| 【発明の名称】 |
キャスタブル用カルシア・マグネシアクリンカーおよびその製造方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】松井久仁雄
【氏名】西肥 和浩
【氏名】礒部 利弘
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| 【目的】 |
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| 【構成】 |
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【特許請求の範囲】
【請求項1】 化学組成が灼熱基準で表して、MgO+CaO 97.0重量%以上、CaO 10重量%以上、30重量%以下、Al2O3 0.5重量%以上、3.0重量%以下、Al2O3/CaOの重量比が0.05以上であり、さらにその表面がリン酸カルシウムおよびリン酸マグネシウムから構成される表面層から成ることを特徴とするキャスタブル用カルシア・マグネシアクリンカー。 【請求項2】 a)水酸化マグネシウムと水酸化カルシウムをスラリー状態で混合して得られた混合物、あるいはこれら混合物を濾過、乾燥、軽焼して得られた粉体に、アルミニウム化合物をスラリー状態で、あるいは乾燥状態下で混合した後焼成して、化学組成が灼熱基準で表して、MgO+CaO 97.0重量%以上、CaO 10重量%以上、30重量%以下、Al2O3 0.5重量%以上、3.0重量%以下、Al2O3/CaOの重量比が0.05以上となるクリンカーを生成し、b)得られたクリンカーをリン酸あるいはリン酸塩を1種または2種以上含む水溶液に接触させた後、乾燥することを特徴とするキャスタブル用カルシア・マグネシアクリンカーの製造方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は不定形耐火物原料として適する耐消化性に優れたカルシア・マグネシア系クリンカーおよびその製造方法に関する。 【0002】 【従来の技術】近年製鋼炉用耐火物は、築炉の省力化および築炉環境改善のために吹き付け、流し込み材(キャスタブル)に代表される不定形耐火物が広く使用されるようになってきた。特に取鍋では、アルミナ−スピネル質、アルミナ−マグネシア質の不定形耐火物が広く普及している。一方、鋼の高級化および連続鋳造等の操業の合理化への志向から、操業温度の高温化、溶鋼処理時間の延長、あるいは取鍋精練法の導入が行われ、使用される耐火物は過酷な条件下にさらされるようになってきている。このため取鍋のスラグラインに相当する部位は、高い耐スラグ溶損性が要求されるため、MgO−Cr2O3質あるいはMgO−C質の塩基性定形耐火物が使用されている。これらスラグラインにおいても不定形化の要求は強いが、高耐食性を有し、かつ不定形施工時に消化しない耐火物原料が存在しないため、スラグラインの不定形化さらには全面流し込み施工は大きな課題として残されている。 【0003】MgO−CaO質クリンカーは、耐食性、耐スラグ浸潤性に優れているので、スラグライン用耐火物として好適である。しかしながらCaOの持つ高い消化性のため、不定形施工に耐えられるクリンカーは得られていないのが現状である。CaOを主な構成成分とするクリンカーの消化性を改善する方法として、従来から、Fe2O3、Al2O3、SiO2、TiO2、CaF2等の不純物を添加焼成する方法、およびCaOの表面を炭酸カルシウムやリン酸カルシウムなどの耐水和層で被覆する方法が行われている。たとえば特開昭62−182137ではCaOを10%以上含有する高純度なMgO−CaO原料にAl2O3を0.2〜2.0%添加した後焼成して耐消化性を高めている。耐水和層を形成する方法として、特許登録1578806では、クリンカーのCaO表面を炭酸化して耐消化性を向上させている。また特公平3−71385では生石灰含有クリンカーのリン酸カルシウム塩類から成る保護層で被覆して高い耐消化性を得ている。さらに特開平5−294713では、不純物としてTiO2とFe2O3を調整後、焼成して得たクリンカーをリン酸および酸性リン酸塩溶液で処理して高い耐消化性を得ている。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら特開昭62−182137および特許登録1578806の方法は、カルシアの消化性の改良を保存性、および取扱いに主眼をおいたものであり、本発明が目指すところの不定形用途、すなわち水と混練され高温の水蒸気に晒されるキャスタブルを想定したものでない。従ってその耐消化性の到達レベルも低い。特公平3−71385の方法では、キャスタブル用途を想定しているもののその耐消化性のレベルは低く、キャスタブル用クリンカーとしては不十分である。また表面処理剤を多量に使用しているため、耐食性の低下が懸念される。特開平5−294713において、不定形用途に耐えられる高い耐消化性を持ったクリンカーが得られている。しかし実炉における乾燥もしくは養生条件下のキャスタブル中ではさらに過酷な条件に晒されることが予想され、未だ耐消化性は十分とは言えない。 【0005】本発明の目的は、カルシアの本来持っている優れた耐熱性を損なうことなしに、キャスタブル施工を想定した高い耐消化性を有するカルシア・マグネシアクリンカー、およびその製造方法を提供することにある。 【0006】 【課題を解決するための手段】本発明者らは、長時間にわたり高温、高水蒸気圧下に置かれるキャスタブル施工体を想定した過酷な条件下での耐消化性に着目して研究を行った結果、クリンカーのCaO含有量及びAl2O3の含有量をある範囲に保ち、さらにはSiO2およびFe2O3をある含有量以下にすること、次にこれらクリンカーをリン酸またはリン酸塩類で処理を行いP2O5含有量をある範囲に規定することにより、著しく耐消化性を向上させることを見出だした。これらクリンカーは水混練というキャスタブル施工を想定したプロセスにも十分適応可能であることを確認し、さらにこれらの製造方法を確立して発明を完成するに至った。その構成は特許請求の範囲に記載の通りである。以下、本発明を詳細に説明する。 【0007】 【発明の実施の形態】本発明のキャスタブル用カルシア・マグネシアクリンカーは、化学組成が灼熱基準で表して、MgO+CaO 97.0重量%以上、CaO 10重量%以上、30重量%以下、Al2O3 0.5重量%以上、3.0重量%以下、Al2O3/CaOの重量比が0.05以上であり、さらにその表面がリン酸カルシウムおよびリン酸マグネシウムから構成される表面層から成ることを特徴としている。 【0008】ここでクリンカー部分のMgO+CaOは、97.0重量%以上であることが必要である。これ以下ではMgOおよびCaOが本来持っている耐火性、耐食性が発揮できない。CaOは10重量%以上、30重量%以下が必要であり、好ましくは10重量%以上、25重量%以下である。10重量%以下ではCaOの耐スラグ浸透性および不定形施工時の熱間強度等が低下してCaOの特性が消失する。また30重量%以上では本発明の目的とする高い耐消化性を得ることができない。 【0009】クリンカー中のAl2O3は0.5重量%以上、3.0重量%以下が必要であり、好ましくは1.0重量%以上、2.0重量%以下である。0.5重量%以下では本発明の高い耐消化性は得られない。Al2O3の含有量が3.0重量%を越すと耐火性が低下してCaOの持っている優れた特性が失われるだけでなく、耐消化性も低下する。さらに含有するAl2O3とCaOの重量比も重要であり、Al2O3/CaOは重量比で表して、0.05以上必要である。これ以下では十分な耐消化性は得られない。 【0010】不純物であるSiO2およびFe2O3は、クリンカーそのものの耐消化性を高める性質があるが、キャスタブル施工体中ではこれら成分は消化を促進する有害な成分である。すなわちこれら2成分は少ないことが好ましく、SiO2は0.25重量%以下が好ましく、さらに好ましくは0.15重量%以下、Fe2O3は0.2重量%以下が好ましく、さらに好ましくは0.1重量%以下である。上記以外の化学成分については特に規定しないが、耐火性および耐スラグ侵食性を低下させるB2O3は少ないことが望ましく、0.1重量%以下が好ましい。 【0011】本発明において、嵩密度は相対密度で表して96%以上が好ましく、さらに好ましくは97%以上である。これ以下では耐消化性が低下するばかりでなく、耐火物としての強度も劣化する。 【0012】本発明のキャスタブル用カルシア・マグネシアクリンカーは、さらにその表面がリン酸カルシウムおよびリン酸マグネシウムから構成される表面層から成ることを大きな特徴としている。ここでリン酸カルシウムは、第1リン酸カルシウム、第2リン酸カルシウムおよびその各種水和物、第3リン酸カルシウム、ヒドロキシアパタイト等を指す。より緻密で強固な表面層を得る上で、リン酸カルシウム層は第2リン酸カルシウムの2水和物(CaHPO4・2H2O)または無水物(CaHPO4)であることが好ましい。リン酸マグネシウムは、リン酸水素マグネシウムの3水塩および7水塩、ピロリン酸マグネシウム等を指す。これら耐水性の2つの表面層の存在により、キャスタブル施工に耐えられるクリンカーが得られる。ただしこれら耐水層の形成は、クリンカー部分の化学組成と密接に関係している。すなわち、先に述べたクリンカー部分の化学組成が本発明の範囲内にあって初めて、不定形施工を想定した過酷な環境にも耐え得るクリンカーが製造可能である。 【0013】さらに表面層を構成するリン酸カルシウムおよびリン酸マグネシウムの合計量は、3.35〜2.00mmの粒度範囲のクリンカー部分に対して、P2O5に換算して0.1重量%以上1.0重量%以下であることが好ましい。リン酸量がこの範囲にある時、十分な厚みの耐水層が形成される。0.1重量%未満では耐消化性が不十分であり、1.0重量%を越えるとキャスタブル施工体の耐火性を損なう結果となるばかりでなく、表面層の水和膨張によりキャスタブルとしての耐消化性が低下する。 【0014】本発明のキャスタブル用カルシア・マグネシアクリンカーは、水酸化マグネシウムと水酸化カルシウムをスラリー状態で混合して得られた混合物、あるいはこれら混合物を濾過、乾燥、軽焼して得られた粉体に、アルミニウム化合物をスラリー状態で、あるいは乾燥状態下で混合した後焼成して化学組成が灼熱基準で表して、MgO+CaO 97.0重量%以上、CaO 10重量%以上、30重量%以下、Al2O3 0.5重量%以上、3.0重量%以下、Al2O3/CaOの重量比が0.05以上となるクリンカーを生成し、次いで、得られたクリンカーをリン酸あるいはリン酸塩を1種または2種以上含む水溶液に接触させた後、乾燥することにより製造される。 【0015】原料の1つである水酸化マグネシウムは、海水に生石灰等のアルカリを反応させて得ることができる。この時得られる水酸化マグネシウムは酸化物換算で、MgOとして98重量%以上の高純度であることが好ましい。さらに液体サイクロン等により粗粒を除いておくことが好ましい。 【0016】他の原料である水酸化カルシウムは、生石灰を消和して得ることができる。得られた水酸化カルシウムは酸化物換算で、CaOとして99重量%以上の高純度であることが好ましい。さらに水酸化マグネシウムと同様に粗粒を除いておくことが好ましい。これら2つの原料中に不純物として存在するSiO2、Fe2O3は前述の理由から精製の段階で除いておくことが好ましい。 【0017】これら水酸化マグネシウムと水酸化カルシウムをスラリー状態で混合され、得られた混合物にアルミニウム化合物が添加される。この時混合スラリーに水溶性アルミニウム化合物を添加混合するか、混合スラリーを濾過、乾燥、軽焼して得られた粉体にアルミニウム化合物を添加混合する。軽焼した混合粉体にアルミニウム化合物を添加する場合、用いるアルミニウム化合物は平均粒径が5μm以下の微細な酸化アルミニウム粉末であることが好ましい。 【0018】アルミニウム化合物を添加した混合物は、必要ならば濾過、乾燥、軽焼した後に、焼成される。焼成にあたっては焼結性向上の目的から、ブリケットマシン等で成型することが好ましい。これら粉体あるいは成形体は、1800℃以上の温度で焼成される。焼成はロータリーキルン等を使用することができる。 【0019】焼成して得られたクリンカーは、リン酸あるいはリン酸塩を1種または2種以上含む水溶液に接触させた後乾燥して、クリンカー表面にリン酸カルシウムおよびリン酸マグネシウムの耐水被膜を形成させる。使用するリン酸塩としては、リン酸2水素ナトリウム、リン酸水素2ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム、テトラポリリン酸ナトリウム、ピロリン酸ナトリウム、ウルトラポリリン酸ナトリウム、等が使用できる。いずれのリン酸塩あるいはリン酸を用いても、リン酸カルシウムおよびリン酸マグネシウムから成る緻密な耐水和層を形成するために、水溶液のpHは2以下にしておくことが好ましい。この時水溶液との接触は、クリンカーを溶液中に30秒程度浸漬する、あるいはクリンカーに溶液を添加混合することにより達成される。リン酸あるいはリン酸塩水溶液に接触したクリンカーは、溶液と分離され乾燥される。表面層を形成するリン酸マグネシウムおよびリン酸カルシウムの結晶水含有量を低くするために、乾燥は100℃以上の温度で行うことが好ましい。 【0020】以上の工程を経て、不定形施工に耐えられる高い耐消化性を持ち、かつ高耐火性、高嵩密度の本発明のカルシア・マグネシア系クリンカーを製造することができる。本発明における種々の測定方法は下記の通りである。 【0021】(1)相対密度(RD) カルシアの理論密度を3.345g/cm3、マグネシアを3.581g/cm3として以下の式により求めた。 【数1】RD(%)=BD/ρ×100ここでρ=100/(WC/3.345+WM/3.581) ただし、WC:MgO+CaO=100%とした時のCaOの重量%WM:MgO+CaO=100%とした時のMgOの重量%BD:日本学術振興会第124委員会で提案された学振法2「マグネシアクリンカーの見掛け気孔率、見掛け比重及び嵩比重の測定法」に準じて測定したカルシア・マグネシア系クリンカーの嵩比重の値。 【0022】(2)化学組成試料をディスクミルを用いて約10μm以下に微粉砕した後、0.5gを正確に計り取る。これらを塩酸で加熱溶解して250mlに希釈する。これら試料溶液をアルゴンプラズマ発光分光分析装置にて、MgO、CaO、SiO2、Fe2O3、Al2O3、B2O3の各成分を分析した。さらに1000℃における灼熱減量をそれら分析値に加え、ほぼ100%になることを確かめたうえで、以上6成分をもって100%に換算した。P2O5については3.35〜2.00mmの粒度範囲にあるクリンカーを分析用試料とする他はすべて上記と同様にして行い、MgO+CaO+SiO2+Fe2O3+Al2O3+B2O3=100に対する重量比率(%)で表記した。 【0023】(3)耐消化性(134℃) 日本学術振興会第124委員会で提案された学振法7「ドロマイトクリンカーの消化性試験方法(案)(II)オートクレーブによる方法、に準じて測定した。 【0024】 【実施例】以下、本発明の実施例および比較例を挙げ具体的に説明する。 【0025】実施例1海水に水酸化カルシウムを反応させて得たスラリーを、液体サイクロンを用いて精製して水酸化マグネシウムスラリーを得た。さらに生石灰を消和して得たスラリーを液体サイクロンを用いて精製して水酸化カルシウムスラリーを得た。こけら2種のスラリーをMgO:CaOが重量比で90:10になる様に混合後、濾過してケークを得た。これを解砕した後、900℃で軽焼を行い焼成用原料粉体を得た。これら粉体に平均粒径が1μmの酸化アルミニウム粉末を焼成用原料粉体に対して重量比で0.5%添加混合した後に、ブリケットマシンを用いてアーモンド状に成型した。これら成型体をLPGと酸素を熱源とする静置型の焼成炉を用いて1800℃で焼成してクリンカーを得た。これらクリンカーの化学組成および物性を表1に示した。 【0026】これらクリンカーをステンレス製のカゴに入れて、10%リン酸溶液に30秒浸漬した後、水きりを行い110℃で1時間乾燥した。この時処理を行う前のリン酸溶液のpHは1.0であった。得られた処理後クリンカーのP2O5含有量および耐消化性測定結果を表3に示した。 【0027】さらにキャスタブル乾燥時における耐消化性を比較するために、表4の配合比でキャスタブルを作成し、30×30×120mmの金型に流し込んだ。これらを相対湿度85%、温度20℃の下で24時間養生した後に脱型し、得られたブロックをオートクレーブ中130℃の条件下で20時間保持した。冷却後オートクレーブ処理前後の寸法変化を測定し、以下の式で線変化率を測定した。測定結果を表3に示した。 【0028】 【数2】 線変化率(%)=(L1−L0)/L0×100L0:オートクレーブ処理前長さL1:オートクレーブ処理後長さ【0029】実施例2海水に水酸化カルシウムを反応させて得たスラリーを、液体サイクロンを用いて精製して水酸化マグネシウムスラリーを得た。さらに生石灰を消和して得たスラリーを液体サイクロンを用いて精製して水酸化カルシウムスラリーを得た。これら2種のスラリーをMgO:CaOが重量比で80:20になる様に混合後、濾過してケークを得た。これを解砕した後、900℃で軽焼を行い焼成用原料粉体を得た。これら粉体に平均粒径が1μmの酸化アルミニウム粉末を焼成用原料粉体に対して重量比で1.5%添加混合した後に、ブリケットマシンを用いてアーモンド状に成型した。これら成型体をロータリーキルンを用いて1800℃で焼成してクリンカーを得た。これらクリンカーの化学組成および物性を表1に示した。 【0030】これらクリンカーをステンレス製のカゴに入れて、10%リン酸溶液に30秒浸漬した後、水きりを行い110℃で1時間乾燥した。この時処理を行う前のリン酸溶液のpHは1.0であった。得られた処理後クリンカーのP2O5含有量および耐消化性測定結果を表3に示した。さらに実施例1と同じ条件で測定したキャスタブル線変化率を同じく表3に示した。なお本クリンカーの表面層を採取して粉末X線回折を測定した。測定結果を図1に示した。表面層が主にCaHPO4・2H2OとMgHPO4・3H2Oから成ることがわかる。 【0031】実施例3実施例2において、表面処理を行う前の未処理クリンカーに30%リン酸溶液を重量比で5%添加混合した後、110℃で1時間乾燥してクリンカーを得た。得られたクリンカーのP2O5含有量および耐消化性測定結果を表3に示した。さらに実施例1と同じ条件で測定したキャスタブル線変化率を同じく表3に示した。 【0032】比較例1実施例2において表面処理を行う前のクリンカーを、何等表面処理を施さずにそのままで耐消化性を測定した。測定結果を表3に示した。さらにこのクリンカーを用いて、実施例1と同じ条件で測定したキャスタブル線変化率を同じく表3に示した。 【0033】比較例2実施例2において、表面処理を行う前のクリンカーを700℃においてCO2ガスに1時間接触させて、クリンカー表面のCaO粒子をCaCO3に変化させた。得られたクリンカーの耐消化性測定結果を表3に示した。さらに実施例1と同じ条件で測定したキャスタブル線変化率を同じく表3に示した。 【0034】比較例3実施例2において、表面処理を行う前のクリンカーに、1重量%の水を加えて表面を湿潤状態にした後、重量比で4%の第1リン酸カルシウム粉末を添加、混練した。さらにこのクリンカーを450℃で30分焼成してクリンカーを得た。得られた処理後クリンカーのP2O5含有量および耐消化性測定結果を表3に示した。さらに実施例1と同じ条件で測定したキャスタブル線変化率を同じく表3に示した。 【0035】比較例4平均粒径が1μmの酸化アルミニウム粉末を焼成用原料粉体に対して重量比で0.5%添加混合すること以外は、実施例2と全く同様にしてクリンカーを焼成した。得られたクリンカーの化学組成および物性を表1に示した。これらクリンカーをステンレス製のカゴに入れて、10%リン酸溶液に30秒浸漬した後、水きりを行い110℃で1時間乾燥した。この時処理を行う前のリン酸溶液のpHは1.0であった。得られた処理後クリンカーのP2O5含有量および耐消化性測定結果を表3に示した。 【0036】実施例4海水に水酸化カルシウムを反応させて得たスラリーを、液体サイクロンを用いて精製して水酸化マグネシウムスラリーを得た。さらに生石灰を消和して得たスラリーを液体サイクロンを用いて精製して水酸化カルシウムスラリーを得た。これら2種のスラリーをMgO:CaOが重量比で75:25になる様に混合後、濾過してケークを得た。これを解砕した後、900℃で軽焼を行い焼成用原料粉体を得た。これら粉体に平均粒径が1μmの酸化アルミニウム粉末を焼成用原料粉体に対して重量比で2.0%添加混合した後に、ブリケットマシンを用いてアーモンド状に成型した。これら成型体をLPGと酸素を熱源とする静置型の焼成炉を用いて1800℃で焼成してクリンカーを得た。これらクリンカーの化学組成および物性を表1に示した。 【0037】これらクリンカーをステンレス製のカゴに入れて、10%リン酸溶液に30秒浸漬した後、水きりを行い110℃で1時間乾燥した。この時処理を行う前のリン酸溶液のpHは1.0であった。得られた処理後クリンカーのP2O5含有量および耐消化性測定結果を表3に示した。さらに実施例1と同じ条件で測定したキャスタブル線変化率を同じく表3に示した。 【0038】比較例5平均粒径が1μmの酸化アルミニウム粉末を焼成用原料粉体に対して重量比で1.0%添加すること以外は、実施例4と全く同様にしてクリンカーを焼成した。得られたクリンカーの化学組成および物性を表2に示した。これらクリンカーをステンレス製のカゴに入れて、10%リン酸溶液に30秒浸漬した後、水きりを行い110℃で1時間乾燥した。この時処理を行う前のリン酸溶液のpHは1.0であった。得られた処理後クリンカーのP2O5含有量および耐消化性測定結果を表3に示した。さらに実施例1と同じ条件で測定したキャスタブル線変化率を同じく表3に示した。 【0039】比較例6FeSO4をFe2O3換算でMgOに対して0.5重量%含む海水に、水酸化カルシウムを反応させて得たスラリーを、液体サイクロンを用いて精製して水酸化マグネシウムスラリーを得た。さらに生石灰を消和して得たスラリーを液体サイクロンを用いて精製して水酸化カルシウムスラリーを得た。これら2種のスラリーをMgO:CaOが重量比で75:25になる様に混合後、さらにTiO2を酸化物重量換算で1%添加し、乾燥、成型した。これら成型体をLPGと酸素を熱源とする焼成炉を用いて1800℃で焼成してクリンカーを得た。これらクリンカーの化学組成および物性を表2に示した。なおここで、TiO2の分析は、他の成分と同様にアルゴンプラズマ発光分光分析装置を用いて行った。この場合7成分をもって100%とした。 【0040】これらクリンカーをステンレス製のカゴに入れて、10%リン酸溶液に30秒浸漬した後、水きりを行い110℃で1時間乾燥した。この時処理を行う前のリン酸溶液のpHは1.0であった。得られた処理後クリンカーのP2O5含有量および耐消化性測定結果を表3に示した。さらに実施例1と同じ条件で測定したキャスタブル線変化率を同じく表3に示した。 【0041】比較例7海水に水酸化カルシウムを反応させて得たスラリーを、液体サイクロンを用いて精製して水酸化マグネシウムスラリーを得た。さらに生石灰を消和して得たスラリーを液体サイクロンを用いて精製して水酸化カルシウムスラリーを得た。こけら2種のスラリーをMgO:CaOが重量比で60:40になる様に混合後、濾過してケークを得た。これを解砕した後、900℃で軽焼を行い焼成用原料粉体を得た。これら粉体に平均粒径が1μmの酸化アルミニウム粉末を焼成用原料粉体に対して重量比で1.5%添加混合した後に、ブリケットマシンを用いてアーモンド状に成型した。これら成型体をLPGと酸素を熱源とする静置型の焼成炉を用いて1800℃で焼成してクリンカーを得た。これらクリンカーの化学組成および物性を表1に示した。 【0042】これらクリンカーをステンレス製のカゴに入れて、10%リン酸溶液に30秒浸漬した後、水きりを行い110℃で1時間乾燥した。この時処理を行う前のリン酸溶液のpHは1.0であった。得られた処理後クリンカーのP2O5含有量および耐消化性測定結果を表3に示した。さらに実施例1と同じ条件で測定したキャスタブル線変化率を同じく表3に示した。 【0043】 【表1】
【0044】 【表2】
【0045】 【表3】
【0046】 【表4】
【0047】 【発明の効果】本発明のキャスタブル用カルシア・マグネシアクリンカーは、著しく高い耐消化性を有しており、特にその性能は不定形施工を行った時に発揮される。さらに耐火物として有害な成分を含まないため、十分な耐食性が要求されかつ従来キャスタブル施工が不可能であった取鍋スラグラインへの適応を可能にするものである。さらに本発明のキャスタブル用カルシア・マグネシア系クリンカーは、本発明の製造方法によれば、工業的規模で容易に製造が可能である。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000119988 【氏名又は名称】宇部化学工業株式会社 【識別番号】000111683 【氏名又は名称】ハリマセラミック株式会社
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| 【出願日】 |
平成7年(1995)7月28日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】伊丹 勝
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| 【公開番号】 |
特開平9−40471 |
| 【公開日】 |
平成9年(1997)2月10日 |
| 【出願番号】 |
特願平7−193343 |
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