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【発明の名称】 摺動用シャフトおよびその製造法
【発明者】 【氏名】初鹿野 豊

【氏名】續 馨

【目的】
【構成】
【特許請求の範囲】
【請求項1】 スプライン部(2) が形成されて軸方向に位置調整自在な摺動用シャフトにおいて、シャフト本体(1) のスプライン部(2) の表面に弾性プラスチックスよりなる薄肉成形層(3) を一体成形してあることを特徴とする摺動用シャフト。
【請求項2】 シャフト本体のスプライン部自身を芯型としてこのスプライン部に対応する凹凸が型面が形成されている金型内にセットし、両型間に形成される微細なキャビティにノズルから弾性プラスチックス材料を射出してスプライン部の表面に薄肉成形層を成形一体化することを特徴とする摺動用シャフトの製造法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、寸法精度に優れガタを生ずることなくシャフト保持用のボスと最適条件で嵌合することができる摺動用シャフトおよびこの摺動用シャフトを安価に量産できる摺動用シャフトの製造法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、スプライン部が形成されて軸方向に位置調整自在な摺動用シャフトは、位置調整可能な自動車用ハンドルのシャフトやシフトレバー、自転車のサドル用シャフト、竪型電気スタンドの支柱等として種々利用されており、これらの摺動用シャフトとシャフト保持用のボスとの嵌合部にはグリスなどの充填材を注入しておくことにより、両者を密着させてガタの発生を防止するよう図ったものが普通である。
【0003】ところが、充填材を注入したものにおいては完全にガタの発生を防止することが難しいとともに、スプライン部の摺動によって充填材の剥離が発生し長期間にわたってガタの発生を防止することができないという問題点があり、更には摺動部に均一な充填材の注入ができず摩擦抵抗にバラツキが生じて理想的な摺動を確保することができないという問題点があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記のような従来の問題点を解決して、寸法精度に優れていてシャフト保持用のボスと最適条件で嵌合することができるとともに完全にガタの発生を防止することができ、しかも、長期間にわたって一定の摩擦抵抗を確保し理想的な摺動を確保することにより大幅な信頼性の向上を図ることができ、更には製作が容易で生産コストの低廉化も図ることができる摺動用シャフトと、この摺動用シャフトを安価に量産できる摺動用シャフトの製造法を提供することを目的として完成されたものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するためになされた本発明は、スプライン部が形成されて軸方向に位置調整自在な摺動用シャフトにおいて、シャフト本体のスプライン部の表面に弾性プラスチックスよりなる薄肉成形層を一体成形してあることを特徴とする摺動用シャフトを第1の発明とし、シャフト本体のスプライン部自身を芯型としてこのスプライン部に対応する凹凸が型面が形成されている金型内にセットし、両型間に形成される微細なキャビティにノズルから弾性プラスチックス材料を射出してスプライン部の表面に薄肉成形層を成形一体化することを特徴とする摺動用シャフトの製造法を第2の発明とするものである。
【0006】
【発明の実施の態様】本発明における弾性プラスチックスよりなる薄肉成形層とは、隙間を塞いでがたつくことのない摺動を補助する程度の適度の弾性を有するビニル系、オレフィン系、エステル系、ウレタン系等の熱可塑性エラストマーまたは熱可塑性合成樹脂よりなる厚みが0.5mm以下好ましくは0.1〜0.3mm程度のものを指し、この弾性プラスチックスよりなる薄肉成形層でスプライン部とシャフト保持用ボスの内周面との隙間を埋めてほぼ密着できるような均一厚としてインジェクション成形法により一体成形したものが好ましく、このような薄肉成形層は従来のグリス等を充填したものと異なりシャフト保持用のボスの全周にわたり均等かつ密接に嵌合されてガタの発生が確実に防止され、また、薄肉層の寸法精度も極めて高いのでシャフト保持用のボスとの間に一定の摩擦抵抗を確保し理想的な摺動を確保するとともに、長期間にわたって使用しても薄肉成形層は剥離がなく大いに信頼性を高めることとなる。
【0007】また、本発明の摺動用シャフトの製造法に用いる金型としては、開閉自在な一対の金型を外型としてこれにシャフト本体のスプライン部を芯型としてセットし、ノズルより溶融した熱可塑性エラストマーまたは熱可塑性合成樹脂の成形材料を通常のインジェクション成形法と同様の条件で射出成形することによりスプライン部の表面に寸法精度の極めて高い薄肉成形層を一体成形すればよい。
【0008】
【実施例】次に、本発明を自動車用ハンドルのシャフトに適用した図示の実施例について説明する。1はシャフト本体、2はそのスプライン部で、このスプライン部2の表面には厚みが0.2mmの均一な厚みの弾性プラスチックスよりなる薄肉成形層3が一体成形されている。この薄肉成形層3は、図3に示されるように、開閉自在な一対の金型10、10を外型として両金型10、10間にシャフト本体1のスプライン部2を芯型としてセットし、ノズル11よりキャビティに溶融したポリアミド樹脂(宇部興産(株)製のナイロン6・1011FB)の成形材料を通常のインジェクション成形法と同様の条件で射出成形することによりスプライン部2の表面全周にわたって寸法精度が極めて高く且つ強固に層着した状態で一体成形成されたものとしている。なお、4はスプライン部2の欠歯部に一体成形されたねじ止め用の厚肉成形部である。
【0009】このようにして得られた摺動シャフトは、常法によりシャフト保持用のボス5にセットして固定ネジ6でねじ止めして使用したところ、スプライン部2の摩擦抵抗は安定したものであり、また、両者の嵌合は何らガタを生ずることなく極めて寸法精度の高いものであることが確認できた。更に、前記シャフトをボス5内で軸方向に数十回摺動させたところ、薄肉層3の剥離は全く認められず且つスプライン部2の摩擦抵抗も最初と何ら変化のないものであることが確認できた。
【0010】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発明の摺動シャフトは寸法精度に優れていてシャフト保持用のボスと最適条件で嵌合することができるとともに完全にガタの発生を防止することができ、しかも、長期間にわたって一定の摩擦抵抗を確保し理想的な摺動を確保することにより大幅な信頼性の向上を図ることができるものであり、また、本発明の摺動シャフトの製造法は、前記したような特長のある摺動シャフトを簡単な外型を用意するだけで簡単に量産できて生産コストの低廉化も図ることができるものである。よって本発明は従来の問題点を一掃した摺動用シャフトおよびその製造法として、産業の発展に寄与するところは極めて大である。
【出願人】 【識別番号】594187079
【氏名又は名称】株式会社筒井プラスチック
【出願日】 平成7年(1995)11月8日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】名嶋 明郎 (外2名)
【公開番号】 特開平9−122814
【公開日】 平成9年(1997)5月13日
【出願番号】 特願平7−289533