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【発明の名称】 隠顕プレス、及びその隠顕プレスを用いた長尺物加工装置
【発明者】 【氏名】新谷 ▲よし▼啓

【目的】
【構成】
【特許請求の範囲】
【請求項 1】金属および可塑性体の塑性加工に用いるプレス機において、下板(3)の上に、4本の支柱(4)により、上板(5)を下板(3)と平行に固定し、下板(3)と上板(5)との間にダイセツト型の金型(6)を挿入保持して、上板(5)の上面外側に取り付けた油圧機構(8)により金型(6)を圧下してプレス作業を行う上部構造体(1)と、基板(12)の上に、4本の支柱(13)により受台(14)を基板(12)と平行に固定し、基板(12)と受台(14)との間に、複数の空圧シリンダー(15)と複数のボールベアリング・スライド・ブツシユ(16)とを設置して、空圧シリンダー・ロツド(17)と、スライド・ブツシユ・シヤフト(18)とを、上下運動自由に受台(14)の上方に突出させ、該空圧シリンダー・ロツド(17)の上端と、スライド・ブツシユ・シヤフト(18)の上端とを、上部構造体(1)の下板(3)に固定し、以て、空圧シリンダー・ロツド(17)により、上部構造体(1)を上下に運動自由に保持した、下部構造体(2)と、上部構造体(1)の下板(3)より下方に突出し、その下端が下部構造体(2)の受け台(14)の下面に開口した、抜カス放出筒(19)と、上部構造体(1)を昇降させる、空圧シリンダー(15)の昇降レバー(20)と、上部構造体(1)の運動を感知して、油圧機構(8)の電磁弁(22)の電気回路を開閉する、リミット・スイッチ(21)と、電源(24)回路を開閉するフツト・スイツチ(23)と、より成る、隠顕プレス。
【請求項 2】請求項1記載の隠顕プレスを用いた長尺物加工装置において、横方向に長い作業台(27)の、長さ方向の両端および中央に、夫々複数の隠顕プレス(26)を夫々隣接させて群状に設置し、各隠顕プレス(26)は、その上部構造体(1)が上昇した位置において、上部構造体(1)の作業面が、作業台(27)の作業面(29)と一致するごとくに、上部構造体(1)の挙上高さ(H)を定め、作業台(27)の前面カバー板(28)には、各隠顕プレス(26)に対応する位置に、隠顕プレス(26)の台数と同数の空圧昇降レバー(20)を設置し、床面には油圧電磁弁(22)の電気回路を開閉する所要数のフットスイッチ(23)を配置し、各油圧電磁弁(22)の電気回路とリミット・スイッチ(21)とを各個に直列に結線したる後、全油圧電磁弁(22)の電気回路を並列に結線し、各フットスイッチ(23)を並列に結線した電源(24)回路と、前記油圧電磁弁(22)の電気回路とを結線することにより、任意の位置のフットスイッチ(23)を踏むことにより、上昇して作業位置に在る隠顕プレス(26)のみを、作動可能とするとともに、作業台(27)の上面には、長さ方向と直角に、夫々平行した桟(30)を設け、かつ、作業台(27)の両外側端には、桟(30)の上面と同じ高さの受枠(30)を設けた、隠顕プレスを用いた長尺物加工装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、長尺加工部材に複数のプレス加工を施す場合、極めて簡単・容易に、かつ能率良く、加工し得るようにした隠顕プレス、および、その隠顕プレスを用いた長尺物加工装置、に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、長尺加工部材に複数のプレス加工を施す場合には、工場内に複数のプレス機を設備して、各工程ごとにプレス機の間を部材を移動させて施工していたが、長尺加工部材の運搬および作業員の移動による能率の低下が避けられず、特に多品種少量加工の場合に、能率の低下が甚だしかつた。また、従来の方式では、各作業工程(プレス機)の間を、長尺加工部材を相互の接触や衝突を避けて、無理なく運搬し、能率よく作業するためには、広い作業面積を必要とした。従つて、作業員の数も多く、土地利用の効率も悪かつた。また、能率を上げるために、連続型を使用することが普通に行われているが、連続型は、型の中の1部分を任意に取り出してプレス作業を行うことは、勿論不可能であつた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】以上のような欠点を無くして、長尺加工部材に複数のプレス加工を施す場合に、人と部材との移動を最少にして、能率よく複数のプレス加工を任意に施し得る方法を求めた。
【0004】
【課題を解決するための手段】プレス機を上部構造体と下部構造体との2つの部分に分け、上部構造体の下板にはダイセツト型の金型を固定し、上板の上面外側には油圧機構を取付け、油圧プランジヤーが上型を圧下してプレス作業を行なうようにし、このように造つた上部構造体を、下部構造体の上に載せて、下部構造体から上方に突出させた空圧シリンダー・ロツドにより、押し上げおよび引き下げ自在に保持すること、によつて、必要に応じて、必要な金型を作業台上に呼び出してプレス作業を行い、作業が終われば、上部構造体を降下させて、金型を作業台の作業面より下に隠して、他の作業に邪魔にならないように構成した。
【0005】また、上部構造体が下降したときには、油圧機構が作動しないように、電気回路を自動的に切断するリミツト・スイツチを、各プレス機ごとに装着することにより、上昇して作業台上に現れているプレス機だけが、プレス作業可能となるようにして、誤作動による損害や災害の発生を防止した。また、作業の能率化を図るため、複数のプレス機を1ケ所に隣接して群状に設置することにより、加工部材の移動距離を最小にして、しかも必要な複数の加工を行うことを可能とした。
【0006】
【 作 用 】本発明は、次のように作用する。
【0007】まず、電源スイツチを入れ、空圧昇降レバーを押し上げる(ONにする)と、隠顕プレスの下部構造体に設置した挙上用空圧シリンダーが働いて、空圧シリンダー・ロツドが上方に伸長し、上部構造体を作業位置の高さに押し上げ、同時にリミツト・スイツチが入る(ONになる)。この状態でフツト・スイツチを踏めば、油圧機構が働いて、油圧プランジヤーが下降し、作業空間に挿入された加工部材に対して、プレス作業が行われる。
【0008】この際、ボールベアリング・スライド・ブツシユのスライド・シヤフトは、上部構造体の上下(隠顕)運動のガイドおよび振れ止め、として働く。
【0009】次に、プレス作業の終わつた加工部材を上部構造体の作業空間から引き抜き、空圧昇降レバーを押し下げると、上部構造体は作業台の下に沈み隠れる。次に、別の空圧昇降レバーを押し上げて、第2の加工に必要な金型を装着した隠顕プレスを作業台の上に呼び出し、上と同し手順で、次の加工を行う。
【0010】
【 実 施 例 】図について、本発明の1実施例を説明すると、(1)は隠顕プレスの上部構造体、(2)は同じく下部構造体、である。上部構造体(1)は、下板(3)の上に、4本の支柱(4)により上板(5)を下板(3)と平行に固定し、下板(3)と上板(5)との間にダイセツト型の金型(6)を挿入保持して、上板(5)の上面外側に取り付けた油圧機構(8)により金型(6)を圧下してプレス作業を行うように造られている。(7)は金型ばね、である。なお、上板(5)と下板(3)との間隔は、ダイセツト型金型(6)を適正に収容する間隔であり、金型(6)は下板(3)に螺着固定されている。上板(5)の上面には油圧機構(8)が固定されており、油圧プランジヤー(9)が上板(5)の下面に突出して、ダイセツト金型(6)の上型(10)を圧下する。(11)は油圧ホースである。
【0011】下部構造体(2)は、基板(12)の上に、4本の支柱(13)により受台(14)を基板(12)と平行に固定し、基板(12)と受台(14)との間に、複数の挙上用空圧シリンダー(15)と、複数のボールベアリング・スライド・ブツシユ(16)とを設置し、空圧シリンダー・ロツド(17)と、スライド・シヤフト(18)とを、受台(14)の上方に突出させ、該空圧シリンダー・ロツド(17)とスライド・シヤフト(18)とを上部構造体(1)の下板(3)に固定し、空圧シリンダー・ロツド(17)により、上部構造体(1)を上下に運動可能に保持している。スライド・シヤフト(18)は、上部構造体(1)の上下運動に際して振れ止めの役目をする。
【0012】(19)は抜カス放出筒で、上部構造体(1)の下板(3)より下方に突出し、その下端が下部構造体(2)の受台(14)の下面に開口しており、上部構造体(1)とともに上下する。(20)は上部構造体(1)の上下運動を司る空気シリンダー(15)の昇降レバー、(21)はリミツト・スイツチで、上部構造体(1)が下降した際、下板(3)により感知片を圧下されて、接点を解放して油圧電磁弁(22)の電気回路を切断する。上部構造体(1)が上昇すれば、感知片が元に復して、電気回路を接続する。(23)は電源(24)回路をON−OFFするフツト・スイツチ、である。
【0013】なお、油圧電磁弁(22)、リミツト・スイツチ(21)、フツト・スイツチ(23)の間の電気配線は、図4に示したとうりである。即ち、電源スイツチ(25)を入れ、空圧昇降レバー(20)を上げると、挙上用空圧シリンダー(15)が働いて、上部構造体(1)が上昇するので、自動的にリミツト・スイツチ(21)が入り、油圧電磁弁(22)回路が形成される。この状態でフツト・スイツチ(23)を踏むと、油圧電磁弁(22)に電流が流れ、油圧プランジヤー(9)が下降して、プレス作業が行われる。
【0014】次に、本発明の隠顕プレス(26)を用いた長尺物加工装置について、その1例を説明する。横方向に長い作業台(27)の、長さ方向の両端および中央には、夫々複数の隠顕プレス(26)を夫々隣接させて群状に設置してある。図3に示した1例では、左右両端には、それぞれ4台の隠顕プレス(26)を『田の字形』に配列して設置してあり、作業台(27)の中央には2台の隠顕プレス(26)を、左右に並べて相接して、設置してある。夫々の隠顕プレス(26)は作業台(27)の前面カバー(28)面に設けられた、対応する別々の空圧昇降レバー(20)により、夫々各個に昇降する。
【0015】各隠顕プレス(26)は、その上部構造体(1)が上昇した位置において、上部構造体(1)の作業面が作業台(27)の作業面(29)と一致するごとくに、上部構造体(1)の挙上高さ(H)を定めてある。
【0016】床面には油圧電磁弁(22)の電気回路を開閉する複数のフットスイッチ(23)が配置してあり、電源(24)、フツト・スイツチ(23)、リミツト・スイツチ(21)は次のように配線されている。
【00017】各油圧電磁弁(22)の電気回路にリミット・スイッチ(21)を各個に直列に結線したる後、全油圧電磁弁(22)の電気回路を並列に結線し、各フットスイッチ(23)を並列に結線した電源(24)回路と、前記油圧電磁弁(22)の電気回路とを直列に結線することにより、任意の位置のフットスイッチ(23)を踏むことにより、上昇して作業位置に在る隠顕プレス(26)だけを作動可能とするとともに、降下した隠顕プレス(26)が誤作動を起こさないように、配慮してある。
【0018】作業台(27)の上面には、長さ方向と直角に、夫々平行した桟(30)を設けてあり、かつ、作業台(27)の両外側端には、桟(30)の上面と同じ高さに受枠(31)を設けてあるので、長尺の加工部材(32)をこの受枠(31)に載せて作業ができる。
【0019】(33)は、金型(6)の下型、(34)はポンチ・ピン、である。
【0020】
【発明の効果】本発明の隠顕プレス、およびその隠顕プレスを用いた長尺物加工装置には、次のような特徴がある。
1: プレス機を上部構造体(1)と下部構造体(2)とに分けて、上部構造体(1)が下部構造体(2)に対して上下に上昇及び下降するように構成されているので、不要なプレス機を作業台(27)の面より下に下げておくことが出来るので、長尺の加工部材(32)を同一の作業台(27)上で、連続加工する場合に、不要な他の隠顕プレス(26)が邪魔にならない。従つて、作業能率が良く、全体の加工賃を引き下げることができる。
【0021】2: 空圧昇降レバー(20)により作業台(27)上に呼び出されたプレス機の油圧機構(8)だけが、フツト・スイツチ(23)の押圧に応じて作動し、下降沈下した隠顕プレス(26)の油圧機構(8)は作動しないように、電気配線がされているので、作業中に誤つてフツト・スイツチ(23)を踏んでも、下降沈下している他のプレス(26)が作動して、不慮の災害を起こす恐れがない。
【0022】3: 従来は、長尺の加工部材(32)に多数のプレス作業を施す場合には、広い工場内に多数のプレス機を配置し、1作業毎に長尺加工部材(32)を持つて、多数のプレス機の間を移動して作業をせねばならず、作業に時間と手間とを要するばかりでなく、他の作業員の邪魔になつたりして、能率を上げることが出来なかった。本発明の作業台(27)であれば、多数のプレス作業が、すべて1台の作業台(27)上で出来るので、作業能率が良いばかりでなく、作業員の疲労も少なく、工場敷地も小さくてすむ。従つて、設備投資額も少なくてすみ、製品の原価を引き下げることができる。
【0023】4: 作業台(27)には、その両端部および中央に、複数のプレス機を配置してあるので、長尺加工部材(32)の加工の場合に最も多い、両端部のおよび中央部の加工が、最も能率良く加工でき、作業の手離れが早い。従つて、最も安価に加工が出来る。
【0024】5: 作業台(27)の両端に受枠(31)があるので、長尺加工部材(32)の加工に際して、部材(32)をこの受枠(31)の上を滑らせて操作できるので、沈下した隠顕プレス(26)に衝突して、これをを傷付ける心配がなく、かつ、作業が容易である。
【0025】
【出願人】 【識別番号】390021083
【氏名又は名称】森田アルミ工業株式会社
【出願日】 平成7年(1995)7月24日
【代理人】
【公開番号】 特開平9−29491
【公開日】 平成9年(1997)2月4日
【出願番号】 特願平7−218027