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摩擦仮撚用ディスク - 特開平9−41230 | j-tokkyo
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【発明の名称】 摩擦仮撚用ディスク
【発明者】 【氏名】青木 康弘

【目的】
【構成】
【特許請求の範囲】
【請求項1】 摩擦仮撚装置の回転軸が挿入され得る孔部を有する芯金と、該芯金の周囲に一体成形された樹脂製コアと、該コアの周囲に設けられた摩擦材と、を有する摩擦仮撚用ディスク。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、摩擦仮撚装置の回転軸に取り付けられる摩擦仮撚用ディスク(以下、フリクションディスクともいう)に関する。
【0002】
【従来の技術】この種のフリクションディスクは、通常、図8に示すように、摩擦仮撚装置1の3つの回転軸2に回転可能に外嵌され、締付金具3にて取り付けられている。そして、糸条4は3つの回転軸2に取り付けられた各フリクションディスク20の外周面に所定圧力で接するように走行させられることで仮撚される。
【0003】上下の各フリクションディスク20、20は小間隙を介して近接しており、また糸条4に対して所定の摩擦力で常時接することが必要とされるので、高い成形精度が要求される。またこのような摩擦仮撚装置1はベルト5等にて多数駆動されるので、フリクションディスク20の軽量化も要求されている。
【0004】ところで、従来のフリクションディスク20は、図9に示すように、樹脂製のコア材21の周囲に樹脂製の摩擦材22を設けて構成されており、以下に示すような問題があった。
【0005】(1)成形精度が悪い。
【0006】コア材21としては、回転軸2を挿通するための孔部23を有する比較的肉厚のコア部24と摩擦材22を固定するための外周部25とを形成する必要がある。このように、形状的な制限からコア材21は偏肉厚の設計となることから、成形時の収縮等で変形しやすく、寸法安定性が悪い。
【0007】さらに、上記したように、ディスク20は高速で回転するため、精度が悪かったり偏肉厚になっていると、動バランスが悪い。特に、コア部24は設定肉厚が厚く形成されているが、孔部23が真円にならず、従って、孔部23の直進性が悪く摩擦仮撚装置1の回転軸2との嵌合の寸法精度が低い。
【0008】(2)変形が大きい。
【0009】図8に示したように、ディスク20は3〜4段重ねて使用され、また回転軸2への固定はネジ等の締付金具3で挟んで締め付けられる。従って、樹脂製コア材21の圧縮変形が起こり易く、ディスク20の高さが微妙に狂い易く、そのためディスク20、20間の間隙管理ができず、仮撚された糸条4の品質が悪くなる。また、長期間使用時のクリープ変形により精度に狂いがでたり、固定が緩んでしまうなどトラブルが発生しやすい。
【0010】(3)後加工での問題点。
【0011】コア材21の加工収縮や歪を修正するために、成形後、コア材21を機械加工してその精度を出し直す必要がある。そのため、次のような問題がある。
【0012】孔部23と、ディスクを重ねた時に接するコア部24側面との精度を確保する必要があるが、加工上一度ワーク(ディスク)をつかみ直さなければならず、そのため安定した精度の確保が困難であった。
【0013】また、加工時のチャッキングによってコア部24に変形や傷ができてしまう。さらに、コア材21の外周部25に摩擦材22を取り付けた後、精度確保とグリップを受け持つ面の摩擦力を安定確保するために摩擦材22を研磨加工する際にも、上記と同様に加工時のチャッキングによってコア部24に変形や傷ができてしまう。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の欠点を解消するためになされたものであって、その目的とするところは、回転体の動バランスを向上でき、また製品精度を向上できる摩擦仮撚用ディスクを提供することにある。本発明の他の目的は、加工時の不良を低減でき、また加工コストを低減することができる摩擦仮撚用ディスクを提供することにある。本発明のさらに他の目的は、長期使用時の寸法安定性を向上できる摩擦仮撚用ディスクを提供を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明の摩擦仮撚用ディスクは、摩擦仮撚装置の回転軸が挿入され得る孔部を有する芯金と、該芯金の周囲に一体成形された樹脂製コアと、該コアの周囲に設けられた摩擦材と、を有し、そのことにより上記目的が達成される。
【0016】以下、作用について説明する。
【0017】ディスクのコアの孔部には回転軸が挿入されること、および多数のディスクが該コア部分で互いに重ねられることから、孔部の真円度、孔部とコア端面との直角度、コアの両端面の平行度に極めてきびしい精度が必要とされ、また固定時にはコアに圧力がかかるため、加圧変形およびクリープ変形し難い材料でかつ軽量な材料でコアを作製することが必要とされる。
【0018】これらの条件を満たす樹脂材料は従来見あたらないことから、コアの中心部である芯金をアルミ合金等の金属で形成し、この芯金に樹脂材料をインサート成形してコアを作成することにより、軽量化を図りながら上記条件を満たすことができる。
【0019】芯金およびコア部分を全て金属で形成することも考えられるが、この場合には軽量化の点で不利であり、さらに以下に示す欠点がある。
【0020】複雑な形状となるため成形加工が困難である。高重量となるため動バランスが取りにくい。コアの外周部に付けるウレタン等の摩擦材との接着性が低く、高速で回転する際に外れてしまうことがある。そのため接着処理を行う必要がある。上記の各理由から、コストアップになる。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明の摩擦仮撚用ディスク10は、図1に示すように、摩擦仮撚装置1の回転軸2が挿入され得る孔部13を有する芯金11と、該芯金11の周囲に一体成形された樹脂製コア12と、該コア12の周囲に設けられた摩擦材16と、を有する。
【0022】該芯金11はアルミニウム合金等の比較的軽量な金属で形成されている。図3に示すように、該芯金11はその中心に孔部13を有する略円筒状にて形成され、該筒体14の外周部には周方向に長い溝部15が形成され、該筒体14の両端開口部は面取りされている。
【0023】この芯金11は、例えば、筒体を一度チャッキングし、その状態で筒体14の端面と孔部13内面とを加工して作製することができる。これによって筒体14の両端面の間隔を一定にし、また筒体14の端面と孔部13内面との直角と精度を確保することができる。
【0024】該コア12は、図2に示すように、合成樹脂材にて上記芯金11と一体成形によって形成されており、例えば、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PBT(ポリブチレンテレフタレート)、PC(ポリカーボネート)、POM(ポリアセタール)、PA(ポリアミド)、PPS(ポリフェニレンサルファイド)、および各樹脂がガラス繊維等で強化された樹脂等を使用することができる。
【0025】コア12の基部12aは上記芯金11の溝部15内に嵌合されており、コア12と芯金11との接触面積を広くし、かつ該溝部15における芯金11の表面を粗くすることにより、コア12は芯金11と一体的に回転するようになっている。また、コア12の表裏面にはリング状の補強リブ12bが突設されており、コア12の軽量化を図ると同時に補強を行っている。またコア12の外周部には多数の孔部12cが形成されている。上記摩擦材16は、該コア12の外周部に一体成形されており、コア12の孔部12cと係合している。
【0026】摩擦材16としては、例えばポリウレタン、CR(クロロプレン)、NBR(ニトリルブタジエンラバー)、H−NBR(水素置換−ニトリルブタジエンラバー)、ポリエステルエラストマー、およびポリ塩化ビニル等を使用することができる。
【0027】このようにして構成されたフリクションディスク10は、図8で示したように、摩擦仮撚装置1の3つの回転軸2に回転可能に外嵌され、締付金具3にて取り付けられる。糸条4は3つの回転軸2に取り付けられた各フリクションディスクの外周面に接するように走行させられることで仮撚される。
【0028】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明する。
【0029】(実施例)アムミニウム合金にて筒体を作製し、該筒体を一度チャッキングしてその筒体の端面と孔部とを共に加工することにより、図3に示す芯金11を作製した。該芯金11の筒体14の端面間の間隔L10は9mm、外径L5は21mm、孔部の径L4は12mmであった。
【0030】次に、上記芯金11を金型にセットし、ポリブチレンテレフタレートを注型して、図2に示すようにコアを芯金11と一体成形した。図2に示す各寸法は、次の通りであった。
【0031】L1=50mm、L2=40mm、L3=23mm、L4=12mm、L5=21mm、L6=35mm、L7=3mm、L8=2mm、L9=7mm、L10=9mm、L11=1mm。
【0032】次に、コア12の外周部にポリウレタンを一体成形して摩擦材16を形成し図1に示すようなディスク10を得た。
【0033】(比較例)ポリブチレンテレフタレートにてコア材を成形し、その後加工して図9に示すコア材を得た。次に、ポリウレタンをコア材の外周部に一体成形して摩擦材を形成し図9に示すディスク20を得た。図において、ディスク20の各寸法は次の通りであった。
【0034】L21=58mm、L22=38mm、L23=12mm、L24=51.4mm、L25=1.94mm、L26=9。
【0035】次に得られた実施例および比較例のディスクを使用して次の評価を行った。
【0036】(1)コア部の寸法精度誤差ディスクにおけるコア部の端面平行度、孔部と端面の直角度、端面幅、外周うねりの誤差を測定した。
【0037】コア部の端面平行度は、図4に示すコア部の両端面の間隔Lを測定することにより行い、孔部と端面の直角度は図4に示す孔部の内表面aとコア部の端面bとのなす角度を測定することにより行い、端面幅は上記間隔Lを測定することにより行い、外周うねりは、図5に示すように、コアの表裏面における最大幅Xで表した。それぞれ測定数nは20とした。それらの結果を表1に示す。
【0038】
【表1】

【0039】(2)ディスクコア部の動バランスの結果を表2に示す。
【0040】測定数nは20とした。
【0041】
【表2】

【0042】(3)孔部の円筒度図6に示すように、孔部13、23の軸芯方向における両端部(A、C)と中央部(B)における径を測定し、そのばらつきを測定した。それぞれ測定数nは20とした。結果を表3に示す。
【0043】
【表3】

【0044】(4)図7に示すように、回転軸に4枚のディスクを通してナット6にて締め付け、各トルクでの上下のディスク間の変形量Hを測定した。測定数nは1とした。結果を表4に示す。
【0045】
【表4】

【0046】
【発明の効果】本発明の摩擦仮撚用ディスクによれば、偏肉厚の原因となっていたコア中心部に金属製の芯金を設けることにより、均一肉厚の製品設計ができるようになり、いびつな成形収縮がなくなり、成形精度が向上し、後加工を行う必要がなくなった。同様の理由で、動バランスが向上し、バランス取りも不要となった。
【0047】さらに、コアの孔部精度が向上したため、機械軸との嵌合精度も向上し、機械上でのアンバランス量も大きく低減した。
【0048】芯金での圧縮変形が無視できるほど少なくなったため、ディスク固定時にネジを強くしめ込んでもコアの位置関係が狂うことがなくなった。
【0049】芯金のクリープ変形も無視できるほど少なくなったため、ネジの緩み問題や使用中の変形によるトラブルがなくなった。
【0050】摩擦材をコア外周部に設けた後の研磨加工時にも、孔部と端面との精度が高いことと、チャッキングによる変形も少ないことから、加工精度が向上した。
【出願人】 【識別番号】000111085
【氏名又は名称】ニッタ株式会社
【出願日】 平成7年(1995)7月25日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
【公開番号】 特開平9−41230
【公開日】 平成9年(1997)2月10日
【出願番号】 特願平7−189541