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弁座の製造方法 - 特開平9−108769 | j-tokkyo
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【発明の名称】 弁座の製造方法
【発明者】 【氏名】篠原 敦也

【氏名】星野 泰三

【目的】
【構成】
【特許請求の範囲】
【請求項1】 金属製円筒形で、その一端面の外周側を金属製の弁座面部(1a)となし、この弁座面部(1a)の内側に外周側の立上り面(2a)が底側が外周に向かって近づく傾斜面となし、内周側の立上り面(2b)は中心軸と平行な垂直面となした溝(2)を設けてなる弁座本体(1)と、断面台形で、外径側傾斜面(3a)が上記弁座本体(1)の傾斜面(2a)の寸法と適合し、かつ、冷却すると収縮して上記溝(2)に収納可能となる寸法となしたリング状の樹脂製弾性弁座体(3)とを用意し、上記樹脂製弾性弁座体(3)を冷却して溝(2)内に挿入した後、常温に戻して、次いで、溝(2)より内側の立ち上がり筒部(4)をその上方を押し広げて樹脂製弾性弁座体(3)の内径側傾斜側面(3b)に沿わせて、該樹脂製弾性弁座体(3)を溝(2)内に固定するようになした弁座の製造方法。
【請求項2】 金属製円筒形でその一端面の外周側を金属製の弁座面部(1a)となし、この弁座面部(1a)の内側に外周側の立上り面(2a)が底側が外周に向かって近づく傾斜面となし内周側の立上り面(2b)は弁座本体(1)の中心軸と平行な垂直面となした溝(2)を有し、該内周側の立上り面(2b)より内側の立ち上がり筒部(4)の基端内周部位に円周切り欠き溝(5)を設けた弁座本体(1)と、断面台形で、外径側傾斜面(3a)が上記弁座本体(1)の傾斜面(2a)の寸法と適合し、かつ、冷却すると収縮して上記溝(2)に収納可能となる寸法となしたリング状の樹脂製弾性弁座体(3)とを用意し、上記樹脂製弾性弁座体(3)を液体窒素で冷却して収縮させて溝(2)内に挿入した後、常温に戻し、次いで、立ち上がり筒部(4)をその上方を押し広げて樹脂製弾性弁座体(3)の内径側傾斜側面(3b)に沿わせて、該樹脂製弾性弁座体(3)を溝(2)内に固定するようになした弁座の製造方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は弁座の製造方法に関するもので、特に、LNGやLPGなどの低温用弁や、高圧水素ガス等の漏洩が厳格に許されないガス用弁に利用されている、金属製弁座と、この金属製弁座に埋設した樹脂製弾性弁座体とを有し、先ず弁本体が樹脂製弾性弁座体に接触して密閉性を得るようになし、この樹脂製弾性弁座体が押し潰されると次ぎに弁本体が金属製弁座に当接して、両弁座で確実な密閉性を確保する、所謂「二次シール型」と称されている弁座の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、上記のような二次シール型弁座に使用される樹脂製弾性弁座体の材質は、一般的に四フッ化エチレン樹脂(PTFE)または三フッ化エチレン樹脂(PCTFE)が汎用されているが、極低温や高圧ガス仕様では、機械的強度、耐コールドフロー、極低温における機械的、工法的安定度等からPCTFEが多用されている。また、金属弁座への埋設形状が単なる円筒形の場合は、流体圧力によって抜け落ちるようにはみ出し易く、極低温や高圧の流体では断面逆V字形のテーパー形状、言い換えると樹脂製弾性弁座体の断面形状を台形にして脱落を防止しするのが最善とされている。
【0003】上記断面台形形状の樹脂製弾性弁座体を金属製弁座に埋設する従来例としては、「図5」に示すように金属製円筒状の弁座本体1に蟻溝20を設けておき、該弁座本体1に図示していない合成樹脂成型を連結させるか、該弁座本体1を同じく図示していない合成樹脂成型内に収納して、該蟻溝20内を埋めるように樹脂製弾性弁座体30を一体的に成型する(モールディングパウダー法と称される成型法が利用されている)ものである。
【0004】しかし、上記のPCTFEの成型、特にモールディングパウダー法は成型温度と圧力とが高く、成型温度範囲が狭いため温度管理が煩雑であるのに加え、成型用金型費用が非常に高価であるので、実際にはあまり採用されていない。
【0005】そこで、従来は「図6」に示すリング状の樹脂製弾性弁座体31を押え螺子7で弁座本体1に締着固定する方法が利用されている。この場合、樹脂製弾性弁座体31は外径側の側面31aはテーパ面とすると金属製円筒状の弁座本体1の埋設場所に埋入できないので垂直面(中心軸と平行な周面)となしてある。
【0006】すなわち、円筒状の弁座本体1の一端(図上端)内周面側に拡径段部21を設け、リング状の樹脂製弾性弁座体31はこの拡径段部21内にその上方から嵌入するので、その外径は拡径段部21の内径と一致させた垂直面またはそれより小径でなければならない。そして、この樹脂製弾性弁座体31の内径側の側面31bをテーパー面として、弁座本体1の内周面側に螺合する押え螺子7でこの内径側の側面31bを押える(締着固定する)ようになしてある。
【0007】PCTFEによるリング状の樹脂製弾性弁座体は、密閉機能の確保のため無論適宜な弾性は有するも、大きな可撓性や柔軟性は有しておらず、形状を適宜変更させたり大幅に圧縮して、所定の埋入場所に無理に埋入することはできない性状を有している。
【0008】しかし、この押え螺子4で固定するものは、流体圧が高いと「図6」矢印方向の力で樹脂製弾性弁座体31の外径側が押し出されて変形を起こす問題と、内径側に押え螺子7を設けるため必要流路径を確保するためには弁座自体が大型化する問題点を有していた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は断面台形の樹脂製弾性弁座体を、容易、強固・確実に金属弁座に埋設できる弁座の製造方法を提供することを課題とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の課題を達成するため、本発明の構成は、金属製円筒形で、その一端面の外周側を金属製の弁座面部1aとなし、この弁座面部1aの内側に外周側の立上り面2aが底側が外周に向かって近づく傾斜面となし、内周側の立上り面2bは中心軸と平行な垂直面となした溝2を設けてなる弁座本体1と、断面台形で、外径側傾斜面3aが上記弁座本体1の傾斜面2aの寸法と適合し、かつ、冷却すると収縮して上記溝2に収納可能となる寸法となしたリング状の樹脂製弾性弁座体3とを用意し、上記樹脂製弾性弁座体3を冷却して溝2内に挿入した後、常温に戻して、次いで、溝2より内側の立ち上がり筒部4をその上方を押し広げて樹脂製弾性弁座体3の内径側傾斜側面3bに沿わせて、該樹脂製弾性弁座体3を溝2内に固定するようになした技術的手段を講じたものである。
【0011】また、「請求項2」の発明は、金属製円筒形でその一端面の外周側を金属製の弁座面部1aとなし、この弁座面部1aの内側に外周側の立上り面2aが底側が外周に向かって近づく傾斜面となし内周側の立上り面2bは弁座本体1の中心軸と平行な垂直面となした溝2を有し、該内周側の立上り面2bより内側の立ち上がり筒部4の基端内周部位に円周切り欠き溝5を設けた弁座本体1と、断面台形で、外径側傾斜面3aが上記弁座本体1の傾斜面2aの寸法と適合し、かつ、冷却すると収縮して上記溝2に収納可能となる寸法となしたリング状の樹脂製弾性弁座体3とを用意し、上記樹脂製弾性弁座体3を液体窒素で冷却して収縮させて溝2内に挿入した後、常温に戻し、次いで、立ち上がり筒部4をその上方を押し広げて樹脂製弾性弁座体3の内径側傾斜側面3bに沿わせて、該樹脂製弾性弁座体3を溝2内に固定するようになした技術的手段を講じたものである。
【0012】したがって、断面台形の樹脂製弾性弁座体3が蟻溝状の溝2内に埋入した構成となり、確実・強固に弁座本体1に樹脂製弾性弁座体3を埋設できる作用を呈するものである。
【0013】もっとも、溝2内に断面台形の樹脂製弾性弁座体3をきっちりと収納するには特別な工夫が必要で、該樹脂製弾性弁座体3の外径側傾斜側面3aは、その埋入下部が溝2内の形状・寸法に予め適合させておき、樹脂製弾性弁座体3を冷却し、冷却収縮させて溝2内に収納可能となり、常温に戻して溝2内で樹脂製弾性弁座体3の外径側傾斜側面3aと外径側の立上り面2aとが一致する作用を呈するものである。
【0014】また、立ち上がり筒部4をその上方を押し広げると、樹脂製弾性弁座体3の内径側傾斜側面3bに沿う形状となり該樹脂製弾性弁座体3を溝2内に埋入・固定できる作用を呈するものである。
【0015】
【発明の実施の態様】次に本発明の実施の態様を添付図面に基づいて説明する。図中、1が弁座本体で、この弁座本体1は金属製で円筒状に構成され一端面外周側を弁座面部1aとなしてある。
【0016】上記弁座本体1は、オーステナイト系ステンレス鋼が、塑性加工に適して望ましいものであった。また、上記弁座面部1aは弁座本体1をそのまま使用してもよいが、ステライト層等を溶着するのが、より望ましいことは従来知られた技術である。
【0017】ぞして、上記弁座本体1の弁座本部1aの内側に溝2を設け、この溝2は外周側の立上り面2aが底側が外周に向かって近づく傾斜面となし、内周側の立上り面2bは中心軸と平行な垂直面となしてある。
【0018】すなわち、上記溝2の断面形状は,上下二辺が平行(上辺は溝2の開口部で実際には無い)で一側辺(弁座本体1の外周側辺)が傾斜辺となり他側辺は上下二辺と直交する垂直辺となる台形となしてある。
【0019】なお、図中、5は前記垂直面2bより内側の立ち上がり筒部4の基端内周部位に設けた円周切り欠き溝で、この円周切り欠き溝5を設けることで、後記する立ち上がり筒部4を樹脂製弾性弁座体3の内径側傾斜側面3bに沿わせる際に、この円周切り欠き溝5が容易に塑性変形を起こして、内径側傾斜側面3bに沿い易いようになすためのものである。
【0021】そして、本発明は、断面台形で、外径側傾斜面3aが上記傾斜面2aの寸法と適合し、かつ、冷却すると収縮して上記溝2に収納可能となる寸法となしたリング状の樹脂製弾性弁座体3を用意する。
【0022】上記樹脂製弾性弁座体3を液体窒素(−196℃)で冷却し、弁座本体1の溝2に収納する際の樹脂製弾性弁座体3の外径寸法Dと溝形状・寸法は次により算出される。今、樹脂製弾性弁座体3の三フッ化エチレン樹脂(PCTFE)の−196℃における膨張係数を、ξ=3.5×10-51/℃)、冷却時の温度差をΔt=216℃、樹脂製弾性弁座体3の室温における外径をD、金属弁座傾斜溝の上部外径寸法をd、冷却時の樹脂製弾性弁座体収縮長さをΔLとすれば、ΔL=ξ・π・D・Δt、一方、樹脂製弾性弁座体3の挿入条件は、ΔL>=π(D−d)であるから、ξ・π・D・Δt>=π(D−d)より、d>=0.99244Dとなる。また、傾斜面2aの傾斜角度をΘ、傾斜面2aの高さをHとすれば、D−d/2=HtanΘより、H=D−d/2tanΘとなり、角度Θを与えれば溝深さHが容易に定まる。
【0023】そして、上記樹脂製弾性弁座体3を冷却して溝2内に挿入する。冷却には液体窒素(−196℃)などを使用すればよく、本発明法によって製造される弁座の使用温度条件以下に冷却するように予め設定しておくことが望ましいのは無論である。
【0024】「図2」に示す樹脂製弾性弁座体3が冷却以前のものであるが、この状態では矢印P1に示すように、この樹脂製弾性弁座体3を溝2内に収納しようとしても溝2の上端の外径が樹脂製弾性弁座体3の下端側の外径より小さいので挿入することができない。そこで、樹脂製弾性弁座体3を冷却して「図3」の状態となるように収縮させる。すると、この樹脂製弾性弁座体3は、「図3」に矢印P2で示すように溝2内に上方から落とし込むようにして収納できることになる。
【0025】そして、溝2内に樹脂製弾性弁座体3を収納したら常温に戻す。すると、樹脂製弾性弁座体3は当然元の寸法に戻り、「図2」に破線で示すように、該樹脂製弾性弁座体3の外径側傾斜面3aは溝2の外周側の立上り面2aに一致するようになる。
【0026】次いで、溝2より内側の立ち上がり筒部4をその上方を押し広げて樹脂製弾性弁座体3の内径側傾斜側面3bに沿わせて、該樹脂製弾性弁座体3を溝2内に固定する。
【0027】上記立ち上がり筒部4の上方の押し広げは、「図4」に示すような治具6を用いてプレス等で該治具6を矢印P3方向に押圧移動させればよい。なお、前記円周切り欠き溝5の幅及び深さなどを調整すると、治具6の荷重で切り欠き溝5が容易に塑性変形を起こし、塑性変形部2cが発生して立ち上がり筒部4と樹脂製弾性弁座体3の隙間を埋めると同時に、立ち上がり筒部4の上方の押し広げと相まって、立ち上がり筒部4の溝内面と樹脂製弾性弁座体3の内径側傾斜側面3bとが広い面積で接触できるようになすことができるものである。
【0028】
【発明の効果】本発明は、上記のごとく、断面台形の樹脂製弾性弁座体3をその材料の熱膨張率を利用して、弁座本体1の溝2内に収納し、金属製の弁座本体1の塑性を利用して固定するので、次ぎのごとき効果を奏するものである。
【0029】最も理想的な断面台形でリング状の樹脂製弾性弁座体3を、高価な成型用金型を使用しないで埋設固定できる。
【0030】樹脂成型装置を必要とせず、樹脂製弾性弁座体3は丸棒や板材から加工することが可能で、弁製造メーカで自社製造できるので、少量生産に適し、短納期でしかも速やかに製造できる。
【0031】弁座自体が「図6」従来例よりコンパクトになり、バルブの軽量化が可能である。
【出願人】 【識別番号】391017713
【氏名又は名称】平田バルブ工業株式会社
【出願日】 平成7年(1995)10月17日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】平井 信
【公開番号】 特開平9−108769
【公開日】 平成9年(1997)4月28日
【出願番号】 特願平7−293408