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【発明の名称】 手持ち式のかしめ装置
【発明者】 【氏名】菅 進

【氏名】櫛谷 昭夫

【目的】 手持状態でワイヤ−ロ−プ用のクランプ筒をかしめ処理するのに好適な、小形軽量で取扱いの容易なかしめ装置を提供する。
【構成】 油圧シリンダ−からなる操作シリンダ−1をフレ−ムに利用して、その一端にかしめヘッド2を設け、他端に第1グリップ3を設ける。かしめヘッド2を、軸13を中心にして相対回動する第1ア−ム14と第2ア−ム15で形成し、両ア−ム14、15の接合部にかしめ用のダイス16、16を固定する。第1ア−ム14の操作端24をシリンダ−ボディ1aに連結し、第2ア−ム15の操作端19をピストンロッド1cに連結する。第1ア−ム14の上部に第2グリップ4を装着する。第1グリップ3に制御信号を出力するスイッチ29、およびスイッチ切換用の操作ノブ30を設ける。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 操作シリンダー1と、操作シリンダー1で開閉操作されるかしめヘッド2と、操作シリンダー1の一端および他端側に配置される第1グリップ3および第2グリップ4を備えており、かしめヘッド2は、軸13で相対回転自在に連結した第1アーム14および第2アーム15と、両アーム14、15の対向接合部にそれぞれ固定した一対のダイス16、16を有し、第1アーム14の操作端24が操作シリンダー1に、第2アーム15の操作端19がピストンロッド1cにそれぞれ連結軸26、27を介して連結してあり、両グリップ3、4のいずれか一方に、操作シリンダー1の動作を制御する操作ノブ30が設けてある手持ち式のかしめ装置。
【請求項2】 第1アーム14の操作端24が操作シリンダー1へ向って横向きに突設され、第2アーム15の操作端19がアーム下部から下向きに突設されており、軸13と操作シリンダー1側の連結軸26との間の軸間距離L1が、軸13とピストンロッド1c側の連結軸27との間の軸間距離L2より十分に大きく設定してある請求項1記載の手持ち式のかしめ装置。
【請求項3】 操作シリンダー1と、操作シリンダー1で開閉操作されるかしめヘッド2と、操作シリンダー1の一端および他端側に配置される第1グリップ3および第2グリップ4を備えており、かしめヘッド2は、一端が操作シリンダー1に固定された第1アーム14と、第1アーム14に軸13で相対回転自在に連結した第2アーム15と、両アーム14、15の対向接合部にそれぞれ固定した一対のダイス16、16を有し、ピストンロッド1cの突端に設けたクレビス5と第2アーム15の操作端19とが、両者5、19の作動軌跡差を吸収できるよう連結軸27で連結されており、両グリップ3、4のいずれか一方に、操作シリンダー1の動作を制御する操作ノブ30が設けてある手持ち式のかしめ装置。
【請求項4】 第2グリップ4が第1アーム14に固定されており、そのグリップ軸32が操作シリンダー1のシリンダー中心軸と交差する状態で配置してある請求項1、2または3記載の手持ち式のかしめ装置。
【請求項5】 一対のダイス16、16が、第1アーム14および第2アーム15に対して、それぞれ着脱可能にねじ18で締結固定してある請求項1、2、3または4記載の手持ち式のかしめ装置。
【請求項6】 操作シリンダー1が単動型の油圧シリンダーからなり、その側端の延長上に中空の第1グリップ3が装着されており、第1グリップ3の内部に、ピストン1bと同行移動するリターン軸6が突設され、リターン軸6の突端と操作シリンダー1の側端との間に、ピストン1bを退入付勢するリターンばね8が配置してある請求項1、2、3、4または5記載の手持ち式のかしめ装置。
【請求項7】 第1グリップ3の内部に、電磁操作式のコントロールバルブに動作指令信号を出力するスイッチ29が配置されており、このスイッチ29を切換え操作する操作ノブ30が第1グリップ3に設けてある請求項1、2、3、4、5または6記載の手持ち式のかしめ装置。
【請求項8】 第2アーム15とクレビス5のそれぞれに連結軸27用の連結穴15a、5aが設けられており、両連結穴15a、5aのいずれか一方が長穴で形成してある請求項3、4、5、6または7記載の手持ち式のかしめ装置。
【請求項9】 連結軸27が主軸部27aと、主軸部27aの少なくとも一側に突設した偏心軸部27bとを備えており、両軸部27a、27bのいずれか一方が第2アーム15で軸支され、他方がクレビス5で軸支してある請求項3、4、5、6または7記載の手持ち式のかしめ装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、ワイヤ−ロ−プ用のクランプ筒を流体圧を利用してかしめ固定する手持ち式のかしめ装置に関する。このかしめ装置は、例えば船舶等において荷崩れ防止のために荷物をワイヤ−ロ−プで固縛固定するラッシング作業に用いられる。
【0002】
【従来の技術】上記のクランプ筒は、例えばワイヤ−ロ−プの端部に輪を形成する際に、輪の屈曲基端において隣接するロ−プ同士をかしめ固定する目的で多用されている。また、クランプ筒をかしめ操作するためのかしめ装置として、作業現場への搬入が可能な小形の油圧プレスが市販されており、例えば、本出願人が製造しているLH−16型の油圧プレスはそのひとつである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本出願人は、ワイヤ−ロ−プを固縛材とするラッシング作業において、一連の作業をより少ない手間で能率良く行うことを目的として、ワイヤ−ロ−プを自動的に緊張操作するための装置を開発している。この装置は、図4に示すように、荷物に巻掛けたワイヤ−ロ−プWの一端および他端を、左右一対のチャック36、37で挟持固定し、可動側のチャック37を操作シリンダ−38でガイド軸39に沿ってスライド操作することによって、ワイヤ−ロープWを引き締める。次いで、予めワイヤ−ロ−プWに挿通しておいたクランプ筒Cをかしめてロ−プ端を固定する。このように、ワイヤ−ロ−プを動かすことができない状況下では、先に述べた小形の油圧プレスでクランプ筒をかしめ固定することはできない。
【0004】従来のかしめ用油圧プレスは、定置して使用することを前提に構成されており、可搬型であるとは言えその重量や外形寸法が大きいため、作業者が手に持った状態で使用することはできないからである。当然、プレス機のかしめ用ダイスの間でワイヤ−ロ−プを緊張操作することもできない。ラッシング作業では、ワイヤロープを縦横斜めのあらゆる方向に張り渡して荷物を固縛するため、クランプ筒の装着姿勢を特定することができず、しかも荷物の表面近くにおいて荷物が邪魔になる状態でかしめ操作しなければならなず、このことも従来の既存のかしめ装置の流用を困難化する一因になっている。
【0005】この発明の目的は、小形軽量であって作業者が手に持った状態でクランプ筒を簡単にかしめ操作できるかしめ装置を提供することにある。この発明の他の目的は、コンテナ内部や船倉内部等の比較的狭い作業空間においてかしめ作業を行うのに好適な手持ち式のかしめ装置を提供することにある。この発明の他の目的は、熟練を要することもなく誰もが簡単に操作できて、クランプ筒を確実にかしめ固定できる手持ち式のかしめ装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明のかしめ装置は、操作シリンダー1と、操作シリンダー1でかしめ操作されるかしめヘッド2と、操作シリンダー1の一端および他端側に配置される第1グリップ3および第2グリップ4を備えている。かしめヘッド2は、軸13で相対回転自在に連結した第1アーム14および第2アーム15と、両アーム14、15の対向接合部にそれぞれ固定した一対のダイス16、16を有し、第1アーム14の操作端24を操作シリンダー1に、第2アーム15の操作端19をピストンロッド1cにそれぞれ連結軸26、27を介して連結する。両グリップ3、4のいずれか一方に、操作シリンダー1の動作を制御する操作ノブ30を設ける。具体的には、第1アーム14の操作端24を操作シリンダー1へ向って横向きに突設し、第2アーム15の操作端19をアーム下部から下向きに突設する。軸13と操作シリンダー1側の連結軸26との間の軸間距離L1を、軸13とピストンロッド1c側の連結軸27との間の軸間距離L2より十分に大きく設定する。
【0007】この発明の別のかしめ装置は、操作シリンダー1と、操作シリンダー1で開閉操作されるかしめヘッド2と、操作シリンダー1の一端および他端側に配置される第1グリップ3および第2グリップ4を備えている。かしめヘッド2は、一端が操作シリンダー1に固定された第1アーム14と、第1アーム14に軸13で相対回転自在に連結した第2アーム15と、両アーム14、15の対向接合部にそれぞれ固定した一対のダイス16、16を有し、ピストンロッド1cの突端に設けたクレビス5と第2アーム15の操作端19とを、両者5、19の作動軌跡差を吸収できるよう連結軸27で連結する。両グリップ3、4のいずれか一方に、操作シリンダー1の動作を制御する操作ノブ30を設ける。
【0008】上記のかしめ装置は、それぞれ以下の具体的構成を採ることができる。第2グリップ4を第1アーム14に固定し、そのグリップ軸32を操作シリンダー1のシリンダー中心軸と交差する状態で配置する。一対のダイス16、16を、第1アーム14および第2アーム15に対して、それぞれ着脱可能にねじ18で締結固定する。操作シリンダー1を単動型の油圧シリンダーで構成し、その側端の延長上に中空の第1グリップ3を装着する。第1グリップ3の内部に、ピストン1bと同行移動するリターン軸6を突設し、リターン軸6の突端と操作シリンダー1の側端との間に、ピストン1bを退入付勢するリターンばね8を配置する。第1グリップ3の内部に、電磁操作式のコントロールバルブに動作指令信号を出力するスイッチ29を配置し、このスイッチ29を切換え操作する操作ノブを第1グリップ3に設ける。
【0009】後者のかしめ装置における,クレビス5と第2アーム15の作動軌跡差を吸収する具体的手段としては、第2アーム15とクレビス5のそれぞれに連結軸27用の連結穴15a、5aを設け、両連結穴15a、5aのいずれか一方を長穴で形成する。あるいは、連結軸27を主軸部27aと、主軸部27aの少なくとも一側に突設した偏心軸部27bとで形成し、両軸部27a、27bのいずれか一方を第2アーム15で軸支し、他方をクレビス5で軸支する。
【0010】
【作用】操作シリンダ−1のシリンダ−ボディ1aをフレ−ム体に利用して、その一端にかしめヘッド2を配置し、操作シリンダ−1の一端および他端側のそれぞれに第1グリップ3と第2グリップ4を設けるので、流体圧を作動源とするかしめ装置を最小必要限の構成部材のみで小形にしかも軽量に構成できる。かしめヘッド2を相対回転開閉自在な第1ア−ム14および第2ア−ム15で形成し、各ア−ム14、15の操作端19、24を操作シリンダ−1およびピストンロッド1cにそれぞれ連結して、操作シリンダ−1の操作力をかしめヘッド2に直接出力する形態を採ることも、構造の簡素化に役立っている。
【0011】第1ア−ム14と第2ア−ム15は軸13で回転開閉可能に連結され、さらにそれぞれの操作端19、24は連結軸26、27を介して連結されて、各軸の軸中心を結ぶ線が三角形状になっている。一方、ピストンロッド1cは直線状に往復して第2ア−ム15を軸13の回りに回動操作する。このとき、第1ア−ム14が連結軸26を中心に回動して、ピストンロッド1bと第2ア−ム15の軌跡差を吸収する。従って、第1ア−ム14の側の軸間距離L1を、第2ア−ム15の側の軸間距離L2より十分に大きく設定しておけば、第1ア−ム14が軌跡差を吸収するときの動作量を小さくできる。このことは、かしめ操作時に第1ア−ム14の側のダイス16が殆ど動かないこと、つまり、固定ダイスと実質的に同等の機能を発揮して、かしめ作業を確実に行えることを意味している。
【0012】操作シリンダ−1の一端にかしめヘッド2を配置する形態によれば、かしめ装置の重心がかしめヘッド2の側に片寄る。従って、第2グリップ4を第1ア−ム14に固定すると、少なくとも重心の近傍でかしめ装置を支持できるうえ、ダイス16のクランプ筒Cに対する位置決め操作を容易に行える。そのグリップ軸32を操作シリンダ−1のシリンダ−中心軸と交差する状態に配置するのは、より楽な自然な姿勢でかしめ装置を支持し、操作シリンダ−1の操作反力を確実に受け止め保持できるようにするためである。
【0013】ダイス16、16をねじ18で着脱可能に締結固定したかしめ装置によれば、ワイヤ−ロ−プWのサイズ変更に対応してダイス16、16を交換装着できる。リタ−ンばね8を備えた単動型の油圧シリンダ−で操作シリンダ−1を形成すると、操作シリンダ−1に接続する油路がひとつで済むので、油圧ホ−ス10が操作の邪魔になることを極力避けて、かしめ装置の取り扱いを軽快に行える。第1グリップ3の内部空間を利用して、そこにリタ−ンばね8を収容すると、かしめ装置が大形化するのを避けることができる。先に述べたように、かしめ装置の重心は、金属加工品が多く占めるかしめヘッド2の側にあり、装置重量の殆どを第2グリップ4で支えることができる。従って、担持重量が小さな第1グリップ3に操作ノブ30を設けておくと、操作ノブ30の切換えを確実にしかも容易に行うことができる。
【0014】第1アーム14の一端を操作シリンダー1に固定し、第2アーム15とクレビス5の作動軌跡差を、両者15、5の連結部で吸収するかしめ装置によれば、かしめ作業時に、第1アーム14が揺動変位しないので、クランプ筒Cにより大きなかしめ力を作用させて確実にかしめ作業を行える。かしめ力の反力を受けて操作シリンダー1が上下に揺れ動くこともなく、操作性を向上できる。連結穴15a、5aのいずれか一方を長穴で形成する形態によれば、作動軌跡差を吸収ための連結構造を簡素化し、その加工を容易化できる。また、第2アーム15とクレビス5を偏心軸からなる連結軸27で連結して、作動軌跡差を吸収する構造によれば、前記両者15、5と連結軸27を常に面接触させておくことができるので、連結部の耐久性を増強できる。
【0015】
【発明の効果】この発明では、操作シリンダー1をフレ−ム体に利用して、これにかしめヘッド2と第1グリップ3及び第2グリップ4を付加してかしめ装置を構成するので、構成部材点数が少なく、より小形で軽量の手持ち作業に好適なかしめ装置が得られる。コンテナ内部や船倉内部などの比較的狭い作業空間においても、クランプ筒Cのかしめ作業を支障なく容易に行える。とくに、荷物に巻掛けたワイヤ−ロ−プWをクランプ筒Cでかしめ固定する場合にも、荷物に邪魔されることもなくかしめ作業を行える。作業時には、両手でかしめ装置を堤げ持って、一方のア−ム14のダイス16をクランプ筒Cに当てがい、一方のグリップ3に設けた操作ノブ30を切り換え操作するだけで、操作シリンダ−1の機械力によりクランプ筒Cを適正にかしめ処理できるので、非熟練作業者であってもクランプ筒Cによるワイヤ−ロ−プWの固定を楽にしかも確実に行える。
【0016】
【実施例】図1ないし図6にこの発明に係るかしめ装置の実施例を示す。図2においてかしめ装置は、装置全体のフレ−ム体として機能する操作シリンダ−1と、操作シリンダ−1で回動開閉操作されるかしめヘッド2と、操作シリンダ−1の側端に装着固定した第1グリップ3と、かしめヘッド2に装着した第2グリップ4などで構成する。
【0017】操作シリンダ−1は単動型の油圧シリンダ−からなり、左右横長のシリンダ−ボディ1aの内部にピストン1bを有し、図に向って左側のシリンダ−端から突出するピストンロッド1cと、その突端に固定したクレビス5を介して操作力をかしめヘッド2に出力する。非作動状態において、ピストンロッド1cをシリンダ−ボディ1aの内部へ退入移動させるために、ピストン1bの受圧面の側にリタ−ン軸6を固定し、その軸端をシリンダ−ボディ1aのエンドキャップを貫いてシリンダ−外へ突設し、エンドキャップとリタ−ン軸6の軸端に固定したばね座7との間に圧縮コイル形のリタ−ンばね8を配置している。シリンダ−ボディ1aの側端外面には、加圧油をシリンダ−内へ導入するエルボ9を固定する。このエルボ9に油圧ホ−ス10を分離自在なセルフシ−ル型の管継手11で接続する。
【0018】かしめヘッド2は、軸13で相対回転自在に連結した第1ア−ム14および第2ア−ム15と、両ア−ム14、15の対向接合部にそれぞれ固定した一対のダイス16、16とからなる。図1および図3に示すように、第1ア−ム14は、前後一対のア−ムプレ−ト14a、14aと両プレ−ト14a間に締結固定した三角形状の取付けプレ−ト14bとで鳥形に形成する。両ア−ムプレ−ト14aの側端にL字状の段部17を形成し、そこにかしめ用のダイス16を装着する。このダイス16は側面視が凸字状の金属ブロックからなり(図3参照)、上面中央の突壁をア−ムプレ−ト14aの間に挟み込み、突壁の左右の上面壁を段部17で受け止め支持する状態で第1ア−ム14に組み付け、各ア−ムプレ−ト14aの前後面のそれぞれからねじ込んだ合計4個のねじ(六角穴付ボルト)18で取り外し可能に締結固定する。
【0019】第2ア−ム15は鳥の下あご形に形成した一枚のプレ−トからなり、その下部周面から下向きに三角状の操作端19を突設する。第2ア−ム15の上隅の座部を一対のア−ムプレ−ト14a、14aの間に挟んで、これら三者を軸13で連結することにより、第1ア−ム14と第2ア−ム15は相対回動できる。この実施例では、軸端にのみねじが形成してあるボルトで軸13を形成し、これにナット20をねじ込んで両ア−ム14、15を軸支した。第2ア−ム15にも、第1ア−ム14と同様の段部21を設け、そこにかしめのダイス16を装着して4個のねじ18で締結固定する。但し、この場合のダイス16は側面視で逆凹字状に形成し、その凹み部分を段部21に外嵌して固定する。かしめヘッド2を構成する両ア−ム14、15および上下一対のダイス16、16は、それぞれ工具鋼で形成する。
【0020】ここでかしめヘッド2によってかしめ固定されるクランプ筒Cを説明する。クランプ筒Cは、断面長円状のアルミニウム管材を所定寸法ごとに切断して得られる短筒体からなり、その内面に適合するワイヤ−ロ−プWの2個を長円軸に沿って隣接して挿通することができる。クランプ筒Cは図6に示すように長円軸の方向に押し潰すことによって、筒壁が塑性変形して隣接するワイヤ−ロ−プWを密着させ、筒内壁がロ−プ周面に食い込む。この喰い込み作用をより強力に発揮させるために、筒内面の断面形を繭形状としている。上下一対のダイス16、16の接合面には、それぞれ断面半円状の凹部22、22が軸13と平行に設けてあり、これら一対の凹部22、22でクランプ筒Cの円弧周面部を捕捉できるようにしてある。クランプ筒Cは断面C字状に形成できる。このクランプ筒Cによれば、筒壁の切れ目からワイヤ−ロ−プWを筒内へ容易に組み付けることができる。
【0021】第1ア−ム14と第2ア−ム15は、それぞれ図1に示す状態で操作シリンダ−1に連結する。取付プレ−ト14の突端の操作端24を、シリンダ−ボディ1aの側端上面に立設した一対のブラケット25に連結軸26で連結し、第2ア−ム15の操作端19を二又状のクレビス5の間に位置させて連結軸27で連結するのである。図例では両連結軸26、27を軸13と同様のボルトで形成し、両操作端24、19が、それぞれブラケット25、およびクレビス5に対して相対回動できる状態の許にナットで締結している。
【0022】かしめヘッド2は、ピストンロッド1cがシリンダ−ボディ1a内へ退入しているとき、図1に実線で示す待機状態になっており、ピストンロッド1cがシリンダ−外へ進出移動すると、主として第2ア−ム15が軸13の回りに閉じ回動して想像線で示す作動状態へと変位する。このとき、クレビス5の直線移動軌跡と、第2ア−ム15の回動軌跡とにずれが生じるが、この軌跡差は第1ア−ム14が連結軸26を中心にして上下方向へ僅かに揺動して吸収する。第1ア−ム14の吸収揺動量が小さいほど、同ア−ム14に設けたダイス16とクランプ筒Cの相対的なずれ動きが抑制されて、かしめ作業を容易に行うことができる。そのために、軸13と操作シリンダ−1側の連結軸26との間の軸間距離L1を、軸13とピストンロッド1c側の連結軸27との間の軸間距離はL2より十分に大きく設定して、上記のように主として第2ア−ム15を開閉回動させている。この実施例では、両軸間距離L1、L2の比をおよそ1対0.65としたが、1対0.8〜1対0.3の範囲内で選択することができる。
【0023】図2において、第1グリップ3は左右に長い有底の金属筒からなり、その開口端を操作シリンダ−1のエンドキャップにねじ込み固定して、リタ−ンばね8およびリタ−ン軸6の外面を覆う状態でシリンダ−ボディ1aと一体化する。グリップの筒端内面には、ユニット化されたスイッチ29を配置し、このスイッチ29を切換え操作するための操作ノブ30を、筒壁外面へ突出する状態で設ける。スイッチ29は、例えばオン、オフ信号からなる動作指令信号を出力して、図示していない電磁操作式のコントロ−ルバルブを切換え操作するために設けてある。これにより、操作ノブ30をグリップ内へ押し込み操作すると、操作シリンダ−1に作動油が供給され、操作ノブ30の押し込み操作力を解放すると、操作シリンダ−1内の作動油が油圧ホ−ス10を介してドレン側へ戻される。このように、ピストンロッド1cをリタ−ンばね8で待機状態へ復帰させる単動型の操作シリンダ−1によれば、1個の油圧ホ−ス10のみで作動油の供給と排出を行えるので、油圧ホ−ス10の引き回しを容易に行うことができ、手持ち状態でかしめ作業を行うのに有利である。なお、スイッチ29から導出するコ−ド29aも、油圧ホ−ス10と同様に第1グリップ3の近傍においてコネクタで分離できるようにしてある。
【0024】上記のように操作シリンダ−1の一側にかしめヘッド2を配置したかしめ装置では、重量物が集中するかしめヘッド2の側に重心位置が片寄る。この重心位置の近傍に第2グリップ4を設ける。具体的には、ア−ムプレ−ト14aと取付けプレ−ト14bの接続部の上端に第2グリップ4をボルトおよびナットで共締め固定する。図3に示すように、第2グリップ4はY字形の前後一対のグリップ枠31と、両グリップ枠31の上端間に固定したグリップ軸32とで構成し、グリップ軸32が操作シリンダ−1のシリンダ−中心軸と直交する状態で第1ア−ム14に取り付ける。グリップ軸32の周面にはロ−レット加工等によってすべり止め用の凹凸が形成してある。正面側から見た第2グリップ4の取り付け姿勢は、作業者の体格や作業の内容によって変更でき、通常は図2に示すように、グリップ枠31とシリンダ−中心軸とで挟む角度が90度に近い鋭角になるようにする。
【0025】上記のように構成したかしめ装置は、索道の建設現場や、道路用ガ−ドロ−プの施工現場などにおいて、クランプ筒Cをかしめ処理するのに使用される。さらに図4に示す緊張装置34と共にラッシング作業に使用される。緊張装置34は、C字状のフレ−ム35を有し、フレ−ム35の一端にワイヤ−ロ−プWの端部を図に向って前後に挟持固定する第1チャック36を設ける。フレ−ム35の他端側には、ワイヤ−ロ−プWの中途部を前後に挟持固定する第2チャック37が設けてあり、このチャック37を操作シリンダ−38でガイド軸39に沿ってスライド操作することにより、荷物に巻掛けたワイヤ−ロ−プWを緊張させる。このとき、ピストンロッド40はフレ−ム35に固定されていて動かず、シリンダ−ボディ41がフレ−ム35から遠ざかる側へ移動する。繰り返し引き締め操作を行うために、第1チャック36にストッパ−(図示していない)を設けておき、第2チャック37が待機位置へ復帰して、再びワイヤ−ロ−プWを挟持固定するまでの間、ストッパ−で緊張状態を維持できるようになっている。
【0026】この緊張装置においては、クランプ筒Cを予めワイ−ロ−プWに挿通しておき、荷物に巻掛けたロ−プ端を再びクランプ筒Cに通した後、フレ−ム35の間の装填部にクランプ筒Cを位置させた状態で、上記のようにしてワイヤ−ロ−プWを緊縛する。ワイヤ−ロ−プWが十分に緊張した状態で、図5に示すようにかしめ装置を用いてクランプ筒Cをかしめ固定する。このとき、作業者は荷物などの固縛対象と交差する姿勢でかしめヘッド2をクランプ筒Cに当てがうことになる。荷物が邪魔になるからである。こうした作業姿勢において、グリップ軸32をシリンダ−中心軸と直交させておくと、手の平でかしめ装置の操作反力を受け止めることができるので、例えばグリップ軸32がシリンダ−中心軸と平行に設けてある場合に比べて、より安定した状態でかしめ装置を支えておくことができる。重心の近傍に第2グリップを設けるので、第1ア−ム14のダイス16をクランプ筒Cに当てがう作業も容易に行える。
【0027】上記のようにして、かしめ装置をクランプ筒Cに当てがった後、その操作ノブ30をオン操作することにより、操作シリンダ−1が作動してかしめヘッド2を閉じ回動させ、図6に示すように、クランプ筒Cを上下一対のダイス16、16でかしめることができる。かしめられたクランプ筒Cは、その内面壁がワイヤ−ロ−プWに密着して喰い込み、ワイヤ−ロ−プWに作用する緊張力に対坑して緊張状態を維持し続ける。この後、緊張装置34をワイヤ−ロ−プWから取り外して、クランプ筒C外においてワイヤ−ロ−プを切断し作業を終了する。
【0028】上記のかしめ装置は、その一部を図7および図8に示すように変更して実施できる。そこでは、第1アーム14を一枚の金属プレートで形成し、第2アーム15を前後一対の金属プレートで形成する。操作シリンダー1の軸方向長さを小さくし、その分だけ第1グリップ3の軸方向長さを大きくして、シリンダー重量を小さくする。
【0029】上記の実施例のかしめ装置と大きく異る点は、図8に示すように、第1アーム14の操作端24をブラケット25に連結軸26で連結して位置決めしたうえで、操作端24とブラケット25とを溶接し、第1アーム14を操作シリンダー1と一体化した点にある。この溶接部分を符号Dで示している。さらに、第2アーム15とクレビス5の作動軌跡差を吸収するために、連結軸27用の連結穴15a、5aのうち、いずれか一方を長穴で形成する。この実施例では第2ア−ム15側の連結穴15aを長穴で形成し、連結部が一枚板状に形成されるクレビス5側の連結穴5aは円形穴で形成した。なお、第2グリップ4のグリップ枠31は、連結軸26を利用してブラケット25に締結固定した。他の構造等は先の実施例と同じであるので、同等部材に同一符号を付してその説明を省略する。
【0030】上記のかしめ装置によれば、クランプ筒Cをかしめ固定するとき、第1アーム14が揺動変位しないので、かしめ力をクランプ筒Cに有効に伝えて、確実にかしめ固定できる。先の実施例で説明したかしめ装置に比らべて、クランプ筒Cに対する締結力を増加でき、操作性も向上できる。かしめ装置の重量を減少して、より軽快に取扱える点でも有利である。
【0031】第2アーム15とクレビス5の作動軌跡差を吸収するための連結構造は、図9に示す形態を採ることができる。そこでは、連結軸27を中央の主軸部27aと、主軸部27aの左右両側に突設した主軸部27aより小径の偏心軸部27bとで形成し、両軸部27a、27bのいずれか一方を第2アーム15で軸支し、他方をクレビス5で軸支する。この実施例では、クレビス5で主軸部27aを軸支し、偏心軸部27bを前後一対の第2アーム15で軸支した。
【0032】上記の実施例以外に、この発明は次のような部分変更を行って実施することができる。第1ア−ム14を鍛造品で一個の部品として構成する。第一グリップ3をシリンダ−ボディ1aの側端上面に段違い状に、あるいはシリンダ−ボディ1aへ向って下り傾斜する状態で設ける。第2グリップ4をシリンダ−ボディ1aに取り付ける。操作シリンダ−1を複動型の油圧シリンダ−で形成する。油圧シリンダ−以外にエアシリンダ−で操作シリンダ−1を形成する。第1グリップ3の内部あるいはその近傍に、コントロ−ルバルブを配置しておき、これを操作ノブ30で直接切り換え操作する。
【出願人】 【識別番号】595060339
【氏名又は名称】泉陽株式会社
【識別番号】594164782
【氏名又は名称】有限会社浦野製作所
【出願日】 平成7年(1995)7月19日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】今村 元
【公開番号】 特開平9−29497
【公開日】 平成9年(1997)2月4日
【出願番号】 特願平7−205246