トップ :: D 繊維 紙 :: D02 糸;糸またはロ−プの機械的な仕上げ;整経またはビ−ム巻き取り




【発明の名称】 レーヨン混繊糸、その製造法及び製造装置
【発明者】 【氏名】谷本 直樹

【氏名】幡司 勝範

【氏名】山成 孝史

【氏名】大北 順二

【目的】
【構成】
【特許請求の範囲】
【請求項1】 紡糸ノズル、精練ローラー、乾燥ローラー、フィードローラー及びワインダーを備える紡糸錘Iと、該紡糸錘Iの精練ローラー以後のローラー間の任意の部位に1個以上の絡合ノズルを備える紡糸錘IIとが併設され、紡糸錘IIが紡糸錘Iを少なくとも1錘挟んで併設されているレーヨン糸の連続紡糸装置を用い、精練ローラーからワインダーの間において、紡糸錘I及び紡糸錘II間でローラー径を変更するか又はローラー回転数に差をもたせ、紡糸錘I及び紡糸錘IIを走行する糸条間に3〜20%の速度差を与えながら紡糸錘Iの走行糸条を紡糸錘IIへ誘導し、両糸条を合糸し、紡糸錘IIに設置された絡合ノズルにより流体絡合処理することを特徴とするレーヨン混繊糸の製造方法。
【請求項2】 請求項1に記載の製造法により得られる糸長差が3〜20%であるレーヨン混繊糸。
【請求項3】 紡糸ノズル、精練ローラー、乾燥ローラー、フィードローラー及びワインダーを備える紡糸錘Iと、該紡糸錘Iの精練ローラー以後のローラー間の任意の部位に1個以上の絡合ノズルを備える紡糸錘IIとが併設され、紡糸錘IIが紡糸錘Iを少なくとも1錘挟んで併設されていることを特徴とするレーヨン混繊糸の製造装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【産業上の利用分野】本発明は糸長差やループや毛羽を有する嵩高性レーヨン混繊糸の製造技術に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から衣料用素材としての糸条に嵩高性を付与すべく種々の方法が考えられ、特に、糸条を構成する繊維間の収縮特性差によって発現する糸長差を利用して嵩高性を付与するという試みがポリエステル繊維を中心に検討されてきた。
【0003】合成繊維は、熱と歪により支配される糸条であって、いろいろな手法により、かなりの範囲まで、しかも熱的な処理により、収縮の差(沸水収縮差)を生ぜしめることが出来る。それに対し、再生セルロース繊維であるレーヨン糸条は、繊維間で合成繊維のような大きな収縮差は望み難く、たとえあったとしても、乾湿による糸の動きにより組織としてその糸長差や嵩高性を維持することは難しい。
【0004】特開平3−19935号公報や特開平5−247762号公報において、沸水収縮率に差のあるレーヨン織物や再生セルロース長繊維混繊糸及び織編物の提唱が見られるが、前者はしぼ状があまり目立たなく極めて細かい表面変化を狙ったものであり、後者は特有のシルキー性光沢やしなやかな風合いを損なわずに膨らみのある混繊糸を提唱したものである。即ち、いずれも大きな糸長差や膨らみを期待することは難しい。
【0005】というのは、最も大きな沸水収縮差があると思われる連続紡糸法による連紡糸とポット巻き取りによるケーク糸の差で、たかだか3〜5%の収縮率差であり、この差も混繊組織として織編物にした場合、乾湿の繰り返しによる各糸の伸び縮みにより徐々にその糸長差や膨らみは緩和されてしまう。まして、同一製造法でビスコース、ドラフト率、延伸率、デニールなど種々変更することにより物性差や収縮差を得ようとしてもなかなか得られるものではない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、全く同質のレーヨン糸で構成されていても糸長差や膨らみが殆ど消滅せず、任意の大きさの糸長差や膨らみを有する種々の品質のレーヨン混繊糸を、特殊な装置や糸条を準備せずに容易に合理的に提供することであり、さらに、この糸条を用いた大きな膨らみやスパン調風合いを持った織編物を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、紡糸ノズル、精練ローラー、乾燥ローラー、フィードローラー及びワインダーを備える紡糸錘Iと、該紡糸錘Iの精練ローラー以後のローラー間の任意の部位に1個以上の絡合ノズルを備える紡糸錘IIとが併設され、紡糸錘IIが紡糸錘Iを少なくとも1錘挟んで併設されているレーヨン糸の連続紡糸装置(以下、単に連紡機と略称することもある。)を用い、精練ローラーからワインダーの間において、紡糸錘I及び紡糸錘II間でローラー径を変更するか又はローラー回転数に差をもたせ、紡糸錘I及び紡糸錘IIを走行する糸条間に3〜20%の速度差を与えながら紡糸錘Iの走行糸条を紡糸錘IIへ誘導し、両糸条を合糸し、紡糸錘IIに設置された絡合ノズルにより流体絡合処理することを特徴とするレーヨン混繊糸の製造方法である。また、本発明はかかる製造方法によって得られる糸長差が3〜20%のレーヨン混繊糸であり、さらに、該方法において使用されるレーヨン混繊糸の製造装置である。
【0008】図1及び図2を用いて本発明を説明する。図1は連紡機の基本的な側面図であり、図2は連紡機の正面図であり、隣接して走行する糸条に供給差を持たせて絡合混繊する本発明の工程の概略を示したものである。
【0009】連紡機による通常のレーヨンの製造において、紡糸原液はギャー.ポンプ(GP)により計量され、紡糸ノズル(SN)から吐出したビスコース液は、酸浴中で凝固、中和、再生しながら精練ローラー(BR)の端にある若干径の小さな延伸ローラー(ER)と精練ローラー(BR)との径比の差により15〜20%延伸した後、多重捲き方式の精練を受け乾燥ローラー(DR)へと進む。同じく多重捲き方式での乾燥を受けた後、オイリング.ガイド(OG)から一般的にはコーニング.オイルをオイリング.ローラー(OR)により付与し、フィード.ローラー1(FR1)及びフィード.ローラー2(FR2)を経て、ワインダー(WR)に巻き取られる。本発明において、紡糸錘I及び紡糸錘IIとも基本的には上記のような工程を経るが、後述するように、紡糸錘Iの走行糸条は、絡合処理のため工程途中で紡糸錘II側へ誘導されるのでワインダーまで使われることはない。
【0010】一般的なレーヨン製糸工程での延伸率は、高々15〜20%である為、これら全工程の各ローラーの回転速度(糸条の走行速度)は、通常採用される紡糸速度(定義的には精練ローラー速度)と大差のない100m/分前後である。このように低速工程であるが故に、本発明では安定な絡合処理が可能であると同時に、連紡方式によれば、従来のポット巻き取り方式の精練以後別工程とは異なり、紡糸後直ちに精練し、乾燥後巻き取るという短時間製糸方式であるので、精練ローラー以後のいずれのローラー間でも絡合処理が可能であり、しかも直ちに最終製品であるチーズ巻き取りとなる為生産効率が高いという特徴を有する。
【0011】本発明においては、精練ローラー以後の各ローラー間のA〜E部の任意の部位に絡合ノズル(AN)が1個以上設置された紡糸錘IIを使用する点に特徴がある。絡合ノズルを2個以上設置する場合は、同一部位(例えば、D部)に2個併設してもよいし、異なる部位(例えば、B部とD部)にそれぞれ1個づつ設置する態様でもよい。
【0012】フィード.ローラー2(FR2)は、通常の製糸では必要ないが、本発明においては、紡糸錘IIにフィード.ローラー2(FR2)を設けることにより、フィード.ローラー1(FR1)との間での張力調整が容易であり、糸条の走行安定性が良好であるので、フィード.ローラー1(FR1)とフィード.ローラー2(FR2)との間、すなわち、D部に少なくとも1個の絡合ノズルを設置することが好ましい。
【0013】大きな糸長差やループ、毛羽を比較的多く含むスパン.ライクな嵩高糸を得るためには、絡合ノズルの設置位置をD部やB部、特にD部とすることが望ましい。フィード.ローラー1(FR1)またはフィード.ローラー2(FR2)とワインダー(WR)との間(E部)で絡合処理してもよいが、ワインダーでのトラバースの影響で糸条張力が安定せず得られる混繊糸の絡合に不均一性が見られやすい。また、湿潤状態にある精練ローラー(BR)と乾燥ローラー(DR)との間(A部)においても比較的強い絡合処理が可能である。
【0014】通常のレーヨンの製造においては、併設されているすべての紡糸錘の製造条件は同じであって、ローラー径や回転数も同じである。そして走行糸条はいずれのローラー間でも弛むことなく、逆に若干の張力が負荷された状態であるのが普通である。これに対し、本発明においては、例えば、1錘おきにギアー.ポンプ(GP)の吐出量から乾燥ローラー(DR)までのローラー径や回転速度を一様に高くすると、これらの錘は紡糸速度が隣接錘の糸条より速くなると共に乾燥ローラー(DR)とフィード.ローラー1(FR1)との間(B部又はC部)において糸条が弛み、隣接錘との関係で供給速度差が生ずる。図2では、紡糸錘Iの弛み糸条を紡糸錘IIの乾燥ローラー(DR)とオイリング・ローラー(OR)との間(B部)に設けた絡合ノズル(AN)で絡合処理するのものである。そしてここでは、紡糸錘Iを挟んで1錘ごとに併設されている紡糸錘IIのB部において絡合処理が施され、巻き取りも同じ1錘毎となる。すなわち、紡糸錘Iのオイリングローラー〜ワインダーは不使用の状態である。
【0015】本発明によれば、同じ原理でA部からE部のいずれのローラー間においても、隣接走行糸条の供給差による絡合処理が可能である。但し、C部で混繊処理するに際して、紡糸錘Iに設置されているオイリング.ローラーが該錘から紡糸錘IIへ向かう糸条の糸道上に位置するため、C部での混繊処理が既存装置の構造上困難となる場合もある。本発明においては、隣接する錘間で吐出量や紡糸ノズルを変更することにより、銘柄の異なる複数の糸条の混繊も可能であり、更には、絡合ノズルを有していない紡糸錘Iを2錘以上使用し、糸条速度の異なる2種以上の糸条を紡糸錘IIへ誘導し、3者混以上の混繊も可能である。
【0016】以上の如く、本発明によれば、特別の装置や装置の大幅な改造を施すことなく、従来の連紡機を利用して、容易にしかも効率よく種々の品質及び膨らみを有するレーヨン100%の嵩高糸やスパン.ライク糸が得られる。
【0017】本発明において、絡合処理される複数の糸条間に(供給)速度差を付与する方法としては以下の2つの方法が挙げられる。
■ローラーの径を変更する方法:ネルソン.ローラーから絡合直前までのローラーの径を1錘毎に異ならせると、その隣接錘のローラーとの直径比がそのまま過剰供給差となる。
■ローラーの回転数に差を付与する方法:1錘毎に別駆動のモーターあるいは丁数の異なるギアーとベルトの調節を行いローラーの回転数を設定する。また、■と■を組み合わせても差支えない。
【0018】速度差(供給差)は3〜20%であることが重要である。3%未満では嵩高性や膨らみ感は得られず、好ましくは4%以上、特に好ましくは6%以上が望まれる。一方、20%を越えると絡合ノズルによる糸長差保持能力の限界により過剰供給糸の弛みが生じ、良好な混繊不可能となる。従って、15%以下に設定することが好ましい。また、速度差(供給差)を大きくとる程、ループや毛羽の多いよりスパン.ライクな糸条とすることができるが、そのためには、絡合ノズルのエアー圧や流量も多く必要となる。しかし、エアー圧及び流量を増加させると糸揺れが大きくなり、糸条が絡合ノズルから飛び出すなどの現象が生じる。また絡合ノズルのスリット出口と反対側への糸道の屈折や張力を上げる必要が生じ、その結果、ますますループや毛羽の発生を伴い、断糸となる傾向が強くなるので注意を要する。
【0019】絡合ノズルとしては、製糸中に複数の糸条を導糸することからも、スリット.ノズルが好ましく、円筒ノズルでは導糸が困難である。流体エアー圧としては、これも、過剰供給差の大きさに左右され、0.5 〜3.0Kg/cm2 の範囲まで変更を要する。本発明によれば、このような広範な供給差を自由に採用することができるため、種々の糸長差をもつ糸条を得ることが可能である。
【0020】通常、糸条にループや毛羽があると、工程通過性や織編みの際支障となりやすいが、本発明においては、糸条速度差を大きくし、強力な絡合処理を施し、ループや毛羽が強固に固定されているため、工程通過性や織編み時の支障になることは少ない。
【0021】
【実施例】
比較例1通常のセルロース濃度8.0%、アルカリ濃度6.0%でセルロースに対し1.1重量%のTiO2を含むのセミダル.ビスコースを同じ容量(0.3cc/回転)のギアー.ポンプから紡糸錘IIでは8.19cc/分の吐出量、紡糸錘Iでは8.35cc/分の吐出量にて凝固再生浴中に同じ紡糸ノズル(70ミクロン×30ホール)から75デニールの糸条を得るべくそれぞれ吐出した。凝固再生浴の組成はH2 SO4 130g/1、ZnSO4 20g/1、Na2SO4 250g/1、浴温度は55℃である。
【0022】紡糸錘IIの紡糸から巻き取りまでの基本的な各ローラーの回転速度(走行速度)は、延伸ローラー(ER)85.0m/分、精練ローラー(BR)100.0m/分、乾燥ローラー(DR)100.3m/分、フィード.ローラー1(FR1)100.6m/分、フィード.ローラー2(FR2)100.6m/分であり、然るに延伸率は17.6%である。この紡糸錘IIに対し、紡糸錘Iは、乾燥ローラー(DR)とフィード.ローラー1(FR1)との間(B部)で2%のオーバー.フィードとなるよう乾燥ローラー(DR)までの回転速度をバック.ギアーの変更とベルトの張り替えによって増速し、延伸ローラー(ER)86.7m/分、精練ローラー(BR)102.0m/分、乾燥ローラー(DR)102.3m/分と設定した。そして、紡糸錘II側の乾燥ローラー(DR)とオイリング.ローラー(OR)との間(B部)に絡合用スリット.ノズル(エアー噴出孔径0.9mm、糸道孔サイズ2.4mm×1.7mm×12.2mm、補助噴出孔径1.8mm)を設置し、紡糸錘I及びIIの2糸条を0.8Kg/cm2 のエアー圧力にて絡合処理を行なった。混繊糸の走行張力は3〜4gで安定しており、得られた混繊糸条の絡合数は54ケ/mであった。
【0023】次にこの糸条を用いて平織物の緯打ち及び風合い評価を行った。経糸として撚数500回/mのセミダル.75デニール.24フィラメントのポリエステル延伸糸を100本/インチの密度にて、緯糸として上述のレーヨン混繊糸に300回/mの追撚を施した糸条を58本/インチの密度にて打ち込んだ。緯糸の通過性は良好であったが、得られた織物は緯糸に通常の75デニール.30フィラメントのセミダル.レーヨン糸条を2本合わせて同様に300回/mの追撚を施した糸条を用いた織物と膨らみや風合の点で殆どかわりはなかった。
【0024】実施例1精練ローラー(BR)と乾燥ローラー(DR)との間(A部)で5%のオーバー.フィードで紡糸錘II側にて絡合処理を実施すべく、紡糸錘I側の吐出量を8.60cc/分、延伸ローラー(ER)の回転速度を89.3m/分、精練ローラー(BR)の回転速度を105.0m/分とすること以外は、比較例1と同様にして紡糸を行った。次いで精練ローラー(BR)と乾燥ローラー(DR)との間(A部)に比較例1と同じ絡合用スリット.ノズルを設置し、1.2Kg/cm2 のエアー圧力にて紡糸錘I及びIIの2糸条を合糸し絡合処理を行った。混繊糸の走行張力は1〜5gで糸揺れが大きいが、得られた混繊糸条の絡合数は102ケ/mで小ループが多く発生し、毛羽の数は、5〜10ケ/100mであった。
【0025】次いで比較例1と同様、本糸条を用いて平織物の評価を行った。その結果、緯打ちも問題なく、得られた織物は膨らみ感があり、ソフトな手触りと風合いをしたものであった。
【0026】実施例2乾燥ローラー(DR)とオイリング.ローラー(OR)との間(B部)に於いて10%のオーバー.フィードで紡糸錘II側にて絡合処理を実施すべく、紡糸錘I側のギアー.ポンプ(GP)の吐出量を9.01cc/分、延伸ローラー(ER)の回転速度を93.5m/分、精練ローラー(BR)の回転速度を110.0m/分、乾燥ローラー(DR)の回転速度を110.3m/分と設定すること以外は比較例1と同様にして紡糸した。次いで乾燥ローラー(DR)とオイリング.ローラー(OR)との間(B部)に絡合用スリット.ノズル(エアー噴出孔径1.7mm、糸道孔サイズ2.7mm×2.2mm×12.2mm、補助噴出孔径1.8mm)を設置し、1.5Kg/cm2 のエアー圧力にて紡糸錘I及びIIの2糸条を合糸し絡合処理を行った。混繊糸の走行張力は7〜9gで安定しており、得られた混繊糸の絡合数は122ケ/mであり、小ループが多数発生したが、毛羽は0〜1ケ/100mであった。
【0027】次いでこの糸条を用いて平織物の緯打ち及び風合い評価を行った。緯糸の通過性も問題なく、得られた織物は更に膨らみ感とソフトな手触りと風合いを示した。
【0028】実施例3B部に於いて15%のオーバー.フィードで紡糸錘II側にて絡合処理をすべく、紡糸錘I側のギアー.ポンプ(GP)の吐出量を9.42cc/分、延伸ローラー(ER)の回転速度を97.8m/分、精練ローラー(BR)の回転速度を115.0m/分そして乾燥ローラー(DR)の回転速度を115.3m/分と設定すること以外は比較例1と同様にして紡糸した。次いで実施例2と同じ絡合用スリット.ノズルを用いて、2.0kg/cm2のエアー圧力にて紡糸錘I及びIIの2糸条を合糸絡合処理を行った。混繊糸の走行張力は8〜10gで多少糸揺れも激しくはあるが、比較的安定しており、得られた混繊糸の絡合数は135ケ/mと多く、全体に小ループが発生し、ループ糸となったが単糸毛羽の数は1〜5ケ/100mと多くはなかった。
【0029】同様に、この糸条を用いて織物評価を行った。緯打ちに若干の難はあったが、得られた織物は、大きな膨らみとソフト感があり、レーヨン糸使いと思えぬほどの嵩高感がある布帛が得られた。
【0030】実施例4フィード.ローラー1(FR1)とフィード.ローラー2(FR2)との間(D部)に於いて、20%のオーバー.フィードで紡糸錘IIにて絡合処理をすべく、紡糸錘I側のギアー.ポンプ(GP)の吐出量を9.83cc/分、延伸ローラー(ER)の回転速度を102.0m/分、精練ローラー(BR)の回転速度を120.0m/分、乾燥ローラー(DR)の回転速度を120.4m/分、フィード.ローラー1(FR1)の回転速度を120.7m/分と設定すること以外は比較例1と同様にして紡糸した。次いで紡糸錘II側のフィード.ローラー1(FR1)とフィード.ローラー2(FR2)との間(D部)に実施例2で使用した絡合用スリット.ノズルと同じノズルを設置し、2.8kg/cm2 のエアー圧力にて紡糸錘I及びIIの2糸条を合糸し絡合処理を行った。混繊糸の走行張力は、10〜15gと大きく、糸揺れも激しくなり、単糸毛羽の発生切断による風綿が絡合ノズル付近から飛び出す現象が見られたが、なんとか混繊糸条の採取が可能であった。しかしながら、ほぼ当条件あたりが限界に近いものであった。
【0031】同様にこの糸条を用いて織物評価を行った。やはり多少緯打ちに難を示したが、得られた織物は更に大きな膨らみとソフト感を有し、スパン.ライクな風合いを示す布帛であった。
【0032】実施例5フィード.ローラー2(FR2)を外し、フィード.ローラー1(FR1)とワインダー(WR)との間(E部)に於いて、7.5%のオーバー.フィードで紡糸錘II側にて絡合処理を実施すべく、紡糸錘I側のギアー.ポンプ(GP)の吐出量を8.80cc/分、延伸ローラー(ER)の回転速度を91.4m/分、精練ローラー(BR)の回転速度を107.5m/分、乾燥ローラー(DR)の回転速度を107.8m/分、フィード.ローラー1(FR1)の回転速度を108.1m/分に設定すること以外は比較例1と同様にして紡糸した。次いで紡糸錘II側のフィード.ローラー1(FR1)とワインダー(WR)との間(E部)に実施例2と同じ絡合用スリット.ノズルを設置し、1.5Kg/cm2 のエアー圧力にて紡糸錘I及びIIの2糸条を合糸し絡合処理を行った。混繊糸の走行張力は10〜15gと高く、糸揺れも激しい状態であったが、なんとか混繊が可能で、得られた混繊糸の絡合数は63ケ/mと比較的少なく、糸条に発生したループは糸の長さ方向にあるところと無いところが偏在しており、不均一な混繊状態であり、毛羽も多発した。
【0033】同様に、この糸条を用いて織物評価を実施した。緯糸の通過性が悪く、度々織機が停台したが、得られた織物はそこそこ嵩高感があり、ソフトな布地に仕上がった。
【0034】実施例6紡糸錘II側の基本条件は変えることなく、紡糸ノズルのみ孔径70ミクロン×20ホールに変更し、紡糸錘I側の紡糸ノズルも70ミクロン×40ホールに変更し、75デニールではあるが、単糸異デニール混繊糸を乾燥ローラー(DR)とオイリング.ローラー(OR)との間(B部)に於いて7.5%のオーバー.フィードで紡糸錘II側にて絡合処理を実施すべく、紡糸錘I側のギアーポンプ(GP)の吐出量から乾燥ローラー(DR)までの回転速度を実施例5と同じ条件に設定した。次いで乾燥ローラー(DR)とオイリング.ローラー(OR)との間(B部)に実施例2と同じ絡合用スリット.ノズルを設置し、1.5Kg/cm2 のエアー圧力にて紡糸錘I及びIIの2糸条を合糸し絡合処理を行った。混繊糸の走行張力は7〜9gと安定しており、得られた混繊糸の絡合数は128ケ/mと多く、小ループも多く発生したが毛羽は0〜1ケ/100mと比較的少なかった。この糸条を用いた織物評価では、緯糸の通過性も問題なく、得られた織物は、膨らみと嵩高感があり、よりソフトな風合いに感じられた。
【0035】実施例7実施例6と同様に、ここでは、単糸及びトータル繊度両異デニール糸長差混繊糸を得るべく、紡糸錘II側で50デニール20フィラメントの糸条、紡糸錘I側で100デニール50フィラメントの糸条を7.5%のオーバー.フィードで紡糸錘II側のD部にて絡合処理を実施すべく、紡糸錘II側の紡糸ノズルを70ミクロン×20ホール、吐出量5.38cc/分と設定した。また、紡糸錘I側の紡糸ノズルには70ミクロン×50ホールを用い、ギアー.ポンプ(GP)を紡糸錘II側の2倍の0.6cc/回転に変更し、10.8cc/分の吐出量に設定した。紡糸錘I側の各ローラーの回転速度は、実施例5と同様とし、フィード.ローラー1(FR1)とフィード.ローラー2(FR2)との間(D部)に実施例2と同じ絡合用スリット.ノズルを設置し、1.5Kg/cm2 のエアー圧力にて紡糸錘I及びIIの2糸条を合糸し絡合処理を行った。混繊糸の走行張力は7〜9gと安定しており、得られた混繊糸の絡合数は134ケ/mで、小ループが多く発生したが、毛羽は少なく均一な糸条であった。
【0036】この糸条を用いて織物評価を実施した結果、緯糸の通過性も問題なく、得られた織物は、膨らみと嵩高性があり、腰もありまた非常にソフトなタッチの布帛が得られた。
【出願人】 【識別番号】000001085
【氏名又は名称】株式会社クラレ
【出願日】 平成8年(1996)5月22日
【代理人】
【公開番号】 特開平9−59840
【公開日】 平成9年(1997)3月4日
【出願番号】 特願平8−126922