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【発明の名称】 ラム昇降駆動装置
【発明者】 【氏名】川口 晃司

【目的】
【構成】
【特許請求の範囲】
【請求項1】 プレス機械におけるラムを昇降させるラムシリンダを設け、このラムシリンダとポンプを接続する供給回路の途中に供給油の流量を制御可能な流量制御弁を配設し、ラムシリンダとタンクを接続する戻り回路の途中に戻り油の一部を吸収可能なピストン型アキュームレータを配設してなるラム昇降駆動装置において、上記ピストン型アキュームレータは、アキュームレータ本体と、このアキュームレータ本体内に移動可能に設けたピストンと、アキュームレータ本体内におけるこのピストンの一方側に形成されかつ戻り油を吸収可能な戻り油吸収室と、上記ピストンを一方側へ付勢可能なスプリングを備えてなり、前記戻り回路におけるピストン型アキュームレータよりもラムシリンダ側の戻り油の圧力を検出する第1圧力検出器を設けると共に、戻り回路におけるピストン型アキュームレータよりもタンク側の戻り油の圧力を検出する第2圧力検出器を設け、第1圧力検出器により検出された圧力と第2圧力検出器により検出された圧力の差が小さいときに、ラムの昇降速度が遅くなるように前記流量制御弁を制御する制御装置を設けてなることを特徴とするラム昇降駆動装置。
【請求項2】 プレス機械におけるラムを昇降させるラムシリンダを設け、このラムシリンダとポンプを接続する供給回路の途中に供給油の流量を制御可能な流量制御弁を配設し、ラムシリンダとタンクを接続する戻り回路の途中に戻り油の一部を吸収可能なピストン型アキュームレータを配設してなるラム昇降駆動装置において、上記ピストン型アキュームレータは、アキュームレータ本体と、このアキュームレータ本体内に移動可能に設けたピストンと、アキュームレータ本体内におけるこのピストンの一方側に形成されかつ戻り油を吸収可能な戻り油吸収室と、上記ピストンを一方側へ付勢可能なスプリングを備えてなり、上記ピストンがスプリングの付勢力に抗して他方向へ移動して所定位置に達したことを検出するピストン位置検出器を設け、前記戻り回路におけるピストン型アキュームレータよりもラムシリンダ側の戻り油の圧力を検出する第1圧力検出器を設けると共に、戻り回路におけるピストン型アキュームレータよりもタンク側の戻り油の圧力を検出する第2圧力検出器を設け、上記ピストン位置検出器によりピストンがスプリングの付勢力に抗して所定位置に達したことが検出されたときであって、第1圧力検出器により検出された圧力と第2圧力検出器により検出された圧力の差が小さいときに、ラムの昇降速度が遅くなるように前記流量制御弁を制御する制御装置を設けてなることを特徴とするラム昇降駆動装置。
【請求項3】 前記所定位置とは、アキュームレータ本体の底部に突当たるときのピストンの位置、又はこの位置よりもわずかに一方側に寄った位置であることを特徴とする請求項1,2に記載のラム昇降駆動装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、パンチプレス等のプレス機械におけるラムを昇降させるラム昇降駆動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のラム昇降駆動装置について簡単に説明すると、このプレス機械のフレームにはラムを昇降させるラムシリンダが設けてある。そして、このラムシリンダとポンプを接続する供給回路の途中には供給油の流量を制御可能な流量制御弁を配設してあって、ラムシリンダとタンクを接続する戻り回路の途中には戻り油の一部を吸収可能なピストン型アキュームレータが配設してある。ここで、上記ピストン型アキュームレータは、アキュームレータ本体と、このアキュームレータ本体内に移動可能に設けたピストンと、アキュームレータ本体内におけるこのピストンの一方側に形成されかつ戻り油を吸収可能な戻り油吸収室と、上記ピストンを一方側へ付勢可能なスプリングを備えている。
【0003】したがって、流量制御弁により流量を制御された状態の下で、供給油を供給回路よりラムシリンダに適宜に供給することにより、ラムを昇降させてワークに対してプレス加工を行う。一方、ラムの昇降によって、戻り油がラムシリンダから戻り回路を通ってタンク内に排出される。ここで、戻り油の一部が戻り油吸収油圧室内に入って、ピストンをスプリングの付勢力に抗して他方向へ移動させることにより、戻り油の圧力からピストンの移動量(換言すればスプリングの縮み量)に対応した圧力を減圧せしめることができ、戻り回路におけるオイルハンマーを軽減することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、ラムの昇降速度が速いと戻り回路における戻り油の圧力は大きいものであって、ラムの昇降速度が遅いと戻り油の圧力は小さいという関係がある。したがって、例えばパンチプレス(プレス機械の一例)におけるヒットレートを上げる等のために、ラムの昇降速度を速くすると、戻り回路における戻り油の圧力がより高圧になって、戻り油の一部が戻り油吸収室に入ると、ピストンがスプリングの付勢力に抗して他方向へ移動して、アキュームレータ本体の底部に突当たってしまう。そのため、ピストン型アキュームレータによりピストンの移動量に対応した圧力を減圧せしめても、戻り油の圧力がラムの昇降速度に対応して依然として高く、戻り回路におけるオイルハンマーを軽減できないという問題があった。
【0005】
【課題を解決するための手段】前述のごとき従来の問題点を解決するため、本発明においては、第1の手段として、プレス機械におけるラムを昇降させるラムシリンダを設け、このラムシリンダとポンプを接続する供給回路の途中に供給油の流量を制御可能な流量制御弁を配設し、ラムシリンダとタンクを接続する戻り回路の途中に戻り油の一部を吸収可能なピストン型アキュームレータを配設してなるラム昇降駆動装置において、上記ピストン型アキュームレータは、アキュームレータ本体と、このアキュームレータ本体内に移動可能に設けたピストンと、アキュームレータ本体内におけるこのピストンの一方側に形成されかつ戻り油を吸収可能な戻り油吸収室と、上記ピストンを一方側へ付勢可能なスプリングを備えてなり、前記戻り回路におけるピストン型アキュームレータよりもラムシリンダ側の戻り油の圧力を検出する第1圧力検出器を設けると共に、戻り回路におけるピストン型アキュームレータよりもタンク側の戻り油の圧力を検出する第2圧力検出器を設け、第1圧力検出器により検出された圧力と第2圧力検出器により検出された圧力の差が小さいときに、ラムの昇降速度が遅くなるように前記流量制御弁を制御する制御装置を設けてなることを特徴とする。
【0006】第2の手段として、プレス機械におけるラムを昇降させるラムシリンダを設け、このラムシリンダとポンプを接続する供給回路の途中に供給油の流量を制御可能な流量制御弁を配設し、ラムシリンダとタンクを接続する戻り回路の途中に戻り油の一部を吸収可能なピストン型アキュームレータを配設してなるラム昇降駆動装置において、上記ピストン型アキュームレータは、アキュームレータ本体と、このアキュームレータ本体内に移動可能に設けたピストンと、アキュームレータ本体内におけるこのピストンの一方側に形成されかつ戻り油を吸収可能な戻り油吸収室と、上記ピストンを一方側へ付勢可能なスプリングを備えてなり、上記ピストンがスプリングの付勢力に抗して他方向へ移動して所定位置に達したことを検出するピストン位置検出器を設け、前記戻り回路におけるピストン型アキュームレータよりもラムシリンダ側の戻り油の圧力を検出する第1圧力検出器を設けると共に、戻り回路におけるピストン型アキュームレータよりもタンク側の戻り油の圧力を検出する第2圧力検出器を設け、上記ピストン位置検出器によりピストンがスプリングの付勢力に抗して所定位置に達したことが検出されたときであって、第1圧力検出器により検出された圧力と第2圧力検出器により検出された圧力の差が小さいときに、ラムの昇降速度が遅くなるように前記流量制御弁を制御する制御装置を設けてなることを特徴とするラム昇降駆動装置。
【0007】第3の手段として、第1,2の手段の構成要件の他に、前記所定位置とは、アキュームレータ本体の底部に突当たるときのピストンの位置、又はこの位置よりもわずかに一方側に寄った位置であることを特徴とする。
【0008】前記の構成により、流量制御弁により流量を制御された状態の下で、供給油を供給回路よりラムシリンダに適宜に供給することにより、ラムを昇降させてワークに対してプレス加工を行う。
【0009】一方、ラムの昇降によって、戻り油がラムシリンダから戻り回路を通ってタンク内に排出される。このとき、戻り油の一部が戻り油吸収油圧室内に入って、ピストンをスプリングの付勢力に抗して他方向へ移動させることにより、戻り油の圧力からピストンの移動量(換言すればスプリング縮み量)に対応した圧力を減圧せしめることができる。
【0010】上記の作用の下で、第1圧力検出器により戻り回路におけるピストン型アキュームレータよりもラムシリンダ側の戻り油の圧力を検出すると共に、第2圧力検出器により戻り回路におけるピストン型アキュームレータよりもタンク側の圧力を検出する。ここで、第1圧力検出器により検出された圧力と第2圧力検出器により検出された圧力の差が大きい場合には、戻り回路における戻り油はピストン型アキュームレータにより十分に減圧されたことが分かるものであり、上記差が小さい場合には戻り油の減圧が不十分であることが分かる。また、ピストン位置検出器によりピストンがスプリングの付勢力に抗して所定位置に達したことが検出されると、ラムの昇降速度が速い等の理由により戻り回路における戻り油が高圧になったことが分かる。
【0011】そして、第1圧力検出器,第2圧力検出器の差が小のとき、制御装置,弁を制御してラムの速度を遅くしてもよい。また、ピストン位置検出器によりピストンがスプリングの付勢力に抗して所定位置に達したことが検出されたときであって、第1圧力検出器により検出された圧力と第2圧力検出器により検出された圧力の差が小さいときには、制御装置により流量制御弁を制御してラムの昇降速度を遅くしてもよい。
【0012】
【発明の実施の形態】図1を参照して、本実施例に係るラム昇降駆動装置1について説明する。
【0013】パンチプレス(プレス機械の一例)のフレーム3には、ラム5を昇降させるラムシリンダ7が設けてある。そして、このラムシリンダ7とポンプPをマニホールド9を介して接続する供給回路11の途中には、供給油の流量を制御可能な流量制御弁13を配設してあり、ラムシリンダ7とタンクTをマニホールド9を介して接続する戻り回路15の途中には、戻り油の一部を吸収可能なピストン型アキュームレータ17が配設してある。
【0014】上記ピストン型アキュームレータ17は、アキュームレータ本体19と、このアキュームレータ本体19内に上下方向(図1において上下方向)へ移動可能に設けたピストン21と、アキュームレータ本体19内におけるこのピストン21の下側に形成されかつ戻り油を吸収可能な戻り油吸収室23と、上記ピストン21を下側へ付勢可能なスプリング25を備えている。
【0015】上記ピストン21がスプリング25の付勢力に抗して上方向へ移動して所定位置に達したことを検出するため、アキュームレータ本体17には上下方向へ移動可能なロッド27を備えたピストン移動量検出器(ピストン位置検出器の一例)29が設けてあり、このロッド27がピストン21に連結してある。即ち、このピストン移動量検出器29はロッド27、換言すればピストン21の上下方向の移動量を電気的に検出することにより、ピストン21が上方向へ移動して所定位置に達したことを検出するものである。なお、ピストン21の上下方向の移動量を検出する代わりに、リミットスイッチ及びピストンに連結した連結杆を用いて、ピストン21が上方向へ移動して所定位置に達したことを検出しても差し支えない。また、所定位置とは、アキュームレータ本体19の底部に突当たるときのピストン21の上下方向の位置、又はこの上下方向の位置よりもわずかに下側に寄った位置のことをいう。
【0016】戻り回路15におけるピストン型アキュームレータ17とラムシリンダ7の間にはピストン型アキュームレータ17よりもラムシリンダ7側の戻り油の圧力を検出する第1圧力検出器31が配設してあり、戻り回路15におけるピストン型アキュームレータ17とタンクTの間にはピストン型アキュームレータ17よりもタンクT側の戻り油の圧力を検出する第2圧力検出器33が設けてある。
【0017】図2に示すように、上記ピストン移動量検出器29、第1圧力検出器31及び第2圧力検出器33は制御装置35に接続してあり、この制御装置35は、ピストン移動量検出器29により、ピストン21がスプリング25の付勢力に抗して所定位置に達したことが検出されたときであって、第1圧力検出器31により検出された圧力と第2圧力検出器33により検出された圧力の差が小さいときに、ラム5の昇降速度が遅くなるように流量制御弁13を制御する作用を有する。
【0018】前述の構成に基づいて本実施例の作用について説明する。
【0019】流量制御弁13により流量を制御された状態の下で、供給油を供給回路11よりラムシリンダ7に適宜に供給することにより、ラム5を昇降させてワーク(図示省略)に対してプレス加工を行う。
【0020】一方、ラム5の昇降によって、戻り油がラムシリンダ7から戻り回路15を通ってタンクT内に排出される。このとき、戻り油の一部が戻り油吸収室23内に入って、ピストン21をスプリング25の付勢力に抗して上方向へ移動させることにより、戻り油の圧力からピストン21の移動量(換言すればスプリング23の縮み量)に対応した圧力を減圧せしめることができる。
【0021】上記の作用の下で、第1圧力検出器31により戻り回路15におけるピストン型アキュームレータ17よりもラムシリンダ7側の戻り油の圧力を検出すると共に、第2圧力検出器33により戻り回路15におけるピストン型アキュームレータ17よりもタンクT側の圧力を検出する。ここで、第1圧力検出器31により検出された圧力と第2圧力検出器33により検出された圧力の差が大きい場合には、戻り回路15における戻り油はピストン型アキュームレータ17により十分に減圧されたことが分かるものであり、上記差が小さい場合には戻り油の減圧が不十分であることが分かる。また、ピストン移動量検出器29によりピストン21がスプリング25の付勢力に抗して所定位置に達したことが検出されると、ラム5の昇降速度が速い等の理由により戻り回路15における戻り油が高圧になったことが分かる。
【0022】そして、第1圧力検出器31,第2圧力検出器33の差が小のとき、制御装置35,弁13を制御してラム5の速度を遅くしてもよく、また、ピストン移動量検出器29によりピストン21がスプリング25の付勢力に所定位置に達したことが検出されたときであって、第1圧力検出器31により検出された圧力と第2圧力検出器33により検出された圧力の差が小さいときには、制御装置35により流量制御弁13を制御してラム5の昇降速度を遅くしてもよい。
【0023】以上のごとき本実施例に係る発明によれば、ラム5の昇降速度が速い等の理由により戻り回路15における戻り油が高圧の場合であって、かつピストン型アキュームレータ17による減圧が不十分な場合であっても、制御装置35により流量制御弁13を制御することによりラム5の昇降速度を遅くすることにより、戻り回路15におけるオイルハンマーを軽減することができる。
【0024】
【発明の効果】以上のごとき実施例の説明により理解されるように、請求項1又は請求項2に記載の発明によれば、ラムの昇降速度が速い等の理由により戻り回路における戻り油が高圧の場合であって、かつピストン型アキュームレータによる減圧が不十分な場合であっても、制御装置により流量制御弁を制御することによりラムの昇降速度を遅くすることにより、戻り回路におけるオイルハンマーを軽減することができる。
【出願人】 【識別番号】390014672
【氏名又は名称】株式会社アマダ
【出願日】 平成7年(1995)7月18日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和 (外8名)
【公開番号】 特開平9−29500
【公開日】 平成9年(1997)2月4日
【出願番号】 特願平7−181788