| 【発明の名称】 |
血清中性脂質代謝または血清コレステロール代謝改善食品 |
| 【発明者】 |
【氏名】渡邊 浩幸
【氏名】田口 浩之
【氏名】小堀 真由美
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| 【目的】 |
油脂を添加することなく食感が改善され、かつ血清中性脂質代謝または血清コレステロール代謝を改善する作用が強化された、植物性タンパク質を含む食品を提供すること。 |
| 【構成】 |
植物性タンパク質99〜50重量%とホスファチジン酸または/およびホスファチジン酸塩1〜50重量%とから成る血清中性脂質代謝または血清コレステロール代謝改善食品。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 植物性タンパク質99〜50重量%とホスファチジン酸または/およびホスファチジン酸塩1〜50重量%とから成ることを特徴とする血清中性脂質代謝または血清コレステロール代謝改善食品。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、血清中性脂質代謝または血清コレステロール代謝を改善する作用を有する植物性タンパク質を含む食品の食感を改善し、かつ血清中性脂質代謝または血清コレステロール代謝を改善する作用を強化した食品に関する。 【0002】 【従来の技術および発明が解決しようとする課題】血清中性脂質代謝または血清コレステロール代謝は、植物性タンパク質の摂取によって改善されることが知られており、この目的のために大豆タンパク質などの植物性タンパク質を含む食品の利用が知られている。しかし、このような植物性タンパク質を含む食品は、しっとり感がなく、食感が悪いものである。上記食品の食感は、植物性タンパク質に食用油、ショートニングなどを添加して調理したり、空揚げなどの調理法によってかなり改善することができる。しかし、この方法により食感を改善した食品を食した場合、植物性タンパク質の摂取と同時に摂取される油脂により、血清中性脂質または血清コレステロールが上昇し、やがて肥満やそれに伴う疾病を引き起こすことになる。 【0003】従って、本発明の目的は、油脂を添加することなく食感が改善され、かつ血清中性脂質代謝または血清コレステロール代謝を改善する作用が強化された、植物性タンパク質を含む食品を提供することにある。 【0004】 【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的を達成すべく研究を重ねた結果、植物性タンパク質に特定のリン脂質を添加することにより、食感が改善され、かつこの特定のリン脂質自身にも血清中性脂質代謝や血清コレステロール代謝を改善する作用があることを知見した。 【0005】本発明は、上記知見に基づいてなされたもので、植物性タンパク質99〜50重量%とホスファチジン酸または/およびホスファチジン酸塩1〜50重量%とから成ることを特徴とする血清中性脂質代謝または血清コレステロール代謝改善食品を提供するものである。 【0006】以下、本発明の血清中性脂質代謝または血清コレステロール代謝改善食品について詳述する。本発明で用いられるホスファチジン酸としては、構成脂肪酸が炭素数14〜24の飽和脂肪酸及び炭素数16〜22の不飽和脂肪酸から成るものが好ましい。また、本発明で用いられるホスファチジン酸塩を構成する塩としては、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、アルミニウムおよびアンモニウムが挙げられる。 【0007】上記のホスファチジン酸またはホスファチジン酸塩の含有量は、1〜50重量%、好ましくは3〜10重量%である。ホスファチジン酸またはホスファチジン酸塩の含有量が1重量%未満であると、添加効果が小さく、また、50重量%超であると、食品中の植物性タンパク質の量が少なくなり、植物性タンパク質を含む食品として好ましくない。 【0008】また、本発明で用いられる植物性タンパク質としては、特に制限されるものではなく、例えば、小麦、トウモロコシ、キビ、蕎麦などの穀類や大豆などの豆類などに含まれるタンパク質が挙げられ、目的とする食品に応じて適宜選択すればよい。 【0009】本発明の食品は、健康食品としてそのまま食してもよく、また、他の食品原料と混合して、ホットケーキミックス、パン生地、スープ粉末、麺類、プリン粉末などとして利用することもできる。 【0010】 【実施例】以下に、本発明で用いられるホスファチジン酸またはホスファチジン酸塩の血清中性脂質代謝または血清コレステロール代謝に対する作用を示す試験例、及び本発明の血清中性脂質代謝または血清コレステロール代謝改善食品の実施例を挙げて、本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。 【0011】試験例1下記〔表1〕に示す組成から成る餌料を4週齢SD系雄ラットに与え、約3週間の飼育を行った。すなわち、ホスファチジン酸投与群は、5.5%(重量%、以下同じ)のホスファチジン酸および5%の大豆トリグリセリドを含む餌料(PA)で飼育を行い、また対照群は、大豆トリグリセリドを10%含む餌料(DA)またはナタネトリグリセリドを10%含む餌料(NA)で飼育を行った。飼育期間中の3群間には、餌料摂取量およびラットの体重変化に差は認められなかった。飼育24日目に屠殺後、血清を分離し、血清トリグリセリド、血清遊離脂肪酸、血清総コレステロールおよび血清HDLコレステロールを測定した。それらの結果を図1、図2、図3および図4に示した。図1から明らかなように、血清トリグリセリドは、ホスファチジン酸投与群(PA)で低下傾向を示した。また、図2から明らかなように、血清遊離脂肪酸は、ホスファチジン酸投与群(PA)で著しく低下していた。以上のことは、正常ラットに対してホスファチジン酸の投与により血清中性脂質を低下させることを示す。また、図3から明らかなように、血清総コレステロールについては3群間で大きな差は認められなかったが、図4から明らかなように、血清HDLコレステロールはホスファチジン酸投与により上昇していた。血清HDLコレステロールは動脈硬化を改善することが知られており、ホスファチジン酸投与によって動脈硬化が改善されることが示された。 【0012】 【表1】
【0013】試験例2本試験は、血清中性脂質および血清コレステロールが遺伝的に上昇することが知られているSHCラット(Spontaneously hyper cholesterolemic rat)を用いてホスファチジン酸の血清中性脂質および血清コレステロールの改善作用をさらに解明するものである。下記〔表2〕に示す組成から成る餌料を6週齢のSHCラットに与え、約3週間の飼育を行った。すなわち、ホスファチジン酸投与群は、5.5%のホスファチジン酸および5%の大豆トリグリセリドを含む餌料(PA)で飼育を行い、また対照群は、大豆トリグリセリドを10%含む餌料(DA)で飼育を行った。飼育期間中の2群間には餌料摂取量には差は認められなかったが、飼育期間中のラットの体重変化は図5に示すように対照群(DA)に比べてホスファチジン酸投与群(PA)で低値傾向にあった。飼育24日目に屠殺後、血清を分離し、血清トリグリセリド、血清遊離脂肪酸、血清総コレステロールおよび血清HDLコレステロールを測定した。それらの結果を図6、図7、図8および図9に示した。図6から明らかなように、血清トリグリセリドはホスファチジン酸投与群(PA)で著しく低値を示した。また、図7から明らかなように、血清遊離脂肪酸についてもホスファチジン酸投与群(PA)で低値を示した。SHCラットは内因性の中性脂質とコレステロールの合成が上昇することが知られている。本試験の結果から、ホスファチジン酸の投与により内因性の中性脂質の合成が低下することが示唆された。また、図8から明らかなように、ホスファチジン酸投与群(PA)では、血清総コレステロールが著しく低下していた。そこで、このSHCラット血清を用いてLCAT(Lecithin-Cholesterol Acyltronsferase)活性の測定を行った。この酵素はリン脂質および血清や組織中の遊離コレステロールを基質としコレステロールエステルとする。生成したコレステロールエステルは生体内のHDLの作用を受け、肝臓で異化代謝の過程をへて体外に排泄される。LCAT活性の測定は長崎及び赤沼らの方法(長崎敏秀、赤沼安夫、生化学、46,551,1974.)に従って行った。その結果を図10に示した。図10から明らかなように、ホスファチジン酸の投与によって、血清LCAT活性が上昇した。すなわちホスファチジン酸の投与は、内因性のコレステロール合成が上昇するSHCラットに対して、LCATを活性化し、これによって生成するコレステロールエステルをHDLの作用を基にして代謝後、体外へ排泄していることが示唆された。なお、ホスファチジン酸の血清コレステロール低下作用は本発明者らによって初めて見い出されたものである。 【0014】 【表2】
【0015】実施例1分離大豆タンパク質にホスファチジン酸ナトリウムを1.5%添加し、その粉体1gを食べた時の食感について評価した。評価は男女各10人(年齢23〜40)に行なわせた。その結果を下記〔表3〕に示す。 【0016】 【表3】
【0017】実施例2下記〔表4〕に示す組成でホットケーキミックスを作製し、食用油(大豆トリグリセリド)を用いて調理後の食感について評価した。評価は男女各10人(年齢23〜40)に行なわせた。その結果を下記〔表5〕に示す。 【0018】 【表4】
【0019】 【表5】
【0020】 【発明の効果】本発明の血清中性脂質代謝または血清コレステロール代謝改善食品は、油脂を添加することなく食感が改善され、かつ血清中性脂質代謝または血清コレステロール代謝を改善する作用が強化された、植物性タンパク質を含む食品である。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000000918 【氏名又は名称】花王株式会社
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| 【出願日】 |
平成7年(1995)6月16日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】羽鳥 修 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開平9−206 |
| 【公開日】 |
平成9年(1997)1月7日 |
| 【出願番号】 |
特願平7−150687 |
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