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多段軸の製造方法 - 特開平9−19737 | j-tokkyo
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【発明の名称】 多段軸の製造方法
【発明者】 【氏名】河内 益雄

【目的】
【構成】 冷間鍛造による前方押出し加工により、径の異なる軸部と軸部をつなぐ連接部とを有する多段軸を成形する多段軸の製造方法において、まず円柱状の円柱素材を成形する第一工程と、円柱素材の一端端部に、各連接部と略同一形状の予備連接部が連続的につながる予備連接群を成形する第二工程と、予備連接群が成形された端部側から前方押出し加工により各軸部を成形する第三工程とからなる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 冷間鍛造による前方押出し加工により、径の異なる軸部(2),(3),(4)と該軸部(2),(3),(4)をつなぐ連接部(5),(6)とを有する多段軸(1)を成形する多段軸の製造方法において、まず円柱状の円柱素材(31)を成形する第一工程と、該円柱素材(31)の一端端部に、各連接部(5),(6)と略同一形状の予備連接部(25),(26)が連続的につながる予備連接群(29)を成形する第二工程と、該予備連接群(29)が成形された端部側から前方押出し加工により各軸部(3),(4)を成形する第三工程とからなることを特徴とする多段軸の製造方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、鋼材より多段軸を冷間鍛造による前方押出し加工によって成形する多段軸の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車の懸架装置に使用されるボールジョイントのボールスタッドや変速機に使用されるミッションシャフト等には、軸部が多段に成形される多段軸が形成されるものがあった。そして多段軸は、一般に冷間鍛造による前方押出し加工で成形されていた。この多段軸の成形工程をボールスタッドを例にとり、図5に基づいて説明する。図5の(イ)は円柱状の円柱素材131で、この円柱素材131の一端端部に前方押出し加工を施して、円柱素材131の軸部(第一の軸部)102より小径の第二の軸部103と、第一の軸部102と第二の軸部103をつなぐテーパ状の第一の連接部105とを設けた中間成形材111を成形する。続いて、中間成形材111の第二の軸部103側端部に前方押出し加工を施して、第二の軸部103より小径の第三の軸部104と、第二の軸部103と第三の軸部104をつなぐテーパ状の第二の連接部106と、第一の軸部102側端部にすえ込み加工を施して球状の球頭部107とを成形したボールスタッド101を製造していた。
【0003】上記成形工程の中で円柱素材131から中間成形材111を成形する工程を図6に基づいて説明する。
【0004】図は図示されていない鍛造機に装着されたダイセット170を表すもので、左半部が成形前の状態を表し、右半部が成形後の状態を表す。181は固定型で、軸線方向に延び第一の軸部102と同径の貫通孔183を有する固定ダイ182と、固定ダイ182を保持する固定ホルダ187とを備え、貫通孔183の中間に、中心に向かって突出するランド部184が周状に形成されている。このランド部184は、漸次小径となるテーパ面184a、貫通孔183と平行に延びる内壁面184b及び漸次大径となる逆テーパ面184cとからなり、テーパ面184aは第一の連接部105と同形状、内壁面184bは第二の軸部103と同径である。そして貫通孔183内には、ランド部184の内壁面より小径のノックアウトパンチ186が設置される。また、171はスライド型で、固定ダイ182の貫通孔183に対向するパンチ172と、パンチ172を嵌挿するスライドダイ173と、スライドダイ173を保持するスライドホルダ174とを備える。
【0005】上記ダイセット170で円柱素材131から中間成形材111を成形する場合、図6左半部に示す如く、まず固定ダイ182の貫通孔183に円柱素材131を投入する。このとき円柱素材131は、貫通孔183に形成されたランド部184により規制され、貫通孔183内に配置される。続いて、スライド型171を前進させ、図6右半部に示す如く、パンチ172が貫通孔183進入後、円柱素材131に当接すると同時に円柱素材131を前方へ押出す。これにより円柱素材131の一端端部は、ランド部184のテーパ面184a及び内壁面184bを通過して、第一の連接部105及び第二の軸部103が成形される。その後、スライド型171を後退させるとともにノックアウトパンチ186が突出し、成形された中間成形材111が固定型181から取り出され、この工程が完了する。
【0006】尚、中間成形材111からボールスタッド101を成形する工程においても同様に、中間成形材111における第二の軸部103の端部に、ランド部184による前方押出し加工を施して、第三の軸部104及び第二の連接部106を成形していた。
【0007】このように円柱素材131から軸部103,104及び連接部105,106を順次成形する多段軸の製造方法としては、特開昭56−50743号公報等多数ある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】このように円柱素材131から軸部103,104及び連接部105,106を順次成形することにより、多段軸101を短時間に製造することができる。しかし、円柱素材131は、ランド部184のテーパ面184aに案内されて漸次小径に押出され、その後、内壁面184bに沿って第一の連接部105及び第二の軸部103が成形されるため、円柱素材131のランド部184側端面外周部がテーパ面184aに案内されて漸次小径に押出される際に剥離し、内壁面184bに剥離した素材片が付着することがある。この付着した素材片により、成形した軸部103,104外周に傷138,139(鍛造一般に言う「かじり」)が発生し、品質が低下するということがある。また素材片が内壁面184bに付着すると、その付着した素材片を取り除くための作業が必要となり、生産性が低下するということがある。
【0009】従って、本発明は上述の如き課題を解決し、軸部外周の傷の発生を抑制し、品質及び生産性が安定する多段軸の製造方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は以下のとおりである。
【0011】冷間鍛造による前方押出し加工により、径の異なる軸部と軸部をつなぐ連接部とを有する多段軸を成形する多段軸の製造方法において、まず円柱状の円柱素材を成形する第一工程と、円柱素材の一端端部に、各連接部と略同一形状の予備連接部が連続的につながる予備連接群を成形する第二工程と、予備連接群が成形された端部側から前方押出し加工により各軸部を成形する第三工程とからなる。
【0012】
【実施例】以下本発明の実施例を図1乃至図4に基づいて説明する。
【0013】図1は本発明の実施例により多段軸、特に軸径の異なる三段の軸部2,3,4と、各軸部2,3,4をつなぐテーパ状の連接部5,6とを有するボールスタッドを例にとり、円柱素材31からボールスタッド1を成形する工程を説明する。図1の(イ)は円柱素材31で、線材を完成のボールスタッド1の体積と同一に切断形成したものである。この円柱素材31の一端端部に、完成したボールスタッド1の連接部5,6と略同一形状の予備連接部25,26が連続的につながる予備連接群29を設けた、図1の(ロ)に示す如き予備成形材21を成形する。この円柱素材31から予備成形材21を成形する工程を図2に基づいて詳細に説明する。
【0014】図は図示されていない鍛造機に装着されたダイセット50を表すもので、左半部が成形前の状態を表し、右半部が成形後の状態を表す。61は固定型で、軸線方向に延びる貫通孔63を有する固定ダイ62と、固定ダイ62を保持する固定ホルダ67とを備える。貫通孔63は、円柱素材31を投入する投入部68と、投入部68に連続するボールスタッド1の連接部5,6と略同一形状の第一テーパ面64及び第二テーパ面65と、ノックアウトパンチ66が嵌挿されるノックアウト孔69からなる。また51はスライド型で、固定ダイ62の貫通孔63に対向するパンチ52と、パンチ52を嵌挿するスライドダイ53と、スライドダイ53を保持するスライドホルダ54とを備える。
【0015】上記ダイセット50で円柱素材31から予備成形材21を成形する場合、図2左半部に示す如く、固定ダイ62の貫通孔63に、投入部68側から円柱素材31を投入する。このとき円柱素材31は、貫通孔63に形成された第一テーパ面64により規制され、貫通孔63内に配置される。続いて、スライド型51を前進させ、図2右半部に示す如く、パンチ52が貫通孔63進入後、円柱素材31に当接すると同時に前方へ押出す。これにより円柱素材31の一端端部は、第一テーパ面64、第二テーパ面65及びノックアウトパンチ66の対向する端面とにより画成された空間に押出され、第一の予備連接部25及び第二の予備連接部26からなる予備連接群29が成形される。その後、スライド型51を後退させるとともにノックアウトパンチ66が突出し、成形された予備成形材21が固定型61から取り出され、この工程が完了する。
【0016】続いて、上述の如く成形された予備成形材21に前方押出し加工を施して、図1の(ハ)に示す如く、予備成形材21の軸部(第一の軸部)2より小径の第二の軸部3と、第一の軸部2と第二の軸部3をつなぐテーパ状の第一の連接部5とを設けた中間成形材11を形成する。この予備成形材21から中間成形材11を成形する工程を図3に基づいて詳細に説明する。
【0017】図は図示されていない鍛造機に装着されたダイセット70を表すもので、左半部が成形前の状態を表し、右半部が成形後の状態を表す。81は固定型で、軸線方向に延び第一の軸部2と同径の貫通孔83を有する固定ダイ82と、固定ダイ82を保持する固定ホルダ87とを備え、貫通孔83の中間に、中心に向かって突出するランド部84が周状に形成されている。このランド部84は、漸次小径となるテーパ面84a、貫通孔83と平行に延びる内壁面84b及び漸次大径となる逆テーパ面84cとからなり、テーパ面84aは第一の連接部5と同形状、内壁面84bは第二の軸部3と同径である。そして貫通孔83内には、ランド部84の内壁面より小径のノックアウトパンチ86が設置される。また、71はスライド型で、固定ダイ82の貫通孔83に対向するパンチ72と、パンチ72を嵌挿するスライドダイ73と、スライドダイ73を保持するスライドホルダ74とを備える。
【0018】上記ダイセット70で予備成形材21から中間成形材11を成形する場合、図3左半部に示す如く固定ダイ82の貫通孔83に、予備連接群29が成形された端部から予備成形材21を投入する。このとき予備成形材21は、予備連接群29の第一の予備連接部25が固定ダイ82におけるランド部84のテーパ面84aに着座することにより規制され、貫通孔83内に配置される。また、予備連接群29の第二の予備連接部26は固定ダイ82の内壁面84b内に延出されている。続いて、この状態からスライド型71を前進させ、図3右半部に示す如く、パンチ72が貫通孔83進入後、予備成形材21に当接すると同時に前方へ押出す。この前方押出し加工状態を図4により説明すると、図4の(イ)に示す如く固定ダイ82におけるランド部84のテーパ面84aに着座された予備成形材21はパンチに押圧されて、図4の(ロ)に示す如く第二の予備連接部26の形状を保持した状態で前方に押出される。このとき予備成形材21の第一の予備連接部25がランド部84のテーパ面84aに沿って流動するため成形がスムーズに行なわれ、予備成形材21の素材片が剥離することがない。そして更に成形が進み、図4の(ハ)に示す如く第二の軸部3と第一の連接部5が成形される。その後、図3右半部に示すスライド型71を後退させるとともにノックアウトパンチ86が突出し、成形された中間成形材11が固定型61から取り出され、この工程が完了する。
【0019】そして最後に、中間成形材11の第二の軸部3側端部に上述と同様に前方押出し加工を施して、第二の軸部3より小径の第三の軸部4と、第二の軸部3と第三の軸部4をつなぐテーパ状の第二の連接部6とを成形すると同時に、第一の軸部2側端部にすえ込み加工を施して球状の球頭部7を成形して、図1の(ニ)に示す如くボールスタッド1を製造する。尚、第三の軸部4及び第二の連接部6を前方押出し加工により成形するダイセットは、予備成形材21から中間成形材11を成形するダイセット70と同様であり省略するが、ランド部のテーパ面は第二の連接部6と同形状であることは言うまでもない。
【0020】従って、上述の如き工程で多段軸を製造すると、予備連接部がランド部のテーパ面に沿って流動するので、軸部及び連接部の成形がスムーズに行なわれる。
【0021】尚、上記実施例では軸部が三段の多段軸における製造方法を説明したが、多段軸の段数は三段に限定されるものではなく、多段であれば何段でも良い。
【0022】また、上記実施例では軸部は連続的に順次成形されたが、一工程で複数の軸部を成形しても良い。
【0023】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、冷間鍛造による前方押出し加工により、径の異なる軸部と軸部をつなぐ連接部とを有する多段軸を成形する多段軸の製造方法において、まず円柱状の円柱素材を成形する第一工程と、円柱素材の一端端部に、各連接部と略同一形状の予備連接部が連続的につながる予備連接群を成形する第二工程と、予備連接群が成形された端部側から前方押出し加工により各軸部を成形する第三工程とからなるため、予備連接部がランド部のテーパ面に沿って流動するので、軸部及び連接部の成形がスムーズに行なわれ、軸部外周の傷の発生を抑制でき、よって、品質及び生産性を安定させることができる。
【出願人】 【識別番号】000238360
【氏名又は名称】武蔵精密工業株式会社
【出願日】 平成7年(1995)6月30日
【代理人】
【公開番号】 特開平9−19737
【公開日】 平成9年(1997)1月21日
【出願番号】 特願平7−188073