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【発明の名称】 廃プラスチック容器の圧縮装置
【発明者】 【氏名】松田 美枝

【目的】 廃プラスチック容器を平たく能率的に押し潰すことができ、その際に過度な労力を要しなく、安全に作業をなすことができる廃プラスチック容器の圧縮装置を提供する。
【構成】 水を加熱するヒータ5を備えた湯槽1と、湯槽1の熱湯の中で廃プラスチック容器4を押し潰す押し板3とからなり、湯槽1には、廃プラスチック容器4が押し潰される台として受け板7を設けると共に、ばね等の弾力で熱湯から飛び出るように上下動可能に支持した。また、廃プラスチック容器4が廃棄溜室2に滑り落ちるように、飛び出た時に受け板7が傾斜するように構成した。さらに、押し板3の上に縦壁12を介して安全蓋14を設け、安全蓋14の上に取っ手16を設けた。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 水を加熱するヒータ5を備えた湯槽1と、湯槽1の熱湯の中で廃プラスチック容器4を押し潰す押し板3とからなり、湯槽1には、廃プラスチック容器4が押し潰される台として受け板7を設けると共に、ばね等で熱湯から飛び出るように上下動可能に支持したことを特徴とする廃プラスチック容器の圧縮装置。
【請求項2】 押し潰された廃プラスチック容器4が投入される廃棄溜室2を備え、廃棄溜室2の中にまたはそれに隣接して湯槽1を設け、熱湯から飛び出た受け板7から廃プラスチック容器4が廃棄溜室2に滑り落ちるように、飛び出た時に受け板7が傾斜するように構成したことを特徴とする請求項1記載の廃プラスチック容器の圧縮装置。
【請求項3】 押し板3の上に縦壁12を介して安全蓋14を設け、安全蓋14の上に取っ手16を設けたことを特徴とする請求項1または2記載の廃プラスチック容器の圧縮装置。
【発明の詳細な説明】【0001】この発明は、食料品や飲料等を包装していた使用済みのプラスチック製トレー、ペットボトル、その他各種容器等を廃棄する場合、その容積を縮小するために使用する廃プラスチック容器の圧縮装置に関する。
【0002】
【従来の技術】家庭で出るごみは、市町村等の地方自治体において収集され、環境や省資源等の問題から、ごみの種類により処分方法を異にしている。そのため、ごみの出し方が住民に要請され、且つ、ごみの種類により収集日を異ならせている。例えば、台所ごみ、紙屑、紙おむつ、木屑、布屑、ゴム類等の燃えるごみについては、週2回程度、金属類やガラス・陶器類等の燃えないごみについては、月1〜2回程度、空き瓶、空き缶や前記のような廃プラスチック等の資源・リサイクルごみについては、月1〜2回程度、というように収集日が決められており、地域住民は、決められた日にのみ所定のごみを出すことができる。
【0003】廃プラスチック容器については、最近まで多くの地方自治体において、燃えるごみの中に入れることを許容していたので、住民は、ごみ袋に台所ごみ等と共に廃プラスチック容器を投入してごみを出していたが、このようにされると、体積で約7〜8割がその廃プラスチック容器で占められ、言わば空気を運ぶことになって収集能力が減殺される。しかも、焼却において高熱が発生するため、炉を傷める等の問題があり、最近において多くの地方自治体において上記の如く収集システムが改められている。しかし、いずれにしても、重量に比して容積が格段に大きいために、収集に不便であるばかりでなく、各家庭においては、月に1〜2回程度の収集日まで保管する不都合と、その日に持ち出す不便が強いられる。
【0004】上記のような問題を解決するために、従来から廃プラスチック容器の圧縮装置が提案されている。これには、レバー操作により強制的に圧縮するもの(特公平6−47099号公報)、熱風により加熱して圧縮するもの(特開平5−92179号公報)を挙げることができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記の廃プラスチック容器の圧縮装置のうち、レバー操作によるものでは、それに所謂梃の原理を利用したものではなく、一度の操作で廃プラスチック容器を押し潰すので、操作に非常に力を要し、主婦に過度な負担を掛かることになり、しかも、押し潰しただけでは廃プラスチック容器の弾性により復元するので、しばらくロックして、押し潰した状態を保持しておく必要があり、能率的にも問題があった。
【0006】熱風により加熱して圧縮するものでは、熱により溶融状態にして変形させるものであるが、発泡されているトレー等は言わば断熱材であるため、トレーが重ねられて押し潰されるとき、その間に熱風が吹き込まれても、熱風が均等に浸透しないだけでなく、空気の比熱からトレーの変形に要する熱量が不足するために、変形に時間が掛かる。また、押し潰す操作を何回も繰り返す必要もあって、必ずしも能率的ではない。また、この比熱の関係から、充分に熱を通すには、熱風が100°C〜140°Cというように100゜Cを超える高温で使用されるため、操作に危険が伴うし、プラスチックの種類によっては毒性の強い塩素ガスが発生する恐れがあり、安全性の面でも問題があった。
【0007】この発明は、上記のような実情に鑑みて、廃プラスチック容器を平たく能率的に押し潰すことができ、その際に過度な労力を要しなく、安全に作業をなすことができる廃プラスチック容器の圧縮装置を提供することを目的とした。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するために、この発明は、水を加熱するヒータを備えた湯槽と、湯槽の熱湯の中で廃プラスチック容器を押し潰す押し板とからなり、湯槽には、廃プラスチック容器が押し潰される台として受け板を設けると共に、ばね等で熱湯から飛び出るように上下動可能に支持して廃プラスチック容器の圧縮装置を構成した。
【0009】加えて、押し潰された廃プラスチック容器が投入される廃棄溜室を備え、廃棄溜室の中にまたはそれに隣接して湯槽を設け、熱湯から飛び出た受け板から廃プラスチック容器が廃棄溜室に滑り落ちるように、飛び出た時に受け板が傾斜するように構成した。
【0010】さらに、押し板の上に縦壁を介して安全蓋を設け、安全蓋の上に取っ手を設けた。
【0011】
【作 用】廃プラスチック容器の圧縮装置を上記のように構成したから、受け板に廃プラスチック容器を載せ、その上から押し板で押し付けると、押し板がばね等の弾力に抗して、廃プラスチック容器を熱湯の中に徐々に浸しながらそれを押し潰す。この場合、水の比熱の大であることから、直ぐに軟化して変形が非常に早く、多くの場合、押し下げる動作中に平たく変形する。
【0012】また、廃プラスチック容器は軽量で水に浮遊する位置の定まらないものであるけれども、挟み状態において熱湯への浸漬および変形作業を確実になすことができる。また、押し潰す動作が終わると、同じく、ばね等の弾力により受け板と押し板との間に挟みながら廃プラスチック容器を上げるので、廃プラスチック容器の変形がその間に復元することがなく、偏平な状態て引き上げることができ、その後常温の空気に触れることによって、偏平な変形状態が確定する。
【0013】
【実施例】次に、この発明の実施例を図面に基づいて説明する。
【0014】図1および図2は一実施例を示したもので、その廃プラスチック容器の圧縮装置Pには、一部スペースを利用して空き缶の圧縮装置Cが設けられている。
【0015】廃プラスチック容器の圧縮装置Pは、廃プラスチック容器4を熱湯により処理する湯槽1と、それを押し潰す押し板3と、圧縮した廃プラスチック容器4を落とす廃棄溜室2とからなるもので、湯槽1の下に空き缶の圧縮装置Cを設け、廃棄溜室2の後ろに空き缶入れ6が設けられている。
【0016】湯槽1は、水を電気ヒータ5により加熱するようにしたもので、廃プラスチック容器4の受け板7が前後両列のコイルばね9,9により上下動可能に支持され、押し板3により廃プラスチック容器4を押し潰すようになっている。なお、湯槽1には下水への排水口が設けられている。また、両列のコイルばね9,9には、伸びに段差があって、その伸びにより受け板7が持ち上がった時に、廃棄溜室2に傾斜するため、傾斜した受け板7の上から廃プラスチック容器4が廃棄溜室2に落下する。なお、ばね9の代わりに空気圧や浮力を用いることもできる。
【0017】受け板7および押し板3は、それぞれ綱目のように多数の孔が散在して開けられ水はけを良くしてある。また、押し板3には、前後幅の中央に縦壁12を立設し、縦壁12を介して安全蓋14を取り付け、安全蓋14に取っ手16が設けられる。そこで、取っ手16を持ちながら押し板3で廃プラスチック容器4を受け板7に押さえ付けた時、受け板7と共に押し板3が熱湯の中に落ち込んでも、手が熱湯の中に浸かることがない。また、沸騰点以下で安全に処理できるが、沸騰させても安全蓋14により蒸気が手に触れる危険もない。なお、図示はしないが、押し板3を足踏みにより上下させるようにすることもできる。
【0018】廃棄溜室2は、底部に水切り網13が棚入れされており、棚挿入部の下には貯水容器15が棚入れされている。そこで、湯槽1から落下した廃プラスチック容器4は、水切り網13に受け止められ、水切りされた水が貯水容器15に溜まる。図示はしないが、本体としてのケース18の側面には、処理した廃プラスチック容器4や水切り網13、貯水容器15、処理した空き缶20を取り出す扉付きの口が設けられている。
【0019】廃棄溜室2と空き缶入れ6とは、ケース18を前後に仕切ることにより形成され、そのケース18の上端に天板19を被せ、天板19には廃棄溜室2の口21と、空き缶入れ6の口23とが設けられ、それぞれの口21,23に開閉蓋22,24が上下揺動可能に軸支して設けられる。
【0020】図3は、他の実施例を示し、この場合は、廃プラスチック容器4の処理専用としたもので、ケース18の中に湯槽1を設け、湯槽1よりも後方に嵌まる天板19には、未処理の廃プラスチック容器4を入れる口31を設け、それにプラスチックフイルムの袋33を掛けるようになっている。そこで、開閉蓋35を開いて袋33の中に廃プラスチック容器4を入れておき、そこに溜まった時に、袋33から取り出した廃プラスチック容器4を湯槽1に入れて、押し板3により押し潰すて処理することができる。
【0021】湯槽1には、コイルばねにより上方へ付勢される前後列のロッド37,37で受け板7が支持されており、コイルばねがロッド37,37を支持するシリンダー39の中に挿入されている。また、ケース18の下には、かご型の水切り網13が挿入されており、側面にその水切り網13や貯水容器15を取り出す口が設けられている。
【0022】図4は、さらに他の実施例を示し、この場合は、湯槽1にヒータ5付きの円形鍋を使用したもので、鍋底に複数のコイルばね9を同じ高さにおいて立設し、それに網状の受け板7が支持されている。また、押し板3を円形に形成し、押し板3と安全蓋14との間には、一対の縦壁12,12が一側に開き状に介在され、その間に排水口41がスリット状に開けられている。このようにすると、押し潰した廃プラスチック容器4を受け板7の上から取り出す時に、押し板3の上に両縦壁12,12で掬って容易にその操作をすることができる。
【0023】
【発明の効果】以上説明したように、この発明の廃プラスチック容器の圧縮装置によれば、廃プラスチック容器を平たく能率的に押し潰すことができ、その際に過度な労力を要しなく、家庭の主婦でもその作業を容易になすことができ、また、100°Cを超えるような空気に触れることがなく、毒ガスの発生もない等、普通の台所仕事と同様に安全にも作業をなし得る。加えて、廃プラスチック容器をリサイクルに適するように洗浄できる等、数々の優れた効果がある。
【0024】押し潰された廃プラスチック容器が投入される廃棄溜室を備え、受け板が傾斜するように構成した時には(請求項2)、さらに好都合である。また、押し板の上に縦壁を介して安全蓋を設け、安全蓋の上に取っ手を設けた時には(請求項3)、さらに安全に作業をなし得る。
【出願人】 【識別番号】595112188
【氏名又は名称】松田 美枝
【出願日】 平成7年(1995)6月30日
【代理人】
【公開番号】 特開平9−19795
【公開日】 平成9年(1997)1月21日
【出願番号】 特願平7−198957