トップ :: D 繊維 紙 :: D02 糸;糸またはロ−プの機械的な仕上げ;整経またはビ−ム巻き取り




【発明の名称】 釣 糸
【発明者】 【氏名】阿比留 茂雄

【氏名】吉田 博

【氏名】白川 和英

【氏名】安▲藤▼ 正純

【目的】
【構成】 実質的に引揃えられたマルチフィラメント糸条もしくは式K=(T√d)/73 〔T=撚数(t/in),d=繊度(den)〕
【特許請求の範囲】
【請求項1】 実質的に引揃えられたマルチフィラメント糸条もしくは式K=(T√d)/73 〔T=撚数(t/in),d=繊度(den)〕
で表される撚係数Kが0.5以下となるように加撚されたマルチフィラメント糸条を芯糸とし、その外周部に、軸線に対し30゜以下の角度で、鞘糸となるマルチフィラメント糸条が巻回されてなることを特徴とする釣糸。
【請求項2】 芯糸の外周に、芯糸よりも細い鞘糸が、巻き方向が逆になるように二重に巻回しされてなることを特徴とする請求項1記載の釣糸。
【請求項3】 最外層が樹脂でコーティング仕上されてなることを特徴とする請求項1または2記載の釣糸。
【請求項4】 芯糸と鞘糸が熱融着されてなることを特徴とする請求項1または2記載の釣糸。
【請求項5】 鞘糸が通常の染料に可染性であるマルチフィラメント糸条であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の釣糸。
【請求項6】 芯糸の糸条の全部またはその一部が、破断強度20g/d以上、破断伸度6%以下、かつ初期弾性率600g/d以上の高強力繊維であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の釣糸。
【請求項7】 芯糸の糸条の全部またはその一部に使用される高強力繊維が、重量平均分子量100万以上の超高分子量ポリオレフィンの延伸物からなるマルチフィラメントであることを特徴とする請求項6記載の釣糸。
【発明の詳細な説明】【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、漁業、レジャーフィッシング等に広く使用され、高い破断強度、高い結節強度、低い破断伸度、高い耐摩耗性、耐久性を要求される高性能釣糸に関するものである。
【0002】
【従来の技術】釣糸には、リールに巻いて使用されるリール用道糸、ルアー用釣糸、フライ用釣糸、渓流釣り用釣糸、鮎釣り用釣糸、オトリ用糸、ハリス用糸等がある。これらの釣糸に共通して要求される特性は、軽量かつ高強力であることであり、その特性が長く維持されるための耐久性を具備していることである。
【0003】一般的にテグスと呼ばれる釣糸の内、その過半数はナイロンモノフィラメントが用いられているが、高強力繊維と呼ばれる破断強度20g/d以上の繊維の出現により、特に深海釣り、船釣り等においては、この高強力繊維使いの釣糸が広く使用されるようになってきた。この釣糸は、8つ打ち、16打ち等の組紐形態に編組され、任意の樹脂をコーティングして仕上げられており、使用される繊維は超高分子量ポリエチレン繊維のみであるものがその殆どである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】近年、益々盛んになるレジャーフィッシングにおいて、釣糸に対する高性能化のニーズや、低価格化を望む声が高まりつつある。これは、当該用途において広く使用されている、東洋紡績株式会社製のダイニーマ(登録商標)に代表される高強力繊維のみを使用した、8つ打ち、16打ち等の組紐構造を有するこれまでの釣糸に対して、以下のような実用上の問題点が顕在化してきたことによるものである。
【0005】■組紐は、生産性が低く(生産速度が遅く、また任意の本数の管巻きが必要なため一本でも糸切れがあるとロスの発生が大きく、生産効率に著しい影響を及ぼす)、加工コストを低くすることが困難であるために、釣糸価格が高い。
■組紐は、組紐を生産する際に使用される管巻きに巻ける長さでしか連続生産できないため、長尺ものが作り難く、短い釣糸しかできない。
■組紐構造では、編組することで実質的に繊維を極端に曲げて使用し、高強力繊維を直線で使用しないため、高い破断強度、結節強度、低い破断伸度等の高強力繊維の持つ機械的特性を100%発揮することができず、いわゆる強力利用率が低い。特に、破断伸度の低い高強力繊維使いの高性能釣糸においては、繊維を曲げて使用することはその性能低下を顕著に招くものとなる。
■形態の安定、釣糸としてのコシ等の使用感を高めるには、組紐の組角度を大きく(組ピッチを小さく)する必要があり、結果的に破断強力の低下と破断伸度の増加を招き、機械的特性を低下させる。
【0006】■染色性に乏しい繊維のみで構成されるため、カラーバリエーションの充実が望めない。
■接着性に乏しい繊維のみで構成されるため、樹脂コーティングした場合、コーティングされた樹脂が脱落し易く、リールに巻いた場合等において、色移りがおこり、美観が損なわれると共に、釣具や釣り人を汚染する。また、樹脂脱落を抑制するには、繊維間の空隙に樹脂を多量に含浸固化させて、樹脂のアンカー効果を発揮させることが必要となるため、樹脂付着量を少なくできず、結果的に重量増を招く。このため、釣糸の号数を増大させ、逆に号数当たりの破断強度が小さくなるために、釣糸性能が低下する。
■釣糸の機械的特性を支配する高強力繊維が、ガイド等で直接擦られるため、寿命が短い。
■釣糸の損傷程度を、性能低下を伴う高強力繊維自身の損傷でしか確認できず、損傷発見が手遅れになり易い。つまり、一般的に釣糸の寿命を推し量る手段としては、釣糸表面の摩耗損傷に伴う毛羽立ち状態の観察等があるが、組紐構造の場合、釣糸の破断強力を担う繊維自身の破壊や損傷がこれに該当するため、発見された時点では既に破断強力の低下を起こしており、破断強力の低下を伴ってでしか損傷状態を判断できない。
【0007】本発明の目的は、上記問題点を解決し、使用する高強力繊維の性能をより有効に利用して、従来の釣糸よりも、高い破断強度、高い結節強度、低い破断伸度等の機械的特性に優れ、高い耐摩耗性を有すると共に、生産性に優れ、長さの長い釣糸を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意検討を重ねた結果、本発明を完成するに至った。
【0009】即ち、本発明は、実質的に引揃えられたマルチフィラメント糸条もしくは式K=(T√d)/73 〔T=撚数(t/in),d=繊度(den)〕
で表される撚係数Kが0.5以下となるように加撚されたマルチフィラメント糸条を芯糸とし、その外周部に、軸線に対し30゜以下の角度で、鞘糸となるマルチフィラメント糸条が巻回されてなることを特徴とする釣糸に関する。また、本発明は、芯糸の外周に、芯糸よりも細い鞘糸が、巻き方向が逆になるように二重に巻回しされてなることを特徴とする上記釣糸に関する。さらに、本発明は、最外層が樹脂でコーティング仕上されてなることを特徴とする上記釣糸、また、芯糸と鞘糸が熱融着されてなることを特徴とする上記釣糸に関する。
【0010】本発明に用いられる芯糸は、実質的に引揃えられたマルチフィラメント糸条、もしくは式K=(T√d)/73 〔T=撚数(t/in),d=繊度(den)〕
で表される撚係数Kが0.5以下となるように加撚されたマルチフィラメント糸条であることが必要である。即ち、釣糸の軸線に対して実質的に平行となるように引揃えられたマルチフィラメント糸条か、あるいは撚係数Kが0.5以下の甘撚となるように加撚されたマルチフィラメント糸条が用いられる。なお、実質的とは、意図的にコントロールしなくとも、原糸をボビンから横取り解除等すれば、結果的に軸線に対し平行になることを意味するものである。
【0011】こうすることにより、芯糸に使用される繊維の持つ機械的特性を最大限利用することが可能であり、従来の組紐構造を有する釣糸よりも、同一号数で高い破断強力と高い結節強力を得ることができ、また、原糸の破断伸度と同じ値に釣糸の破断伸度を合わせることができ、総じて機械的特性に優れた釣糸を得ることができる。
【0012】また、撚係数Kの値が0.5を越えると、芯糸の引張強度が、使用された繊維自体がもともと有する引張強度を下回る傾向がある。また、撚係数Kは好ましくは0.25以下である。このことは、例えば図3のグラフからもわかる。当該グラフは、高強力繊維である超高分子量ポリエチレン繊維(ダイニーマ)における撚係数とその強度保持率の関係を示したものである。なお、縦軸は強度保持率〔%;無撚の超高分子量ポリエチレン繊維の引張強度を100%とした場合の、当該繊維を加撚した場合の引張強度の割合〕を、横軸は撚係数Kを示す。なお、Kについての上記式において、Tおよびdはマルチフィラメント糸条についての値である。
【0013】また、加撚する場合、加撚方法としては特に限定されるものではなく、2子撚でも3子撚でもかまわないが、糸条の断面が真円により近いものである方が釣糸として好適であることを考慮すると、片撚が最も好ましい。なお、無撚と甘撚とでは、甘撚がより好ましい。
【0014】芯糸に使用される素材としては、特に限定されるものではないが、芯糸の機械的特性が釣糸の機械的特性を大きく支配すること、および釣糸に求められる機械的特性等の点から、例えば、超高分子量ポリオレフィン繊維(超高分子量ポリエチレン等)、アラミド繊維、ポリアリレート繊維等の高強力繊維等が挙げられる。これらは、1種でも2種以上でも用いることができる。また、芯糸の少なくとも一部、好ましくはその全部に、破断強度が20g/d以上、破断伸度が6%以下、かつ初期弾性率が600g/d以上の高強力繊維を使用することが好ましい。さらに、耐海水性、耐候(光)性、耐摩耗性等の耐久性を考慮した場合、上記機械的特性を満足する高強力繊維の中でも、重量平均分子量が100万以上の超高分子量ポリオレフィンの延伸物からなるマルチフィラメントが特に好ましく、例えば東洋紡績株式会社製のダイニーマ(登録商標)等が挙げられる。
【0015】本発明においては、鞘糸となるマルチフィラメント糸条を構成するフィラメント(以下、鞘糸を構成するフィラメントともいう)が、釣糸の軸線に対してなす角度が30゜以下となるように、芯糸の外周を鞘糸で巻回しすることが必要である。
【0016】このように、芯糸の外周を鞘糸で巻回しすることにより、従来の組紐形態に編組された釣糸と比較して、生産速度を向上させることができ、生産性に優れたものとなるため、大幅にコストダウンできる。また、長い釣糸が得られる。また、芯糸の外周を鞘糸で巻回しする際、鞘糸を構成するフィラメントが、釣糸の軸線に対してなす角度が30゜以下となるようにすることにより、釣糸が釣竿、リール等に付設されるガイド類で摩擦を受ける際に、摩擦抵抗を小さくし、摩耗損傷の程度を小さくすることができる。さらに、上記構造とすることにより、芯糸で破断強力、低伸度等の機械的性能を、鞘糸で耐摩耗性や美観等の性能を分担することになり、摩耗損傷に伴う毛羽立ちが鞘糸に発生しても、破断強力を担う芯糸には損傷が及ばないため、破断強力の低下を伴うことなく、摩耗損傷の状態を示すことができる。
【0017】ここで、本発明の釣糸の1実施例(芯糸の外周を鞘糸で巻回ししたもの)を図1に示すが、これは後述のようにダブルカバリングした場合の釣糸であり、芯糸1の外周に鞘糸2を巻き方向が逆になるように二重に巻回ししてある。また、当該図1における鞘糸部分を主に拡大したものを図2に示す。ここで、鞘糸2を構成するフィラメント3が釣糸の軸線4に対してなす角度5を示している。
【0018】鞘糸を構成するフィラメントが釣糸の軸線に対してなす角度は、好ましくは10゜以下であり、限りなく0゜に近いことがより好ましい。当該角度が30゜を越えると釣糸の摩擦抵抗が大きくなり、耐摩耗性が低下する。なお、当該角度は、例えば鞘糸の撚り具合や、芯糸の外周への鞘糸の巻回し具合等によって、調整することができる。
【0019】また、芯糸の外周に、芯糸よりも細い鞘糸を、巻き方向が逆になるように二重に巻回しする(ダブルカバリング)ことが好ましい。このように巻き方向が逆になるように二重に巻回しすることにより、片方ずつの巻きのトルクを相殺して、釣糸がカールするのを防ぐことができる。なお、ダブルカバリングにより芯糸の外周に鞘糸を巻回しして釣糸を形成した場合には、組紐形態に編組された釣糸と比較して7倍以上の生産速度を確保することができる。
【0020】当該鞘糸は、釣糸の太さと引張強力のバランス等の点から、芯糸よりも細い糸条であることが好ましく、芯糸の30%以下の太さの糸条であることがより好ましい。つまり、ダブルカバリングにて芯糸の外周に鞘糸を巻回しする場合には、芯糸に対して60%以下の繊度の鞘糸が外周を形成することとなる。芯糸の繊度は10〜10,000デニールのものが好ましく、鞘糸の繊度は1〜3,000デニールのものが好ましい。
【0021】本発明に使用される鞘糸は、その素材は特に限定されるものではないが、着色等による美観の向上を考慮した場合、通常の染料に可染性である、即ち、通常の染料(直接染料、バット染料、ナフトール染料、硫化染料、分散染料、反応染料、酸性染料、錯鉛染料、カチオン染料等)によって染色することのできる、一般の衣料用、産業資材用の易染性繊維が好ましい。具体的には、綿、羊毛、獣毛、麻、絹等の天然繊維素材や、レーヨン、キュプラ、アセテート、ポリエステル、ポリアミド(ナイロン等)、アクリル、ビニロン、ポリブテン等の化学繊維素材等が挙げられ、好ましくはポリアミド繊維、ポリブテン繊維等である。これらは、目的に応じて任意の素材を選択して使用することができ、1種でも2種以上でも用いることができる。また、上記繊維を染色する場合は、通常公知の方法で行うことができる。
【0022】本発明の釣糸は、例えば、芯糸を横取り解除により引揃え、この芯糸の外周に鞘糸をカバリング機により巻回す方法等により製造することができる。
【0023】本発明の釣糸においては、上記のようにして得られたものに、さらに樹脂コーティングや熱融着による外層仕上げ等を施すことが好ましい。このように最外層の接着、固化等を行うことにより、釣糸に、より優れたコシ、外観、形態安定性等を付与することができ、取扱い性を向上させることができる。
【0024】樹脂コーティングの際に使用される樹脂としては、特に限定されず、例えばウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、エポキシ系樹脂等が挙げられる。樹脂コーティングの方法としては、例えば上記のようにして得られた釣糸を、樹脂槽に浸漬することで樹脂をディップし、ニップローラーで余分な樹脂を絞り落とした後、非接触型のヒーター間を通過させることで、その輻射熱により乾燥する方法等がある。
【0025】また、当該樹脂中に任意の顔料(カーボンブラック、マラカイトグリーン等)等の色材を混合させ、製品の色調を自在に調整することができる。こうすることにより、特に深海釣り用の釣糸等に要求される棚取りマーカーと呼ばれる一定間隔毎の色分け等も可能である。
【0026】なお、樹脂コーティングを行う場合、樹脂付着量は可能な限り少なくすることが望ましい。これは、樹脂付着量の増加は釣糸の重量増に繋がるためであり、たとえ芯糸の機械的特性を低下させることなく当該仕上げ加工がなされたとしても、結果的に著しい重量増を伴えば、号数当たりの破断強度が小さくなり、性能低下を招くことに他ならないからである。また、本発明の釣糸は、超高分子量ポリエチレン繊維のみを使用した組紐構造の従来の釣糸と比較して、微量の樹脂付着量で、前述の釣糸に求められる特性を満足させることができる。なお、鞘糸の素材としてナイロン等のポリアミド繊維を用いると、上記樹脂との接着性に優れるため、より微量の樹脂付着量で任意のコシを得ることができ、好ましい。
【0027】また、熱融着は、例えば非接触型ヒーター間を定速度で通過させることで、その輻射熱による加熱によって鞘部を芯糸に熱融着した後、直ちに水浴中に浸漬させて急冷して行うことができる。加熱温度は通常50〜135℃、好ましくは50〜95℃であり、加熱時間は通常5〜300秒、好ましくは5〜60秒である。この場合、例えば鞘糸として、芯糸の融点よりも10℃以上低い融点を有する繊維材料(例えば12−ナイロン、ポリエチレン、ポリブテン等)を選択することにより、芯糸の性能低下を伴うことなく、外部からの加熱によって芯糸と鞘糸を熱融着させることができる。
【0028】上記方法等により最外層を接着、固化した釣糸は、機械的特性以外に求められる外観、形態、コシ等の特性についても所望の特性を得ることが可能となる。
【0029】以上のように、本発明の釣糸は、これまでの組紐構造を有する釣糸に対して、性能面、品位面、生産効率面、価格面のいずれにおいても顕著な改善が確認されると共に、長い釣糸が得られ易い等、釣糸に求められるこれら様々な特性を、非常にバランスよく所有するものであり、優れた釣糸である。
【0030】
【実施例】以下の実施例により、本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0031】実施例1芯糸として超高分子量ポリオレフィンのダイニーマ(重量平均分子量200 万、繊度1200d 、破断強度32.0g/d 、破断伸度3.9%、初期弾性率1,050g/d)を、鞘糸として6−ナイロン(繊度125d)を用い、芯糸を横取り解除により引揃え、この芯糸の外周に鞘糸をカバリング機によりダブルカバリングさせた(軸線に対するフィラメントの角度3°)。次いで、これに、カーボンブラックを添加したウレタン系樹脂をディップ乾燥方式によりコーティングし、釣糸を得た。
【0032】実施例2〜5表1に記載の条件で、実施例1と同様にして釣糸を得た。なお、実施例2ではカーボンブラックを添加したウレタン系樹脂を用いて樹脂コートした。実施例3〜5では酸性染料(黒)により染色された鞘糸を用いた。
【0033】比較例1芯糸として超高分子量ポリオレフィンのダイニーマ(重量平均分子量200 万、繊度200d、破断強度32.0g/d 、破断伸度3.9%、初期弾性率1,050g/d)を用い、組角度12°でブレード機により8打組紐とした。次いで、これに、ウレタン系樹脂をディップ乾燥方式によりコーティングし、釣糸を得た。
【0034】比較例2〜3表2に記載の条件で、比較例1と同様にして釣糸を得た。なお、比較例2〜3ではウレタン系樹脂を用いて樹脂コートした。
【0035】比較例4〜5表3に記載の条件で、実施例1と同様にして釣糸を得た。なお、比較例4ではウレタン系樹脂を用いて樹脂コートした。
【0036】上記実施例および比較例で得られた釣糸の物性を表1〜3に示す。なお、各物性は次のようにして測定した。繊度はJIS L1013.7.3 により、破断強力、破断強度、破断伸度、初期弾性率はJIS L1013.7.5 により、結節強力はJIS L1013.7.6 により、撚係数はJIS L1013.7.11により測定した。鞘糸におけるフィラメントの軸線に対する角度及び組角度は、釣糸の拡大写真から分度器で測定した。標示号数は220d≒1号から換算したものである。耐摩耗性はJIS L1095.7.10に準拠し、一定回数摩擦後の強力保持率で評価した。生産性は単位時間当たりの生産量を実測した。連続長さは一仕掛の最長仕上げ長さを実測した。コシはJIS L1096.6.19.1A に準拠し、○:良好、△:やや不良、×:不良の基準により評価した。樹脂脱落はJIS L1095.7.10に準拠し、一定回数摩擦後の樹脂脱落量で○:良好、△:やや不良、×:不良の基準により評価した。外観は目視にて○:良好、△:やや不良、×:不良の基準により評価した。
【0037】
【表1】

【0038】
【表2】

【0039】
【表3】

【0040】
【発明の効果】本発明の釣糸は、高い破断強度、高い結節強度、低い破断伸度等の機械的特性に優れ、高い耐摩耗性を有し、樹脂コーティングされた場合にも樹脂が脱落し難く、生産性に優れ、長さの長い釣糸である。
【出願人】 【識別番号】000003160
【氏名又は名称】東洋紡績株式会社
【識別番号】594101466
【氏名又は名称】株式会社シラカワ
【出願日】 平成7年(1995)7月14日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】高島 一
【公開番号】 特開平9−31786
【公開日】 平成9年(1997)2月4日
【出願番号】 特願平7−179275