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【発明の名称】 液圧プレス装置
【発明者】 【氏名】中川 政夫

【目的】 加圧力および送り速度を多段階に設定できると共に、効率が良く、安価な液圧プレス装置を提供すること。
【構成】 ほぼ同径の3本の液圧シリンダー2,3,4をラム1に対して一直線上に配置する。その中央のシリンダー2は複動シリンダーとし、左右のシリンダー3,4は単動シリンダーとする。正逆切り換え用の3個のバルブ10,11,12を液圧源9にそれぞれ接続して上昇用バルブ10と第1加圧用バルブ11と第2加圧用バルブ12とする。中央のシリンダー2の受圧面積の大きい液室Aを第2加圧用バルブ12に接続すると共に、プレフィールバルブ5を介してサブタンク6に接続し、受圧面積の小さい液室Bを上昇用バルブ10に接続する。左右の単動シリンダー3,4の液室C,Dを第1加圧用バルブ11に接続すると共に、プレフィールバルブ7を介してサブタンク8に接続する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ほぼ同径の3本の液圧シリンダーをラムに対して一直線上に配置し、その中央のシリンダーはピストンロッド側にピストン面積のほぼ半分の加圧面積を持つ複動シリンダーとし、左右のシリンダーは単動シリンダーとし、正逆切り換え用の3個のバルブを液圧源にそれぞれ接続して上昇用バルブと第1加圧用バルブと第2加圧用バルブとし、前記中央のシリンダーの受圧面積の大きい液室を前記第2加圧用バルブに接続すると共に、プレフィールバルブを介してサブタンクに接続し、受圧面積の小さい液室を前記上昇用バルブに接続し、前記左右の単動シリンダーの液室を前記第1加圧用バルブに接続すると共に、プレフィールバルブを介してサブタンクに接続したことを特徴とする液圧プレス装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、絞り加工などを行う液圧プレス装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の液圧プレス装置の実際に加工に必要な加圧力は、プレスの最大加圧力に対してかなり小さなものであることが多い。しかも、ピストンの面積は、最大加圧力に対応しており、ボンプ流量は一定であるので、エネルギー的には不経済である。すなわち、必要な加圧力が小さければ、加圧面積を小さくして、同じ流量に対して加圧速度を上げることが効率的である。
【0003】その1つの方法として、差動回路が使われている。この差動回路はシリンダーのピストンロッド側から排出される差動流体を加圧室に導き、見かけの加圧面積を小さくするものである。この方法では、2段階の切り換えが出来るので、高圧と低圧加圧を使い分けることが出来る。
【0004】また別な方法としては、上述の2段階切り換えでは実際の負荷の変動に対応しきれないので、大きな可変容量ポンプを駆動して、必要な加圧力に対して最適な流量に制御する方法がある。そしてこの方法では、サーボ弁や比例弁を使うことにより、無段階の調整が可能になるから、これによって、エネルギー効率の高いプレスが可能になる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、可変容量ポンプを使う方法は、早送り時の流量を流せるポンプを使うので、大きなポンプが必要になるから、設備費が高くなるという問題点があった。しかしながら、可変容量ポンプを使う方法は、早送り時の流量を流せるポンプを使うので、大きなポンプが必要になり、またサーボ弁や比例弁を使用するため設備費が高くなるという問題点があった。
【0006】
【課題を解決するための手段】上述の問題点を解決するため本発明においては、ほぼ同径の3本の液圧シリンダーをラムに対して一直線上に配置し、その中央のシリンダーはピストンロッド側にピストン面積のほぼ半分の加圧面積を持つ複動シリンダーとし、左右のシリンダーは単動シリンダーとし、正逆切り換え用の3個のバルブを液圧源にそれぞれ接続して上昇用バルブと第1加圧用バルブと第2加圧用バルブとし、前記中央のシリンダーの受圧面積の大きい液室を前記第2加圧用バルブに接続すると共に、プレフィールバルブを介してサブタンクに接続し、受圧面積の小さい液室を前記上昇用バルブに接続し、前記左右の単動シリンダーの液室を前記第1加圧用バルブに接続すると共に、プレフィールバルブを介してサブタンクに接続して液圧プレス装置を構成する。
【0007】
【作用】本発明装置は上述のように構成したから、中央のシリンダーが差動回路として働いている時の加圧力が最小で、送り速度は最高であり、中央のシリンダーの受圧面積の大きい液室にのみ圧液を送給した時の加圧力が2番目に小さく、送り速度は2番目に速い状態になる。
【0008】また中央のシリンダーの受圧面積の小さい液室と、左右のシリンダーの両液室に圧液を送給した時の加圧力が3番目に小さく、送り速度は3番目に速くなる。ついで左右のシリンダーの液室のみに圧液を送給した場合の加圧力が4番目に小さく、送り速度は4番目に速い状態になる。
【0009】また中央のシリンダーおよび左右のシリンダーのすべての液室に圧液を送給した場合の加圧力が5番目に小さく、送り速度は5番目に速い状態であり、さらに中央のシリンダーの受圧面積の大きい液室と、左右のシリンダーの液室に圧液を送給した場合の加圧力が最大で、送り速度は最低となる。
【0010】本発明装置は上述のように、加圧力が小さい時には、高速送りになるから、効率の良い条件でプレス加工ができる。また本発明装置は、高価な比例弁や負荷感応型可変ピストンポンプ等を使用せず、安価な圧力スイッチやプレフィールバルブや固定容量のギヤポンプ等で構成できるから、全体としても安価な装置になる。
【0011】また本発明装置は、ラムに対して3本の液圧シリンダーを一直線上に配置し、大きな加圧力を出す場合は、左右に離れたシリンダーを使って加圧するので、1本のシリンダーを使用するプレスと比べて、偏心荷重に強いという利点がある。また本発明装置によれば、ほぼ等分割された6段階の加圧力が得られるので、必要加圧力に近い加圧力を簡単かつ容易に得ることができる。
【0012】
【実施例】以下、図面について本発明の実施例を説明する。図中1はプレス装置のラムで、2,3,4はこのラム1上に一直線上に配置したほぼ同径の液圧シリンダーである。2はその中央のシリンダーで、複動式である。すなわち2aはピストン、2bはピストンロッド、Aは受圧面積の大きい液室、Bは受圧面積の小さい(Aの受圧面積のほぼ半分)液室である。3,4は中央のシリンダー2の左右に配置した単動シリンダーで、3a,4aはピストン、Cはシリンダー3の液室、Dはシリンダー4の液室である。
【0013】また5は中央のプレフィールバルブ、6はこのバルブ5と接続したサブタンク、7は左右のプレフィールバルブ、8はこのバルブ7と接続したサブタンクである。また9は液圧源で、10,11,12はこの液圧源9にそれぞれ接続した正逆切り換え用の3個のソレノイドバルブで、10は上昇用バルブ、11は第1加圧用バルブ、12は第2加圧用バルブとして使用する。
【0014】本実施例においては、前記中央のシリンダー2の受圧面積の大きい液室Aを配管13,14を介して前記第2加圧用バルブ12に接続すると共に、中央のプレフィールバルブ5を介して配管15によってサブタンク6に接続し、受圧面積の小さい液室Bを配管16を介して前記上昇用バルブ10に接続し、前記左右の単動シリンダー3,4の液室C,Dを配管16,17,18を介して前記第1加圧用バルブ11に接続すると共に、プレフィールバルブ7を配管19を介してサブタンク8に接続する。なお図中20は液圧源9と各ソレノイドバルブ10,11,12とを接続する配管、21は各バルブのドレンタンクである。
【0015】本発明装置は上述のように構成したから、図2に示すように、中央のシリンダー2が差動回路として働いている時の加圧力が最小で、送り速度は最高である。すなわちこの場合、上昇用バルブ10と、第2加圧用バルブ12の正方向のパターン10a,12aがそれぞれ回路と接続し、その結果液圧源9からの圧液は、図2の矢印a,b,cのように中央のシリンダー2の液室Aに入ってピストン2aを押し下げる。このため液室B内の液が押し出されて、図2の矢印d,e,fのように流れて差動回路を構成する。なおこの場合、左右のシリンダー3,4の液室C,Dには、サブタンク8内の液がプレフィールバルブ7を介して矢印gのように流入する。
【0016】つぎに図2の状態から、上昇用ソレノイドバルブ10が逆方向のパターン10bに切り換えられて、中央のシリンダー2の液室Aのみに圧液が送り込まれる時の加圧力が2番目に小さく、送り速度は2番目に速い状態になる。
【0017】またバルブ10はパターン10aにセットされ、バルブ11はパターン11aにセットされ、バルブ12はパターン12bにセットされると、中央のシリンダー2の受圧面積の小さい液室Bと、左右のシリンダー3,4の両液室C,Dに圧液が送給されるから、この時の加圧力は3番目に小さく、送り速度は3番目に速くなる。
【0018】またバルブ10はパターン10bにセットされ、バルブ11はパターン11aにセットされ、バルブ12はパターン12bにセットされて、左右のシリンダー3,4の液室C,Dのみに圧液が送給された場合の加圧力は4番目に小さく、送り速度は4番目に速い状態になる。
【0019】またバルブ10,11,12がすべてパターン10a,11a,12aにセットされて、中央のシリンダー2および左右のシリンダー3,4のすべての液室A,B,C,Dに圧液が送給された場合の加圧力は5番目に小さく、送り速度は5番目に速い状態になる。
【0020】また図3に示すように、バルブ10はパターン10bにセットされ、バルブ11,12はパターン11a,12aにセットされた状態で、中央のシリンダー2の受圧面積の大きい液室Aと、左右のシリンダー3,4の液室C,Dに圧液が送給された場合の加圧力は最大で、送り速度は最低になる。
【0021】図4は上述した本発明装置の作動状態を説明するための図表で、この図からわかるように、本発明によれば、加圧力を6段階にわけることができるから、それぞれのプレス加工に適した加圧力を容易に得ることができる。
【0022】
【発明の効果】本発明装置は上述のように、加圧力が小さい時には、高速送りになるから、効率の良い条件でプレス加工ができる。また本発明装置は、高価な比例弁や負荷感応型可変ピストンポンプ等を使用せず、安価な圧力スイッチやプレフィールバルブや固定容量のギヤポンプ等で構成できるから、全体としても安価な装置になるという効果が得られる。
【0023】また本発明装置は、ラム1に対して3本の液圧シリンダー2,3,4を一直線上に配置し、大きな加圧力を出す場合は、左右に離れたシリンダー3,4を使って加圧するので、1本のシリンダーを使用するプレス装置と比べて、偏心荷重に強いという利点がある。また本発明装置によれば、ほぼ等分割された6段階の加圧力が得られるので、必要加圧力に近い加圧力を簡単かつ容易に得ることができるという効果が得られる。
【出願人】 【識別番号】000004374
【氏名又は名称】日清紡績株式会社
【出願日】 平成7年(1995)6月29日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 暁秀 (外5名)
【公開番号】 特開平9−10993
【公開日】 平成9年(1997)1月14日
【出願番号】 特願平7−163421