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マルチスライドの機械プレス - 特開平9−10994 | j-tokkyo
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【発明の名称】 マルチスライドの機械プレス
【発明者】 【氏名】板倉英夫

【目的】 複数のスライドを有するマルチスライドの機械プレスにおいて、スライド間ピッチを拡げることなく、簡単な構造で、加工精度のよいスライドガイドとスライド調節ねじロック機構を有する機械プレスを提供する。
【構成】 スライド6を角柱部6Aと円筒部6Bで構成し、角柱部6Aを受圧ガイド7、7で、円筒部6Bを円筒ガイド8で案内して、スライド6を上下移動自在に案内する構成とする。また、円筒部6Bに雄ねじを有する調節ねじ18に螺合する雌ねじを設け、調節ねじと螺合する雄ねじの下面に固設し、円筒部下面に固設したシリンダ13と受圧プレート19で形成する油圧室に圧油を供給して、受圧プレート19を押し上げて、調節ねじ部のねじの隙間を片側に押し付けて、ねじの回転を抑制するスライド調節ねじロック機構を構成する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】クランク軸の偏心部に連結するコンロッドを介して上下動されるスライドを複数有するマルチスライドの機械プレスにおいて、上部を角柱部、下部を円筒部として一体に形成した複数の前記スライドを設け、前記機械プレスのフレームに、前記スライドの角柱部の前後両側面に対面する位置に受圧ガイドを、前記円筒部の外周に対面する位置に円筒ガイドをそれぞれ設け、前記スライドを上下方向に案内することを特徴とするマルチスライドの機械プレス。
【請求項2】請求項1の機械プレスにおいて、前記スライドの円筒部の下部に雌ねじを設け、この雌ねじと螺合する雄ねじを上部に有する調節ねじを螺合させ、この調節ねじの下面に、上面を当接し、下面に金型の上型を取り付ける受圧プレートを、前記スライドの円筒部下面に固設するシリンダ内に設け、シリンダとこの受圧プレートとで形成する油圧室に圧油を供給して受圧プレートを押し上げ、当接する調節ねじを押し上げ、前記雌ねじと前記雄ねじの螺合部のねじの隙間を片側に寄せて押し付け、前記スライドと調節ねじの相対回転を抑制し、受圧プレートの位置を調節するスライド調節ねじロック機構を設けたことを特徴とするマルチスライドの機械プレス。
【発明の詳細な説明】【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、複数のスライドを有するマルチスライドの機械プレス係わり、各スライドのガイド機構と、上型を取り付ける受圧プレートの位置を調節するスライド調節のねじロック機構に利用出来る。
【0002】
【従来の技術】従来技術において、機械プレスのスライドは、一般に上下動を四隅で案内する角形ガイドを使用している。また、一部小形の機械プレスでは、円筒形ガイドを使用している。
【0003】また、ダイハイトを調節するためのスライド調節の上下動は、調節ねじの外周面に設けたピン穴に調節棒を入れて、手動で直接調節ねじを回転させて行う機構のものや、手動もしくはブレーキモータやエアモータ等で回転するウォームシャフトに噛合するウォームホイールを介して調節ねじを回転させて行う機構のものがある。しかし、いずれの機構の場合もスライド調節完了後のプレス加工時に、螺合するねじ部間の隙間により生じる調節ねじの回転を抑制するスライド調節ねじロック機構を設けていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述の従来技術の内、角形ガイドを使用する機械プレスで、複数のスライドをスライド間ピッチを拡げることなく設ける場合には、隣接するスライドのガイドを設けるスペースが狭く、各スライド毎のガイドに十分な強度を持たせることが困難なため、荷重の上限を低く制限したり、十分な加工精度が得られない等の欠点があった。
【0005】また、円筒形ガイドによりスライドを上下案内する機械プレスでは、複数のスライドが回転しないように、それぞれに回り止め機構を設けなければならないと言う欠点があった。
【0006】さらに、金型の上型の位置を調節するためのスライド調節完了後のプレス加工時には、螺合するねじ部間の隙間により調節ねじが微小に回転し、あるいはねじの隙間により、スライドの下死点位置が変化し、加工精度に影響を与えている。
【0007】本発明の目的は、これらの欠点を除き、複数のスライドをスライド間ピッチを拡げることなく、スライドの上下案内の精度及び回転位置の精度を向上することと、スライド調節機構の調節ねじの隙間の影響と、期待しないねじの回転を抑制こととである。すなわち、コンロッド機構でスライドを駆動する機械プレスのスライドには、上下方向のプレス作業荷重よる力の外に、水平方向の分力が生じため、スライドの上下運動の精度が低下するが、この精度低下を防止出来るスライドガイドを提供すること、さらに、上型位置を調節するスライド調節機構の調節完了後に、螺合するねじ部間の隙間を片側に寄せて押し付ける、スライド調節ねじロック機構を有するマルチスライドの機械プレスを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するために本発明は、複数のスライドそれぞれに、上部を角柱部、下部を円筒部として一体形成したスライドとし、機械プレスのフレームには、スライドの角柱部の前後両側面に対面する位置に、受圧ガイドを設け、スライドを上下方向に案内するとともに回転不能に保持し、スライド下部の円筒部に対面する位置に円筒ガイドを設けて、各スライドを上下方向に案内する。
【0009】また、前記スライドの円筒部の下部に雌ねじを設け、この雌ねじと螺合する雄ねじを上部に有する調節ねじを螺合させ、この調節ねじの下面に、その上面を当接し、下面に金型の上型を取り付ける受圧プレートを、前記スライドの円筒部下面に固設するシリンダ内に設ける。シリンダと受圧プレートにより形成される油圧室に圧油を供給して、受圧プレートを押し上げ、この受圧プレートに当接する調節ねじを押し上げ、前記雌ねじと前記雄ねじの螺合部のねじの隙間を、片側に寄せて押し付け、前記スライドと調節ねじの相対回転を抑制し、上型を取り付ける受圧プレートの位置を調節するスライド調節ねじロック機構を設ける。
【0010】
【作用】スライドの角柱部と円筒部は、フレームに設けられた受圧ガイドと円筒ガイドにより案内されるので、スライドに作用する前後方向の水平力と回転させる力は、角柱部の前後両側面の受圧ガイドにより受け、上下方向は受圧ガイドと円筒ガイドにより案内されるので、スライドに必要な平行度、直角度及び回転並びに水平面内の位置精度は、効果的に維持される。
【0011】また、上型を取り付ける受圧プレートの位置を調節するスライド調節の完了後に、円筒部の下面に設けたシリンダと受圧プレートで形成される油圧室に圧油を供給して、受圧プレートを押し上げ、これにより調節ねじを押し上げて、螺合する雌ねじと雄ねじのねじ部の隙間を片側に押し付けて、調節ねじの回転を抑制することにより、プレス加工時のスライド下死点位置が保持され、加工精度が安定される。
【0012】
【実施例】図1、図2及び図3に、本発明の第1実施例における機械プレスの構造を示す。図1において、機械プレス1のフレーム2の上部に回転自在に支持したクランク軸3の偏心部4に、コンロッド5の上端部を回転自在に連結している。コンロッド5の下端部には球部5Aを設け、スライド6の上端部でこの球部5Aを回動可能に連結している。
【0013】図2に二点鎖線で示すように、スライド6は、上部を角柱部6A、下部を円筒部6Bとして一体に形成した構造としている。
【0014】フレーム2の上下方向の中間部には、図1及び図2に示すように、スライド6の角柱部6Aの前後両側面を上下に案内する第1ケーシング10に固設した受面ガイド7、7と、円筒部6Bを上下に案内する第2ケーシング11に嵌合し下面をリテーナ12に保持される円筒ガイド8とを設けている。また、フレーム2には、上向きに付勢するバランスシリンダ9、9を設け、バランスシリンダ9、9のピストンロッド9A、9Aをスライド6の上端と連結し、スライド6の重量を平衡させている。スライド6の重量には、スライド6の下端に設けたダイハイト調節部6C及びこの下方に取り付ける金型の上型(図示せず)を含めることは、通常のプレス機械と同様である。
【0015】図1において、クランク軸3が回転すると、偏心部4の中心O2は、クランク軸3の中心O1の回りに回動する。従って、コンロッド5は球部5Aの中心O3を中心として、角度θの範囲で前後回動する。クランク軸3の動力がスライド6に伝達される際に、コンロッド5の回動角θにより、スライド6には上下方向の駆動力のほかに、前後方向の水平分力であるスラスト力が発生するが、第1ケーシング10に固設した受圧ガイド7、7がスラスト力を受けるので、動力の伝達が円滑で、機械プレスに要求される精度を効果的に維持することが出来る。
【0016】図3は、上述のように構成した3基のスライド6を左右に並設したマルチスライドの機械プレス1を示す。スライドガイドを構成する圧面ガイド7及び円筒ガイド8の配置は、図2に示すようになり、隣接するスライド6のスライド間ピッチを拡げる必要がないので、機械プレス1の左右寸法を小さくすることが出来る。また、受面ガイド7は、スライド6の角柱部6Aを案内するので、スライド6が上下方向の中心軸回りに回転することを抑制している。
【0017】図4は、本発明の第2実施例におけるスライド調節部を示す。第2実施例では、第1実施例におけるスライドの円筒部が、上円筒部16Bと、下面に外歯歯車17を固設する調節ねじ18を内周に設けたねじ部に螺合する下円筒部16Dとに分割され、上円筒部16Bと下円筒部16Dがボルトにより締結して一体化され、第1実施例と同様に第2ケーシング11に嵌合し下面をリテーナ12に保持される円筒ガイド8に案内される。もちろん、上円筒部16Bと下円筒部16Dが一体であってもよいことは言うまでもないことである。
【0018】下円筒部16Dの下面にボルトにより締結され、外周面に圧油の給排口13Aを有するシリンダ13には、噛合するウォームシャフト14とウォームホイール15、並びにウォームホイール15の内周に設けた内歯歯車に噛合する外歯歯車17、及び外歯歯車17調節ねじ18とで挟設するように受圧プレート19を内設する。
【0019】上型を取り付ける受圧プレート19の位置を調節するためのスライド調節完了後のプレス加工時に、下円筒部16Dの下面に設けたシリンダ13の圧油の給排口13Aから油圧室20に圧油を供給すると、シリンダ13内に設けた受圧プレート19が、外歯歯車17を介して螺合する調節ねじ18と下円筒部16Dのねじ部の隙間を押し上げて、調節ねじ18の回転が抑制される。なお、調節ねじ18と外歯歯車17は、一体として調節ねじとしてもよいことは、言うまでもないことである。
【0020】なお、上型を取り付ける受圧プレート19の位置を調節するためのスライド調節は、図示しないが、手動もしくはブレーキモータやエアモータ等によりウォームシャフト14を回転駆動して行われる。また、スライド16の角柱部6Aの前後両側面を、第1ケーシング10に固設した受面ガイド7、7で上下に案内するスライド16上部の構造は、第1実施例と同様である。
【0021】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明によれば、スライドの上部に角柱部、下部に円筒部を設け、フレームにこれらに対応して、受圧ガイドをコンロッドの回動方向、すなわち前後方向に設けてスラスト力を受けさせ、受圧ガイドと円筒ガイドで、スライドの上下の案内精度を向上させることが出来る。すなわち、受圧ガイドと円筒ガイドの組み合わせにより、簡単な構造で大きな効果が得られるスライドガイドを有する機械プレスを提供出来る。
【0022】また、上型を取り付ける受圧プレートの位置を調節するダイハイト調節機構に、スライド調節ねじロック機構を設けることで、プレス加工時のスライド下死点位置が保持され、加工精度が安定する。
【出願人】 【識別番号】000100861
【氏名又は名称】アイダエンジニアリング株式会社
【出願日】 平成7年(1995)6月23日
【代理人】
【公開番号】 特開平9−10994
【公開日】 平成9年(1997)1月14日
【出願番号】 特願平7−180677