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【発明の名称】 自転車リアディレーラのガイドプーリ
【発明者】 【氏名】福田 雅彦

【目的】 チェーンの迅速な掛け換え時のヒステリシスが小さくチェーンの移動に追従して軸受が部分的に移動させ滑り摩擦を小さくする。
【構成】 ガイドプーリを支持するころがり軸受3の外輪5は内周面が一つの円周面で形成され、外輪5の内周面と内輪4の外周面の間に転動体が介在され、転動体は玉6又はローラ11であり、内輪4と外輪5とは軸方向に相対的に移動可能であり、内輪4の外周面上で転動体6,11が軸線方向に移動するの防止するためのストッパ及び保持器7,12が配置され、内輪及び玉はステンレス製であり保持器はナイロン製である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】自転車リアディレーラのガイドプーリであって、前記ガイドプーリを支持するころがり軸受は、内周面が一つの円周面からなる外輪と、前記外輪より直径が小さい内輪と、前記内周面と前記内輪の外周面の間に介在されて、前記内周面と前記外周面の表面を転動する転動体とからなり、前記内輪と前記外輪とは軸方向に相対的に移動可能であることを特徴とする自転車リアディレーラのガイドプーリ。
【請求項2】請求項1において、前記内輪の外周面が一つの円筒面からなることを特徴とする自転車リアディレーラのガイドプーリ。
【請求項3】請求項1又は2において、前記転動体は玉であることを特徴とする自転車リアディレーラのガイドプーリ。
【請求項4】請求項1又は2において、前記転動体はローラであることを特徴とする自転車リアディレーラのガイドプーリ。
【請求項5】請求項1,2,3又は4から選択される1請求項において、前記内輪の前記外周面上で前記転動体が軸線方向に移動するの防止するためのストッパが配置されていることを特徴とする自転車リアディレーラのガイドプーリ。
【請求項6】請求項1,2,3,4又は5から選択される1請求項において、前記外輪、前記内輪及び玉はステンレス製であることを特徴とする自転車リアディレーラのガイドプーリ。
【請求項7】請求項1,2,3,4,5又は6から選択される1請求項において、前記転動体を保持する保持器が設けられ、前記保持器はナイロン製であることを特徴とする自転車リアディレーラのガイドプーリ。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、リアディレーラのガイドプーリに関する。更に詳しくは、リアディレーラのガイドプーリをチェーンのシフト方向と同一方向に移動を許容するように転動体を用いたリアディレーイラのガイドプーリに関する。
【0002】
【従来の技術】リアディレーラは、複数のスプロケットにチェーンを脱線させながら掛け換えて歯数比を変え、チェーン伝動の駆動トルクを変換する装置である。このリアディレーラにはチェーンシフト機構の作動に伴ってチェーンを所要のスプロケットに案内するチェーンガイドを備えている。チェーンガイドは通常ガイドプーリ及びテンションプーリと呼ばれる2個のプーリを持ち、内・外ガイド板(ケージ)によって、チェーンの移動と同時に緩みも一緒にとるように作られている。
【0003】ディレーラのシフト動作において、ガイドプーリのスプロケットに対する位置は重要であり、可能な限り各フリーホイールのスプロケットと同一面内に位置決めしチェーンラインを一致させることが望ましい。しかしながら、リアディレーラを操作するシフトレバー機構のバックラッシュ、取付誤差等もあって、両者を完全に一致させることは事実上出来ない。
【0004】このため、ガイドプーリはチェーンのシフト方向、言い換えるとチェーンラインと垂直方向に前記誤差を吸収する程度の僅かな量(例えば、0.7mm)移動できるように遊びが設けてある。従来のガイドプーリの軸と軸受は耐摩耗性を高めるように滑り軸受であり、セラミックスで作られている。これは泥、ゴミ等の異物が侵入し、かつチェーンの張力が負荷されるような過酷な使用条件に耐えるようにするためである。
【0005】しかしながら、滑り軸受はその性質上、摩擦抵抗が大きい面接触する滑り摩擦のためにチェーンの移動に追従するのが遅い。このため、リアディレーラのシフト動作において、ハイヘチェーンを掛け換えた時とローにチェーンを掛け換えたときのガイドプーリの移動経路、すなわちヒステリシスが異なる。ヒステリシスが大きくなるとチェーンの迅速な掛け換えを妨げることにもなる。したがって、ガイドプーリは可能な限り剛性があり、しかも回転に対する機械的抵抗が少ないものが望ましい。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上述のような技術背景のもとになされたものであり、下記目的を達成する。
【0007】本発明の目的は、チェーンの迅速な掛け換えを可能にする自転車リアディレーラのガイドプーリを提供することにある。
【0008】本発明の他の目的は、チェーン掛け換えのヒステリシスが小さい自転車リアディレーラのガイドプーリを提供することにある。
【0009】本発明の更に他の目的は、チェーンの移動に追従して部分的に移動して滑り摩擦が小さい自転車リアディレーラのガイドプーリを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記目的を達成するため、次の手段を採る。
【0011】本発明1の自転車リアディレーラのガイドプーリは、自転車リアディレーラのガイドプーリであって、前記ガイドプーリを支持するころがり軸受は、内周面が一つの円周面からなる外輪と、前記外輪より直径が小さい内輪と、前記内周面と前記内輪の外周面の間に介在されて、前記内周面と前記外周面の表面を転動する転動体とからなり、前記内輪と前記外輪とは軸方向に相対的に移動可能である。
【0012】本発明2の自転車リアディレーラのガイドプーリは、前記発明1において、前記内輪の外周面が一つの円筒面からなることを特徴としている。
【0013】本発明3の自転車リアディレーラのガイドプーリは、前記発明1又は前記2において、前記転動体は玉であることを特徴としている。
【0014】本発明4の自転車リアディレーラのガイドプーリは、前記発明1又は前記発明2において、前記転動体はローラであることを特徴としている。
【0015】本発明5の自転車リアディレーラのガイドプーリは、前記発明1,2,3又は4から選択される1発明において、前記内輪の前記外周面上で前記転動体が軸線方向に移動するの防止するためのストッパが配置されていることを特徴としている。
【0016】本発明6の自転車リアディレーラのガイドプーリは、前記発明1,2,3,4又は5から選択される1発明において、前記外輪、前記内輪及び玉はステンレス製であることを特徴としている。
【0017】本発明7の自転車リアディレーラのガイドプーリは、前記発明1,2,3,4,5又は6から選択される1発明において、前記転動体を保持する保持器が設けられ、前記保持器はナイロン製であることを特徴としている。
【0018】本発明の自転車リアディレーラのガイドプーリは、チェーンの掛替時に軸受の内輪と外輪とが相対的に軽く移動し、チェーンの掛替時の抵抗が小さい。本発明の自転車リアディレーラのガイドプーリは、保持器8を備える。この保持器は、左右2列の玉を軸方向に一定間隔に保持する。このため、内輪の外周面と外輪の内周面の平行性が良好に維持され、外輪の内輪に対する移動性が良好である。外部から玉を含む空間に塵などの異物が入らない。
【0019】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態を説明する。図1は、本発明の自転車リアディレーラのガイドプーリ1の実施形態1を示す正面断面図、図2は図1の側面図である。ガイドプーリ1は、歯車形状であり周囲の一部に無端のチェーン(図示せず)が噛み合う。中心穴2には、チェーンの周回路の近辺に位置づけられ車体に取りつけられている取付軸(図示せず)が通される。軸受3は、中心穴2を形成している。ころがり軸受3は、中心穴2を有する内輪4と外輪5を備えている。内輪4と外輪5との間に、転動体である玉6が転動自在に介設されている。内輪4の直径は、外輪5の直径より小さい。
【0020】玉6は、図1の一部を拡大した図3に示すように、軸方向aに間隔を開けられ周方向に位相が異なり並列する複数の玉からなる。このような複数の玉は、1つ又は2つの保持器である玉保持器7に回転自在に支持されている。内輪4及び外輪5は、ステンレススティールで作られている。この場合、玉保持器7はナイロンにより作られている。玉保持器7は、内輪4と外輪5との間に位置づけされている。
【0021】内輪4と外輪5との間で軸方向で左右にリング状のシール部材8が設けられている。シール部材8の内周側及び外周側は、それぞれに玉保持器7の外周面及び内周面に摺動自在に接触している。シール部材8の外周側が外輪5の内周面に固着されている場合は、シール部材8の内周側が内輪4の外周面に摺動自在である。
【0022】外輪5の内周面は、1つの円筒面を備えている。外輪5の内周面の全部が、1つの円筒面を形成していてもよい。即ち、外輪5の内周面には、玉6が軸方向に転動するように設計されている長さ分に相当する幅だけは有する円筒面を備えている。内輪4の外周面は、1つの円筒面を備えている。内輪4の外周面の全部が、1つの円筒面を形成していてもよい。外側ケーシング9が、左右から軸受3をカバーしている。ケーシング9と自転車の車体とは固定関係にある。
【0023】外輪5は、内輪4に対して軸方向aに相対的に移動自在である。両側のケーシング9の内面間と外輪5との間には、隙間2S(図3参照)が開けられている。この実施形態では、外輪5が内輪4に対して軸方向aに移動自在である。外輪5の軸方向幅は、内輪4のそれよりも短く、即ち距離2Sだけ短くケーシング9内で移動が可能である。
【0024】次に、実施形態1の動作を説明する。チェーン掛替時のチェーンには、寸法誤差などの既述の原因により軸方向aの力が作用し、この作用力はチェーンを介してガイドプーリ1に軸方向の力を及ぼして、距離2Sの範囲で移動させる。ガイドプーリ1に同体の外輪5は、軸方向に移動する。このため、チェーンに作用する軸方向力は、チェーン掛替えの際の抵抗力にならない。
【0025】シール部材8により外部から玉6を含む空間に塵などの異物が入らない。このため、内輪4と外輪5は金属で作られているが、表面に傷がつかず玉6の転動性を良好に保持する。左右に並ぶ両列の玉6は、玉保持器7により互いに一定間隔を保持する。このため、内輪4の外周面と外輪5の内周面の平行性が良好に維持され、外輪5の内輪4に対する移動性が良好である。このように軸受がチェーンの動きに追随しやすく、軸方向左右に均等に軽く動くので、ローからハイへの切替及びハイからローへの切替に差がなくヒステリシスがあまり出ない。
【0026】次に、本発明の実施形態2を説明する。図4に示すように、ガイドプーリ1、内輪4、外輪5、ケーシング9の関係は、実施形態1のそれらの関係に同じである。実施形態2が、実施形態1と異なる第1点は、実施形態1の転動体が玉であるのに対して実施形態2の転動体がローラ(円柱体)であることである。複数のローラ11が、内輪4と外輪5との間に位置づけられている。複数のローラ11は、1つ又は2つのローラ保持器12により保持されている。複数のローラは、周方向に一定間隔で配置されている。
【0027】ローラ11と外輪5の内周面は摺動する。外輪5の内周面は1つの円筒面であるから、外輪5の内周面に比較的に軽くローラ11が摺動する。ケーシング9の外周端面とガイドプーリ1との間にシール部材14が介設されている。このシール部材14は、外部の塵などの異物をケーシング9内に侵入させない。
【0028】本発明の自転車リアディレーラのガイドプーリは、前記実施形態に限られないで、様々に変形される。例えば、図5に示すようにガイドプーリ1に内周面側から嵌め込まれている外輪5は、嵌込み輪21を外側に一体に備えている。内輪4に外周面22には玉6の一部をはめる周溝23が形成されている。左右列の玉6は、互いに位相が異なっている点、外輪5の内周面が円筒面である点も、実施形態1に同じである。
【0029】外輪5の横幅が内輪4の横幅よりも小さい点も、実施形態1に同じである。内輪4と一体に内側ケーシング23が、ケーシング9とは別体に両側に設けられている。内側ケーシング23の外周部は互いに内側に向くように、曲部24を形成するように曲げられている。曲部24の外周面にシール部材8が固着されている。シール部材8の外周端が、嵌込み輪21の内周面に摺動する。このシール部材8の摺動端線として2本が形成されている。
【0030】外側ケーシング9の外側端も内側に曲がる第2曲部25を有している。第2曲部25は、ガイドプーリ1が形成する周溝26に無接触に嵌まり込み、ガイドプーリ1と外側ケーシング9との間にラビリンス空隙27を形成している。ラビリンス空隙27の奥にシール部材8が」位置し、シール効果を高めている。
【0031】図6に示す更に他の実施形態では、図5に示した嵌込み輪21は、ガイドプーリ1側に一体に形成されている。シール部材8は、回転側に固着されている。即ち、シール部材8は、嵌込み輪21の内周面に固着されている。シール部材8の内周端が、内側ケーシング23の曲部24の外周面を摺動する。このシール部材8の摺動端線として2本が形成されている点は、前記他の実施形態に同じである。ラビリンス構造27も有している。このようなその他の実施形態によると、組立が簡単であり、シール性能がよい。
【0032】
【発明の効果】本発明によると、次の効果が奏される。チェーン切替が円滑である。ヒステリシス現象があまり出ないので、スポーツ性にすぐれる。
【出願人】 【識別番号】000002439
【氏名又は名称】株式会社シマノ
【出願日】 平成7年(1995)9月26日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】富崎 元成 (外1名)
【公開番号】 特開平9−86472
【公開日】 平成9年(1997)3月31日
【出願番号】 特願平7−270636