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【発明の名称】 プレス成形装置
【発明者】 【氏名】叶井 貫

【目的】
【構成】
【特許請求の範囲】
【請求項1】 金型(5)を基台上の所定の位置に支持する支持部材(3)を有し、前記支持部材(3)に、複数種の金型(5)を交換可能なように、クッションピン(2)を挿通する複数の挿通孔(3a)を形成し、前記支持部材(3)の各金型の支持位置に対応する挿通孔(3a)にのみ前記クッションピン(2)を挿通可能なように挿通孔(4a)が形成された板状部材(4)を設け、前記各金型の支持位置に応じて、前記板状部材(4)を前記支持部材(3)の下部に着脱可能に設けたことを特徴とするプレス成形装置。
【請求項2】 前記支持部材(3)は、トランスファプレス用の金型を支持することを特徴とする請求項1に記載のプレス成形装置。
【請求項3】 前記板状部材(4)は、鋼板からなることを特徴とする請求項1に記載のプレス成形装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プレス成形装置に関し、例えば、トランスファプレス成形において、金型を支持するライザを全ての金型に共通に使用できるように各金型毎に専用のプレートを設けたプレス成形装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のプレス成形装置においては、図2に示すように、プレス成形装置20は、被加工物をプレス上型7とプレス下型5との間に介在させ、プレス上型7を下降させ、ライザ23上に設置されたプレス下型5にプレス上型7を嵌合させることにより、被加工物を所望形状に成形する。ライザ23はプレス下型5をライザ23上の所定位置に保持するもので、上下に昇降動作可能な基台6上に設置されている。また、ライザ23には、クッションピン2の挿通孔3aが形成されており、プレス下型5をライザ23上に設置するときには、プレス下型5に形成された挿通孔5aとクッションピン2の挿通孔3aとを一致させる。クッションピン2は、挿通孔3a、5aとを貫通して上方に突き出るように設置される。
【0003】プレス上型7が下降して、ある位置においてクッションピンの先端部とプレス上型7とが当接すると、被加工物はその縁部が把持された状態でプレスされる。この状態で、クッションピン2の他方の端部は基台6に当接しており、基台6は下降しながら上型7のプレス圧をクッションピン2を介して受け止める。図3(a)は、図2に示すライザの平面図であり、図3(b)は、図3(a)の側面図である。図2及び図3に示すように、従来のプレス成形装置20において、ライザ23は鋳造にて成形され、ライザ23のクッションピン2の挿通孔3aは、設置されるプレス下型5に応じて使用する位置にのみ形成される。一方、使用しない位置にある挿通孔3bは、この挿通孔3bを塞ぐように突起部23bを形成することにより、ライザセット時にクッションピンを誤って違う位置の挿通孔に挿通してしまうことを防止している。
【0004】以上説明した従来技術に関連して、特開平2−38000号公報には、プレス機械のポスルタプレートに穿設されたピン孔にクッションピンを挿入すると共に、ボルスタプレートの下方に昇降自在なピストンロッドを有する液圧シリンダを各クッションピンに当接するように配設したダイクッション装置が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述の従来のプレス成形装置においては、ライザは使用する金型毎に製作されているのでライザの種類の数だけ鋳型を用意する必要があり不経済である。また、金型を交換する際にはライザも交換する必要があり交換作業が手間である。
【0006】また、特開平2−38000号公報に開示されるものでは、各クッションピンに液圧シリンダを設けるので、クッションピンの使用本数が少ない場合にはそれほど支障がないけれどもトランスファプレスのようにクッションピンの使用本数が多い場合には装置に要するコストが増大してしまう欠点がある。本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ライザを全ての金型に共通に利用でき、プレス装置全体のコスト低減を図ることができるプレス成形装置を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上述の問題点を解決し、目的を達成するために、この発明に係わるプレス成形装置は、以下の特徴を備える。即ち、金型(5)を基台上の所定の位置に支持する支持部材(3)を有し、前記支持部材(3)に、複数種の金型(5)を交換可能なように、クッションピン(2)を挿通する複数の挿通孔(3a)を形成し、前記支持部材(3)の各金型の支持位置に対応する挿通孔(3a)にのみ前記クッションピン(2)を挿通可能なように挿通孔(4a)が形成された板状部材(4)を設け、前記各金型の支持位置に応じて、前記板状部材(4)を前記支持部材(3)の下部に着脱可能に設けた。
【0008】また、好ましくは、前記支持部材(3)は、トランスファプレス用の金型を支持する。また、好ましくは、前記板状部材(4)は、鋼板からなる。以上のように、本発明のプレス成形装置においては、金型を基台上の所定の位置に支持する支持部材に、複数種の金型を交換可能なように、クッションピンを挿通する複数の挿通孔を形成し、この支持部材の各金型の支持位置に対応する挿通孔にのみクッションピンを挿通可能なように挿通孔が形成された板状部材を設け、各金型の支持位置に応じて、板状部材を支持部材の下部に着脱可能に設けた構成としたので、ライザを複数種の金型に共通に利用可能とし、金型を交換する場合には板状部材を交換するだけで対応でき、プレス装置全体のコスト低減を図ることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係わる実施形態につき添付図面を参照して詳細に説明する。以下では、本実施形態のプレス成形装置を自動車部品の加工に適用した例について説明するが、本実施形態のプレス成形装置は自動車部品以外にも適用できることは言うまでもない。
【0010】図1は、本実施形態のプレス成形装置を模式的に示す図である。また、図4は、本実施形態のライザの平面図であり、図5は、図5のライザに取付けられる専用プレートの平面図である。先ず、図1において、本実施形態のプレス成形装置1は、被加工物をプレス上型7とプレス下型5との間に介在させ、プレス上型7を下降させ、ライザ3上に設置されたプレス下型5にプレス上型7を嵌合させることにより、被加工物を所望形状に成形する。ライザ3はプレス下型5をライザ3上の所定位置に保持し、上下に昇降動作可能な基台6上に設置されている。
【0011】ライザ3には、複数種類のプレス下型をライザ3上の所定の位置に設置可能なように、クッションピン2の挿通孔3aが複数形成されており、プレス下型5をライザ3上に設置するときには、プレス下型5は、このプレス下型5に形成された挿通孔5aとクッションピン2の挿通孔3aとを一致させることにより位置決めされる。また、ライザ3の裏面には、鋼板からなる専用プレート4がボルト等により締結可能になっている。専用プレート4には、各種のプレス下型毎にその使用する位置に応じた挿通孔4aのみが形成されており、クッションピン2は、挿通孔3a、4a、5aとを貫通して上方に突き出るように設置される。
【0012】プレス上型7が下降して、ある位置において被加工物を介して、クッションピンの先端部が当接するクッションパッド5bとプレス上型7とが当接すると、被加工物はその縁部が把持された状態でプレスされる。この状態で、クッションピン2の他方の端部は基台6に当接しており、基台6は下降しながら上型7のプレス圧をクッションピン2を介して受け止める。
【0013】本実施形態では、被加工物は、トランスファプレスというプレス成形手順により複数の金型を用いて順次所望の形状に成形される。このトランスファプレス成形は、異なる形状の金型が横方向に並べられ、被加工物を1つの金型毎に順次プレスさせて最終的に所望の形状に仕上げる成形手法である。図4及び図5に示すように、本実施形態のライザ3は鋳造にて成形され、ライザ3のクッションピン2の挿通孔3aは、複数種類のプレス下型をライザ3上の所定の位置に設置可能なように、一様に形成されている。また、専用プレート4の挿通孔4aは、プレス下型5に応じて使用する位置にのみ形成される。ライザ3と専用プレート4とは、夫々ボルト穴3c、4bで複数箇所で固定される。
【0014】以上のように、ライザを各種金型に共通に利用できるようにし、専用プレートを各金型毎に専用のものとして用意すればよく、金型の製作費用が削減できる。また、金型を交換する際に、専用プレートのみを交換すればよく、交換作業が容易になる。更に、専用プレートには、各種金型の使用する位置にのみ挿通孔が形成されているので、ライザセット時にクッションピンを誤って違う金型位置の挿通孔に挿通してしまうことを防止できる。
【0015】尚、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で上記実施形態を修正又は変更したものに適用可能である。
【0016】
【発明の効果】以上のように、本発明のプレス成形装置においては、金型を基台上の所定の位置に支持する支持部材に、複数種の金型を交換可能なように、クッションピンを挿通する複数の挿通孔を形成し、この支持部材の各金型の支持位置に対応する挿通孔にのみクッションピンを挿通可能なように挿通孔が形成された板状部材を設け、各金型の支持位置に応じて、板状部材を支持部材の下部に着脱可能に設けた構成としたので、ライザを複数種の金型に共通に利用可能とし、金型を交換する場合には板状部材を交換するだけで対応でき、プレス装置全体のコスト低減を図ることができる。
【出願人】 【識別番号】000003137
【氏名又は名称】マツダ株式会社
【出願日】 平成7年(1995)7月28日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 康徳 (外1名)
【公開番号】 特開平9−38798
【公開日】 平成9年(1997)2月10日
【出願番号】 特願平7−192942