トップ :: A 生活必需品 :: A23 食品または食料品;他のクラスに包含されないそれらの処理




【発明の名称】 機能性低カロリー甘味料
【発明者】 【氏名】岩崎 圓市

【氏名】富永 滋

【氏名】平山 匡男

【氏名】小平 明洋

【目的】 低カロリーであってビフィズス菌増殖促進作用、整腸作用、難う蝕性等の優れた生理効果を有し、且つ吸湿性、流動性等の点で満足できる顆粒状乃至粉末状の機能性低カロリー甘味料を提供することである。
【構成】 結晶ケストースと低カロリー甘味料の1種又は2種以上との混合物からなり、顆粒状乃至粉末状の機能性低カロリー甘味料である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 結晶ケストースと低カロリー甘味料の1種又は2種以上との混合物からなり、顆粒状乃至粉末状であることを特徴とする機能性低カロリー甘味料。
【請求項2】 結晶ケストースと低カロリー甘味料の混合物中の結晶ケストースの含有量が、少なくとも1重量%である請求項1に記載の機能性低カロリー甘味料。
【請求項3】 結晶ケストースの純度が、90%以上である請求項1又は2に記載の機能性低カロリー甘味料。
【請求項4】 低カロリー甘味料が、ラフィノース、エリスリトール、パラチニット、マルチトール、ステビア、ソーマチン、アスパルテーム、グリチルリチン、サッカリンNaである請求項1又は2に記載の機能性低カロリー甘味料。
【発明の詳細な説明】【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、砂糖が使われている食品等に使用することができる低カロリー甘味料に関するものであり、特に、フラクトオリゴ糖の機能性と砂糖に近似した物性を有し、且つ低カロリーの甘味料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、食生活が豊かになり、飽食の時代と呼ばれるまでになっている。このことに伴い、肥満の増加が大きな社会問題となっている。肥満は美容上好ましくないことであるだけでなく、心臓疾患、動脈硬化、糖尿病等の各種の成人病の原因となる場合が多い。このような背景の中で、健康志向の観点から、低カロリーの甘味料が開発されている。例えば、低カロリーでしかもオリゴ糖の機能性を有する甘味料として、フラクトオリゴ糖とステビアとを特定割合で混合してなる粉末状の甘味料が提案されている(特開平2−283258号公報)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】肥満の原因の大部分は、カロリーの過剰摂取に起因している。肥満の有効な予防や治療の基本となるものは、摂取カロリーを低減することである。しかしながら、単にカロリーの摂取量を減らすだけのダイエット志向の食事は、強い空腹感を伴うために、これを長期間継続することは難しい。このため、主要なカロリー源の一つであり、且つ調理上重要な甘味料である砂糖の摂取量をどのように減らすか、あるいは砂糖に替えて低カロリーでしかも砂糖に比べて遜色のない呈味性を有する甘味料を開発することが、大きな課題となっている。
【0004】一方、オリゴ糖は腸内でのビフィズス菌増殖促進作用、整腸作用、難う蝕性等の優れた生理効果を有することから、食品分野における新しい機能性甘味料の一つとして注目されている。現在商品化されているオリゴ糖は、原料の糖や複数のオリゴ糖の混合物であり、シロップ状もしくは非晶質の粉末状のものが多い。そして、一般に食品素材として扱う場合には、粉末状のものが有利であるが、オリゴ糖の粉末は吸湿性、流動性等の点で満足できるものは得られていない。また、前記のフラクトオリゴ糖とステビアとを特定割合で混合してなる粉末状の甘味料も、フラクトオリゴ糖の含有量が99.97〜99.0重量%であり、吸湿性、流動性等の点で満足できるものではない。そこで低カロリーで且つオリゴ糖の機能性を有し、しかも砂糖に近似した物性を有する粉末状の甘味料の開発が望まれている。
【0005】本発明は、甘味料に関する上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、低カロリーであってビフィズス菌増殖促進作用、整腸作用、難う蝕性等の優れた生理効果を有し、且つ吸湿性、流動性等の点で満足できる顆粒状乃至粉末状の機能性低カロリー甘味料を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明者らは、上記の課題を解決するべく鋭意研究を重ねた結果、結晶ケストースが、上記のオリゴ糖と同様に腸内でのビフィズス菌増殖促進作用等の優れた生理効果を有し、且つ吸湿性がなく砂糖に近似した物性を有するものであることに着目した。
【0007】本発明は上記の着想に基づくものであり、前記の課題を解決する手段として、結晶ケストースと低カロリー甘味料の1種又は2種以上との混合物からなり、顆粒状乃至粉末状であることを特徴とする機能性低カロリー甘味料としたものである。
【0008】フラクトオリゴ糖は、ショ糖のフラクトース残基に1〜3分子のフラクトースが結合した糖の混合物である。ケストースはこの中で1分子のフラクトースが結合した3糖類であり、いわゆる1−ケストースのことをいう。そして、ケストースは、2分子のフラクトースが結合したニストース、3分子が結合した1F−フラクトフラノシルニストースと同様に、腸内でのビフィズス菌増殖促進作用、整腸作用、難う蝕性等の優れた生理効果を有することが知られている。
【0009】上記のような混合物であるフラクトオリゴ糖の粉末は、アモルファス形態の粉末であるために吸湿性があり、湿気を嫌う食品、例えば粉末甘味料、インスタントスープ、粉末ジュース等の長期保存を前提とする食品にそのままの形で使用することは不都合である。
【0010】そこで、本発明においては吸湿性がなく、砂糖に近似した物性を有する純度の高い結晶ケストースを用いることに着目したものである。本発明で用いる結晶ケストースの純度は、90%以上であればよく、特に、純度94%以上の結晶ケストースが好ましい。純度が90%未満であると、ニストースや1F−フラクトフラノシルニストース等を含有する割合が多くなり、砂糖に近似した物性を保てなくなるからである。
【0011】本発明に用いる低カロリー甘味料としては、ラフィノース、エリスリトール、パラチニット、マルチトール、ステビア、ソーマチン、アスパルテーム、グリチルリチン、サッカリンNa等が挙げられる。しかしながら、低カロリー甘味料は上記のものに限られるものではない。即ち、本発明に係る甘味料の物性や作用、効果を損なうことがないものであれば使用することができる。そして、これらの低カロリー甘味料の1種又は2種以上を、結晶ケストースと混合することにより、砂糖に近似した物性を有し、また砂糖と比べて遜色のない呈味性を有し、しかも低カロリーで且つオリゴ糖の機能性を有する顆粒状乃至粉末状の甘味料が得られる。
【0012】次に、本発明における結晶ケストースと低カロリー甘味料の混合物中の結晶ケストースの含有割合は、少なくとも1重量%であることが必要である。1重量%未満では、結晶ケストース本来の作用、効果が発揮されなくなるからである。そして、1重量%以上であれば、甘味料の用途あるいは混合する低カロリー甘味料の種類及び混合物の甘味度並びにその物性等を考慮して適宜に増減することができる。
【0013】本発明に係る顆粒状乃至粉末状の機能性低カロリー甘味料は、砂糖に近似した物性を有するため、砂糖が使われているいかなる食品にも使用することができる。そして、甘味度、カロリー、食品の種類等に応じて、砂糖の代替あるいはその一部代替として適宜使用すればよい。さらに、家庭用調味料あるいはコーヒー、紅茶用として常時使用すれば、その作用、効果は顕著なものとなる。
【0014】
【実施例】本発明に係る顆粒状乃至粉末状の機能性低カロリー甘味料の実施例を以下に説明する。実施例に用いた結晶ケストースは、純度95%のものである。また、低カロリー甘味料としては、ショ糖(日本甜菜製糖 グラニュー糖HA)、ラフィノース(明治製菓 ビートオリゴC)、エリスリトール(日研化学)、パラチニット(三井製糖)、マルチトール(東和化成工業)、ステビア(丸善製薬 αG−スイート)、ソーマチン(三栄源エフ・エフ・アイ サンスイート)、アスパルテーム(味の素)、グリチルリチン(丸善製薬)、サッカリンNa(守田化学工業)を用いた。
【0015】上記の低カロリー甘味料の1種以上を、結晶ケストースと種々の割合で混合したものの甘味度とカロリーを表1に示す。なお、比較のためにショ糖100%とケストース100%の例も示した。表1から明らかなように、これらの甘味料は、ショ糖100%に比べ大幅にカロリーを低減することができた。また、これらの機能性低カロリー甘味料は、吸湿性がなく流動性の点でも満足できるものである。
【0016】
【表1】

(注)カロリーの単位はKcal/g【0017】
【発明の効果】本発明は、結晶ケストースと低カロリー甘味料の1種又は2種以上との混合物からなる顆粒状乃至粉末状の機能性低カロリー甘味料であるが、本発明によれば、低カロリーで且つオリゴ糖の機能性を有し、吸湿性がなく、砂糖に近似した物性を有する顆粒状乃至粉末状の甘味料を提供することができ、吸湿性がないので、湿気を嫌う食品の添加物としての利用も期待される。そして、無理なく摂取カロリーの低減を図ることができて、腸内でのビフィズス菌増殖促進や便通の改善を図ることができるので、肥満の解消や防止あるいは健康の増進に寄与することができるという優れた効果を奏する。
【出願人】 【識別番号】000006091
【氏名又は名称】明治製菓株式会社
【出願日】 平成7年(1995)6月23日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】佐々木 功 (外1名)
【公開番号】 特開平9−199
【公開日】 平成9年(1997)1月7日
【出願番号】 特願平7−157431