンジン50とクラッチモータ30Bとの間のクランクシャフト56に取り付けたが、図13の動力伝達装置20Cのように、アシストモータ40Cをエンジン50を挟んでクラッチモータ30Cと対峙するよう配置してもよい。
【0103】以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明はこうした実施の形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
【0104】例えば、図2に示した実施例のエンジンの始動装置10が備える動力伝達装置20を4輪駆動車(4WD)に適用した場合は、図14に示すごとくになる。図14に示す構成では、駆動軸22に機械的に結合していたアシストモータ40を駆動軸22より分離して、車両の後輪部に独立して配置し、このアシストモータ40によって後輪部の駆動輪27,29を駆動する。一方、駆動軸22の先端はギヤ23を介してディファレンシャルギヤ24に結合されており、この駆動軸22によって前輪部の駆動輪26,28を駆動する。
【0105】このような構成の下においても、前述した各実施例の一部の処理を実現することが可能である。例えば、スタータ処理においては、駆動軸22を固定する固定部材を設け、この固定部材により駆動軸22を固定すると共に、クラッチモータ30のトルクTcをスタータ用のトルクTSTとしてクラッチモータ30を制御すれば、エンジン50を始動することができる。駆動軸22にクラッチを設ければ、エンジン50を停止しても、アシストモータ40により車両を駆動できる。このアシストモータ40による走行状態においてエンジン50を始動する走行時スタータ処理では、スタータ処理と同様に、クラッチとクラッチモータ30との間に駆動軸22を固定する固定部材を設け、この固定部材により駆動軸22を固定すると共に、クラッチモータ30のトルクTcをスタータ用のトルクTSTとしてクラッチモータ30を制御すれば、エンジン50を始動することができる。
【0106】ところで、上述した各実施例では、エンジン50としてガソリンにより運転されるガソリンエンジンを用いたが、その他に、ディーゼルエンジンや、タービンエンジンや、ジェットエンジンなど各種の内燃或いは外燃機関を用いることもできる。
【0107】また、実施例では、クラッチモータ30及びアシストモータ40としてPM形(永久磁石形;Permanent Magnet type)同期電動機を用いていたが、回生動作及び力行動作を行なわせるのであれば、その他にも、VR形(可変リラクタンス形;Variable Reluctance type)同期電動機や、バーニアモータや、直流電動機や、誘導電動機や、超電導モータや、ステップモータなどを用いることもできる。
【0108】さらに、実施例では、クラッチモータ30に対する電力の伝達手段として回転トランス38を用いたが、その他、スリップリング−ブラシ接触、スリップリング−水銀接触、或いは磁気エネルギの半導体カップリング等を用いることもできる。
【0109】あるいは、実施例では、第1および第2の駆動回路91,92としてトランジスタインバータを用いたが、その他に、IGBT(絶縁ゲートバイポーラモードトランジスタ;Insulated Gate Bipolar mode Transistor)インバータや、サイリスタインバータや、電圧PWM(パルス幅変調;Pulse Width Modulation)インバータや、方形波インバータ(電圧形インバータ,電流形インバータ)や、共振インバータなどを用いることもできる。
【0110】また、バッテリ94としては、Pbバッテリ,NiMHバッテリ,Liバッテリなどを用いることができるが、バッテリ94に代えてキャパシタを用いることもできる。
【0111】ところで、以上の各実施例では、エンジンの始動装置を車両に搭載する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、船舶,航空機などの交通手段や、その他各種産業機械などに搭載することも可能である。
【出願人】 【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
【出願日】 平成7年(1995)8月29日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】五十嵐 孝雄 (外3名)
【公開番号】 特開平9−42122
【公開日】 平成9年(1997)2月10日
【出願番号】 特願平7−245464