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【発明の名称】 押葉用圧縮装置
【発明者】 【氏名】稲田 寛一

【目的】 仕上がりのよい押葉を簡単に作る。
【構成】 被押葉植物を新聞紙等ではさんだ圧縮対象物Aを押圧板32の上に載せ、ジャッキ15で可動板28を上昇させる。押圧板32は可動板28でばね33を介して押され、圧縮対象物Aを受圧板11に押し付ける。圧縮力はばね33の撓み量から知ることができる。被押葉植物は、湿気の多い床面から浮いた状態で、ばね33によりゆるみなく圧縮されるので、仕上がりよく迅速に押葉になる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ジャッキを備えた基台に、複数の支柱が互いに間隔をあけて垂直に固定され、上記支柱の自由端に受圧板が水平に固定されるとともに、上記ジャッキには、該ジャッキにより上記受圧板に向けて押し動かされる可動板が取り付けられ、該可動板には、可動板と一緒に動かされて上記受圧板に被押葉植物を押し付ける押圧板がばねを介して取り付けられたことを特徴とする押葉用圧縮装置。
【請求項2】 受圧板は支柱の上端に固定され、押圧板は上昇して被押葉植物を受圧板に押し付ける構成とされたことを特徴とする請求項1記載の押葉用圧縮装置。
【請求項3】 可動板に、支柱に沿って移動する案内部が設けられたことを特徴とする請求項1又は2記載の押葉用圧縮装置。
【請求項4】 基台と支柱及び受圧板は、ボルトとナット等の結合手段によって相互に分解自在に組み立てられたことを特徴とする請求項1,2又は3記載の押葉用圧縮装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、植物の花や葉等を押葉(さく葉)にする圧縮装置に関する。
【0002】
【従来の技術】押葉を作る場合、従来においては、植物の花等を新聞紙等の間にはさみ、その上に書籍等の重石を載せて何日間か圧縮することにより、植物から水分を抜いて押葉としている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、植物の種類等によっては、重石をかなりの重さ(例えば、30kg以上)にしなければならない場合がある。また押葉を生植物の色に近い美しさに仕上げるためには、吸湿紙を用いてこれを1日に数回取り換え、速く水分を抜くことが要求される。
【0004】上記のような場合、従来の方法では、重石を積み重ねたり除いたりするのに手間がかかる上、圧縮力を増すために重石を高く積み重ねたような場合、不安定で危険であり、しかも重石が崩れて圧縮中の植物を傷つける恐れもある。
【0005】本発明は、仕上がりの良い押葉を手間をかけずに簡単に作ることができる、操作性の良い押葉用圧縮装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するために、本発明は、ジャッキを備えた基台に、複数の支柱を互いに間隔をあけて垂直に固定し、上記支柱の自由端に受圧板を水平に固定するとともに、上記ジャッキに、該ジャッキにより上記受圧板に向けて押し動かされる可動板を取り付け、該可動板に、可動板と一緒に動かされて上記受圧板に被押葉植物を押し付ける押圧板をばねを介して取り付けた構成とした。受圧板を支柱の上端に固定し、押圧板が上昇して被押葉植物を受圧板に押し付ける構成とすることが好ましい。
【0007】また、可動板に、支柱に沿って移動する案内部を設けた構成とすることが好ましい。更に、基台と支柱及び受圧板を、ボルトとナット等の結合手段によって相互に分解自在に組み立てた構成とすることが望ましい。
【0008】
【作用】被押葉植物を新聞紙等ではさんだ圧縮対象物を押圧板と受圧板の間に入れ、ジャッキで可動板を受圧板に向けて押し動かす。この操作で押圧板は可動板によりばねを介して押され、被押葉植物を受圧板に押し付ける。ばねはジャッキを止めた後においても被押葉植物を圧縮し続ける。被押葉植物の圧縮力は、ばねの撓み程度、つまり可動板と押圧板の離間距離から知ることができる。
【0009】受圧板を上にして押圧板を上昇させるようにした場合は、湿度の高い床面から被押葉植物を浮上させて圧縮することができる。また、可動板に案内部を設けると、可動板は常に所定の姿勢で上下するようになる。更に、基台と支柱等をボルトとナット等の結合手段で相互に分解自在に組み立てるようにすると、分解して保管したり運搬したりすることができる。
【0010】
【実施例】添付図面は本発明に係る押葉用圧縮装置の一実施例を示す。図中符号1は基台である。基台1は前後(図2では左右)一対の平板2,2からなる。一対の平板2,2はその端部で左右一対の支柱3,3の下部を前後に挟み、それらの透孔2a,3aに挿通されたボルト4にナット5を螺着してそのナット5の締付けで支柱3,3を一体に固定している。
【0011】各支柱3の下部側面の切込み3aには、安定板6がねじ等(図示せず)によって着脱自在に固定されている。各支柱3,3は互いに間隔をあけて基台1に垂直に立設されており、安定板6,6によって前後方向(安定板6の長さ方向)の倒れを防止されている。また、平板2の端面2bは安定板6の内側の面6aに当接されており、組立強度を高めている。
【0012】支柱3,3の上端は前後一対の連結部材8,8によって互いに連結されている。連結部材8,8は、前記平板2,2と同じように、その端部で支柱3を前後に挟み、それらの透孔8a,3cに挿通されたボルト9にナット10を螺着してそのナット10の締付けで支柱3,3に取り付けられている。そして、連結部材8,8の下面には、四角形の受圧板12がねじ等(図示せず)によって着脱自在に水平に取り付けられている。
【0013】符号15はジャッキである。ジャッキは、下部金具16にピン17で回動自在に取り付けられたリンク18,18の自由端と、上部金具19にピン20で回動自在に取り付けられたリンク21,21の自由端とをピン22で屈曲自在に連結し、そのピン22,22の部分に、互いに逆方向にねじを切ったナット体23,24を取り付けるとともに、それらのナット体23,24にねじ棒25の互いに逆ねじとされたねじ部25a,25bを螺入した周知のものであり、ねじ棒25を操作ハンドル(図示せず)で正方向に回転させると、ナット体23,24が互いに近付いて上部金具19が上昇し、またねじ棒25を逆方向に回転させると、ナット体23,24が互いに離れて上部金具19が下降する構成となっている。
【0014】ジャッキ15は、下部金具16が固定された座板27を基台1の上に載せ、ねじ等(図示せず)によって基台1に着脱自在に取り付けられている。なお、ジャッキ15は、図1においてねじ棒25の軸方向を支柱3,3の並びに方向に一致させて描かれているが(図2では省略されている。)、実際には、通常、ねじ棒25の軸方向を支柱3,3の並び方向に対し、例えば図3の2点鎖線のように斜めにして据え付けられる。このようにすれば、ねじ棒25を操作する際に支柱3が邪魔になることはない。ねじ棒25の軸方向を支柱3,3の並び方向に直交させてもよいが、ねじ棒25が長いと、その端部が前後に突き出す場合がある。
【0015】ジャッキ15の上部金具19には可動板28が補強部材29を介してこれもねじ等(図示せず)で着脱自在に水平に取り付けられている。可動板28は、その平面形状を受圧板11とほぼ同一とされており、上面には2本の案内部材30,30がねじや釘等によって一体に固定されている。案内部材30,30は互いに平行にされ、支柱3に嵌合するコ字状の案内部30aを可動板28の側面と共同して両端に形成している。可動板28は、支柱3に嵌合された案内部30a,30aにより水平を保って円滑に上下する。案内部材30,30は可動板28の補強を兼ねている。
【0016】可動板28の上には、押圧板32が複数(図のものは9個)のコイルばね33を介して取り付けられている。押圧板32の平面形状は受圧板11及び可動板28とほぼ同一である。9個のコイルばねは同一で、可動板28の上面に等間隔にかつ着脱自在に配置されており、押圧板32をそれぞれ同一の力で水平に支えている。コイルばね33は板ばね等に替えることができ、また使用個数を押葉等に対応して増減させることができる。
【0017】次に、上記の構成とされた本発明に係る押葉用圧縮装置の使用方法を作用とともに説明する。ジャッキ15で押圧板32を可動板28と一緒に降下させ、被押葉植物を従来同様に新聞紙等の間にはさんだ圧縮対象物Aを押圧板32の上に載せる(図1)。そして、上記状態でジャッキ15のねじ棒25を正方向に回転させて可動板28等と一緒に圧縮対象物Aを上昇させる。
【0018】圧縮対象物Aが上昇して受圧板11に接した後もねじ棒25の回転を続行して可動板28を上昇させると、可動板28の上昇力に応じて各ばね33が撓わみ、押圧板32で圧縮対象物Aを受圧板11に押し付けて圧縮する。押圧板32による圧縮対象物Aの圧縮力は、ばね33の撓み量、すなわち可動板28(或いは案内部材30)と押圧板32の離間距離(間隔)Bから知ることができるので、希望する圧縮力になったところでねじ棒25の回転を止め、加圧状態のまま所要時間(期間)放置する。
【0019】被押葉植物は、湿気の多い床面から浮上した状態で、ばね33によってゆるむことなく圧縮され続けるので、仕上がりよく迅速に押葉になる。圧縮期間中、乾燥の進行に伴って圧縮対象物Aの嵩が減じ、圧縮力が低下すると、押圧板32と可動板28の間隔Bが大きくなるので、必要があれば、ジャッキ15を操作して圧縮力を高める。
【0020】圧縮が終ったり圧縮対象物A中の吸湿紙を交換するような場合には、ジャッキ15のねじ棒25を逆方向に回転させて可動板28を下げることは言うまでもない。本押葉用圧縮装置を運搬したり保管したりする場合、必要があれば、ナット5,10をゆるめてボルト4,9を抜き、また部材どうしを固定しているねじ等を外して全体を分解することができる。
【0021】図の実施例の平板2、支柱3、安定板6、連結部材8、受圧板11、座板27、可動板28、案内部材30、押圧板32は木材製であるが、その一部又は全部を、アルミ合金や鋼材、或いはプラスチック等で製作することができる。また、図の実施例では、各部材の各結合箇所には1本のボルト4,9しか使用されていないが、2本以上のボルトで結合することができる。またボルト4,9に替えてピン等の結合手段を用いることができる。
【0022】更に、押圧板32か可動板28(或いは案内部材30)に、それらの間隔Bを示す目盛(圧縮力に換算されていることが好ましい。)を付した定規34(図2)を取り付けておくと、圧縮力を正確に知ることができ、再現性が向上する。ジャッキ15は他の構造でもよく、また可動板28に案内部30aを直接形成してもよい。
【0023】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る押葉用圧縮装置は、ジャッキを備えた基台に、複数の支柱が互いに間隔をあけて垂直に固定され、上記支柱の自由端に受圧板が水平に固定されるとともに、上記ジャッキには、該ジャッキにより上記受圧板に向けて押し動かされる可動板が取り付けられ、該可動板には、可動板と一緒に動かされて上記受圧板に被押葉植物を押し付ける押圧板がばねを介して取り付けられた構成とされているので、重石を積むような手間をかけることなく、誰でも簡単に被押葉植物を最適な力で圧縮して仕上がりのよい美しい押葉を迅速に作ることができる。
【0024】受圧板は支柱の上端に固定され、押圧板は上昇して被押葉植物を受圧板に押し付ける構成とすると、湿気の多い床面から被押葉植物を浮かせて圧縮することができ、押葉の仕上がりが一層良好になる。また、可動板に、支柱に沿って移動する案内部が設けられた構成とすると、可動板が常に所定の姿勢で上下動することになり、作動が円滑になる。更に、基台と支柱及び受圧板は、ボルトとナット等の結合手段によって相互に分解自在に組み立てられた構成とすると、分解して保管したり運搬したりすることができ、扱いやすくなる。
【出願人】 【識別番号】595093348
【氏名又は名称】稲田 寛一
【出願日】 平成7年(1995)6月29日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武 (外2名)
【公開番号】 特開平9−10995
【公開日】 平成9年(1997)1月14日
【出願番号】 特願平7−164215