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二重油圧シリンダの流量制御方法およびその装置 - 特開平9−38799 | j-tokkyo
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【発明の名称】 二重油圧シリンダの流量制御方法およびその装置
【発明者】 【氏名】川口 晃司

【目的】
【構成】
【特許請求の範囲】
【請求項1】 二重油圧シリンダに備えた大シリンダと小シリンダの流量制御方法にして、前記二重油圧シリンダを駆動せしめる油圧回路中に設けたサーボバルブのパイロット圧を、小シリンダを作動せしめる低圧に合わせて高低圧固定とし、前記サーボバルブのパイロット定格流量を小シリンダの大流量に合わせ、流量特性の変更をし、小シリンダの遅れ時間を短縮することを特徴とする二重油圧シリンダの流量制御方法。
【請求項2】 二重油圧シリンダに備えた大シリンダと小シリンダを駆動せしめる油圧回路中に設けたサーボバルブのパイロット圧により作動する比例弁に設けたスプールの段部に、前記二重油圧シリンダの上昇時に、下降時よりサーボバルブへの電流が同じでも流量が大きくなるような切欠部を設けてなることを特徴とする二重油圧シリンダの流量制御装置。
【請求項3】 前記二重油圧シリンダがタレットパンチプレスのパンチを往復動せしめる駆動装置であることを特徴とする請求項2記載の二重油圧シリンダの流量制御装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、二重油圧シリンダの流量制御方法およびその装置に係り、更に詳細には、二重油圧シリンダに備えた大、小シリンダを同じラムスピードで同一パラメータで制御する二重油圧シリンダの流量制御方法およびその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、例えばタレットパンチプレスにおいて、高ヒットレートを出すためにパンチを往復動せしめる駆動装置であるドライブシリンダを二重シリンダとしている。そして、この二重シリンダの制御を行なう場合、大シリンダと小シリンダでは質量が異なる上、小シリンダは低圧大流量で大シリンダは高圧小流量であるため、ラムスピードを変えていた。
【0003】前記二重シリンダを作動せしめる油圧回路として、例えば、図5に示されている油圧回路が知られている。
【0004】すなわち、油圧回路101にて作動する二重シリンダ103の構成は、大シリンダ105に小シリンダ107が組み込まれ、それぞれ油室109,111,113が形成されている。なお、符号115はパンチであり、符号117はダイである。
【0005】油圧回路101は、タンク119に連通したポンプモータ121にて駆動される可変容量形油圧ポンプ123が設けられ、この可変容量形油圧ポンプ123の吐出側管路125はチェック弁127を経てサーボバルブである3位置方向切換弁129のPポートへ連通している。そして、3位置方向切換弁129の流路を切換えてPポートとAポート,BポートとTポートを連通させると、圧油は管路131を通り、2位置方向切換弁133の流路を切換えPポートとBポート,AポートとTポートを連通させると、圧油は管路135を通り前記小シリンダ107の油室109へ流入し大シリンダ105を下降させる。
【0006】なお、この時、油室111内の油は管路137を通り3位置方向切換弁129のBポートよりTポートを通り戻り管路139を経てタンク119へ戻される。また、油室113は真空状態となり、管路141,143を介してタンク119内の油を吸い油室113内へ給油されるので、大シリンダ105をスムーズに下降させることができる。
【0007】次に、前記2位置方向切換弁133の流路を切換えてPポートとAポートおよびBポートを連通させると、Pポートより小シリンダ107の油室109と大シリンダ105の油室113へ圧油は流入し、大シリンダ105を下降させる。なお、油室111内の油は管路137を通り3位置方向切換弁129のBポートよりTポートを通り、戻り管路139を通りタンク119へ戻される。
【0008】前記3位置方向切換弁129の流路を切換えPポートとBポート,AポートとTポートを連通させると、圧油は管路137を通り大シリンダ105の油室111内へ供給され、大シリンダ105を持ち上げる。そして、油室109と113内の油は管路135,141を通り、2位置方向切換弁133のA,BポートよりPポートを通り、管路131を経て3位置方向切換弁129のAポートよりTポートを通り、戻り管路139を経てタンク119へ戻される。なお、符号145は脈動防止ダンパであり、符号147はフィルタである。
【0009】上記構成により、二重シリンダ103に設けた小シリンダ107を駆動する時は、可変容量形油圧ポンプ123を駆動して、サーボバルブである3位置方向弁129を制御して低圧大流量とし、また、大シリンダ105を駆動する時は可変容量形油圧ポンプ123を駆動して、サーボバルブである3位置方向切換弁129を制御して高圧小流量として、ラムスピードを変えていた。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従来の二重シリンダ103の流量制御は、大シリンダ105と小シリンダ107は別々の制御を取らなければならず、パラメータも別々となり、制御上非常に複雑となるという問題があった。
【0011】更に詳細には、従来の二重シリンダ103の流量制御は、サーボバルブである3位置方向切換弁129で行なっているが、小シリンダ107と大シリンダ105では質量が異なるため、慣性モーメントも異なり、それに伴いサーボ油圧剛性も違う。
【0012】そのため、大シリンダ105で予め加工する前にラムストロークを調整し、小シリンダ107に切換えると、図6および図7に示されているごとく、小シリンダ107の場合オーバーショートしてしまう。より詳細には、図6に示す大シリンダ105のラムストロークは、実線で示された指令値に対して点線で示しカーブが実位置である。この大シリンダ105の実位置に対し、小シリンダ107のラムストロークは、図7に示されているごとく、実線で示す指令値に対し点線で示す実位置は、上昇端においてオーバーシュートしてしまう。
【0013】この原因は、高圧と低圧ではパイロット圧が変化し、小シリンダを使う低圧においてはパイロット圧が下がり、サーボ剛性が弱くなるためである。
【0014】また、流量特性も図8に示されているごとく、サーボバルブである3位置方向切換弁129への入力iに対し流量Wは、二重シリンダ103に設けた大シリンダ105と小シリンダ107では、それぞれ異なったカーブを示している。
【0015】この発明の目的は、小シリンダの実ラムストロークのオーバーシュートをなくし、大,小シリンダを同じラムスピードでパラメータを一種類にすることにより制御の簡単化を図った二重油圧シリンダの流量制御方法およびその装置を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために請求項1によるこの発明の二重油圧シリンダの流量制御方法は、二重油圧シリンダに備えた大シリンダと小シリンダの流量制御方法にして、前記二重油圧シリンダを駆動せしめる油圧回路中に設けたサーボバルブのパイロット圧を、小シリンダを作動せしめる低圧に合わせて高低圧固定とし、前記サーボバルブのパイロット定格流量を小シリンダの大流量に合わせ、流量特性の変更をし、小シリンダの遅れ時間を短縮することを特徴とするものである。
【0017】また、請求項2によるこの発明の二重油圧シリンダの流量制御装置は、二重油圧シリンダに備えた大シリンダと小シリンダを駆動せしめる油圧回路中に設けたサーボバルブのパイロット圧により作動する比例弁に設けたスプールの段部に、前記二重油圧シリンダの上昇時に、下降時よりサーボバルブへの電流が同じでも流量が大きくなるような切欠部を設けてなることを特徴とするものである。
【0018】更に、請求項3によるこの発明の二重油圧シリンダの流量制御装置は、前記二重油圧シリンダがタレットパンチプレスのパンチを往復動せしめる駆動装置であることを特徴とするものである。
【0019】以上のような請求項1,2,3による二重油圧シリンダの流量制御方法およびその装置とすることにより、サーボバルブのパイロット圧を低圧に合わせ高低圧固定としたため、大シリンダと小シリンダとでサーボ剛性が均一になる。また、サーボバルブのパイロット定格流量を小シリンダの大流量に合わせたので、大、小シリンダの流量特性を均一にすることができる。更に、流量特性を変更し、小シリンダの遅れ時間を短縮する。而して、大、小シリンダを同じラムスピードで同一パラメータで制御が可能となる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態の例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、二重油圧シリンダを備えた工作機械として、例えば、本実施の形態の例ではタレットパンチプレスを採用したが、この機種に限定するものではなく、すべての機械に用いられている二重油圧シリンダを対象とするものである。
【0021】図4を参照するに、タレットパンチプレス1は門型形状のフレーム3を備えており、このフレーム3は下部ベース5、下部ベース5に立設されたサイドフレーム7と、サイドフレーム7の上部に設けられた上部フレーム9とで構成されている。
【0022】前記下部ベース3には回転自在な下部タレット11が支承されていると共に、下部タレット11の円周上には適宜な間隔で複数のダイDが装着されている。前記上部フレーム9には前記下部タレット11に対応して回転自在な上部タレット13が支承されていると共に、前記ダイDに対応した位置の上部タレット13には複数のパンチPが装着されている。
【0023】前記下部、上部タレット11,13の図6において右側部分に装着されたダイD、パンチPの位置が加工位置となっており、この加工位置にあるパンチPの上方における上部フレーム9にはストライカ15が上下動自在に設けられている。このストライカ15は上部フレーム9内に設けられた二重油圧シリンダ17に例えばラム19を介して連結されている。
【0024】前記下部ベース5上の図4において右端には、Y軸方向(図4において左右方向)へ移動自在なキャレッジベース21が設けられており、このキャレッジベース21にはX軸方向(図4において紙面に対して直交する方向)へ移動自在なキャレッジ23が設けられている。このキャレッジ23にはX軸方向へ適宜な間隔でワークWをクランプする複数のワーククランプ25が設けられている。
【0025】上記構成により、キャレッジベース21をY軸方向へ、キャレッジ23をX軸方向へ移動せしめることにより、キャレッジ23に設けられたワーククランプ25にクランプされたワークWがX軸,Y軸方向へ移動されて、ワークWの所望位置が加工位置に位置決めされることになる。
【0026】この加工位置にワークWの所望位置が位置決めされた状態において、上、下部タレット13,11を回動せしめて所望のパンチP、ダイDを加工位置に割出し位置決めする。次いで、二重油圧シリンダ17を駆動せしめてラム19を介してストライカ15を上下動せしめることにより、パンチPとダイDとの協働により、ワークWの所望位置に通常の打抜き加工が行われることになる。
【0027】次に、本実施の形態の例の主要部である前記二重油圧シリンダ17を駆動せしめる油圧回路27について、詳細に説明する。
【0028】図1を参照するに、前記二重油圧シリンダ17の構成は、大シリンダ29に小シリンダ31が組み込まれ、それぞれ油室33,35,37が形成されている。なお、符号39はパンチであり符号41はダイである。
【0029】前記二重油圧シリンダ17を駆動せしめる油圧回路27には、直動型2段式のサーボバルブ43が設けられている。この直動型2段式のサーボバルブ43は、図2に示されている構造であり、既に公知の構成のものであるため詳細な説明を省略するが、サーボバルブ43を構成する部材は、直動型サーボ弁45と、この直動型サーボ弁45のパイロット圧により作動する比例弁47とが組み合わされて構成されている。なお、比例弁47の各ポート(A,B,P,Tポート)は図2の図中に示す。
【0030】より詳細には、直動型サーボ弁45は、弁本体49内にパイロットスプール51が流路切換自在に装着され、このパイロットスプール51の一端に取り付けたリニアモータ53によりパイロットスプール51は駆動される。また、比例弁47は、弁本体55内にスプール57が流路切換自在に装着され、このスプール57の両端側に形成した流路55Aより供給される直動型サーボ弁45のパイロット圧により、スプール57は移動され、スプール57の移動量を直動型サーボ弁45で制御する。なお、符号58は差動変圧器である。
【0031】そして、本実施の形態の例の主要部である前記比例弁47に設けたスプール57の段部に切欠き加工が施されている。この、比例弁47の弁本体55に設けたスプール57の段部の両側に、部分的に小さな切欠部が形成されている。この形状とすることにより、入力電流iが少量でもスプール57の移動が円滑となり、多量の作動油を流すことができ、小流量の場合もカバーできる。また、スプール57の段部における面取り部や段部の軸方向に切欠部を設けてもよい。
【0032】次に、油圧回路27について詳細に説明する。
【0033】再び図1を参照するに、油圧回路27は、タンク61に連通したポンプモータ63にて駆動される可変容量形油圧ポンプ65が設けられ、この可変容量形油圧ポンプ65の吐出側管路67は前記直動型2段式のサーボバルブ43のPポートへ連通している。そして、前記吐出側管路67の途中にはアキュムレータ69が設けられていると共に、減圧弁71が設けられ、この減圧弁71の出側管路73が前記サーボバルブ43である直動型サーボ弁45の圧油流入口に接続されている。なお、出側管路73の途中にはアキュムレータ75が設けられている。
【0034】前記減圧弁71の設定圧は、例えば、低圧時のメイン圧力に対して70%とする。従来は、高圧、低圧を個別にパイロット圧を設定していたので、回路が個別に必要であるが、本実施の形態の例では回路は1つで良く、パイロット圧を低圧に合わせ、高低圧固定とする。
【0035】前記直動型2段式のサーボバルブ43の流路を切換えてPポートとAポート,BポートとTポートを連通させると圧油は管路77を通り2位置方向切換弁79へ送られる。この2位置方向切換弁79の流路を切換えPポートとBポート,AポートとTポートを連通させると、圧油は管路81を通り前記小シリンダ31の油室33へ流入し大シリンダ29を下降させる。
【0036】なお、この時、油室35内の油は管路83を通りサーボバルブ43のBポートよりTポートを通り戻り管路85を経てタンク61へ戻される。また、油室37は真空状態となり、管路87,89を介してタンク61内の油を吸い油室37内へ給油されるので、大シリンダ29をスムーズに下降させることができる。
【0037】次に、前記2位置方向切換弁79の流路を切換えて、PポートとAポートおよびBポートを連通させると、Pポートより小シリンダ31の油室33と、大シリンダ29の油室37へ圧油は流入し、大シリンダ29を下降させる。なお、油室35内の油は管路83を通りサーボバルブ43のBポートよりTポートを通り、戻り管路85を通ってタンク61へ戻される。
【0038】前記サーボバルブ43の流路を切換えてPポートとBポート,AポートとTポートを連通させると、圧油は管路83を通り大シリンダ29の油室35内へ供給され、大シリンダ29を持ち上げる。そして、油室33,37内の油は管路81,87を通り、2位置方向切換弁79のA,BポートよりPポートを通り、管路77を経てサーボバルブ43のAポートよりTポートを通り、戻り管路85を経てタンク61へ戻される。なお、符号91は脈動防止ダンパである。
【0039】上記構成により、直動型2段式のサーボバルブ43に設けた直動型サーボ弁45を作動させるパイロット圧力を、例えば低圧時のメイン圧力の70%として高低圧固定とする。そのため、大シリンダ29を小シリンダ31とでサーボ剛性が均一となる。
【0040】また、サーボバルブ43に備えた比例弁47のスプール57の段部57Aに切欠部59を形成したことにより、入力電流が少量でもスプール57の移動が円滑となり、多量に作動油を流すことができ、小流量の場合もカバーできる。
【0041】そして、直動型サーボ弁45の定格流量を小シリンダ31の大流量に合わせたものにアップしたので、大、小シリンダ29,31の流量特性を均一にすることができる。
【0042】すなわち、図3に示されているカーブのごとく、流量特性は、直動型サーボ弁45への入力iに対し流量Wは、大、小シリンダ29,31共に同一のカーブとなり、下降時は質量が大きいのでそのまま、上昇時は小シリンダ31だけ少しの電流で流量を大きくする。電流が小さいとゲインが小さい状態で制御でき安定する。更に、流量特性を変更し、小シリンダ31の遅れ時間を短縮する。
【0043】而して、小シリンダ31の実ラムストロークのオーバーシュートがなくなり、大、小シリンダ29,31を同じラムスピードで、同一パラメータで制御することができ、制御の簡単化を図ることができる。
【0044】なお、この発明は前述した実施の形態の例に限定されることなく、適宜な変更を行なうことにより、その他の態様で実施し得るものである。
【0045】
【発明の効果】以上のごとき実施の態様の例の説明より理解されるように、請求項1,2,3によるこの発明によれば、二重油圧シリンダを上昇、下降させる油圧回路に設けたサーボバルブのパイロット圧により作動する比例弁を設け、この比例弁のスプール段部に切欠部を形成した。このため、入力電流が少量でもスプールの移動が円滑となり、多量に作動油を流すことができ、小流量の場合もカバーできる。
【0046】そして、サーボバルブの定格流量を小シリンダの流量に合わせ、流量特性を変更し小シリンダの遅れ時間を短縮するので、小シリンダの実ラムストロークのオーバーシュートがなくなる。
【0047】更に、油圧回路に設けた減圧弁を制御することにより、サーボバルブのパイロット圧を小シリンダに合わせ、高低圧固定とする。而して、大、小シリンダを同じラムスピードでパラメータを一種類にすることにより、制御の簡単化を図ることができる。
【出願人】 【識別番号】390014672
【氏名又は名称】株式会社アマダ
【出願日】 平成7年(1995)7月31日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和 (外8名)
【公開番号】 特開平9−38799
【公開日】 平成9年(1997)2月10日
【出願番号】 特願平7−194755