トップ :: B 処理操作 運輸 :: B21 本質的には材料の除去が行なわれない機械的金属加工;金属の打抜き




【発明の名称】 真空チャンバー製造方法
【発明者】 【氏名】神保 毅

【目的】 従来の真空チャンバーにおいて発生する溶接部でのリークをなくし、製造上のコストを低下させる真空チャンバー製造方法を提供する。
【構成】 本発明は、半導体製造装置の真空チャンバーを製造するための真空チャンバー製造方法であって、鍛造加工により所定の形状の真空チャンバー2を製造することを特徴としている。これにより、真空チャンバー2は1個の金属塊から形成されるとともに、強靱な構造となる。また、本発明は、真空チャンバー2の内面にさらに表面処理を施すことが好ましい。これにより、真空チャンバー2へのガス分子の吸着量が減少するとともに、真空チャンバー2の表面からのガス分子の脱離が短時間で円滑に行われるようになる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 半導体製造装置の真空チャンバーを製造するための真空チャンバー製造方法において、鍛造加工により所定の形状の真空チャンバーを製造することを特徴とする真空チャンバー製造方法。
【請求項2】 真空チャンバーの内面にさらに表面処理を施すことを特徴とする請求項1記載の真空チャンバー製造方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、半導体製造装置の真空チャンバーを製造するための真空チャンバー製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】真空チャンバーの製造方法として従来から種々の方法が知られているが、例えば、ステンレス板を曲げたり、いくつかの板状の金属部品を溶接して繋ぎ合わせたり、また、アルミなどの金属の塊から金属部分を切削したりすることによって真空チャンバーを製造する方法がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このような製造方法では、溶接部でのリークや量産する場合にコストが高いといった問題があった。本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、半導体製造装置の真空チャンバーを製造するための真空チャンバー製造方法であって、鍛造加工により所定の形状の真空チャンバーを製造することを特徴としている。これにより、真空チャンバーは1個の金属塊から形成されるとともに、緻密な金属組織が得られ、強靱な構造となる。
【0005】また、本発明は、真空チャンバーの内面にさらに表面処理を施すことが好ましい。これにより、真空チャンバー表面へのガス分子の吸着量が減少するとともに、真空チャンバー表面からのガス分子の脱離が短時間で円滑に行われるようになる。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について説明する。
【0007】真空チャンバーは、半導体製造装置、例えば、スパッタ装置において用いられる。
【0008】図1は、スパッタ装置の概略を示す断面図である。スパッタ装置は、図示のように、真空チャンバー2と、この真空チャンバー2の上部開口を塞ぐための蓋4と、この蓋4に取り付けられたターゲット6と、真空チャンバー2に軸を介して取り付けられ且つ電極の働きをするサセプター8と、ターゲット6及びサセプター8の間に電圧を印加するための電源10と、真空チャンバー2及び蓋4により形成される空間にアルゴンを供給するためのアルゴン供給源12と、この空間を真空に引くための真空ポンプ14とを含んでいる。
【0009】上記構成のもとで、真空ポンプ2により真空に引くとともにアルゴンを導入し電圧を印加すると、アルゴンはイオン化され、ターゲット6に衝突される。このとき、ターゲット6を構成する原子が叩き出され、この原子は、サセプター8上に載置されているウェハー16上に散布される。
【0010】このような真空チャンバー2の製造に際し、本発明では鍛造加工を利用することとした。
【0011】鍛造加工は一般に、金属を一定の温度に熱し圧力を加えて成形する技術のことであり、素材を型の中に押し込んで所望の形状を作る加工方法である。具体的には、最適にデザインされた真空チャンバー2の上下一対の型を用い、この上下の型の間に加熱された金属をはさみ、強圧して素材を型に従わせることにより、所定の形状の真空チャンバー2を得ている。
【0012】この鍛造加工によれば、より均等な金属組織が得られ、真空チャンバー2の機械的強度は向上する。
【0013】さらに、鍛造加工では、強い圧力により金属組織を緻密とするため、真空チャンバー2の表面上もしくは表面に近い金属層からのアウトガスがかなり少なくなる。一方、真空チャンバー2を製造するのに鋳造加工を利用することも可能であるが、鋳造加工は単に、素材を加熱溶融して鋳型に流し込み、凝固させることにより所望の形状の部品を成形する技術であるという性質上、金属組織は鍛造加工の場合と比較して緻密とはならない。従って、鋳造加工で真空チャンバー2を製造した場合、真空チャンバー2の表面上もしくは表面に近い金属層からのアウトガスは多くなってしまい、真空チャンバー2としての性能が低下する。このことから、真空チャンバー2を製造する場合には鍛造加工を利用することがより好適である。
【0014】また、鍛造加工は1つの金属塊から所定の形状の部品を成形するものであるため、真空チャンバー2を一体物とすることが可能となる。
【0015】さらに、真空チャンバー2の内面に、表面を滑らかにする、すなわち表面の凸凹をなくすような表面処理を施すことが好ましい。これにより、真空チャンバー2の表面の金属組織を緻密にしたことと相まって、真空チャンバー2の表面へのガス分子の吸着量が減少し、真空チャンバー2の表面からのガス分子の脱離が短時間で円滑に行われるようになる。
【0016】また、上記実施形態では、金属塊を加熱して成形する熱間加工が用いられているが、常温の状態で金属塊を成形する冷間加工を用いることもできる。
【0017】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、真空チャンバーは鍛造加工により形成されるため、その機械的強度は向上される。従って、長期にわたって使用する場合に、真空に引いたとき外圧により押しつぶされないようにすることができる。
【0018】また、真空チャンバーは1つの金属塊から形成されるため、真空チャンバーの内部を真空ないしは低圧に保つために外部からの気体の侵入を防ぐ、すなわちリークを防ぐことができる。一方、真空チャンバーは、鍛造加工により緻密な金属組織を有するようになるため、真空チャンバーの表面上もしくは表面に近い金属層からのアウトガスをかなり少なくすることができる。
【0019】さらに、真空チャンバーの内面に表面処理を施した場合には、真空チャンバー表面へのガス分子の吸着量が減少するとともに真空チャンバーからのガス分子の脱離が短時間で円滑に行われるようになる。
【0020】また、本発明によれば、量産時に、真空チャンバーの品質を維持するとともにコストの低下を図ることができる。
【出願人】 【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【出願日】 平成7年(1995)8月23日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹 (外3名)
【公開番号】 特開平9−57389
【公開日】 平成9年(1997)3月4日
【出願番号】 特願平7−214825