トップ :: A 生活必需品 :: A61 医学または獣医学;衛生学




【発明の名称】 コレステロール低下剤及びコレステロール低下食品
【発明者】 【氏名】鈴木 義克

【氏名】山田 和史

【目的】 血清コレステロールを低下させるコレステロール低下剤及びコレステロール低下食品の提供を目的とする。
【構成】 タラバカニ殻を粉砕機とボールミルを用いて粒度がメジアン径5μm以下の粉末を得ること。及びその粉末を食品に添加すること。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 粒度がメジアン径50μm以下のタラバカニ殻粉末を含有するコレステロール低下剤。
【請求項2】 粒度がメジアン径50μm以下のタラバカニ殻粉末を含有するコレステロール低下食品。
【発明の詳細な説明】【0001】
【産業上の利用分野】 本発明はコレステロール低下剤及びコレステロール低下食品に関する。
【0002】
【従来の技術】 キチン.キトサンにコレステロール低下作用があることは公知である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】キチンはカニ殻を酸処理し、その後アルカリ処理することによって得られる。キトサンはキチンを濃アルカリで処理することによって得られる。しかし、カニ殻そのものは蛋白質や無機質を含むためキチン.キトサン含量が低い。そのためコレステロール低下作用の試験は行われていない。さらに、カニ殻は粒度が小さくないと舌触りが悪く、食品への応用は難しい。
【0004】
【課題を解決するための手段】 本発明者らが、タラバカニ殻粉末を検討した結果、タラバカニ殻粉末の粒度がメジアン径50μm以下にすると、舌触りが著しく良くなると共に、食品に添加することによってコレステロール低下作用が認められた。
【0005】 即ち、本発明は粒度がメジアン径50μm以下のタラバカニ殻粉末を含有するコレステロール低下用食品、及び粒度がメジアン径50μm以下のタラバカニ殻粉末を含有するコレステロール低下剤に関する。
【0006】 本発明で用いられるタラバカニ殻粉末はカニむき身加工時に得られる殻を乾燥し、粉砕機で粉末にする。さらにこの粉末をボールミルで粉砕することによって、メジアン径50μm以下の粉末がえられる【0007】 本発明のコレステロール低下剤の食品中への添加量は、食品全量に対し、2%〜6%、好ましくは5%がよい。
【0008】 食品としては、魚肉加工品、畜肉加工品、パスタ類、麺類、シュウマイなどの惣菜類などが適している。
【0009】
【実施例】
実施例1第1発明のコレステロール低下剤は下記の工程により製造した。カニむき身工場より入手したタラバカニ殻を除湿乾燥機を使用して20℃で24時間乾燥した。その後、チョッパー(株式会社 平原鉄工所製)で粗砕きし、超微粉砕機(不二パウダル(株))で粉砕した。この粉末のメジアン径はレーザ回折/散乱式粒度分布測定装置(HORIBA LA−910)で測定した結果、89μmであった。この粉末は口に入れたとき多少ざらつきがあった。この粉末をさらにボールミル(UB32 ヤマト科学(株)製)で8時間粉砕して、メジアン径47μmの粉末を得、本発明のコレステロール低下剤とした。
【0010】実施例2第2発明のコレステロール低下食品は下記の工程により製造した。スケトウ冷凍すり身を自然解凍し、擂潰機でスケトウ冷凍すり身に水20%、カニエキス5%、カニフレーバー0.3%と実施例1で製造したタラバカニ殻粉末8%を混合した。このスケトウ冷凍すり身6kgをミキサーでタラバカニフレーク10kgと混合し、エアースタッファーで押し出し、カニの脚状に整型した。この整型した製品を高温高圧調理殺菌機(RCS−40 日阪製作所(株)製)で115℃で30分殺菌して、タラバカニ殻粉末含有整型カニ肉製品を得た。
【0011】 次に、本発明の作用について試験例により示す。 。
【0012】 試験例ラットのコレステロール低下試験目的:タラバカニ殻粉末含有食品とタラバカニ殻粉末を含有しない食品とのコレステロール低下効果の差をみるために以下の試験を行った。
【0013】 試験材料および方法1、試験材料1)被験物質(a)スケトウ冷凍すり身を自然解凍し、擂潰機でスケトウ冷凍すり身に水20%、カニエキス5%、カニフレーバー0.3%を混合した。このスケトウ冷凍すり身6kgをミキサーでタラバカニフレーク10kgと混合し、さらに、コレステロール0.5%,コール酸0.25%を混合し、エアースタッファーで押し出し、カニの脚状に整型した。この整型した製品を高温高圧調理殺菌機(RCS−40日阪製作所(株)製)で115℃で30分殺菌して、0.5%コレステロール、0.25%コール酸添加整型カニ肉とした。
(b)スケトウ冷凍すり身を自然解凍し、擂潰機でスケトウ冷凍すり身に水20%、カニエキス5%、カニフレーバー0.3%と実施例1で製造したタラバカニ殻粉末8%を混合した。このスケトウ冷凍すり身6kgをミキサーでタラバカニフレーク10kgと混合し、さらに、コレステロール0.5%,コール酸0.25%を混合し、エアースタッファーで押し出し、カニの脚状に整型した。この整型した製品を高温高圧調理殺菌機(RCS−40 日阪製作所(株)製)で115℃で30分殺菌して、0.5%コレステロール、0.25%コール酸添加タラバカニ殻粉末含有整型カニ肉とした。
2)動物5週齢のCrj:CD(SD)系雄性を日本チャールス・リバー株式会社より購入した。動物に、別に指定する場合を除いて固形飼料CE−2(日本クレア)および水道水を自由に摂取させ、室温22±2℃、湿度55±15%、照明時間8:00〜20:00およ換気回数13〜17回/時間の環境下で1週間以上予備飼育した後、異常の認められなかった動物を試験に使用した。
【0014】 2、試験方法
6週齢のラット各群10匹に、前記の群構成に従い、0.5%コレステロールおよび0.25%コール酸を添加した高コレステロール飼料(40g/day)を摂取させた。無処置群には対照として正常飼料を摂取させた。摂取前、摂取1、2、3および4週間後尾静脈より部分採血(1ml)し、遠心分離(3000rpm,15min,4℃)して血清を分取した。血清中のコレステロール濃度をオートアナライザー(日立、705形)を用いて測定した。
統計処理得られた値より平均値および標準誤差を算出した。被験食品群と無処置群ならびに被験物質群間の有意差は以下に示す方法で検定した。すなわち、F検定で分散性の検定を行い、当分散の場合にはStudentの、不等分散の場合には、Aspin−Welchのt検定を用いて行った。危険率5%未満を有意とした。
【0015】 試験結果
それぞれの数値は9(a))または10例の平均値±標準誤差で表した。
*:0。5%コレステロール、0。25%コール酸添加整型カニ肉(A)に対して5%の危険率で有意差あり。
以上の結果よりラット実験的高脂血症モデルの作製に並行して、タラバカニ殻粉末含有整型カニ肉を動物に摂取させると、整型カニ肉単独で飼育したラットに比較し、ラットの血清コレステロール濃度は2週間後まで類似した推移を示したが、3週間後から血清コレステロール濃度の低下傾向を示し、4週間後には有意に低値を示し、血清コレステロール濃度が低下することが明らかになった。
【0016】
【発明の効果】本発明では試験例でも示すように、粒度がメジアン径50 以下のタラバカニ殻粉末を使用することにより、血清コレステロール濃度低下させることができる。さらに、食品に添加してもザラツキがなく、食品への応用は容易である。また、カニ殻を酸やアルカリで処理してキチン・キトサンとする必要がないため産業上有益である。
【出願人】 【識別番号】596055707
【氏名又は名称】根室市
【出願日】 平成8年(1996)3月18日
【代理人】
【公開番号】 特開平9−249573
【公開日】 平成9年(1997)9月22日
【出願番号】 特願平8−100694