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【発明の名称】 食品用の皿または器
【発明者】 【氏名】佐藤 文昭

【目的】
【構成】
【特許請求の範囲】
【請求項1】 中心方向に向けて一様に下り傾斜する上面を有する周辺部と、その周辺部と一体でありかつ上面と下面との間を貫く複数の小孔を設けた中心部とを備えた孔あき皿と、前記中心部に設けた複数の小孔の下面における開口端をすべてカバーし得る広さの上方開放部と、前記孔あき皿を水平に支持するために一様の高さを有する囲い部と、その囲い部の下端間を外部から遮断する底面とを備えた容器形の台座と、の組み合わせからなる食品用の皿。
【請求項2】 周辺部と容器形の台座とを一体とする一方、それらに対して小孔のある中心部を分離する構造に作成した請求項1に記載の食品用の皿。
【請求項3】 周辺部の傾斜勾配を水平面に対して30°から80°に作成した請求項1または2に記載の食品用の器。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、食器をその上に盛る浅く平らな器、すなわち、食品用の皿または器に関し、より詳細には、皿上の食品に対する水分の回収、室温以外の温度の維持、または、食欲増進用のムード作りに好適する食品用の皿または器に関する。
【0002】
【従来の技術】従来における食品用の皿または器は、一般的には、陶磁器製のものが多く、公共施設や幼少または老年層には壊れにくい樹脂製または金属製の皿が使われ、キャンプや集会施設では安価で使い捨て可能な紙製の皿が使用される。皿の形状は、実用性の面からみれば、丸く浅く平らな形状が大部分である一方、なかには、特殊な形状の皿、例えば、あごひげを蓄えた男性用のスープ皿として、あごひげがスープ皿内に浸るのを防止するために半月形状の皿が用いられていることもよく知られている。
【0003】他方において、皿の定義以外のものではあるが、従来、盛りそば用の容器、または、蒸篭(せいろう)が存在し、前者はスノコ上のそばの水分を取り除く機能を有し、後者は、スノコ上の食品に対して下方から加熱蒸気を加えて調理する機能を有し、いずれも外部との関係を保つために底がないことが特徴である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】近年、魚介類の冷凍保存技術の進歩に伴ない、卓上に供される刺身が、しばしば、半解凍状態の場合があり、時間の経過によって解凍が進み、刺身の水分が過多となって美味を損なう事例が多いが、従来は、その対策がなく、水っぽい刺身をつまんで食せざるを得なかった。このように、食品から生ずる不用物質の円滑迅速な回収を可能ならしめる食品の皿または器の創作が待望されている。
【0005】食品は、その性質上、室温以外の冷却状態または温熱状態で食するとき、最高の美味をひき出すことができるものもあるとされており、そのために、各種の加熱調理器が開発され、また冷蔵設備も存在し、更に、卓上において煮炊きする道具や氷を下敷きにした献立方法なども周知である。しかしながら、そのような大掛かりな手間ひまのかかる方法ではなく、迅速確実な簡易手段の開発が期待されている。
【0006】最近は高価な外食を避けて、安価なホームパーティーで楽しむことが庶民の間に行き渡ってきたが、その場の雰囲気を盛り上げるムードに今一歩の憾があり、簡素低廉であっと驚く演出効果を期待し得る逸物の出現が渇望されている。
【0007】この発明の目的は、簡素低廉な手段により、皿または容器上の食品から生ずる不用流動物質の円滑迅速な回収、室温以外の冷却または温熱状態の設定、または、会食ムードの効果的な演出の創生を一挙に達成し得るべき多機能な食品用の皿または器を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明における食品用の皿は、前記の目的を達するために、中心方向に向けて一様に下り傾斜する上面を有する周辺部と、その周辺部と一体でありかつ上面と下面との間を貫く複数の小孔を設けた中心部とを備えた孔あき皿と、前記中心部に設けた複数の小孔の下面における開口端をすべてカバーし得る広さの上方開放部と、前記孔あき皿を水平に支持するために一様の高さを有する囲い部と、その囲い部の下端間を外部から遮断する底面とを備えた容器形の台座と、の組み合わせからなるものである。
【0009】更に、この発明による食品用の皿は、前記の目的を達するために、前項の構成に代えて、周辺部と容器形の台座とを一体とする一方、それらに対して小孔のある中心部を分離する構造に作成することも可能である。
【0010】なお、前項および前々項に記載の周辺部の傾斜勾配を水平面に対して30°から80°に作成して食品用の器とすることも可能である。
【0011】
【発明の実施の形態】この発明による食品用の皿または器の実施の形態について、図に従って以下に詳述する。
【0012】図1及び2において、この発明による食品用の皿は、孔あき皿1とそれを支持する容器形の台座2との組み合わせによって構成されている。
【0013】そして、孔あき皿1は、周辺部11と中心部12とが一体として作成されており、周辺部11は中心方向に向けて一様に下り傾斜する上面11aと、ほぼその上面と等しい傾斜を有する下面11bとから成る一方、中心部12には上面11aと下面11bとの間を貫く複数の小孔12a,12a・・・を設ける。なお、孔あき皿1の下面11bにおける周辺部11と中心部12との境界には糸尻13を設ける。
【0014】容器形の台座2は、上方開放部21と、囲い部22と、底部23と、糸尻24とから成り、上方開放部21は、中心部12に設けた複数の小孔12a,12a・・・の下面11bにおける開口端をすべてカバーし得る広さを有し、囲い部22は、孔あき皿1を水平に支持するために一様の高さで形成され、囲い部22の下端間は底部23によって外部から遮断される。なお、底部23の下面には糸尻24を設ける。
【0015】孔あき皿1及びまたは台座2の材質は、陶磁器、金属、とりわけステンレススチール、プラスチック、発泡スチロール、木、または紙であってもよく、それらの平面形状は、一般的には円形が好ましいが、角形または一方が欠けた扇形であることも可能である。
【0016】図3は、図1及び2で示す食品用の皿の他の実施の形態の断面図であって、その相違する点は、皿の周辺部11と容器形の台座2とが一体として作成される一方、小孔12a,12a・・・のある中心部12が周辺部11及び台座2の双方から分離独立して着脱自在に設けられていることである。この場合、中心部12の材質は、木製または樹脂製のスノコ、もしくは金属製のネットであってもよい。
【0017】図4は、図3の実施の形態に対して、周辺部11の傾斜勾配を水平面に対して例えば30°から80°に作成して、皿としての機能よりも器として使用されるように変形した実施の形態を示すものである。なお、図1及び2で示す実施の形態を図4で示すように変形することも容易に可能である。
【0018】
【発明の効果】このような構成を有する食品用の皿または器の機能及び効果について述べる。
【0019】まず、孔あき皿1上に盛りつけた食品が、例えば、半解凍状態の刺身、水分の多い豆腐、または、水分が付着しているソバなどの場合には、それらの食品から分離した水分が、自らの重力によって、皿の周辺部11の上面11aの傾斜に沿って下方に流れ、中心部12に集められ、小孔12aから下方の台座2の内部に回収される。従って、皿上の食品は水っぽくならず、食品価値が低下しない。
【0020】次に、室温以外の温度状態で食に供することが旨く感じる食品を皿上に盛りつける場合には、それが冷たさを要求される食品であれば、小孔12aの中心部12より下方の容器形の台座2内に、あらかじめ、氷またはドライアイスなどを入れた後に、食品を盛りつけることによって、その食品を相当時間室温よりも低い温度状態に維持することができる。それとは逆に、食品に室温より温熱の状態を求めるときには、容器形の台座2内に、あらかじめ、熱湯、炭火または焼け石などを入れた後に、食品を盛りつけることによって、その食品を相当時間室温より高い温度状態に維持することができる。
【0021】あるいはまた、容器形の台座2内に、あらかじめ、ドライアイスを入れた後、中心部12及び周辺部11の上に食品を盛りつけ、適当な時期に小孔12aを通してドライアイス上に水滴を供給すれば、小孔12aから煙が噴出して、極めて幻想的なムードとなる。従って、食事中に時々それを実行することによって、愉快なムードが演出される。
【出願人】 【識別番号】595147375
【氏名又は名称】有限会社大勝
【出願日】 平成7年(1995)9月22日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】三根 守
【公開番号】 特開平9−84678
【公開日】 平成9年(1997)3月31日
【出願番号】 特願平7−269325