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【発明の名称】 合成樹脂製ボトルの押し潰し装置
【発明者】 【氏名】南 正文

【氏名】武本 昌之

【目的】
【構成】 可動プレス部材8を下方の固定プレス部材9に対し上下駆動する駆動機構10を備え、その固定プレス部材9により受けられた合成樹脂製ボトルを可動プレス部材8により上方から押し潰す。その駆動力の可動プレス部材8への伝達経路に設けられる緩衝機構10は、可動プレス部材8に作用する押し潰し反力が設定値以上になると弾性変形する緩衝部材64を有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 可動プレス部材と、この可動プレス部材の下方に配置される固定プレス部材と、その可動プレス部材を上下駆動する駆動機構とを備え、その固定プレス部材により受けられた合成樹脂製ボトルを可動プレス部材により上方から押し潰し可能な合成樹脂製ボトルの押し潰し装置において、その駆動機構から可動プレス部材への駆動力の伝達経路に緩衝機構が設けられ、その緩衝機構は、可動プレス部材に作用する押し潰し反力が設定値以上になると弾性変形する緩衝部材を有することを特徴とする合成樹脂製ボトルの押し潰し装置。
【請求項2】 その緩衝機構は、その可動プレス部材を緩衝部材を介して上下動可能に支持する支持部材を有し、その緩衝部材の弾性変形により支持部材に対して可動プレス部材は相対的に上方移動可能とされ、その駆動力により支持部材と同行して上下動するボトル突き刺し部材が設けられ、その緩衝部材の弾性変形により可動プレス部材が支持部材に対し相対的に上方移動することで、そのボトル突き刺し部材は可動プレス部材から下向きに突出可能とされている請求項1に記載の合成樹脂製ボトルの押し潰し装置。
【請求項3】 その駆動機構は、その駆動力により回転するカムと、そのカムの輪郭面に接するカムフォロアとを有し、そのカムフォロアは、そのカムの回転により可動プレス部材が上下動するように支持部材に接続され、そのカムの輪郭面は、一回の押し潰し工程で可動プレス部材が複数回上下する形状に設定されている請求項2に記載の合成樹脂製ボトルの押し潰し装置。
【請求項4】 その固定プレス部材は、下方に向かうに従い互いに近接するボトル受け面を有する請求項1〜3のいずれかに記載の合成樹脂製ボトルの押し潰し装置。
【請求項5】 その固定プレス部材は、合成樹脂製ボトルを受ける受け姿勢と、その受けた合成樹脂製ボトルを落下させる排出姿勢とに、水平方向軸中心に回転することで姿勢変更可能とされ、その固定プレス部材が受け姿勢になるよう弾力を作用させるバネと、その可動プレス部材の固定プレス部材から離反する方向への移動と固定プレス部材の排出姿勢への回転とを連動させる連動機構とを備え、その連動は固定プレス部材の排出姿勢への姿勢変更後に解除可能とされている請求項4に記載の合成樹脂製ボトルの押し潰し装置。
【請求項6】 その可動プレス部材と固定プレス部材とを覆う筐体を備え、その筐体にボトル投入口が形成され、その投入口と固定プレス部材のボトル受け面との間にガイド機構が設けられ、そのガイド機構は、その投入口から投入された合成樹脂製ボトルがボトル受け面に移動するように案内する案内姿勢と、ボトル受け面に移動するのを阻止する阻止姿勢とに姿勢変更可能なガイド部材を有し、その固定プレス部材が排出姿勢になる時にガイド部材は阻止姿勢になるものとされ、その阻止姿勢のガイド部材と固定プレス部材との間が、排出姿勢の固定プレス部材からの合成樹脂製ボトルの落下経路とされている請求項5に記載の合成樹脂製ボトルの押し潰し装置。
【請求項7】 その阻止姿勢のガイド部材により移動を阻止された合成樹脂製ボトルの重量検出手段を備え、その検出重量が設定重量以上の場合にガイド部材の案内姿勢への姿勢変更が規制される請求項6に記載の合成樹脂製ボトルの押し潰し装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、固定プレス部材により受けられた合成樹脂製ボトルを可動プレス部材により上方から押し潰し可能な合成樹脂製ボトルの押し潰し装置に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、PET(ポリエチレンテレフタレート)等の合成樹脂製ボトルは、再利用のために回収するのが望ましい。しかし、そのままの形で回収したのでは嵩張ってしまうため、押し潰して回収することが提案されている。
【0003】そのような押し潰し装置として、可動プレス部材と、この可動プレス部材の下方に配置される固定プレス部材と、その可動プレス部材の上下駆動機構とを備え、その固定プレス部材により受けられた合成樹脂製ボトルを可動プレス部材により上方から押し潰し可能なものが提案されている(特開平48‐78778号公報)。その固定プレス部材は、アクチュエータにより合成樹脂製ボトルを受ける受け姿勢と、その受けた合成樹脂製ボトルを落下させる排出姿勢とに姿勢変更可能とされている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の押し潰し装置では、合成樹脂製ボトルの開口がキャップにより閉鎖されている場合や、金属等が誤って固定プレス部材に受けられた場合、押し潰そうとしても押し潰し反力が大きいため、過大な負荷により駆動系が破損するおそれがある。
【0005】また、図12に示すように、合成樹脂製ボトル2が取っ手2′を有するような場合、その取っ手2′部分はボトル本体よりも通常は強度が大きい。そのため、その取っ手2′部分のボトル本体からの突出方向(図12において矢印A方向)が上下方向に沿うように固定プレス部材により受けられると、やはり押し潰し反力が大きくなる。
【0006】そこで、可動プレス部材の駆動力を大きくすることが考えられる。しかし、駆動力を大きくすると押し潰し装置が大型化し、製造コストが増大する。また、そのような取っ手2′を有する合成樹脂製ボトル2の割合は少なく、また、取っ手2′部分のボトル本体からの突出方向が固定プレス部材に受けられた際に上下方向に沿っていなければ、ボトル本体を押し潰すための駆動力を大きくする必要はない。そのため、可動プレス部材の駆動力を大きくするのは極めて不経済なものである。
【0007】また、従来の押し潰し装置の固定プレス部材のボトル受け面は水平面であるため、ボトル受け面による合成樹脂製ボトルの受け位置が安定せず、可動プレス部材に偏った押し潰し反力が作用し、押し潰し効果が減少し、また、駆動系の破損や故障の原因になる。
【0008】また、合成樹脂製ボトルは押し潰しても元の形状に復元しようとするため、回収の際の嵩張りを充分に解消できないという問題がある。
【0009】また、従来の押し潰し装置においては、アクチュエータにより固定プレス部材を合成樹脂製ボトルの受け姿勢と排出姿勢とに姿勢変更させるものであり、その排出のために専用のアクチュエータが必要でコストが増大する。
【0010】また、従来の押し潰し装置は可動プレス部材と固定プレス部材とは露出するものであり、危険なものであった。
【0011】また、従来の押し潰し装置ではボトル以外の物の選別を行うことができなかった。
【0012】本発明は、上記課題を解決することのできる合成樹脂製ボトルの押し潰し装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、可動プレス部材と、この可動プレス部材の下方に配置される固定プレス部材と、その可動プレス部材を上下駆動する駆動機構とを備え、その固定プレス部材により受けられた合成樹脂製ボトルを可動プレス部材により上方から押し潰し可能な合成樹脂製ボトルの押し潰し装置において、その駆動機構から可動プレス部材への駆動力の伝達経路に緩衝機構が設けられ、その緩衝機構は、可動プレス部材に作用する押し潰し反力が設定値以上になると弾性変形する緩衝部材を有することを特徴とする。
【0014】その緩衝機構は、その可動プレス部材を緩衝部材を介して上下動可能に支持する支持部材を有し、その緩衝部材の弾性変形により支持部材に対して可動プレス部材は相対的に上方移動可能とされ、その駆動力により支持部材と同行して上下動するボトル突き刺し部材が設けられ、その緩衝部材の弾性変形により可動プレス部材が支持部材に対し相対的に上方移動することで、そのボトル突き刺し部材は可動プレス部材から下向きに突出可能とされているのが好ましい。
【0015】その駆動機構は、その駆動力により回転するカムと、そのカムの輪郭面に接するカムフォロアとを有し、そのカムフォロアは、そのカムの回転により可動プレス部材が上下動するように支持部材に接続され、そのカムの輪郭面は、一回の押し潰し工程で可動プレス部材が複数回上下する形状に設定されているのが好ましい。
【0016】その固定プレス部材は、下方に向かうに従い互いに近接するボトル受け面を有するのが好ましい。
【0017】その固定プレス部材は、合成樹脂製ボトルを受ける受け姿勢と、その受けた合成樹脂製ボトルを落下させる排出姿勢とに、水平方向軸中心に回転することで姿勢変更可能とされ、その固定プレス部材が受け姿勢になるよう弾力を作用させるバネと、その可動プレス部材の固定プレス部材から離反する方向への移動と固定プレス部材の排出姿勢への回転とを連動させる連動機構とを備え、その連動は固定プレス部材の排出姿勢への姿勢変更後に解除可能とされているのが良い。
【0018】その可動プレス部材と固定プレス部材とを覆う筐体を備え、その筐体にボトル投入口が形成され、その投入口と固定プレス部材のボトル受け面との間にガイド機構が設けられ、そのガイド機構は、その投入口から投入された合成樹脂製ボトルがボトル受け面に移動するように案内する案内姿勢と、ボトル受け面に移動するのを阻止する阻止姿勢とに姿勢変更可能なガイド部材を有し、その固定プレス部材が排出姿勢になる時にガイド部材は阻止姿勢になるものとされ、その阻止姿勢のガイド部材と固定プレス部材との間が、排出姿勢の固定プレス部材からの合成樹脂製ボトルの落下経路とされているのが好ましい。
【0019】その阻止姿勢のガイド部材により移動を阻止された合成樹脂製ボトルの重量検出手段を備え、その検出重量が設定重量以上の場合にガイド部材の案内姿勢への姿勢変更が規制されるのが好ましい。
【0020】
【発明の作用および効果】本発明の押し潰し装置によれば、可動プレス部材に作用する押し潰し反力が設定値以上になると、緩衝部材の弾性変形により押し潰し反力を吸収できる。これにより、開口がキャップにより閉鎖された合成樹脂製ボトルや金属等を押し潰そうとする際に、過大な押し潰し反力が作用しても駆動系が破損するのを防止できる。また、取っ手を有する合成樹脂製ボトル等に対処するために可動プレス部材の駆動力を大きくする必要がなくなり、押し潰し装置を小型化し、製造コストを低減できる。
【0021】その緩衝部材の弾性変形により支持部材に対して可動プレス部材が相対的に上方移動可能とされることで、過大な押し潰し反力が作用すると、その緩衝部材の弾性変形により可動プレス部材が支持部材に対し相対的に上方移動する。その相対移動により、その支持部材と同行して上下動するボトル突き刺し部材が可動プレス部材から下向きに突出可能とされていることで、開口がキャップにより閉鎖された合成樹脂製ボトルに、そのボトル突き刺し部材によって孔を開けることができる。これにより、その合成樹脂製ボトルの内圧上昇を阻止できるので、押し潰し反力を低減して押し潰すことが可能になる。
【0022】カムの輪郭面形状に応じて可動プレス部材を一回の押し潰し工程で複数回上下させることで、合成樹脂製ボトルが押し潰し後に元の形状に復元しようとする際に再度押し潰すことができ、その復元の程度を小さくすることができる。これにより、合成樹脂製ボトルの回収の際の嵩張りを充分に解消できる。
【0023】その固定プレス部材が下方に向かうに従い互いに近接するボトル受け面を有することで、ボトル受け面による合成樹脂製ボトルの受け位置が安定し、可動プレス部材に偏った押し潰し反力が作用するのを防止できる。これにより、押し潰し効果が減少するのを防止でき、また、駆動系の破損や故障を防止できる。
【0024】その固定プレス部材が受け姿勢になるよう弾力を作用させるバネと、その可動プレス部材の固定プレス部材から離反する方向への移動と固定プレス部材の排出姿勢への回転とを連動させる連動機構とを備えることで、その固定プレス部材の排出姿勢への姿勢変更を可動プレス部材の駆動力を利用して行える。これにより、その排出のための専用のアクチュエータが不要になりコストを低減できる。
【0025】その可動プレス部材と固定プレス部材とを覆う筐体を備えることで安全性を向上でき、その筐体に形成されたボトル投入口から投入された合成樹脂製ボトルを、案内姿勢のガイド部材によりボトル受け面に移動するように案内できる。その固定プレス部材が排出姿勢になる時にガイド部材が阻止姿勢になるものとされ、その阻止姿勢のガイド部材と固定プレス部材との間が、排出姿勢の固定プレス部材からの合成樹脂製ボトルの落下経路とされていることで、固定プレス部材とボトル投入口との間の距離を小さくすることができ、装置を小型化して設置スペースを小さくできる。
【0026】その阻止姿勢のガイド部材により移動を阻止された合成樹脂製ボトルの重量を検出し、その検出重量が設定重量以上の場合にガイド部材の案内姿勢への姿勢変更を規制することで、ボトル以外の重量の大きな金属等を選別することが可能になる。しかも、阻止姿勢のガイド部材により移動を阻止された合成樹脂製ボトルの重量を検出することで、その重量検出のために合成樹脂製ボトルの移動を阻止する専用の部材が不要で部品点数の増加を防止できる。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
【0028】図1〜図4に示すペットボトル等の合成樹脂製ボトルの押し潰し装置1は、図4に示すような箱型の筐体5を備え、この筐体5により、図1〜図3に示すように、可動プレス部材8と、この可動プレス部材8の下方に配置される固定プレス部材9と、その可動プレス部材8を上下駆動する駆動機構10とが覆われている。
【0029】図1、図3に示すように、その駆動機構10は、筐体5に固定されたビーム3上に取り付けられた減速機付モータ37と、そのビーム3から下方に延びる支持アーム42により左右(図1において紙面直交方向)方向軸38a中心に回転可能に支持されるカム38と、このカム38の外周の輪郭面に当接するカムフォロア39とを有する。そのモータ37の出力軸とカム38の回転軸38aとに取り付けられたスプロケット41、45と、テンションスプロケット47とにチェーン46が巻き掛けられることで、そのモータ37の回転駆動力はカム38に伝達される。
【0030】その駆動機構10による駆動力の可動プレス部材8への伝達経路に、緩衝機構60が設けられている。すなわち、その緩衝機構60は、支持部材49と圧縮コイルバネ(緩衝部材)64とを有する。図3に示すように、その支持部材49は、前記カムフォロア39の回転軸を支持する一対の軸受板48と、左右一対のガイド板50とを有する。各ガイド板50に取り付けられた引っ張りコイルバネ53を介して、支持部材49は前記ビーム3に吊り下げ状に支持されている。また、各ガイド板50に、前後方向軸中心に回転可能にガイド輪55が取り付けられ、各ガイド輪55は筐体5に取り付けられたガイドレール56に上下動可能に嵌まり込む周溝を有する。これにより、モータ37の回転駆動力によりカム38が回転すると、そのカム38の輪郭面にバネ53の弾力により押し付けられたカムフォロア39と共に、その支持部材49はカム38の輪郭面形状に応じて上下動する。
【0031】その支持部材49に、可動プレス部材8が上下動可能に支持される。図2に示すように、その可動プレス部材8は、側面視がV字形状とされ、その下面が下方に向かうに従い互いに近接するプレス面とされ、その上面から上方に突出する左右一対の支持ロッド62を有する。その支持ロッド62は、支持部材49のガイド板50から左右に張り出す部分50aに、相対的に上下動可能に挿通され、その挿通端にナット63がねじ合わされ、そのナット63が張出部50aの上面に接する。また、その可動プレス部材8は、上面から上方に突出する複数のガイドロッド65を有し、そのガイドロッド65は支持部材49に形成されたガイド孔66に相対的に上下移動可能に挿入されている。これにより、その支持部材49は可動プレス部材8を吊り持ち状に支持する。
【0032】その緩衝機構60の圧縮コイルバネ64は、その可動プレス部材8の支持ロッド62に嵌め合わされ、支持部材49のガイド板50から左右に張り出す部分50aと可動プレス部材8とに挟まれている。これにより、その圧縮コイルバネ64は、可動プレス部材8に下向きの弾力を作用させ、また、弾性的に圧縮変形することで支持部材49に対して可動プレス部材8を相対的に上方移動させることができる。
【0033】その駆動機構10の駆動力により回転するカム38の輪郭面形状に応じて支持部材49が上下動すると、その駆動力は緩衝機構60を介して可動プレス部材8に伝達され、可動プレス部材8は固定プレス部材9に近接する方向と離反する方向とにカム38の輪郭面形状に応じて上下動する。よって、図7、図9に示すように固定プレス部材9により受けられた合成樹脂製ボトル2を、可動プレス部材8により上方から押し潰すことができる。なお、可動プレス部材8は最も下降した状態でも固定プレス部材9と接することはない。これは、合成樹脂製ボトル2を過度に押し潰して偏平にすると、その偏平な合成樹脂製ボトル2を後工程においてペレット状に切断する際に、その周囲部分が切断用カッターに食い込むといった問題があるからである。
【0034】その押し潰しに際し、可動プレス部材8に作用する押し潰し反力が、予め定めた設定値以上になると、その緩衝機構60のバネ64が弾性的に圧縮変形し、支持部材49に対して可動プレス部材8は相対的に上方移動する。すなわち、そのバネ64が可動プレス部材8に作用させる弾力は、予め設定される押し潰し反力の設定値に応じて設定される。その押し潰し反力の設定値は、ペットボトル等の合成樹脂製ボトル2を押し潰すのに充分な値であって、且つ、不必要に大きな値にならないように設定される。なお、図3に示すように、可動プレス部材8の左右両端に、切欠部8aが形成されている。この切欠部8aは、合成樹脂製ボトル2の口金部2aは強度が高く押し潰すのに過大な圧力が必要なことから、その押し潰し時に可動プレス部材8と口金部との干渉を防止するために設けられている。
【0035】そのカム38の輪郭面の形状は、一回の押し潰し工程で可動プレス部材8が複数回、本実施形態では2回上下するように設定されている。すなわち、図2に示す状態でカム38は原点に位置し、この状態から一回の押し潰し工程で図中矢印B方向に一回転する。そのカム38の輪郭面に当接するカムフォロア39からカム38の回転軸38aまでの距離は、その原点において最も小さくなり、その矢印B方向への回転に伴い図7に示すように次第に大きくなった後に、図8に示すように一旦は次第に小さくなり、しかる後に図9に示すように再び次第に大きくなった後に、図10に示すように次第に小さくなって原点に復帰する。その一回の押し潰し工程における可動プレス部材8の2回の上下移動において、1回目におけるよりも2回目の方が可動プレス部材8は下方まで移動するように、そのカム38の輪郭面の形状は設定されている。
【0036】図2、図3、図11に示すように、その緩衝機構60の支持部材49にボトル突き刺し部材67の上端がねじ込まれ、その支持部材49と同行して上下動可能とされている。そのボトル突き刺し部材67の下端は尖鋭とされ、可動プレス部材8に形成された貫通孔8′に挿通されている。通常の状態では、そのボトル突き刺し部材67の下端は貫通孔8′内に位置されている。図11に示すように、その合成樹脂製ボトル2の押し潰しに際し、押し潰し反力が前記設定値以上になって緩衝機構60のバネ64が圧縮変形し、支持部材49に対して可動プレス部材8が相対的に上方移動すると、そのボトル突き刺し部材67は可動プレス部材8から固定プレス部材9に向かい突出する。これにより、開口がキャップにより閉鎖された合成樹脂製ボトル2に孔を開けることができる。
【0037】図2に示すように、その固定プレス部材9は側面視がV字形状とされ、その上面が下方に向かうに従い互いに近接するボトル受け面9aとされている。また、その固定プレス部材9の下部に、左右方向に沿う支軸31が一体化され、その支軸31に筒状部9bが嵌め合わされている。その支軸31は、筐体5に左右水平方向軸中心に相対回転可能に支持されている。その固定プレス部材9は支軸31中心に回転することで、そのボトル受け面9aが上向きの受け姿勢と、図10に示すようにボトル受け面9aが横向きの排出姿勢とに姿勢変更可能とされ、その排出姿勢において、ボトル受け面9aに受けた合成樹脂製ボトル2を落下させることができる。図1に示すように、その落下させた合成樹脂製ボトル2を回収する回収箱13が筐体5の下部に内蔵されている。
【0038】図3に示すように、その固定プレス部材9の支軸31にねじりコイルバネ33が嵌め合わされている。そのバネ33は、一端が固定プレス部材9に他端が筐体5側に取り付けられることで、その固定プレス部材9を図2において矢印D方向に回転するよう弾力を作用させる。その固定プレス部材9の下面にクッション34が取り付けられ、そのクッション34を介し固定プレス部材9は筐体5に取り付けられた調整ボルト35に、そのバネ33の弾力により押し付けられ、その押し付けにより固定プレス部材9は受け姿勢となる。なお、その調整ボルト35の回転により固定プレス部材9の受け姿勢を変更調整できる。
【0039】その可動プレス部材8の固定プレス部材9から離反する方向への移動と、固定プレス部材9の排出姿勢への回転とを連動させる連動機構が設けられている。すなわち、図2、図3に示すように、前記支持部材49の一方のガイド板50から下向きに延びるアーム57が設けられ、そのアーム57の下端にラチェット機構58を介して引っ掛け部材59が取り付けられ、その引っ掛け部材59は図中矢印Eで示すように上向き方向の回転が可能で矢印Fで示すように下向き方向の回転が阻止される。また、固定プレス部材9と一体の筒状部9bから突出する被引っ掛け部としてピン36が設けられ、このピン36は固定プレス部材9が受け姿勢にある時に引っ掛け部材59と上下方向に関し重なる位置に配置される。これにより、図7〜図9に示すように可動プレス部材8が固定プレス部材9に近接すると、その引っ掛け部材59はピン36により押し上げられるのでピン36の下方に位置し、図10に示すように可動プレス部材8が固定プレス部材9から離反すると、その引っ掛け部材59はピン36に引っ掛けられるので、その可動プレス部材8の上方移動に連動して固定プレス部材9は排出姿勢になる。さらに可動プレス部材8が上方移動すると、その引っ掛け部材59はピン36から外れるので、その連動は解除され、固定プレス部材9はバネ33の弾力により前述のように受け姿勢となる。
【0040】その筐体5の前面部は開閉可能な扉14とされ、その扉14にボトル投入口14aが形成されている。このボトル投入口14aの開閉扉15の下端が、扉14に左右水平方向軸中心に揺動可能に取り付けられている。その開閉扉15に、筐体5内に延びる突出部17が一体化されている。図1において仮想線で示すように、その開閉扉15を開いた状態で、そのボトル投入口14aから筐体5内に投入された合成樹脂製ボトル2を、その開閉扉15と突出部17とで受けることができるように、その開閉扉15と突出部17とは側面視でV字状とされている。その突出部17の左右において、開閉扉15の内面に、筐体5内に突出する側板16が取り付けられている。その突出部17に開口20が形成され、この開口20の大きさは回収対象の合成樹脂製ボトル2よりも小さい空き缶、空き瓶、ボトル、その他の異物を落下させることができる大きさとされている。その開口20から落下した空き缶等の受け21が扉14の内面に取り付けられている。その受け21から空き缶等を取り出すため、その扉14に開口14bと、この開口14bの透明開閉蓋22とが設けられている。
【0041】図2に示すように、そのボトル投入口14aと固定プレス部材9のボトル受け面9aとの間にガイド機構7が設けられている。そのガイド機構7は、筐体5に支軸27中心に回転可能に支持されたガイド部材29を有する。そのガイド部材29は回転することで、そのボトル投入口14aから投入された合成樹脂製ボトル2をボトル受け面9aに移動するように案内する図中仮想線で示す案内姿勢と、ボトル受け面9aに移動するのを阻止する図中実線で示す阻止姿勢とに姿勢変更可能とされている。そのガイド部材29を姿勢変更させるアクチュエータ30が筐体5に取り付けられている。そのアクチュエータ30は、例えば、ガイド部材29を電磁力により案内姿勢にすると共にバネの弾力により阻止姿勢にするもので構成できる。後述の制御装置11による制御により、その固定プレス部材9が排出姿勢になる時にガイド部材29は阻止姿勢になるものとされる。その阻止姿勢のガイド部材29と固定プレス部材9との間が、排出姿勢の固定プレス部材9からの合成樹脂製ボトル2の落下経路23とされている。
【0042】その阻止姿勢のガイド部材29により移動を阻止された合成樹脂製ボトル2の重量を検出可能なロードセル28が設けられている。図1に示すように、そのロードセル28と前記アクチュエータ30とは、筐体5の上部に内蔵された制御装置11に接続されている。その制御装置11による後述の制御により、そのロードセル28による検出重量が設定重量以上の場合にガイド部材29の案内姿勢への姿勢変更が規制される。
【0043】その制御装置11に、モータ37のドライバー(図示省略)と、モータ37の負荷センサ(図示省略)と、カム38の前記原点の検知用リミットスイッチ44と、ボトル投入口14aの開閉扉15の開閉検知用リミットスイッチ19と、筐体5の扉14の開閉検知用リミットスイッチ26と、筐体5の扉14に取り付けられた表示盤24とが接続されている。その表示盤24は、図5に示すように、投入可、作動中、取り出し指示、回収箱13の満杯、及び異常を示す5つの表示と共に、各表示の横にランプ25が設けられたものである。
【0044】その制御装置11による制御手順を図6に示すフローチャートを参照して説明する。先ず、電源をオンにする(ステップ1)。なお、筐体5の扉14の開閉検知用リミットスイッチ26から扉14の開信号が入力した場合、安全上から電源はオフになる。その電源のオンにより、表示盤24の投入可の表示に対応するランプ25を点灯する(ステップ2)。次に、ボトル投入口14aの開閉扉15が開かれると、リミットスイッチ19から開閉扉15の開き信号が入力し(ステップ3)、開閉扉15が閉じられると、リミットスイッチ19から開閉扉15の閉じ信号が入力する(ステップ4)。その開閉扉15の開閉の間にボトル投入口14aから被投入物が投入される。その被投入物が回収対象の合成樹脂製ボトル2よりも小さい空き缶等である場合、突出部17の開口20から落下して受け21に排出され、扉14の開口14bの透明開閉蓋22を開けて取り出される。その開閉扉15の開き信号の入力と閉じ信号の入力により、ロードセル28によりボトル投入口14aから投入された被投入物の重力検知信号が読み込まれ、その検知重量が回収対象の合成樹脂製ボトル2に基づき設定した重量以上か否かを判断する(ステップ5)。その検知重量が設定重量以上である場合、表示盤24の取り出し指示に対応するランプ25を点灯し(ステップ6)、ロードセル28の検知重量が設定値未満か否かを判断し(ステップ7)、設定値未満であれば被投入物が取り出されたと判断してステップ2に戻る。ステップ5における検知重量が設定値未満の場合、アクチュエータ30を一定時間駆動してガイド部材29を阻止姿勢から案内姿勢に姿勢変更させ(ステップ8)、表示盤24の作動中に対応するランプ25を点灯させ(ステップ9)、モータ37を駆動する(ステップ10)。なお、そのガイド部材29を案内姿勢に姿勢変更してから合成樹脂製ボトル2が固定プレス部材9のボトル受け面9aに受けられる迄はある程度の時間が必要であることから、その姿勢変更から予め設定した時間の経過後にモータ37を駆動する。これにより、上記のように合成樹脂製ボトル2の押し潰しを行なう。次に、モータ37に過負荷が作用しているか否か判断する(ステップ11)。固定プレス部材9により金属等の異物が受けられたり、固定プレス部材9に受けられた合成樹脂製ボトル2の取っ手2′が上下方向に沿うような場合等にモータ37に過負荷が作用し、この場合はモータ37をオフし(ステップ12)、表示盤24の異常に対応するランプ25を点灯し(ステップ13)、制御を終了する。この場合、扉14を開いて手動操作により可動プレス部材8を上方移動させ、異物や取っ手付合成樹脂製ボトル2等の取り出しを行う。ステップ11において過負荷が作用しない場合、カム38が原点に復帰したか否かをリミットスイッチ44からの信号の有無により判断する(ステップ14)。カム38が原点に復帰していなければステップ11に戻り、原点に復帰していれば押し潰された合成樹脂製ボトル2は回収箱13に回収されているので、その回収箱13が満杯か否かを判断する(ステップ15)。その判断は、例えばカム38の原点への復帰回数をカウントして累積的に記憶し、予め定めた数になった場合に満杯と判断したり、あるいは、回収箱13内の合成樹脂製ボトル2の回収量が設定量になったことを検知する光電センサを設けること等により行える。その回収箱13が満杯でなければステップ2に戻り、満杯であれば、表示盤24の満杯に対応するランプ25を点灯し(ステップ16)、制御を終了する。この場合、扉14を開いて回収箱13から押し潰された合成樹脂製ボトル2を回収する。
【0045】上記押し潰し装置1によれば、可動プレス部材8に作用する押し潰し反力が設定値以上になると、緩衝機構60のバネ64の弾性変形により押し潰し反力を吸収できる。これにより、開口がキャップにより閉鎖された合成樹脂製ボトル2や金属等を押し潰そうとする際に、過大な押し潰し反力が作用しても駆動系が破損するのを防止できる。また、取っ手2′を有する合成樹脂製ボトル2等に対処するために可動プレス部材8の駆動力を大きくする必要がなくなり、押し潰し装置1を小型化し、製造コストを低減できる。
【0046】また、過大な押し潰し反力によりバネ64が弾性変形すると、可動プレス部材8が緩衝機構60の支持部材49に対し相対的に上方移動し、その相対移動によりボトル突き刺し部材67が可動プレス部材8から下向きに突出するので、開口がキャップにより閉鎖された合成樹脂製ボトル2に孔を開けることができる。これにより、その合成樹脂製ボトル2の内圧上昇を阻止できるので、押し潰すことができる。
【0047】また、カム38の輪郭面形状に応じて可動プレス部材8を一回の押し潰し工程で2回上下させることで、合成樹脂製ボトル2が押し潰し後に元の形状に復元しようとする際に再度押し潰すことができ、その復元の程度を小さくすることができる。これにより、合成樹脂製ボトル2の回収の際の嵩張りを充分に解消できる。
【0048】その固定プレス部材9が下方に向かうに従い互いに近接するボトル受け面9aを有することで、ボトル受け面9aによる合成樹脂製ボトル2の受け位置が安定し、可動プレス部材8に偏った押し潰し反力が作用するのを防止できる。これにより、押し潰し効果が減少するのを防止でき、また、駆動系の破損や故障を防止できる。
【0049】その可動プレス部材8の固定プレス部材9から離反する方向への移動と固定プレス部材9の排出姿勢への回転とを連動機構により連動させ、しかる後に排出姿勢の固定プレス部材9を受け姿勢になるようバネ33によって弾力を作用させることで、その固定プレス部材9の排出姿勢への姿勢変更を可動プレス部材8の駆動力を利用して行え、その排出のための専用のアクチュエータが不要になりコストを低減できる。
【0050】その可動プレス部材8と固定プレス部材9とを筐体5により覆うことで安全性を向上できる。その筐体5のボトル投入口14aから投入された合成樹脂製ボトル2を、固定プレス部材9のボトル受け面9aに案内する案内姿勢のガイド部材29が、その固定プレス部材9が排出姿勢になる時に阻止姿勢になり、その阻止姿勢のガイド部材29と固定プレス部材9との間が、排出姿勢の固定プレス部材9からの合成樹脂製ボトル2の落下経路23とされているので、固定プレス部材9とボトル投入口14aとの前後間距離を小さくできる。これにより、押し潰し装置1を小型化して設置スペースを小さくできる。
【0051】その阻止姿勢のガイド部材29により移動を阻止された合成樹脂製ボトル2の重量をロードセル28により検出し、その検出重量が設定重量以上の場合にガイド部材29の案内姿勢への姿勢変更が規制されることで、ボトル以外の重量の大きな金属等を選別することが可能になる。しかも、阻止姿勢のガイド部材29により移動を阻止された合成樹脂製ボトル2の重量を検出することで、その重量検出のために合成樹脂製ボトル2の移動を阻止する専用の部材が不要で部品点数の増加を防止できる。
【0052】なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば、上記実施形態においては、ガイド部材29の案内姿勢への姿勢変更後に設定時間経過した場合にモータ37を駆動したが、固定プレス部材9のボトル受け面9a上の物体検知センサを設け、そのボトル受け面9a上の物体の検知後にモータ37を駆動するようにしてもよい。また、表示盤24によるランプ表示だけでなく、音声等によって種々の案内を行ってもよい。
【出願人】 【識別番号】591211951
【氏名又は名称】共栄発條工業株式会社
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】凸版印刷株式会社
【出願日】 平成7年(1995)7月10日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】根本 進
【公開番号】 特開平9−24495
【公開日】 平成9年(1997)1月28日
【出願番号】 特願平7−198216