トップ :: D 繊維 紙 :: D02 糸;糸またはロ−プの機械的な仕上げ;整経またはビ−ム巻き取り




【発明の名称】 金属光沢を有する繊維、繊維集合体
【発明者】 【氏名】前田 郷司

【氏名】横山 誠一郎

【氏名】堀田 泰業

【氏名】山田 陽三

【氏名】山田 知正

【目的】
【構成】
【特許請求の範囲】
【請求項1】 繊維表面上に反射膜としての金属層を有し、さらにその上に蛍光染料にて着色された樹脂層を有することを特徴とする金属光沢を有する繊維。
【請求項2】 繊維集合体を形成する繊維の表面上に反射膜としての金属層を有し、さらにその上に蛍光染料にて着色された樹脂層を有することを特徴とする金属光沢を有する繊維集合体。
【請求項3】 蛍光染料が油溶性染料、およびまたは分散染料に分類される物である請求項1記載の金属光沢を有する繊維。
【請求項4】 蛍光染料が油溶性染料、およびまたは分散染料に分類される物である請求項2記載の金属光沢を有する繊維集合体。
【請求項5】 蛍光染料が塩基性染料に分類される物であり、樹脂がアニオン性のイオン性基を含有するものである請求項1記載の金属光沢を有する繊維。
【請求項6】 蛍光染料が塩基性染料に分類される物であり、樹脂がアニオン性のイオン性基を含有するものである請求項2記載の金属光沢を有する繊維集合体。
【請求項7】 樹脂層が共重合ポリエステル樹脂よりなるまのである請求項1記載の金属光沢を有する繊維。
【請求項8】 樹脂層が共重合ポリエステル樹脂よりなるものである請求項2記載の金属光沢を有する繊維集合体。
【請求項9】 繊維集合体が合成繊維からなる不織布である請求項2、請求項4、請求項6および請求項8記載の繊維集合体。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は耐久性と高い装飾効果を有するところの金属光沢を有する繊維もしくは繊維集合体、主として金銀糸、およびその製法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、着尺、衣装、帯、組紐、刺繍、金襴、毛糸、表装生地、装飾品、インテリア用品、手芸用品等に高級感を与えるために金銀糸が用いられてきた。かかる金銀糸は6〜25μm厚の合成樹脂フィルムにアルミニウム、銀等の金属を蒸着し、無色あるいは着色した透明な樹脂にて被覆する事により金色、あるいはメタリックな紅、藍なる色を出し、マイクロスリッタにより0.15〜2mm幅程度に裁断することにより得られてきた。また最近では類似する技術として、紙、織布、不織布等に同様に金属蒸着し、さらに透明な着色樹脂にて被覆する事により、より装飾性の高い金銀糸調の繊維集合体、繊維構造体が得られている。これら金属光沢を有する繊維、繊維集合体、広くはフィルム、金銀紙類を含め、金属層上に設けられる無色ないしは着色された透明の樹脂層の形成には溶剤系の塗料が用いられている。
【0003】かかる溶剤系塗料としては、例えばアルキル化メラミン樹脂、ニトロセルロース、アルキッド樹脂等と有機溶剤からなる所謂クリアラッカー、メタアクリル樹脂等と有機溶剤からなる所謂アクリル樹脂ラッカー、ポリオール、有機溶剤、イソシアネート系硬化剤等からなる所謂ウレタン系樹脂塗料、有機溶剤としてはメチルセロソルブ、アルキルアセテート、アルコール類、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、キシレン、トルエン等などが用いられている。また着色に用いられる色素としては、透明着色の必要性上油溶性の染料が主に用いられている。油溶性の染料の多く、とくに金色を出すために用いられる黄色系の染料の多くは昇華堅牢性が低く、ブリード等により染料が拡散し、周囲を汚染する場合があり、また耐光堅牢性にも問題が多いため、金銀糸用の染料としては主として含金属錯塩型の油性染料が用いられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前述したようにかかる金銀糸の加工にも用いられる透明塗料に含まれる有機溶剤は昨今の環境問題に照らした場合にその使用を削減すべき物である事は明白である。さらに同様の観点より、着色に用いられる含金染料に含まれる重金属、特に黄色系、赤系、紫系の含金染料に用いられる中心金属はそのほとんどがクロムでありこれらの使用量を削減する事は万人の望むところである。従来より用いられてきた透明塗料用樹脂とかかる含金属錯塩型染料、あるいは非含金染料との組合わせにおいては、樹脂に対する染料の溶解度が小さいために必要な着色濃度を得るためには被覆厚みを増す必要が生じ、結果として、厚ぼったくゴワゴワした触感の製品しか得る事ができない。また着色濃度を稼ぐために染料を溶解度以上に添加した場合には塗膜中に染料の微結晶が生じ、塗膜の透明性を損ない、結果として反射率の低い、金属光沢の鈍い暗い色調となり商品品位が著しく低下してしまう。本発明者らは環境に優しく、良好な触感と、金属光沢性の優れた明るく透明感のある色調を有し、高い装飾効果を実現する金銀糸等金属光沢を有する繊維、もしくは繊維集合体を得るべく鋭意研究を重ねた結果、本発明に到達した。
【0005】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、繊維もしくは繊維集合体上に反射膜としての金属層を有し、さらにその上に蛍光染料にて着色された樹脂層を有することを特徴とする金属光沢を有する繊維もしくは繊維集合体であり、前記蛍光染料が油溶性染料、およびまたは分散染料に分類される物であることを特徴とする金属光沢を有する繊維もしくは繊維集合体であり、前記蛍光染料が塩基性染料に分類される物であり、樹脂にアニオン性のイオン性基が含有されるものであることを特徴とする金属光沢を有する繊維もしくは繊維集合体であり、前記樹脂層が共重合ポリエステル樹脂よりなることを特徴とする金属光沢を有する繊維もしくは繊維集合体であり、前記繊維もしくは繊維集合体が合成繊維からなる不織布であることを特徴とする金属光沢を有する繊維もしくは繊維集合体である。
【0006】本発明は金属光沢を有する繊維もしくは繊維集合体に関する物である。本発明における繊維とは天然繊維、化学合成繊維、半化学合成繊維等を意味し、繊維集合体とはマルチフィラメントの糸、撚糸、布、織布、不織布、紙等を意味する。また従来の金銀糸の如く合成樹脂フィルムを細長く裁断したものを含むものとする。繊維集合体としては合成繊維からなる不織布であることが好ましい。不織布としてはメルトブロー法、スパンボンド法、あるいは紙すき等の公知の方法で得られる物を用いる事ができ、合成繊維としてはポリエステル、ポリアミド、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリアクリル、アラミッド、ポリイミド、ポリアミドイミド、再生セルロース、セルロースアセテート等を単独でおよびまたは必要に応じて組合わせて用いる事ができる。好ましい銘柄としてシャンファイン、エクーレ、ボンデン、ダイナック、バルコンポ(以上東洋紡績株式会社製)等を用いる事ができる。
【0007】反射膜として繊維ないし繊維集合体表面に設けられる金属層は真空蒸着法、スパッタリング法、溶射法等の乾式法およびまたは無電解メッキ法、無電解メッキと電気メッキ併用、乾式法と電気メッキの併用 等の方法により形成する事ができる。これらの内、特に真空蒸着法によるものが好ましい。金属層の厚みは0.05〜50μm、好ましくは0.1〜10μm、さらに好ましくは0.5〜5μm程度である。用いる事のできる金属としては特に限定される物ではないが、アルミニウム、チタニウム、クロム、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ルテニウム、レニウム、パラジウム、銀、錫、オスミウム、プラチナ、金、等を単独、または銅/亜鉛のように組合わせて用いる事ができる。
【0008】本発明において、反射膜たる金属層の上に形成される樹脂層としてはアルキル化メラミン樹脂、セルロース誘導体、ポリメタアクリル樹脂、ポリスチレン樹脂、ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、ユリア・ホルマリン樹脂、メラミン・ホルマリン樹脂、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体、およびそれらの変成物等公知の高分子素材を用いる事ができる。しかしながら本発明では以下に述べるポリエステル樹脂を用いる事が好ましい。共重合ポリエステル樹脂は多価カルボン酸と多価アルコールの縮重合により得られる。ポリエステル樹脂に用いられる多価カルボン酸類としては、ジカルボン酸として、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、1,5−ナフタルレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ジフェン酸等の芳香族ジカルボン酸、p−オキシ安息香酸、p−(ヒドロキシエトキシ)安息香酸、ヘキサヒドロフタル酸、テトラヒドロフタル酸などの芳香族オキシカルボン酸、フェニレンジアクリル酸等の芳香族不飽和多価カルボン酸、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、メサコン酸、シトラコン酸、ダイマー酸等の不飽和多価カルボン酸、および、シクロヘキサンジカルボン酸、シクロヘキセンジカルボン酸等の脂環族ジカルボン酸等を、また多価カルボン酸としては他にトリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸等の三価以上の多価カルボン酸等を例示できる。
【0009】ポリエステル樹脂に用いられる多価アルコ−ル類としては脂肪族多価アルコ−ル類、脂環族多価アルコ−ル類、芳香族多価アルコ−ル類等を例示できる。脂肪族多価アルコ−ル類としては、エチレングリコ−ル、プロピレングリコ−ル、1,3−プロパンジオ−ル、2,3−ブタンジオ−ル、1,4−ブタンジオ−ル、1,5−ペンタンジオ−ル、1,6−ヘキサンジオ−ル、ネオペンチルグリコ−ル、ジメチロ−ルヘプタン、ジエチレングリコ−ル、ジプロピレングリコ−ル、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオ−ル、ポリエチレングリコ−ル、ポリプロピレングリコ−ル、ポリテトラメチレングリコ−ル等の脂肪族ジオ−ル類、トリメチロ−ルエタン、トリメチロ−ルプロパン、グリセリン、ペンタエルスリト−ル等のトリオ−ルおよびテトラオ−ル類等を例示できる。脂環族多価アルコ−ル類としては1,4−シクロヘキサンジオ−ル、1,4−シクロヘキサンジメタノ−ル、スピログリコ−ル、水素化ビスフェノ−ルA、水素化ビスフェノ−ルAのエチレンオキサイド付加物およびプロピレンオキサイド付加物、トリシクロデカンジオ−ル、トリシクロデカンジメタノ−ル等を例示できる。
【0010】芳香族多価アルコ−ル類としてはパラキシレングリコ−ル、メタキシレングリコ−ル、オルトキシレングリコ−ル、1,4−フェニレングリコ−ル、1,4−フェニレングリコ−ルのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノ−ルA、ビスフェノ−ルAのエチレンオキサイド付加物およびプロピレンオキサイド付加物等を例示できる。さらにポリエステルポリオ−ルとして、ε−カプロラクトン等のラクトン類を開環重合して得られる、ラクトン系ポリエステルポリオ−ル類等を例示することができる。本発明において好ましく用いられるポリエステル樹脂は多価カルボン酸成分に芳香族ジカルボン酸、およびまたは脂環族ジカルボン酸、多価アルコ−ル成分に脂肪族ジオ−ル、およびまたは、脂環族ジオ−ルを用いたものである。本発明の共重合ポリエステル樹脂が、芳香族多価カルボン酸およびまたは脂環族多価カルボン酸を50mol%以上含む多価カルボン酸類と、脂肪族多価アルコールおよびまたは脂環族多価アルコールを70mol%以上含む多価アルコール類との縮合により得られるものが好ましい。
【0011】本発明では、芳香族ジカルボン酸と脂肪族ジオールから得られるポリエステル樹脂、あるいは脂環族ジカルボン酸と脂肪族ジオールおよび脂環族ジオールから得られるポリエステル樹脂を用いる事が好ましい。ポリエステル樹脂は、真空重合法、あるいは減圧重合法等の常法により得ることができる。前者は繊維、フィルム、ポリボトル等に用いられポリエチレンテレフタレ−ト等を重合する際に用いられる方法であり比較的高分子量のポリエステルを得ることができる。後者はアルキッド樹脂等の不飽和ポリエステル樹脂を重合する際に用いられる方法であり、比較的低分子量のポリエステルが得られる。またこれらの常法の他、酸クロライド法などによりポリエステル樹脂を得ることができる。本発明におけるポリエステル樹脂の軟化温度ないしガラス転移温度は、40℃以上であることが好ましく、さらに50℃以上、なおさらに好ましくは60℃以上、そのうえさらに好ましくは70℃以上である。ガラス転移温度が低すぎると粘着性が生じ、用途によって不都合となる場合がある。
【0012】本発明におけるポリエステル樹脂の数平均分子量は2000〜100000であることが好ましく、さらに好ましくは5000〜100000、またさらに好ましくは10000〜100000である。分子量が低いと得られる塗膜の物性が不十分となる場合がある。かかるポリエステル樹脂は、後述する製法との関係上イオン性基を含有することが好ましい。ポリエステルに導入してもよいイオン性基としては、スルホン酸アルカリ金属塩基あるいはスルホン酸アンモニウム塩基、カルボン酸アルカリ金属塩基あるいはカルボン酸アンモニウム塩基、カルボン酸有機アミン塩の基、硫酸基、リン酸基、ホスホン酸基、ホスフィン酸基もしくはそれらのアンモニウム塩、有機アミン塩、アルカリ金属塩等のアニオン性基、または第1級ないし第3級アミン基等のカチオン性基などを用いることができる。イオン性基はイオン性基含有単量体を用いる事により導入できる。カチオン性基を導入するためには、2−アミノプロパン1,3ジオ−ル、ニトリルモノアルカノール、ニトリルジアルカノール、ニトリルトリアルカノールを好ましく用いることができる。
【0013】スルホン酸アルカリ金属塩基あるいはスルホン酸アンモニウム塩基、をポリエステルに導入するためには、スルホテレフタル酸、5−スルホイソフタル酸、4−スルホフタル酸、4−スルホナフタレン−2,7ジカルボン酸、5〔4−スルホフェノキシ〕イソフタル酸、メタスルホ安息香酸等、スルホン酸基を有するモノないし多価カルボン酸類のアルカリ金属塩、アンモニウム塩などをポリエステルに共重合すればよい。カウンターカチオンとしては、Li、Na、K、等のアルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、アンモニウムイオン、1級ないし4級アルキルアンモニウムイオン、アルカノールアミン等との塩があげられる。カルボン酸塩の基は、ポリエステル樹脂にカルボキシル基を導入し、その後に塩基により中和することによって得ることができる。塩基としてはアルカリ金属、アンモニア、その他有機アミン類を用いる事ができ、本発明では特に有機アミン類を用いる事が好ましい。ポリエステル樹脂にカルボキシル基を導入する方法としては、真空重合法においてはポリエステルの重合末期に無水トリメリット酸、無水フタル酸、無水ピロメリット酸等の多価カルボン酸無水物を系内に導入する方法を例示することができる。また減圧重合法においてはポリエステル末端に残るカルボキシル基をそのまま利用できる。
【0014】有機アミンとしてはアルキルアミン、アルカノールアミン、アルキルアルカノールアミン、芳香族アミン、環状アミン、アルキレンジアミン等を用いる事ができ、特にアルカノールアミンの使用が好ましい。アルカノールアミンとしては、モノアルカノールアミン、ジアルキルモノアルカノールアミン、ジアルカノールアミン、モノアルキルジアルカノールアミン、トリアルカノールアミン、を例示することができ、好ましくはトリアルカノールアミンであり、さらに好ましくは2,2',2''- ニトリルトリエタノール、トリプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、トリブタノールアミン、トリヘキサノールアミンを用いることができる。これらイオン性基の含有量は該ポリエステル樹脂に対し、20〜2000 m当量/1000gが必要とされ、好ましくは20〜1000 m当量/1000g、なお好ましくは50〜500 m当量/1000g、なおさらに好ましくは50〜200 m当量/1000gである。イオン性基としてはスルホン酸アルカリ金属塩の基を用いる事が好ましい。イオン性基はポリエステル樹脂に水分散性を付与する働きを有し、イオン性基の含有量が所定の量より少ない場合には十分なる水分散性が得られない場合があり、またイオン性基の含有良が多すぎる場合にはポリエステル樹脂が水溶化し目的とする着色水分散体が得られない場合がある。
【0015】本発明の最も重要な必須要件は反射金属層の上に設けられる樹脂層が蛍光染料により着色されていることである。蛍光染料としては、いわゆる蛍光顔料(有機溶剤に可溶な−すなわち分散染料タイプまたは油溶性染料タイプの−蛍光染料と合成樹脂との固溶体を粉末化してなるもの)に用いられうタイプの染料を用いる事ができる。これらは昼光下にて美しい蛍光を発するものである。本発明において用いられる蛍光染料は水に対して不溶ないしは難溶性の染料を用いる事ができる。染料としては公知のものを適宜自由に選択して用いることができ、また複数の蛍光染料を配合することもでき、さらに蛍光染料と蛍光を有さない通常の染顔料とを組み合わせることも可能である。さらに蛍光色の得られにくい色調においては公知通常の染顔料と蛍光増白剤とを組合せ、疑似的に蛍光を持たせることもできる。具体的には「C.I.Disperse Yellow82」、「C.I.Disperse Yellow 124」、「C.I.Solvent Yellow 94」、「C.I.Disperse Red60」、「C.I.Solvent Red43」、「C.I.Solvent Red44」、「C.I.Solvent Red45」、「C.I.Solvent Red49」、さらに「カルコシド・ウラニン・B4315」、「カルコシド・ロ−ダミン・B・コンク」、「カルコシド・フルオレセント・ブル−」、「カルコマイン・ブリリアント・フラバイン」、「カルコマイン・ジアゾ・スカ−レット・PRD」、「カルコマイン・フルオレセント・オレンジ・YF」、「カルコマイン・フルオレセント・ピンク・B」、「カルコマイン・フルオレセント・ブル−」、「カルコマイン・フルオレセント・ヴァイオレット・G」、「カルコマイン・フルオレセント・グリ−ン・G」、「カルコジン・フラバイン・TG・Ex・コンク」、「カルコジン・イエロ−・Ox」、「カルコジン・レッド・6G・Ex」、「カルコジン・レッド・BX」、「カルコ・フルオレセント・イエロ−・AB」、「カルコ・フルオレセントイエロ−・HEB」、「カルコ・オ−ラミン・ベ−ス・コンク」、「カルコ・エオシン・J」、「カルコ、ブロモ・54」、「ロ−ダミン・B・ステアレ−ト・コンク」、「ヴィオランスロン」、「インダンスレン・ヴァイオレット・RT」、「インダンスレン・ゴ−ルド・オレンジ・G」、「イソビオランスロン」、「カレドン・ジェイド・グリ−ン」、「エオシン・エチルエステル」、「ロ−ダミン・B・エチルエステル」、等を例示できる。
【0016】これらのうち好ましくは「C.I.Disperse Yellow 82」、「C.I.Disperse Yellow 124」、「C.I.Solvent Yellow 94」、「C.I.Solvent Red49」、が用いられる。かかる蛍光染料の樹脂に対する配合量は0.1〜40wt%、好ましくは1〜30wt%、さらに好ましくは2〜15wt%の範囲である。本発明において、樹脂層にアニオン性イオン性基が含有される場合には塩基性染料(カチオン染料)型の蛍光染料を用いる事ができる。好ましく用いられる蛍光染料として、「C.I.Basic Yellow1」、「C.I.Basic Yellow 9」、「C.I.Basic Yellow 40」、「C.I.Basic Orange 15」、「C.I.Basic Orange 22」、「C.I.Basic Red 1」、「C.I.Basic Red 2」、「C.I.Basic Red 12」、「C.I.Basic Red 13」、「C.I.Basic Red 14」、「C.I.Basic Red 15」、「C.I.Basic Red36」、「C.I.Basic Violet 7」、「C.I.BasicViolet 10」、「C.I.Basic Violet 11」、「C.I.Basic Violet 15」、「C.I.Basic Violet 16」、「C.I.Basic Violet 27」、「C.I.Basic Blue 1」、「C.I.Basic Blue 3」、「C.I.Basic Blue 9」、等を用いることができる。
【0017】かかる蛍光染料は樹脂に含有されるアニオン性イオン性基のmol量に応じて配合される。重量比による配合量は正確さを期しがたいが、強いてはポリエステル樹脂に対し0.1〜40wt%、好ましくは1〜30wt%、さらに好ましくは2〜15wt%の範囲である。本発明においてはこれら蛍光染料の他、公知の染顔料、好ましくは染料を組合わせて用いる事ができる。より具体的には顔料として、C.I.Pigment Yellow 3、13、14、15、16、17、185、C.I.Pigment Red 47、48、58、81、95、122、184、185C.I.Pigment Violet 23、C.I.PigmentBlue 15、16、カーボンブラック類、等を好適に用いることができる。
【0018】また染料としては、樹脂を堅牢に染色しうるものであれば特に制限されるものではない。樹脂にアニオン性基が含有される場合には塩基性染料等のカチオン性染料で、カチオン性基が含有される場合には酸性染料、直接染料、反応性染料等のアニオン性染料にて染色することができる。またポリエステル繊維等の染色に用いられる分散染料、油性染料、一部のヴァット染料、反応性分散染料等を用いることができる。本発明における酸性染料としては例えばカラ−インデックスのC.I.Acid Colorに分類される公知の酸性染料を用いることができる。また一部C.I.Direct Colorに分類される染料を酸性染料として用いることもできる。これらはアゾ系、アントラキノン系、キノフタロン系、トリアリルメタン系、キサンテン系、フタロシアニン系などの染料骨格に1〜4個程度のアニオン性基(多くはスルホン酸ナトリウム基)を導入したものである。プロセスカラ−用としては、イエロ−としてC.I.AcidYellowの内、HueがGreenish Yellow、またはBright Greenish Yellowに分類される染料が、マゼンタとしてC.I.AcidRedの内、HueがBluish Red、またはBright Bluish Redに分類される染料、およびまたはC.I.Acid Violetの内、HueがReddish Violet、またはBright Reddish Violetに分類される染料が、シアンとしてC.I.Acid Blueの内、HueがGreenish Blue、またはBright Greenish Blue、およびまたはC.I.Acid Greenの内、HueがBluish Green、またはBright Bluish Greenに分類される染料が単独あるいは適宜配合されて好ましく使用される。本発明における塩基性染料としてはアクリジン系、メチン系、ポリメチン系、アゾ系、アゾメチン系、キサンテン系、チオキサンテン系、オキサジン系、チオキサジン系、トリアリルメタン系、シアニン系、アントラキノン系、フタロシアニン系等公知の塩基性染料を用いることができる。
【0019】特にプロセスカラ−の三原色用としては、イエロ−としてC.I.BasicYellow 11、12、13、21、23、24、33、40、51、54、63、71、87が、マゼンタとしてC.I.Basic Red 13、14、45、19、26、27、34、35、36、38、39、42、43、45、46、50、51、52、53、56、59、63、65、66、71、C.I.BasicViolet 7、11、14、15、16、18、19、20、28、29、30、33、34、35、36、38、39、41、44が、シアンとしてC.I.BasicBlue 3、22、33、41、45、54、63、65、66、67、75、77、85、87、88、109、116が好ましく用いられる。かかるイオン性の染料は、樹脂に含有されるイオン性基当量に対して1〜98mol%の範囲、好ましくは20〜90mol%の範囲にて使用できる。
【0020】本発明においてはこれら蛍光染料の他、公知の染顔料、好ましくは染料を組合わせて用いる事ができる。より具体的には顔料として、C.I.Pigment Yellow 3、13、14、15、16、17、185、C.I.Pigment Red 47、48、58、81、95、122、184、185C.I.Pigment Violet 23C.I.Pigment Blue 15、16カーボンブラック類等を好適に用いることができる。また染料としては、樹脂を堅牢に染色しうるものであれば特に制限されるものではない。樹脂にアニオン性基が含有される場合には塩基性染料等のカチオン性染料で、カチオン性基が含有される場合には酸性染料、直接染料、反応性染料等のアニオン性染料にて染色することができる。またポリエステル繊維等の染色に用いられる分散染料、油性染料、一部のヴァット染料、反応性分散染料等を用いることができる。
【0021】本発明における酸性染料としては例えばカラ−インデックスのC.I.Acid Colorに分類される公知の酸性染料を用いることができる。また一部C.I.Direct Colorに分類される染料を酸性染料として用いることもできる。これらはアゾ系、アントラキノン系、キノフタロン系、トリアリルメタン系、キサンテン系、フタロシアニン系などの染料骨格に1〜4個程度のアニオン性基(多くはスルホン酸ナトリウム基)を導入したものである。プロセスカラ−用としては、イエロ−としてC.I.AcidYellowの内、HueがGreenish Yellow、またはBright Greenish Yellowに分類される染料が、マゼンタとしてC.I.AcidRedの内、HueがBluish Red、またはBright Bluish Redに分類される染料、およびまたはC.I.Acid Violetの内、HueがReddish Violet、またはBright Reddish Violetに分類される染料が、シアンとしてC.I.Acid Blueの内、HueがGreenish Blue、またはBright Greenish Blue、およびまたはC.I.Acid Greenの内、HueがBluish Green、またはBright Bluish Greenに分類される染料が単独あるいは適宜配合されて好ましく使用される。
【0022】本発明における塩基性染料としてはアクリジン系、メチン系、ポリメチン系、アゾ系、アゾメチン系、キサンテン系、チオキサンテン系、オキサジン系、チオキサジン系、トリアリルメタン系、シアニン系、アントラキノン系、フタロシアニン系等公知の塩基性染料を用いることができる。特にプロセスカラ−の三原色用としては、イエロ−としてC.I.Basic Yellow 11、12、13、21、23、24、33、40、51、54、63、71、87が、マゼンタとしてC.I.Basic Red 13、14、45、19、26、27、34、35、36、38、39、42、43、45、46、50、51、52、53、56、59、63、65、66、71、C.I.BasicViolet 7、11、14、15、16、18、19、20、28、29、30、33、34、35、36、38、39、41、44が、シアンとしてC.I.BasicBlue 3、22、33、41、45、54、63、65、66、67、75、77、85、87、88、109、116が好ましく用いられる。かかるイオン性の染料は、樹脂に含有されるイオン性基当量に対して1〜98mol%の範囲、好ましくは20〜90mol%の範囲にて使用できる。
【0023】本発明では「水に不溶ないしは難溶性でかつ有機溶剤に可溶である染料」により着色されることが好ましい。本発明における「水に不溶ないしは難溶性でかつ有機溶剤に可溶である染料」としては油溶性染料、分散染料、および一部の建浴染料を例示することができる。これらはカラ−インデックスにおいて「Solvent Dye」、「Disperse Dye」、「Vat Dye」に分類されるものである。「Solvent Dye」のうち特に非クロム含金染料の使用が好ましい。化学構造的には、アントラキノン系染料、アゾ系染料、ジスアゾ系染料、トリアゾ系染料、フタロシアニン系染料、インジゴ系染料、メチン系染料、ニトロ系染料、キノフタロン系染料、キノリン系染料、シアノメチン系染料、トリフェニルメタン系染料、キサンテン系染料などを使用できる。
【0024】より具体的には、油溶性染料として・C.I.Solvent Yellow 96・C.I.Solvent Yellow 162・C.I.Solvent Red 49・C.I.Solvent Blue 25・C.I.Solvent Blue 35・C.I.Solvent Blue 38・C.I.Solvent Blue 64・C.I.Solvent Blue 70・C.I.Solvent Black 3等を例示できる。
【0025】また分散染料として・C.I.Disperse Yellow 33・C.I.Disperse Yellow 42・C.I.Disperse Yellow 54・C.I.Disperse Yellow 64・C.I.Disperse Yellow 198・C.I.Disperse Red 60・C.I.Disperse Red 92・C.I.Disperse Violet 26・C.I.Disperse Violet 35・C.I.Disperse Violet 38・C.I.Disperse Blue 56・C.I.Disperse Blue 60・C.I.Disperse Blue 87から選択される少なくとも1種の染料が好ましく用いられる。これらは特に耐光堅牢度、昇華堅牢度、色相、彩度に優れるものである。かかる色素は、樹脂に対して0.2〜30重量%の範囲にて配合され、さらに好ましくは2〜25重量%、なおさらに好ましくは5〜20重量%、なおまたさらに好ましくは10〜20重量%の範囲に配合される。配合量が少ないと十分なる着色濃度が得られず、被覆厚みを増す必要が生じ、繊維、繊維集合体の質感、触感が損なわれる。また逆に配合量が多すぎるとブリード等の原因となる。
【0026】本発明では共重合ポリエステル樹脂に、耐光性、耐熱性向上を目的として紫外線吸収剤、酸化防止剤等を添加することができる。紫外線吸収剤、光安定剤としてはサリチレ−ト系化合物、ベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾ−ル系化合物等を用いることができる。ラジカル連鎖禁止剤(一次酸化防止剤)としてはフェノ−ル系化合物、アミン系化合物、アスコルビン酸系化合物等を用いることができる。過酸化物分解剤(二次酸化防止剤)としては硫黄系化合物、相乗剤としてはクエン酸、りん酸等を用いることができる。
【0027】外線吸収剤、光安定剤としてはフェニルサリチレ−ト、モノグリコ−ルサリチレ−ト、タ−シャルブチルフェニルサリチレ−ト等のサリチレ−ト系化合物、2−ヒドロキシ−4−アルコキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系化合物、2(2'-ヒドロキシ−5'-メチルフェニル)ベンゾトリアゾ−ル、2(2'-ヒドロキシ−5'-オクチルフェニル)ベンゾトリアゾ−ル、2[2−ヒドロキシ−3−(3,4,5,6−テトラハイドロフタルイミド−メチル)−5−メチルフェニル]ベンゾトリアゾ−ル、2[2'-ヒドロキシ−3',5'-ビス(α,α'-ジメチルベンジル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾ−ル、2(2'-ヒドロキシ−3',5'-ジタ−シャルアミルフェニル)ベンゾトリアゾ−ル、2(2'-ヒドロキシ−3',5'-ジタ−シャルブチルフェニル)ベンゾトリアゾ−ル、2(2'-ヒドロキシ−3'-タ−シャルブチル−5'-メチルフェニル)ベンゾトリアゾ−ル、2(2'-ヒドロキシ−3'-タ−シャルブチル−5'-メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾ−ル、等のベンゾトリアゾ−ル系化合物、そのほか、レゾルシノ−ルモノベンゾエ−ト、2'-エチルヘキシル−2−シアノ−3−フェニルシンナメ−ト、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジン)セバケ−ト等を用いることができる。
【0028】本発明ではベンゾトリアゾ−ル系、ベンゾフェノン系、ベンゾサリシレ−ト系から選択される少なくとも1種の紫外線吸収剤を用いることが好ましい。これら酸化防止剤の配合量は結着材樹脂に対し0.01〜5.0重量%、好ましくは0.02〜1.0重量%、さらに好ましくは0.05〜0.5重量%程度である。さらに本発明においてはこれら紫外線吸収剤と一重項酸素クエンチャーを併用する事によりより高い効果を得る事ができる、一重項酸素クエンチャーとしてはニッケル錯体系化合物、DABCO:ジアザビスシクロオクタン等を用いる事ができる。以上が 本発明の金属光沢を有する繊維もしくは繊維集合体である。
【0029】次に本発明の金属光沢を有する繊維もしくは繊維集合体の製法について説明する。本発明の金属光沢を有する繊維もしくは繊維集合体を得るためには、まず、繊維ないしは繊維集合体に金属蒸着を行い、その後、染料、樹脂、溶媒からなる溶液にて被覆、乾燥することにより得る事ができる。しかしながらかかる方法では溶媒として有機溶剤を使う事が必要となり作業環境上、あるいは火災防止上の問題が残される。本発明では好ましい製法として樹脂を水系分散体として塗料化し被覆に用いる方法を例示することができる。より具体的には■繊維若しくは繊維集合体の少なくとも片面に金属蒸着を行い、さらに、樹脂の水系分散体にて被覆乾燥する製法。
■合成樹脂フィルムの少なくとも片面に金属蒸着を行い、さらに、樹脂水系分散体にて被覆乾燥した後に裁断する製法。
■繊維若しくは繊維集合体の少なくとも片面に金属蒸着を行い、さらに、樹脂の水系分散体にて被覆乾燥した後、湿式染色する製法。
等の製法を好ましく用いる事ができる。
【0030】本発明において樹脂、好ましくはポリエステル樹脂がイオン性基を含有する場合には、樹脂が自己乳化性を有するため転相自己乳化法により樹脂微粒子の水分散体を作製することができる。イオン性基含有樹脂の微粒子分散体は、イオン性基含有樹脂と水溶性有機化合物とをあらかじめ混合後に水を加える方法、イオン性基含有樹脂と水溶性有機化合物と水とを一括して混合加熱する方法等により得ることができる。またその際に界面活性剤等を併用することもできる。水溶性有機化合物と樹脂を混合する際に疎水性の蛍光染料を同時に混合する事により蛍光着色した樹脂の水分散体を得る事ができる。ここに樹脂はイオン性基含有共重合ポリエステル樹脂であることが好ましい。水溶性有機化合物としてはエタノ−ル、イソプロパノ−ル、ブタノ−ル、エチレングリコ−ル、プロピレングリコ−ル、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、タ−シャルブチルセルソルブ、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、ジオキサン等を用いることができる。水溶性有機化合物はイオン性基含有ポリエステル樹脂を水分散化した後に共沸等により除去することができるものが好ましい。
【0031】水系媒体には水溶性の各種添加剤を含むことができる。添加剤としては水溶性有機化合物を例示することができる。水溶性有機化合物としてはメタノール、エチルアルコール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノ−ル、ベンジルアルコール、エチレングリコ−ル、プロピレングリコ−ル、ブチレングリコール、ジプロピレングリコ−ル、ネオペンチルグリコール、ポリプロピレングリコ−ル、ブチルセロソルブ、タ−シャルブチルセルソルブ、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、チオジグリコール、グリセリン、2,2',2''- ニトリルトリエタノール、エチレンジアミン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、アルキレングリコールモノアルキルエーテル、N−メチルピロリドン、等を例示できる。かかる水溶性有機化合物は水系媒体の50%を越えない範囲にて適宜添加することができる。本発明の水系媒体にはフッ素系、ないしはシリコ−ン系の消泡剤などを添加することができる。さらに各種殺菌剤や防カビ剤、また必要に応じて、透明性を損なわない程度に無機、有機系の顔料類を添加することもできる。
【0032】
【作用】従来より用いられてきた透明塗料用樹脂とかかる含金属錯塩型染料、一般の非含金染料との組合わせにおいては、樹脂に対する染料の溶解度が小さいために必要な着色濃度を得るためには被覆厚みを増す必要が生じ、結果として、厚ぼったくゴワゴワした触感の製品しか得る事ができない。また着色濃度を稼ぐために染料を溶解度以上に添加した場合には塗膜中に染料の微結晶が生じ、塗膜の透明性を損ない、結果として反射率の低い、金属光沢の鈍い暗い色調となり商品品位が著しく低下してしまう。本発明においても散られる染料は昼光下にて蛍光を有するものであるため、非常に明るい色彩を有するものとなる。本発明においては、通常の紙等の基材に同じ含蛍光染料樹脂層を塗布したものに比較し、より明るい色調が発現する。これは入射光のみならず、樹脂層を透過して金属蒸着面にて反射した光も蛍光の励起に寄与し、さらに蛍光染料から発した蛍光もまた直接樹脂層から発散するものに加え、金属面にて反射〜多重反射した光も加わるためと考えられる。結果として本発明においては非常に装飾効果、高級感の高いものが実現される。
【0033】本発明において特に好ましく用いられる共重合ポリエステル樹脂は染料、特に油性蛍光染料との相性に優れ、また特に共重合ポリエステル樹脂にスルホン酸塩の基等のアニオン性イオン性基が含有される場合には塩基性蛍光染料とも相性が良く、非常に高濃度に着色できるとともに耐光堅牢度に優れる物である。その結果、従来より耐光性の確保のためにやむなく用いられてきた含金錯塩型染料を用いる必要がなく、一般の非含金染料を使用する事が可能となり、環境衛生上好ましい物となる。さらに溶解度が高いために薄い塗膜でも十分な着色が可能となり製品の触感が改善される。さらに塗膜中に染料微結晶が析出することがないため、金属光沢性の優れた明るく透明感のある色調が得られ、高い装飾効果を実現する事が可能となる。さらに本発明に例示される水分散体を用いる好ましい製法によれば、樹脂塗膜を水系塗料にて形成できるため作業環境においても排気設備、溶剤回収設備等が不要であり、また火災等の防止の観点よりも産業有意義な物となる。
【0034】
【発明の実施形態】以下に実施例を示し本発明を具体的に説明する[ポリエステル樹脂の重合例1]温度計、撹拌機を備えたオ−トクレ−ブ中に、テレフタル酸ジメチルエステル 96重量部、イソフタル酸ジメチルエステル 92重量部、5ナトリウムスルホイソフタル酸ジメチルエステル6重量部、エチレングリコ−ル 72重量部、ネオペンチルグリコ−ル 103重量部、テトラブトキシチタネ−ト 0.1重量部、を仕込み150〜220℃で180分間加熱してエステル交換反応を行った。次いで、240℃に昇温した後、系の圧力を徐々に減じて30分後に10mmHgとし、240分間反応を続けた。共重合ポリエステル樹脂(A1)を得た。得られた共重合ポリエステル樹脂は平均分子量は15000、酸価2eq./ton 、ガラス転移温度は62℃、比重は1.26、スルホン酸ナトリウム基当量98eq.ton( m当量/kg)、であった。
【0035】[ポリエステル樹脂の重合例2]温度計、撹拌機を備えたオ−トクレ−ブ中に、 シクロヘキサンジカルボン酸ジメチルエステル 196重量部、 エチレングリコ−ル 102重量部、 トリシクロデカンジメタノール 99重量部、 テトラブトキシチタネ−ト 0.1重量部、を仕込み150〜220℃で180分間加熱してエステル交換反応を行った。次いで、240℃に昇温した後、系の圧力を徐々に減じて30分後に10mmHgとし、240分間反応を続けた。その後オ−トクレ−ブ中を窒素ガスで置換し、大気圧とした。温度を200℃に保ち、 無水トリメリット酸 4重量部を加え、60分間反応を行い、共重合ポリエステル樹脂(A2)を得た。得られた共重合ポリエステル樹脂は平均分子量は12000、酸価210eq./ton 、ガラス転移温度は71℃、比重は1.18であった。
【0036】[共重合ポリエステル水分散体の製造例]温度計、コンデンサ−、撹拌羽根を備えた四つ口の10リットルセパラブルフラスコにポリエステル樹脂(A1)200重量部、メチルエチルケトン200重量部、テトラハイドロフラン100重量部、を仕込み70℃にて溶解した。次いで70℃のイオン交換水800重量部を加え、水分散化した後、蒸留用フラスコにて留分温度が103℃に達するまで蒸留し、冷却後に水を加え固形分濃度を20wt%に調整し、最後にエタノール50重量部を加え共重合ポリエステル水分散体(B0)とした。
[着色水分散体の製造例1]温度計、コンデンサ−、撹拌羽根を備えた四つ口の10リットルセパラブルフラスコにポリエステル樹脂(A1)200重量部、メチルエチルケトン200重量部、テトラハイドロフラン100重量部、蛍光染料「C.I.Disperse Yellow 82」のコンクケ−キ10重量部を仕込み70℃にて溶解した。次いで70℃のイオン交換水800重量部を加え、水分散化した後、蒸留用フラスコにて留分温度が103℃に達するまで蒸留し、冷却後に水を加え固形分濃度を20wt%に調整、最後に弗素系界面活性剤メガファック142D[大日本インキ化学社製]0.1重量部を加え、黄色に着色された着色ポリエステル水分散体(B1)とした。
【0037】[着色水分散体の製造例2]温度計、コンデンサ−、撹拌羽根を備えた四つ口の10リットルセパラブルフラスコにポリエステル樹脂(A2)200重量部、メチルエチルケトン200重量部、テトラハイドロフラン100重量部、蛍光染料「マクロレックス・イエロー6G」[BAYER社製]10重量部、紫外線吸収剤として2[2'-ヒドロキシ−3',5'-ビス(α,α'-ジメチルベンジル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾ−ル、2重量部を仕込み70℃にて溶解した。次いで塩基としてトリエチルアミン6重量部を加えた後、70℃のイオン交換水800重量部を加え、水分散化した後、蒸留用フラスコにて留分温度が103℃に達するまで蒸留し、冷却後に水を加え固形分濃度を20%に調整し、最後にエタノール50重量部を加え着色ポリエステル水分散体(B2)とした。
[着色水分散体の製造例3]温度計、コンデンサ−、撹拌羽根を備えた四つ口の10リットルセパラブルフラスコにポリエステル樹脂(A1)200重量部、メチルエチルケトン200重量部、テトラハイドロフラン100重量部、蛍光染料「C.I.SolventRed 49」10重量部を仕込み70℃にて溶解した。次いで70℃のイオン交換水800重量部を加え、水分散化した後、蒸留用フラスコにて留分温度が103℃に達するまで蒸留し、冷却後に水を加え固形分濃度を20wt%に調整、最後にドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム1重量部を加え、赤紫色に着色された着色ポリエステル水分散体(B3)とした。
【0038】[着色水分散体の製造例4]温度計、コンデンサ−、撹拌羽根を備えた四つ口の10リットルセパラブルフラスコにポリエステル樹脂(A1)200重量部、メチルエチルケトン200重量部、テトラハイドロフラン100重量部、染料として「ホスタソル・イエロー3G」[ヘキスト社製]10重量部、を仕込み70℃にて溶解した。次いで70℃のイオン交換水800重量部を加え、水分散化した後、蒸留用フラスコにて留分温度が103℃に達するまで蒸留し、冷却後に水を加え固形分濃度を20wt%に調整、最後にポリオキシエチレンソルビタンモノオレート1重量部を加え、黄色に着色された着色ポリエステル水分散体(B4)とした。
[着色水分散体の製造例5]温度計、コンデンサ−、撹拌羽根を備えた四つ口の10リットルセパラブルフラスコにポリエステル樹脂(A1)200重量部、メチルエチルケトン200重量部、テトラハイドロフラン100重量部、染料として「サーモプラストFイエロー084」[BASF社製]10重量部、を仕込み70℃にて溶解した。次いで70℃のイオン交換水800重量部を加え、水分散化した後、蒸留用フラスコにて留分温度が103℃に達するまで蒸留し、冷却後に水を加え固形分濃度を20wt%に調整、最後にポリオキシエチレンソルビタンモノオレート1重量部を加え、黄色に着色された着色ポリエステル水分散体(B5)とした。
【0039】
【実施例1】ポリエステル系不織布バルコンポHP6050G[東洋紡績株式会社製]の両面にアルミニウムを真空蒸着し、アルミ被覆不織布(C1)を得た。蒸着膜厚は蒸着方向に対する繊維表面の向きにより異なったが、おおむね1.2〜2.5μmの範囲内であった。次いで、蛍光黄色に着色された共重合ポリエステル水分散体(B1)に得られたアルミ被覆不織布(C1)を浸漬し、引き上げた後150℃のドライオーブンにて5分間乾燥して金色の金属光沢を有する不織布(G1)を得た。共重合ポリエステル樹脂の被覆量はおおむね15g/m2 、繊維表面での厚みに換算して2〜4μm程度であった。被覆量は以下に示す実施例においても同程度になるように調整した。得られた不織布の色調、明度、金属光沢、透明感(以上視感評価)、触感、耐光性を後記の表1.に示す。なお耐光性は不織布では評価し難いため、同様の操作をアルミ箔に施したものを作製し、サンシャインフェードメータ(63℃)20時間照射前後のCIELAB1976における色差ΔEが5以下を良好、5を越えるものを不良とした。
【0040】
【実施例2】実施例1にて用いたアルミ被覆不織布(C1)、黄色に着色された共重合ポリエステル水分散体(B2)を用い、以下実施例1と同様に操作し、金色の金属光沢を有する不織布(G2)を得た。以下実施例1と同様に評価した結果を表1.に示す。
【0041】
【実施例3】実施例1にて用いたアルミ被覆不織布(C1)、赤紫色に着色された共重合ポリエステル水分散体(B3)を用い、以下実施例1と同様に操作し、メタリック調ショッキングピンクの金属光沢を有する不織布(SP1)を得た。以下実施例1と同様に評価した結果を表1.に示す。
【0042】
【実施例4】実施例1にて用いたアルミ被覆不織布(C1)、黄色に着色された共重合ポリエステル水分散体(B4)を用い、以下実施例1と同様に操作し、金色の金属光沢を有する不織布(G3)を得た。以下実施例1と同様に評価した結果を表1.に示す。
【0043】
【実施例5】実施例1にて用いたアルミ被覆不織布(C1)、黄色に着色された共重合ポリエステル水分散体(B5)を用い、以下実施例1と同様に操作し、金色の金属光沢を有する不織布(G4)を得た。以下実施例1と同様に評価した結果を表1.に示す。
【0044】
【実施例6】アルミ被覆不織布(C1)を共重合ポリエステル水分散体(B0)に浸漬し、引き上げた後150℃のドライオーブンにて5分間乾燥して銀白色の金属光沢を有する不織布(S1)を得た。塩基性蛍光染料アイゼンカチロン・ブリリアント・フラビン10GFH(C.I.Basic Yellow40)[保土ヶ谷化学製]95重量部、塩基性染料アイゼンカチロン・レッド6BH(C.I.Basic Violet7)[保土ヶ谷化学製]5重量部を脱イオン水1000重量部に溶解し80℃に昇温した。次いで、銀白色の金属光沢を有する不織布(S1)を30分間浸漬染色し、水洗後乾燥し、金色の金属光沢を有する不織布(G5)を得た。以下実施例1と同様に評価した結果を表1.に示す。
【0045】
【実施例7】以下に組成比を示すクリヤーラッカー4000重量部に蛍光染料「マクロレックス・イエロー6G」[BAYER社製]49.0重量部、C.I.DisperseRed60コンクパウダー[三井東圧染料社製]1.0重量部(樹脂成分に対して5wt%)を溶解し黄色のクリヤーラッカーとした。
クリヤーラッカー組成アルキル化メラミン樹脂 15重量部、ニトロセルロース 10重量部、メチルセロソルブ 5重量部酢酸−n−ブチル 10重量部酢酸エチル 10重量部n−ブチルアルコール 15重量部メチルイソブチルケトン 10重量部キシレン 25重量部得られたラッカーに、実施例1にて用いたアルミ被覆不織布(C1)を浸漬し、引き上げた後50℃の防爆仕様のドライヤにて乾燥して金色の金属光沢を有する不織布(G6)を得た。以下実施例1と同様に評価した結果を表1.に示す。
【0046】
【比較例1】以下に組成比を示すクリヤーラッカー4000重量部に含金属錯塩型油性染料アイゼンスピロン・イエローGRLHスペシャル47.5重量部、アイゼンスピロン・レッドGRLHスペシャル2.5重量部(樹脂成分に対して5wt%)を溶解し黄色のクリヤーラッカーとした。
クリヤーラッカー組成アルキル化メラミン樹脂 15重量部、ニトロセルロース 10重量部、メチルセロソルブ 5重量部酢酸−n−ブチル 10重量部酢酸エチル 10重量部n−ブチルアルコール 15重量部メチルイソブチルケトン 10重量部キシレン 25重量部得られたラッカーに、実施例1にて用いたアルミ被覆不織布(C1)を浸漬し、引き上げた後50℃の防爆仕様のドライヤにて乾燥して金色の金属光沢を有する不織布(G14)を得た。乾燥樹脂の被覆量はおおむね15g/m2 、となるように調整した。以下実施例1と同様に評価した結果を表1.に示す。得られた不織布(G14)は実施例にて得られた金色の不織布(G1)(G2)(G3)に比較してやや暗く見え、反射率が低く感じられた。
【0047】
【比較例2】以下に組成比を示すクリヤーラッカーを用い、以下、比較例と同様に操作し、金色の金属光沢を有する不織布(G15)を得た。
クリヤーラッカー組成ポリメチルメタアクリレート樹脂 25重量部、エチルアルコール 1重量部、トルエン 41重量部酢酸−n−ブチル 22重量部酢酸エチル 11重量部以下実施例1と同様に評価した結果を表1.に示す。得られた不織布(G15)は実施例にて得られた金色の不織布(G1)(G2)(G3)に比較して透明感に欠け金属光沢が鈍く感じられた。
【0048】
【比較例3】以下に組成比を示すウレタン塗料を用い、以下、比較例と同様に操作し、金色の金属光沢を有する不織布(G16)を得た。
ウレタン塗料組成デスモフェン800 7重量部、デスモフェン1100 8重量部、エチルアセテート 15重量部、コロネートL 20重量部、トルエン 50重量部、メチルセロソルブ 50重量部、酢酸−N−ブチル 50重量部、以下実施例1と同様に評価した結果を表1.に示す。得られた不織布(G16)は実施例にて得られた金色の不織布(G1)(G2)(G3)に比較してやや暗く見え、反射率が低く感じられた。
【0049】
【比較例4】比較例2にて用いたクリヤーラッカー4000重量部に非含金染料としてネププチューンイエロー075(油性染料、C.I.Solvent Yellow162)〔BASF社製〕47.5重量部、C.I.Dispers Red60コンクパウダー〔三井東圧染料社製〕2.5重量部を溶解し黄色ラッカーを得、以下比較例1と同様に操作し、金色の金属光沢を有する不織布(G17)を得た。以下実施例1と同様に評価した結果を表1に示す。得られた不織布 (G17)は実施例にて得られた金色の不織布(G1)等に比較して透明感に欠け、金色光沢が鈍く見えた。
【0050】
【表1】

【0051】
【発明の効果】以上述べてきたように、本発明によれば含金錯塩型染料を用いる必要がなく、良好な触感と、金属光沢の優れた、明るく透明感のある色調が得られ、高い装飾効果を実現することが可能となる。さらに本発明の好ましい製法によれば作業環境において有機溶剤等を使用する必要がなく、排気設備、溶剤回収設備等が不要であり、また火災等の防止の観点からも産業上有意義なものである。
【出願人】 【識別番号】000003160
【氏名又は名称】東洋紡績株式会社
【出願日】 平成7年(1995)8月2日
【代理人】
【公開番号】 特開平9−49133
【公開日】 平成9年(1997)2月18日
【出願番号】 特願平7−197536