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【発明の名称】 圧縮回収装置
【発明者】 【氏名】野田 泰廣

【目的】
【構成】
【特許請求の範囲】
【請求項1】 横置きに配置されかつ軸方向端部に被圧縮屑の出口(4)を有すると共に上側に被圧縮屑の供給口(5)を有する筒状のケーシング(6)と、このケーシング(6)内に回転自在に設けられたフィードスクリュー(7)と、前記ケーシング(6)の出口(4)に設けられた圧縮排出手段(10)とを備えた圧縮回収装置であって、前記ケーシング(6)の下側部分を多孔体(11)により構成し、この多孔体(11)の外側に開口部(12)を有する外被体(13)を設け、この外被体(11)の開口部(12)に空気吸引手段(14)を接続したことを特徴とする圧縮回収装置。
【請求項2】 前記ケーシング(6)の内面に、被圧縮屑の回転規制部材(21)が前記スクリュー(7)と干渉しないように軸線と平行に配設されている請求項1に記載の圧縮回収装置。
【請求項3】 前記回転規制部材(21)が設けられていないケーシング(6)の軸方向範囲において、前記スクリュー(7)の基端側羽根(7A)の外周端に、多孔体(11)の内周面に摺接するスクレーパー(20)が設けられている請求項2に記載の圧縮回収装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フィードスクリューを利用した圧縮回収装置に関し、特に、紙屑の圧縮回収に適したものである。
【0002】
【従来の技術】製紙、紙加工、紡績、織物加工等を行う繊維工場では、繊維加工機から大量のパルプ繊維、紙屑(裁断した屑を含む)、風綿、糸屑等(以下、単に被圧縮屑という。)が発生するため、この被圧縮屑を収集して工場外に排出する集塵設備が設けられており、かかる集塵設備の最終工程には、被圧縮屑を圧縮回収するファイバーセパレータが配設されている。
【0003】従来、この種のセパレータとしては、特開平7−11525号公報に開示されたものがある。このセパレータは、箱形本体内に無数の孔を穿設した上方大径、下方小径の逆コーン状の外筒を設置すると共に、該外筒内に竪軸をもつスクリュー羽根を回転自在に取付け、該スクリュー羽根の上方即ち箱状本体上部に繊維屑導入部を設け、外筒の下部に繊維屑排出口を設けたものである。
【0004】一方、最近のオフィスでは、コンピュータの印字用紙の端縁を切落とすことにより、テープ状の紙屑が大量に発生する。そこで、かかるテープ状の紙屑を上記したセパレータを用いて圧縮回収することが考えられる。この場合、長い紙屑をセパレータにそのまま供給すると、スクリュー羽根に巻き付いて外筒内に詰まってしまって排出できなくなるので、20cm程度の長さに切断してからセパレータに供給することになる。
【0005】そして、この紙屑を切断するには、セパレータへの紙屑供給管の途中に、送風と切断を行うカッターブロアを設けると共に、セパレータの前記導入部前段にサイクロンが配設される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の技術では、テープ状紙屑を圧縮回収する場合、カッターブロア及びサイクロンが必要となるため、装置高さが大きく、設備コストが高くなる欠点がある。また、カッターブロアで紙屑を切断すると大きな騒音が発生するため、平穏性が要求される事務所内に設置するのが困難であるという問題もある。
【0007】本発明は、上述のような実状に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、紙屑等の切断手段及びサイクロンが不要で、長尺のまま処理でき、騒音を大幅に低減して静かに運転でき、装置高さを低くかつ設備コストを大幅に低下させることが可能な圧縮回収装置を提供するにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明では、上記課題を解決するために、次の技術的手段を講じた。即ち、本発明は、横置きに配置されかつ軸方向端部に被圧縮屑の出口を有すると共に上側に被圧縮屑の供給口を有する筒状のケーシングと、このケーシング内に回転自在に設けられたフィードスクリューと、前記ケーシングの出口に設けられた圧縮排出手段とを備えた圧縮回収装置であって、前記ケーシングの下側部分を多孔体により構成し、この多孔体の外側に開口部を有する外被体を設け、この外被体の開口部に空気吸引手段を接続したことを特徴とする(請求項1)。
【0009】このように、ケーシングの下側部分を多孔体により構成することによって、テープ状紙屑等よりなる被圧縮材が多孔体側へ吸い寄せられて、ケーシング内の下側部分に偏在することになるので、被圧縮材がフィードスクリューに巻き付かずにスクリュー羽根によって軸線方向にスムーズに送られる。その後、被圧縮材はケーシングの出口に設けてある圧縮排出手段によって圧縮されて出口から排出される。
【0010】また、本発明は、前記ケーシングの内面に、被圧縮屑の回転規制部材が前記スクリューと干渉しないように軸線と平行に配設したことにより、紙屑等が多孔体の内面に強く吸着されるのが防止され、スクリューへの巻き付きを防止できる(請求項2)。さらに、本発明は、前記回転規制部材が設けられていないケーシングの軸方向範囲において、前記スクリューの基端側羽根の外周端に、多孔体の内周面に摺接するスクレーパーを設けたものに構成できる(請求項3)。
【0011】この場合、ケーシングの多孔体のスクリュー基端側(出口と反対側)に滞留する紙屑を、スクレーパーにより積極的に出口に向かって押動し、ケーシング内に堆積させることなく、スムーズにかつ確実に移送し排出させることができ、前記回転規制部材の機能を十分に発揮させうる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。図1〜図6は、本発明を被圧縮屑、特に、テープ状の紙屑の圧縮回収に採用した実施の形態を示している。この圧縮回収装置1は、箱形の装置ケース2内に収納された支持フレーム3に架設されており、横置きに配置されていてかつ軸方向端部に被圧縮屑の出口4を有すると共に上側に被圧縮屑の供給口5を有する筒状のケーシング6と、ケーシング6内に回転自在に設けられたフィードスクリュー7及びその回転駆動手段である減速機8付駆動モータ9と、前記ケーシング6の出口4に接続された被圧縮屑圧縮排出手段10と、ケーシング6の下側及び両側壁を形成する多孔体11と、該多孔体11の外側を覆う開口部12を有する外被体13と、この開口部12に接続されたファン14及びその駆動モータ15とからなる空気吸引手段とにより主構成されている。
【0013】前記供給口5には、集合箱16を介して複数の被圧縮屑供給管17が接続されている。また、前記スクリュー7の回転軸18は、軸受19を介してケーシング6に軸支され、その基部外端に前記減速機8の出力軸(図示省略)が連結されている。なお、前記スクリュー7の羽根7Aの外径は、ケーシング6の内径との間に任意の間隙Dが形成される寸法とされている(図1参照)。
【0014】そして、スクリュー羽根7Aの基端側(出口4の反対側)には、羽根7Aの外周端にフェルト、ブラシ等からなる被圧縮屑スクレーパー20が、ケーシング6の供給口5端縁域に内端部を位置させて固着されており、該スクレーパー20によりケーシング6に滞留する被圧縮屑を強制的に出口4に向けて押し出すようになっている。
【0015】前記多孔体11は、多孔板例えばパンチングメタルを、図1に示すように、ケーシング6の内径と同径の弯曲部をもつ略U字状に成形し、前記供給口5の直下に位置させて固着し、ケーシング6の一部を構成している。この多孔体11とこれを外側から覆う外被体13との間隙は、空気の流れをスムーズにする大きさとされている。
【0016】そして、多孔体11を含むケーシング6の内面には、下側及び両側部に位置して、前記スクレーパー20の回転範囲を除いてその出口4にまで延びる四角棒状の被圧縮屑回転規制部材21が、ケーシング6の軸線と平行にしかもスクリュー羽根7Aの外周端が接触しないように固着されており、該部材21により被圧縮屑がスクリュー羽根7Aと共に回転するのを阻止し、スクリュー7に巻き付くのを防止している(図5参照)。
【0017】前記外被体13の開口部12には、下部がホッパー状とされた接続管22を介して前記ファン14の吸入口14Aが接続されており、被圧縮屑搬送空気をケーシング6内から強制的に排出するようになっている。また、前記ファン14の出口は、消音エルボ23を介して装置ケース2内に設けたフィルターボックス24(集塵フィルタ)に接続され、搬送空気中に混在している粉塵等を捕集し、清浄な空気として大気中に放出される。
【0018】前記被圧縮屑圧縮排出手段10は、図6に示しているように、ケーシング6の出口4に接続された先細り筒状の圧縮体25と、該圧縮体25の外周を覆う外筒体26と、該外筒体26の先端に接続された排出筒体27と、外筒体26に設けられた付勢力調整機構28とを備えている。前記圧縮体25は、四つの樋部材29をその内側が対向するように互いに接離自在に束ねることによって先細り状とされている。この樋部材29は、左右両端縁が先細りテーパー状にカットされたテーパー樋部29Aと、該樋部29Aの基端部外周縁に固着された円弧帯状の取付フランジ29Bとからなっている。
【0019】また、外筒体26の基端開口縁には、該外筒体26をケーシング6の出口フランジ4Aに接続するための固定フランジ30が形成されており、該フランジ30と出口フランジ4Aにより、リング31を介して前記取付フランジ29Bを挟み込んで揺動可能に取付けられ、各樋部材29が外筒体26内で互いに接離自在となっている。なお、前記取付フランジ29Bと固定フランジ30の間に、ゴム製スペーサーリング32が介装されている。
【0020】前記外筒体26の外周面の周方向四箇所には、軸心方向が外筒体26の径方向に向けられた有底筒状の収納筒33が固着されており、該収納筒33内に、圧縮体25の各樋部材29をその外周面から径内方向に付勢するコイルばね(付勢手段)34が収納されている。即ち、各収納筒33は、その内側開口部が外筒体26の内部に連通しかつ各樋部材29の外面中央に夫々対応するように、外筒体26の外周面に溶着されており、該収納筒33内に嵌装したコイルばね34の内端部を各樋部材29の外面中央に圧接させることにより、各樋部材29が径内方向に付勢されるようになっている。
【0021】前記各収納筒33には、コイルばね34による各樋部材29への付勢力を調整する前記調整機構28が設けられている。該調整機構28は、収納筒33の底板35にナット36を介してタッピングされた締付ボルト37と、該ボルト37の内端に固定した押圧板38とからなり、締付ボルト37を外筒体26の径方向に出退させてコイルばね34の長さを変更することにより、コイルばね34の付勢力を調節できるようになっている。
【0022】前記ケース2内には、被圧縮屑の排出筒体27の下側前方に位置してターンテーブル39が設置され、該ターンテーブル39上に、2つの屑回収袋受枠40がテーブル回転軸41を中心にして対称位置に配置され、該受枠40の内側にビニール製等の屑回収袋42が取付けられるようになっている。なお、43は操作盤で、装置ケース2の外側から操作しうるようになっている。また、装置ケース2の前方壁には開閉扉44が設けられ、屑回収袋受枠40の出し入れができるようになっている。
【0023】次に、上記実施形態の作用を説明する。図外の搬送手段によって搬送空気と共に各供給管17から送られてくる長尺のテープ状の紙屑(被圧縮屑)は、集合箱16内を経てケーシング6内に供給され、ファン14による吸引力によって、多孔体11の内面に吸い付けられるが、フィードスクリュー7が回転されているので、出口4に向かって強制的に搬送される。
【0024】この場合、スクリュー7基端側の羽根7Aに固着されたスクレーパー20により、スクリュー基端側のケーシング6底部の紙屑が、強制的に出口4に向かって搬送され、滞留することはない。また、前記ファン14による吸引力と、前記被圧縮屑回転規制部材21によって、紙屑は羽根7Aの回転によってもケーシング6内で共廻りすることなく出口4に向かって押し出される。したがって紙屑が長くても、スクリュー7に巻きついて詰まることはなく、スムーズにかつ確実に押し出される。
【0025】そして、紙屑は、ケーシング出口4から圧縮体25内を通過する際に、各樋部材29によって径内方向に圧縮され、塊状となって排出筒27の先端から排出され、その下方に設置した屑回収袋42内に落下する。なお、圧縮体25の各樋部材29は、コイルばね34により外周面から径内方向に付勢されているので、ケーシング6の出口4に過大な紙屑が搬送されてきた場合に、各樋部材29が径外方向に開き、紙屑が詰まることはない。
【0026】さらに、上記実施形態では、コイルばね34による付勢力を調整機構28により自在に調節できるので、紙屑の圧縮度が足りない場合は、締付ボルト37を締付け、圧縮し過ぎのため詰まりを生じる可能性があれば、締付ボルト37を緩めるなど、コイルばね34による付勢力を加減すればよい。また、上記実施形態によれば、ファン14の出口に消音エルボ23を設けているので、排気音を小さくして静かな運転が可能であり、排気中の粉塵等はフィルターボックス24内で除去回収されるため、排気が清浄空気として大気中に放出できる。
【0027】さらに、上記実施形態によれば、装置1、フィルターボックス24、屑回収袋42の受枠40及びそのターンテーブル39、操作盤43が、装置ケース2内にコンパクトに納められ、しかも高さも低くなっているので、事務所等の室内に容易に設置でき、静かな運転を行うことができる。本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、例えば、スクリュー7の基端を供給口5の端縁部までとしてスクレーパー20をなくすことができ、多孔体11は、ケーシング6の下半分としてもよく、さらに多孔板に代えて金網やスリットからなるメッシュ体を採用することができ、また、圧縮排出手段10も他の耕造を採用するなど適宜設計変更が可能であり、紙屑以外の各種被圧縮屑の圧縮回収にも採用しうることは勿論である。
【0028】
【発明の効果】本発明によれば、ケーシングの少なくとも下側部分を、多孔体により構成すると共に、その下方にファン等の空気吸引手段を接続したので、被圧縮屑を多孔体に吸い付けた状態で出口に向かって搬送でき、被圧縮屑がフィードスクリューと共廻りするのを防止してスクリューに巻き付いて詰まるのを阻止できる。
【0029】したがって、長いテープ状の紙屑の圧縮回収に際しても、従来のように、カッターブロワやサイクロンを必要とせず連続処理でき、騒音をなくすことができるうえ装置高さを低くかつコンパクトにしてコスト低下を図ることが可能であり、事務所内に設置して静かな運転を実現できる(請求項1)。また、請求項2の発明によれば、被圧縮屑の回転規制部材を配設してあるので、被圧縮屑の回転が阻止されてフィードスクリューへの巻き付きを防止でき、被圧縮屑を出口に向かって確実に搬送できる。
【0030】更に、請求項3の発明によれば、フィードスクリューに設けたスクレーパーがケーシング内に滞留する被圧縮屑を出口に向かって押し出すので、被圧縮屑がケーシング内に堆積して詰まるのを有効に防止できる。
【出願人】 【識別番号】390013457
【氏名又は名称】株式会社辰巳エヤーエンジニアリング
【出願日】 平成7年(1995)7月17日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】安田 敏雄
【公開番号】 特開平9−29492
【公開日】 平成9年(1997)2月4日
【出願番号】 特願平7−180285