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【発明の名称】 廃缶処理機
【発明者】 【氏名】星 明

【目的】 小型且つ簡素であり、しかも優れた圧縮作用が得られる廃缶処理機を提供する。
【構成】 基台1と、基台1に固定されると共に上下方向の案内面2aを備えた固定部材2と、基台1に水平方向の揺動軸3を介して枢着されると共に、固定部材2の案内面2aと対向し、且つその案内面2aとの間に、上下方向に貫通する上拡がりの廃缶処理空間5を形成する上下方向の案内面4aを備えた可動部材4と、可動部材4を揺動軸3から離れた上部において操作すると共に固定部材2に対して往復揺動させ、廃缶処理空間5の上拡がり角度θを反復的に縮小及び拡大させる処理駆動手段(電動モータ6、クランク軸8、クランクホイール10、偏心ピン11、連接棒12)とから構成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 基台と、基台に固定されると共に上下方向の案内面を備えた固定部材と、基台に水平方向の揺動軸を介して枢着されると共に、固定部材の案内面と対向し、且つその案内面との間に、上下方向に貫通する上拡がりの廃缶処理空間を形成する上下方向の案内面を備えた可動部材と、可動部材を揺動軸から離れた上部において操作すると共に固定部材に対して往復揺動させ、廃缶処理空間の上拡がり角度を反復的に縮小及び拡大させる処理駆動手段とからなる廃缶処理機。
【請求項2】 処理駆動手段が、モータと、モータ出力軸と可動部材上部とに介設されると共にモータの回転を往復運動に変換して可動部材に伝達する運動変換装置とからなる請求項1記載の廃缶処理機。
【請求項3】 処理に供される廃缶の磁性を検出する磁気センサと、基台に廃缶処理空間の下方において揺動軸と平行の回動軸を介して枢着されると共に廃缶処理空間の下端に連なる上下方向の案内面を備えた可動振分け部材と、磁気センサの検出信号に応じて可動振分け部材を回動させると共にその案内面を廃缶の磁性に対応する所定排出路に配向させる振分け駆動手段とが設けられた請求項1又は2記載の廃缶処理機。
【発明の詳細な説明】【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、使用済みの缶類(以下、廃缶と記載する)を圧縮処理するための廃缶処理機に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の廃缶処理機として、廃缶を、油圧シリンダ等によるピストン軸方向の圧力によって一気に最終段階まで圧縮するようにしたものが知られている。しかしながら、従来の前記廃缶処理機では、廃缶を大きな圧縮力により短時間に処理し得る反面、長いストロークを備えた強大なシリンダを必要とするために装置が長大化する等の問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、小型且つ簡素であり、しかも優れた圧縮作用が得られる廃缶処理機を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明に係る請求項1記載の廃缶処理機は、基台と、基台に固定されると共に上下方向の案内面を備えた固定部材と、基台に水平方向の揺動軸を介して枢着されると共に、固定部材の案内面と対向し、且つその案内面との間に、上下方向に貫通する上拡がりの廃缶処理空間を形成する上下方向の案内面を備えた可動部材と、可動部材を揺動軸から離れた上部において操作すると共に固定部材に対して往復揺動させ、廃缶処理空間の上拡がり角度を反復的に縮小及び拡大させる処理駆動手段とからなるものである。
【0005】前記固定部材の案内面は垂直であってもよく、また垂直に対して幾分傾斜していてもよい。また、前記固定部材の案内面及び可動部材の案内面は、廃缶の挟持可能な広さと廃缶の圧縮を可能にする強度を備え、必要に応じて表面に凹凸その他の加工が施されていてもよい。
【0006】前記構成において、請求項2記載のように、処理駆動手段が、モータと、モータ出力軸と可動部材上部とに介設されると共にモータの回転を往復運動に変換して可動部材に伝達するクランクエキセン機構その他の運動変換装置とからなるものであってもよい。
【0007】また、前記廃缶処理機には、必要に応じて、請求項3記載のように、処理に供される廃缶の磁性を検出するホールセンサやリードスイッチ等の磁気センサと、基台に廃缶処理空間の下方において揺動軸と平行の回動軸を介して枢着されると共に廃缶処理空間の下端に連なる上下方向の案内面を備えた可動振分け部材と、磁気センサの検出信号に応じて可動振分け部材を回動させると共にその案内面を廃缶の磁性に対応する所定排出路に配向させる振分け駆動手段とが設けられる。
【0008】
【作用】前記構成の廃缶処理機の使用に際して、処理駆動手段により可動部材を固定部材に対して往復揺動させると共に廃缶処理空間の上拡がり角度を反復的に縮小及び拡大させ、そのような廃缶処理空間内に廃缶を投入すると、廃缶は、前記上拡がり角度の縮小時に、固定部材及び可動部材の両案内面に挟持されつつ、挺子の作用によりある段階まで圧縮され、続く上拡がり角度の拡大時に、自重により廃缶処理空間内を下方にある程度落下し、次の上拡がり角度の縮小時には、前記落下位置において、挺子の作用により前回より大きな圧力でさらに圧縮されると言うような動作の繰返しにより、廃缶処理空間内で漸増する圧力で圧縮されつつ下方に落下する。なお、前記可動部材の往復揺動には、廃缶の圧縮段階に応じて振幅の変動や揺動中心位置の変位が伴われてもよい。
【0009】このようにして、廃缶が、上拡がり角度の拡大時における廃缶処理空間下端の開口間隙を通過し得る厚さにまで圧縮された後、廃缶処理空間から下方に排出される。なお、廃缶処理空間から側方への廃缶の排出を防止するために、廃缶処理空間の両側端部に、それを塞ぐサイドカバー部材が可動部材と干渉しない態様で配置されることが好ましい。前記サイドカバー部材は、基台、固定部材、可動部材等の何れに設けられてもよく、またそれは、固定部材と可動部材の各側端間に架橋される可撓性材料や伸縮性材料等から形成されてもよい。
【0010】請求項2記載の処理駆動手段の構成においては、モータの回転が運動変換装置を介して回転運動に変換されて可動部材上部に伝達され、これにより可動部材が固定部材に対して往復揺動させられる。
【0011】また、請求項3の構成においては、圧縮処理されて廃缶処理空間から下方に排出された鉄やアルミニウム等からなる廃缶が、その材質の強磁性、常磁性等の磁性に基づく磁気センサの検出信号に応じて、可動振分け部材により、所定排出路へと振り分けられる。
【0012】
【実施例】図1は本発明に係る廃缶処理機の側断面図である。
【0013】同図において、ケースを構成する基台1内部に板状の固定部材2が垂直に固定され、固定部材2内側に垂直方向の案内面2aが形成されている。また、基台1内部には固定部材2の下方において揺動軸3が水平方向に架設されると共に揺動軸3を介して板状の可動部材4が揺動可能に設けられ、可動部材4内側に固定部材2の案内面2aと対向する上下方向の案内面4aが形成され、固定部材2の案内面2aと可動部材4の案内面4aとの間には上下方向に貫通する上拡がりの廃缶処理空間5が形成され、廃缶処理空間5の両側端部には、基台1の内側面がサイドカバー部材として、可動部材4と干渉しないように近接して対向配置されている。
【0014】また、基台1内部に電動モータ6が設置されると共にモータ出力軸6a上にウオーム7が設けられ、さらに基台1内部に揺動軸3と平行のクランク軸8が支承されると共にクランク軸8上に前記ウオーム7と直角方向に噛合するウオームホイール9が設けられる。クランク軸8上にはさらにクランクホイール10が設けられると共にクランクホイール10上の偏心位置にある偏心ピン11と前記可動部材4上部との間に連接棒12が介設されている。前記クランク軸8、クランクホイール10及び偏心ピン11は、協動して、回転運動を往復運動に変換する公知の運動変換装置を構成する。
【0015】前記電動モータ6の回転は、ウオーム7及びウオームホイール9からなるウオームギヤ、並びにクランク軸8、クランクホイール10及び偏心ピン11からなる運動変換装置、並びに連接棒12を順次介し、略水平方向の往復運動に変換されて可動部材4上部に伝達される。これらの電動モータ6から連接棒12等に至る各部材は、協動して本発明における処理駆動手段を構成する。
【0016】さらに、基台1には、前記廃缶処理空間5の上端付近に磁気センサとしてリードスイッチ21が配置され、このリードスイッチ21は、鉄製の廃缶の近接により検出信号を出力し、アルミニウム製の廃缶に対しては検出信号を出力しないものとされる。また、前記揺動軸3に近接して回動軸22が水平に架設されると共に回動軸22には板状の可動振分け部材23が回動可能に設けられ、可動振分け部材23内側に廃缶処理空間5の下端に連なる上下方向の案内面23aが形成されている。
【0017】前記可動振分け部材23外側に隣接して、振分け駆動手段としてのソレノイド24がその可動鉄心24aを水平に可動振分け部材23と対向させて配置され、該ソレノイド24は前記リードスイッチ21の検出信号によって励磁されると共に可動鉄心24aを突出させ、それにより可動振分け部材23が垂下位置から傾斜位置(二点鎖線で示す)へと押圧される。垂下位置に配置される可動振分け部材23の下方にはアルミニウム製の処理廃缶を収納するアルミ缶用回収容器25が設置され、また傾斜位置に配置される可動振分け部材23の下方には鉄製の処理廃缶を収納する鉄缶用回収容器26が設置される。
【0018】前記構成において、電動モータ6が起動されると、その回転は前記運動変換装置を介して往復運動に変換されて可動部材4上部に伝達され、これにより可動部材4が固定部材2に対して揺動軸3を介して往復揺動させられる。
【0019】処理すべき廃缶Cは、基台1の投入口27からリードスイッチ21に沿って廃缶処理空間5内に投入され、固定部材2及び可動部材4の両案内面2a、4aで挟持されつつ圧縮、扁平化されて下方に落下し、上拡がり角度θの拡大時における廃缶処理空間5下端の開口間隙5aを通過し得る厚さにまで圧縮された後、廃缶処理空間5から下方に排出される。前記廃缶Cはその磁性がリードスイッチ21によって検知され、リードスイッチ21が検出信号を出力しないときに可動振分け部材23はその自重により垂下位置に保持され、リードスイッチ21が検出信号を出力したときには可動振分け部材23はソレノイド24の可動鉄心24aにより押圧されて傾斜位置に配置される。
【0020】廃缶処理空間5から排出された処理廃缶Cは、それがアルミニウム製の場合は垂下位置を取る可動振分け部材23の案内面23a上の所定排出路28に沿って落下すると共にアルミ缶用回収容器25に収納され、他方、それが鉄製の場合は傾斜位置を取る可動振分け部材23の案内面23a上の所定排出路29に沿って落下すると共に鉄缶用回収容器26に収納される。
【0021】
【発明の効果】請求項1記載の発明に係る廃缶処理機は以上のように構成されるので、小型且つ簡素であり、しかも挺子の作用により優れた圧縮作用が得られる。
【0022】請求項2記載のものでは、モータを用いて可動部材に容易に往復運動を与えることができる。
【0023】また、請求項3記載のものでは、圧縮処理されて廃缶処理空間から排出された廃缶をその材質の磁性に応じて所要排出路に振り分けると共に分別することができる。
【出願人】 【識別番号】593202438
【氏名又は名称】星 明
【出願日】 平成7年(1995)7月17日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】安藤 惇逸
【公開番号】 特開平9−29494
【公開日】 平成9年(1997)2月4日
【出願番号】 特願平7−203892