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【発明の名称】 開封器
【発明者】 【氏名】松本 典夫

【目的】
【構成】
【特許請求の範囲】
【請求項1】封筒の端部を挿入してスライドさせる両側開口の溝部を有するハウジングと、ハウジングに回動自在に軸支し先端を溝部に突出させる受け部材と、ハウジングに回動自在、かつ受け部材側に直線移動自在に軸支して刃部先端を溝部で受け部材に接触させるカッタ−と、カッタ−を受け部材に押圧する弾発部材とを具え、カッタ−は受け部材との接触部の両側に刃部が位置するようにし、弾発部材はカッタ−を受け部材に対し斜め方向に弾発させて、封筒を両側いずれかの開口から溝部内に挿入しカッタ−と受け部材間をスライドさせて端部を切断させることを特徴とする、開封器。
【請求項2】前記カッタ−が丸刃状をなし、前記受け部材がロ−ラ状をなすことを特徴とする、請求項1記載の開封器。
【請求項3】前記弾発部材が線ばねよりなり、その中央部をカッタ−に支軸に巻き回し両端部をハウジングに係止させてカッタ−を弾発させたことを特徴とする請求項1又は2記載の開封器。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は封筒の端部を切断して開封する開封器に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の開封器は、例えば実開平6-422923号に示すようにカッタ−先端を鋭角にして溝部の一方の開口から封筒端部を挿入しスライドさせて切断するものが多かった。
【0003】しかし、これらの開封器は静止したカッタ−ナイフに糊着してある封筒端部を移動させて切断するものなので、ときどき刃が紙にひっかかることや、切断面が綺麗に切れなかったりすることが多く、かつ、切断方向が一方向だけという不便さがあった。また、紙質や紙厚によってカッタ−の切断力を変えるため、実開平6-422923号のようにばね力調整のつまみを備えたものもあったが、その都度つまみを調整して開封するのはユ−ザ−にとって以外と面倒であり、つい調節せずに切断してしまうことが多く、実用的ではなかった。さらに、このばね力調整機能付き開封器は部品点数が増え、構造も複雑になる欠点があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、構造が簡単で部品点数の少ないものであっても、封筒を挿入する溝部も1方向のみでなく両側どちらの方向からでも挿入し切断できるとともに、ばね力調整機構なしでも、封筒の挿入方向を変えることにより切断力の大きさも変えることができる開封器の提供にある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、開封器を、封筒の端部を挿入してスライドさせる両側開口の溝部を有するハウジングと、ハウジングに回動自在に軸支し先端を溝部に突出させる受け部材と、ハウジングに回動自在、かつ受け部材側に直線移動自在に軸支して刃部先端を溝部で受け部材に接触させるカッタ−と、カッタ−を受け部材に押圧する弾発部材とを具え、カッタ−は受け部材との接触部の両側に刃部が位置するようにし、弾発部材はカッタ−を受け部材に対し斜め方向に弾発させて、封筒をいずれかの両側開口から溝部内に挿入しカッタ−と受け部材間をスライドさせて端部を切断させるようにすると、前記課題が解決できることを見出した。
【0006】
【実施の態様】本発明は、例えば図1〜図3に示すようにプラスチック板材よりなる一方の側片、底片、起立片、および起立片と離間させて底片と平行な溝部をなす他方の側片を、ピンを挟んで断面コ状となるハウジングを形成し、ハウジングの底片側にロ−ラ状の受け部材を回転自在に軸支し、ハウジングの底片と逆側に設けた長孔に丸刃状カッタ−の支軸をロ−ラ方向に直線移動可能、かつ回動可能に軸支し、そのカッタ−の支軸を弾発部材である線ばねで斜め左下方向に弾発させつつカッタ−刃部先端を受け部材に押圧させて開封器をつくる。この開封器は溝部の両側いずれの開口からでも封筒が挿入でき切断できるが、図1で斜め左下方向の弾発力がかかっているカッタ−に対し、右側の後ろからそれを押し上げつつ挿入する場合と、左側の弾発方向に向かって前から押し上げつつ挿入する場合では、前者の切断力は強く後者の切断力は弱くなる。この開封器は実施例1で後述する。
【0007】次に、本発明における他の実施の態様を説明する。図4に示すものは弾発部材を板ばねとし、その一端部をハウジングに係止し他端部を丸刃状カッタ−の支軸に対し斜め左下方向に弾発するものであり、図5に示すものは弾発部材をコイルバネとし、それで丸刃状カッタ−の支軸を斜め左下方向に引っ張って弾発させるものであり、図6に示すものは両端部をハウジングに係止したリング状ゴム部材を弾発部材とし、その中央部を丸刃状カッタ−の支軸に対し斜め左下方向に弾発するものである。それぞれ実施例2〜4にて後述する。
【0008】また、図7に示すものはカッタ−の下端部を円弧状とし、その上端中央部に垂直な長孔を設け、その長孔にハウジングに固定してあるピンを挿入し、そのカッタ−をコイルバネで斜め左下方向に弾発させるもので、カッタ−がピンをヒンジとして回動、かつ直線移動するものであり、図8に示すものはカッタ−の下端部を下向き鈍角三角形状とし、その上端中央部にハウジングに垂直移動可能に固定したピンを回動自在に軸支し、コイルバネでカッタ−を斜め左下方向に弾発させるものであり、実施例5〜6にて後述する。
【0009】なお、いずれの実施の態様も、前述したように受け部材に対するカッタ−の弾発力が斜め左下方向にかかっているため、図で左側から封筒を挿入しスライドする場合は弾発されているカッタ−を上方に押し上げるのが容易であると考えられるため、弱い押圧力で切断されるが、右側から挿入する場合は斜めに弾発されているカッタ−を後ろから押す形になるので長孔内をせって押し上げにくいと考えられ、強い押圧力で切断される。したがって、左右の挿入口を選ぶだけで強弱2通りの切断力を使い分けることができる。
【0010】
【実施例】本発明の各実施の態様における実施例を図により説明する。
(実施例1)図1〜図3に示す実施の態様における実施例であって、ハウジング1は互いの側縁部を順次接着剤で固着した一方の側片2、底片3、および起立片4と、起立片4と離間して底片3と平行な溝部5を形成しつつ一方の側片2に4本のピン6を挟んで起立片4と同一面状に固定した他方の側片7からなる。各部材はいずれも材質がアクリル樹脂の板材よりなり、全体として対向した2枚の方形板を底片3で連結し、一方の方形板に水平な溝部5を設けた断面コ状に形成してある。溝部5は起立片4と他方の側片7の間隔、および、それを一方の側片2まで延長した部分も含むものとする。
【0011】他方の側片7の中央部と一方の側片2の対向箇所には垂直方向の長孔8を設け、そこにカッタ−9の支軸10を直線移動可能、かつ回動可能に軸支してある。カッタ−9の外周部には円形の刃部11を取付けてあり、刃部11の先端が溝部5内に位置するようにしてある。起立片4の中央部と一方の側片2の対向箇所には孔を設けて受け部材であるロ−ラ12を回動自在に軸支し、その先端がカッタ−9の刃部11先端と溝部5内で接触するようにしてある。
【0012】弾発部材である線ばね13は、その中央部でカツタ−9の支軸10を巻き回し、その両端部を図1で左上と右下のピン6,6に係止して、支軸10を斜め左下方向に弾発させつつ長孔8に沿って下方へ移動させ、刃部11先端を溝部5内に突出させロ−ラ12に軽く押圧しつつ接触させる。線ばね13はカッタ−9の両側の支軸10にそれぞれ1個づつ2個取付ける。
【0013】この開封器の溝部5の右側開口から封筒14を挿入し、カッタ−9の刃部11とロ−ラ12間に線ばね13の弾発力に抗して挿入すると、カッタ−9の刃部11とロ−ラ12が回転し、封筒14の端部は線ばね13の弾発方向の斜め後ろからの挿入となるのでカッタ−9の支軸10が長孔8内をせって比較的押し上げにくくなると考えられ、強い押圧力の切断となる。逆に溝部5の左側開口から封筒14を挿入し、カッタ−9の刃部11とロ−ラ12間に線ばね13の弾発力に抗して挿入すると、封筒14の端部は線ばね13の弾発方向に向かって斜め正面からの挿入となるのでカッタ−9の支軸10が比較的押し上げ易くなると考えられ、弱い押圧力の切断となる。
【0014】実施例1でつくった開封器で比較的厚めのクラフト紙封筒を開封してみた。右側開口から溝部5に挿入しスライドさせたら表裏2枚がきれいに切断され開封された。しかし、左側開口から溝部5に挿入しスライドさせたら表1枚はきれいに切れたが、裏紙は断続的にしか切れなかった。また、コピ−用紙を重ねて切ったら、右側からは3枚切れたが左側からは1枚しか切れなかった。
【0015】(実施例2)図4に示す実施の態様における実施例であって、弾発部材を板ばね132 とし、その一端部をハウジング(図示せず)に係止し、その他端部をカッタ−9の支軸10に対し斜め左下方向に弾発させるものであって、他は実施例1と同一である。
【0016】(実施例3)図5に示す実施の態様における実施例であって、弾発部材をコイルバネ133 とし、それでカッタ−9の支軸10を斜め左下に引っ張って弾発させるものであって、他は実施例1と同一である。
【0017】(実施例4)図6に示す実施の態様における実施例であって、弾発部材をリング状ゴム134とし、その両端部をハウジング(図示せず)に係止し、その中央部をカッタ−9の支軸10に対し斜め左下に弾発させるものであって、他は実施例1と同一である。
【0018】(実施例5)図7に示す実施の態様における実施例であって、カッタ−9の下端部を左右対称の円弧状とし、その上端部中央に垂直な長孔15を設け、その長孔15にハウジング1に固定してあるピン16を挿入し、かつハウジング1に係止した弾発部材であるコイルバネ135 でカッタ−9を斜め左下に弾発させるものであり、カッタ−9がピン16をヒンジとして回動し、かつ直線移動するものであって、他は実施例1と同一である。
【0019】(実施例6)図8に示す実施の態様における実施例であって、カッタ−9の下端部を左右対称の下向き鈍角三角形状とし、その上端部中央にハウジング1に垂直移動可能に固定してあるピン16を回動自在に軸支し、ハウジング1に係止したコイルバネ135 でカッタ−9を斜め左下に弾発させるものであって、他は実施例5と同一である。
【0020】
【発明の効果】本発明は、構造が簡単で部品点数の少ないものであっても、封筒を挿入する溝部も1方向のみでなく両側どちらの方向からでも挿入し切断できるとともに、ばね力調整機構等がなくても、封筒の挿入方向を変えることにより切断力の大きさも変えることができる開封器となる。
【出願人】 【識別番号】000005027
【氏名又は名称】株式会社パイロット
【出願日】 平成7年(1995)7月28日
【代理人】
【公開番号】 特開平9−39496
【公開日】 平成9年(1997)2月10日
【出願番号】 特願平7−212488