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【発明の名称】 多重衛星中継器の制御方法
【発明者】 【氏名】ロバート エイ. ウィーデマン

【氏名】ポール エイ. モント

【氏名】ステファン エス. カーター

【氏名】ウィリアム エイムズ

【目的】
【構成】
【特許請求の範囲】
【請求項1】 低地球軌道に配列される低地球軌道衛星であって各々が1の地上局の視野にある任意の時刻において特定の仰角に位置する複数の低地球軌道衛星を介して通信トラフィックを割り当てる通信トラフィック制御方法であって、前記地上局からの通信リンクを受信する受信機と、ユーザ端末に通信リンクを送信する送信機と、ユーザ端末からの通信リンクを受信する受信機と、前記地上局に通信リンクを送信する送信機とを前記衛星の各々に設ける行程と、サービス要求に応答して、仰角が最大の衛星を新しい通信リンクに割り当てることができるか否かを判定する判定行程と、仰角が最大の衛星を新しい通信リンクに割り当てることができる場合は、新しい通信リンクを仰角が最大の衛星に割り当てる割当行程と、仰角が最大の衛星を新しい通信リンクに割り当てることができない場合は、仰角が最大角よりも小なる衛星を新しい通信リンクに割り当てることができるか否かを判定する判定行程と、仰角が最大角よりも小なる衛星を新しい通信リンクに割り当てることができる場合は、新しい通信リンクを仰角が最大角よりも小なる衛星に割り当てる割当行程と、を有することを特徴とする通信トラフィック制御方法。
【請求項2】 前記判定行程の各々は、前記衛星に既に割り当てられている通信リンクが所定最大数に達しているか否かを判定する行程を含むことを特徴とする請求項1記載の通信トラフィック制御方法。
【請求項3】 前記判定行程の各々は、前記衛星が最大ピーク磁束密度に相当する電力レベルで送信を行っているか否かを判定する行程を含むことを特徴とする請求項1記載の通信トラフィック制御方法。
【請求項4】 衛星の各々は地球に対して複数のビームを送信し、前記判定行程の各々は、新たな通信リンクに割り当てられる予定のビームが最大所定電力レベルで動作しているか否かを判定する行程を含むことを特徴とする請求項1記載の通信トラフィック制御方法。
【請求項5】 衛星の各々は地球に対して複数のビームを伝送し、前記判定行程の各々は、新たな通信リンクに割り当てられる予定のビームが最大ピーク磁束密度に相当する電力レベルで送信を行っているか否かを判定する行程を含むことを特徴とする請求項1記載の通信トラフィック制御方法。
【請求項6】 割当行程の各々は、前記通信リンクを対応するユーザ端末にてダイバーシチ受信モードで動作すべきか否かを判定する判定行程と、前記通信リンクを対応するユーザ端末にてダイバーシチ受信モードで動作せしめる場合は、新たな通信リンクに仰角が2番目に大きい衛星の少なくとも1つを割り当てることができるか否かを判定する判定行程と、新たな通信リンクに仰角が2番目に大きい衛星の少なくとも1つを割り当てることができる場合、通信リンクを仰角が2番目に大きい衛星にも割り当てて通信リンクを少なくとも2つの衛星を介して同時に設ける行程と、をさらに有することを特徴とする請求項1記載の通信トラフィック制御方法。
【請求項7】 ユーザ端末にてサービス要求を発する行程を含むことを特徴とする請求項1記載の通信トラフィック制御方法。
【請求項8】 地上局を介してサービス要求を発する行程を含むことを特徴とする請求項1記載の通信トラフィック制御方法。
【請求項9】 低地球軌道に配列される低地球軌道衛星であって各々が1の地上局の視野にある任意の時刻において特定の仰角に位置する複数の低地球軌道衛星のうちの1つの衛星から他の衛星に通信リンクをハンドオフする通信リンク制御方法であって、前記地上局からの通信リンクを受信する受信機と、ユーザ端末に通信リンクを送信する送信機と、ユーザ端末からの通信リンクを受信する受信機と、前記地上局に通信リンクを送信する送信機とを前記衛星の各々に設ける行程と、ハンドオフ要求に応答して、仰角が最大の衛星を新しい通信リンクに割り当てることができるか否かを判定する判定行程と、仰角が最大の衛星を新しい通信リンクに割り当てることができる場合は、新しい通信リンクとしてのハンドオフ通信リンクを仰角が最大の衛星に割り当てる割当行程と、仰角が最大の衛星を新しい通信リンクに割り当てることができない場合は、仰角が最大角よりも小なる衛星を新しい通信リンクに割り当てることができるか否かを判定する判定行程と、仰角が最大角よりも小なる衛星を新しい通信リンクに割り当てることができる場合は、新しい通信リンクとしてのハンドオフ通信リンクを仰角が最大角よりも小なる衛星に割り当てる割当行程と、を有することを特徴とする通信リンク制御方法。
【請求項10】 前記判定行程の各々は、前記衛星に既に割り当てられている通信リンクが所定最大数に達しているか否かを判定する行程を含むことを特徴とする請求項9記載の通信リンク制御方法。
【請求項11】 前記判定行程の各々は、前記衛星が最大ピーク磁束密度に相当する電力レベルで送信しているか否かを判定する行程を含むことを特徴とする請求項9記載の通信リンク制御方法。
【請求項12】 衛星の各々は地球に対して複数のビームを送信し、前記判定行程の各々は、新たな通信リンクに割り当てられる予定のビームが最大所定電力レベルで動作しているか否かを判定する行程を含むことを特徴とする請求項9記載の通信リンク制御方法。
【請求項13】 衛星の各々は地球に対して複数のビームを伝送し、前記判定行程の各々は、新たな通信リンクが割り当てられる予定のビームが最大ピーク磁束密度に相当する電力レベルで送信を行っているか否かを判定する行程を含むことを特徴とする請求項9記載の通信リンク制御方法。
【請求項14】 前記割当行程の各々は、前記ハンドオフ通信リンクを対応するユーザ端末にてダイバーシチ受信モードで動作させるべきか否かを判定する判定行程と、前記ハンドオフ通信リンクを対応するユーザ端末にてダイバーシチ受信モードで動作せしめる場合、仰角が2番目に大きい衛星の少なくとも1つを新たな通信リンクに割り当てることができるか否かを判定する判定行程と、仰角が2番目に大きい衛星の少なくとも1つを新たな通信リンクに割り当てることができる場合は、ハンドオフ通信リンクを仰角が2番目に大きい衛星にも割り当ててハンドオフ通信リンクを少なくとも2つの衛星を介して同時に設ける行程と、をさらに含むことを特徴とする請求項9記載の通信リンク制御方法。
【請求項15】 少なくとも1つの地上局からの複数の通信フィーダリンクを受信する手段、及び受信したフィーダリンクを地上に位置するユーザ端末の複数に送信する手段を各々が有して低地球軌道に配列された複数の低地球軌道衛星と、前記通信フィーダリンクを前記衛星の少なくとも1つに送信する手段、及び前記通信フィーダリンクを地上に位置する電気通信システムに接続する手段を含む地上局の少なくとも1つと、を有する通信システムであって、前記衛星の各々は、前記地上局の視野にある任意の時刻において特定の仰角に位置し、通信リンクを設けるサービス要求に反応して、仰角が最大の衛星を新たな通信リンクに割り当てることができるか否かを判定して、仰角が最大の衛星を新たな通信リンクに割り当てることができる場合は新たな通信リンクを仰角が最大の衛星に割り当てる判定手段をさらに有し、前記判定手段は、仰角が最大の衛星を新たな通信リンクに割り当てることができない場合は、仰角が最大角よりも小なる衛星を新たな通信リンクに割り当てることができるか否かを判定し、仰角が最大角よりも小なる衛星を新たな通信リンクに割り当てることができる場合は、新たな通信リンクを仰角が最大角よりも小なる衛星に割り当てることを特徴とする通信システム。
【請求項16】 データリンクを介して前記地上局と双方向に接続される通信システム制御手段をさらに有し、前記判定手段は、前記データリンクを介して受信される情報の少なくとも一部に基づいて1つの衛星に既に割り当てられている通信リンクが所定最大数に達しているか否かを判定することを特徴とする請求項15記載の通信システム。
【請求項17】 データリンクを介して前記地上局と双方向に接続される通信システム制御手段をさらに有し、前記判定手段は、前記データリンクを介して受信される情報の少なくとも一部分に基づいて最大ピーク磁束密度に相当する電力レベルで1つの衛星が送信を行っているか否かを判定することを特徴とする請求項15記載の通信システム。
【請求項18】 各衛星は地球に複数のビームを伝送し、データリンクを介して前記地上局と双方向に接続される通信システム制御手段をさらに有し、前記判定手段は、新たな通信リンクに割り当てられる予定のビームが、前記データリンクを介して受信される情報の少なくとも一部に基づいて最大所定電力レベルで動作しているか否かを判定することを特徴とする請求項15記載の通信システム。
【請求項19】 各衛星は地球に複数のビームを伝送し、データリンクを介して前記地上局と双方向に接続される通信システム制御手段をさらに有し、前記判定手段は、新たな通信リンクに割り当てられる予定のビームが、最大ピーク磁束密度に相当する電力レベルで送信を行っているか否かを判定することを特徴とする請求項15記載の通信システム。
【請求項20】 前記判定手段は、前記通信リンクを対応するユーザ端末にてダイバーシチ受信モードで動作させるべきか否かを判定し、ダイバーシチ受信モードで動作させる場合は仰角が2番目に大きい衛星を新たな通信リンクに割り当てることができるか否かを判定し、仰角が2番目に大きい衛星を新たな通信リンクに割り当てることができる場合は通信リンクを仰角が2番目に大きい衛星に割り当てて少なくとも2つの衛星を介して通信リンクを同時に設ける手段をさらに有することを特徴とする請求項15記載の通信システム。
【請求項21】 低地球軌道に配列されるとともに各々が1の地上局の視野にある任意の時刻において特定の仰角に位置する複数の低地球軌道衛星を介して通信トラフィックを割り当てる通信トラフィック制御方法であって、前記地上局からのスペクトラム拡散通信リンクを受信する受信機と、ユーザ端末にスペクトラム拡散通信リンクを送信する送信機と、ユーザ端末からのスペクトラム拡散通信リンクを受信する受信機と、前記地上局にスペクトラム拡散通信リンクを送信する送信機とを前記衛星の各々に設ける行程と、新たなスペクトラム拡散通信リンクを設けるサービス要求に応答して、前記地上局の視野にある衛星のうち仰角が最大である衛星から順番に他の通信リンクに割り当てることができるか否かを判定していく行程と、新たな通信リンクを少なくとも2つの衛星に割り当てる行程と、を有することを特徴とする通信トラフィック制御方法。
【請求項22】 低地球軌道に配列されるとともに各々が1の地上局の視野にある任意の時刻において特定の仰角に位置する複数の低地球軌道衛星を介して通信トラフィックを割り当てる通信トラフィック制御方法であって、前記地上局からのスペクトラム拡散通信リンクを受信する受信機と、ユーザ端末にスペクトラム拡散通信リンクを送信する送信機と、ユーザ端末からのスペクトラム拡散通信リンクを受信する受信機と、前記地上局にスペクトラム拡散通信リンクを送信する送信機とを前記衛星の各々に設ける行程と、既存の通信リンクをハンドオフする要求に応答して、前記地上局の視野にある衛星のうち仰角が最大である衛星から順番に他の通信リンクに割り当てることができるか否かを判定していく行程と、ハンドオフ通信リンクを少なくとも2つの衛星に割り当てる行程と、を有することを特徴とする通信トラフィック制御方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、中継器を含む通信システムに関する。
【0002】
【従来の技術】衛星を含む通信システムは、例えば1994年4月12日に特許となり「無線電話・衛星移動システム(Wireless Telephone/Satellite Roaming System )」の名称を有する米国特許第5,303,286号などの多数の米国特許や、外国特許、さらには様々な刊行物により周知である。
【0003】
【課題を解決するための手段】本発明は、通信システムと、低地球軌道に配列された複数の低地球軌道衛星を介して通信トラフィックを割り当てるために通信システムによって実行される方法とに関する。各衛星は、1の地上局の視野にある任意の時刻において特定の仰角に位置している。本発明の方法は、(a)地上局からの通信リンクを受信する受信機と、ユーザ端末に受信した通信リンクを送信する送信機とを、衛星の各々に設ける行程と、(b)サービス要求に応答して、仰角が最大の衛星を新しい通信リンクに割り当てることができるか否かを判定する判定行程と、(c)仰角が最大の衛星を新しい通信リンクに割り当てることができる場合は、新しい通信リンクを仰角が最大の衛星に割り当てる割当行程と、(d)仰角が最大の衛星を新しい通信リンクに割り当てることができない場合は、仰角が2番目に大きい衛星を新しい通信リンクに割り当てることができるか否かを判定する判定行程と、(e)仰角が2番目に大きい衛星を新しい通信リンクに割り当てることができる場合は、新しい通信リンクを仰角が2番目に大きい衛星に割り当てる割当行程と、からなる。または、複数の衛星が、通信リンクをユーザ端末に送信するために使用される。
【0004】1つの衛星を新たな通信リンクに割り当てることができるか否かを判定する際に、多数の判定基準が用いられる。例えば、判定行程の各々は、関係する衛星に割り当てられている通信リンクが既に所定最大数に達しているか否かを判定する行程を含む。また、例えば、判定行程の各々は、関係する衛星が、地上での最大ピーク磁束密度に相当する電力レベルで送信を行っているか否かを判定する行程を含む。さらに、例えば、ある衛星がその衛星のピーク送信電力で送信を行っているか否かが判定される。所定期間内にユーザ及びゲートウェイの両方の視野にある衛星が存在するか否かに基づいて、さらなる判定が行われる。
【0005】本発明の好ましい実施例において、各衛星は、地球に複数のビームを送信する。故に、本発明の好ましい実施例において、判定行程の各々は、新たな通信リンクに割り当てられる予定のビームが、最大所定電力レベルで動作しているか否か、または最大ピーク磁束密度に相当する電力レベルで送信を行っているか否かを判定する行程を含んでいる。
【0006】新たな通信やハンドオフ通信を割り当てるときに、上述の判定基準を組み合わせて使用することもできる。本発明の好ましい実施例において、割当行程の各々は、(i)通信リンクを対応するユーザ端末にてダイバーシチ受信モードで動作させるべきか否かを判定する行程と、(ii)通信リンクを対応するユーザ端末にてダイバーシチ受信モードで動作させる場合、仰角が2番目に大きい衛星を新たな通信リンクに割り当てられることができるか否かを判定する行程と、(iii )仰角が2番目に大きい衛星を新たな通信リンクに割り当てることができる場合、通信リンクを仰角が2番目に大きい衛星に割り当てて少なくとも2つの衛星を経由して通信リンクを同時に設ける行程と、をさらに含んでいる。
【0007】
【実施例】本発明の特徴を、添付図面を参照しながら以下の本発明の詳細な説明に基づきより明らかにする。図1に、本発明の好ましい実施例での使用に適した衛星通信システム10の好ましい実施例を一例として示す。本発明を詳細に説明する前に、本発明をより完全に理解するために、通信システム10の説明を最初に行うものである。
【0008】通信システム10は、概念的に、複数のセグメント1,2,3,4に分割される。セグメント1は宇宙セグメントであり、セグメント2はユーザセグメントであり、セグメント3は地上(または地球)セグメントであり、セグメント4は電話システム基盤セグメント4、または電話システム支援セグメント4となっている。
【0009】本発明の好ましい実施例において、例えば1414kmの低地球軌道(以下、LEOと称す)に全部で48の衛星が低地球軌道衛星として存在する。衛星12は8つの軌道面に分布しており、1軌道面当たり6つの衛星が等間隔に配置されている。すなわち、48の衛星は、ウォーカー配列(Walker constellation)を採っている。この軌道面は、赤道に対して52度傾斜しており、各衛星は、114分毎に1回軌道を周回する。これによって、ほぼ地球全体をサービスエリア、すなわち有効範囲とすることができ、好ましくは、南緯70度と北緯70度との間に位置するユーザの1人に対して、任意の時刻にユーザの視野には少なくとも2つの衛星が存在している。このように、ユーザは、地上局としてのゲートウェイ(以下、GWと称す)18内のサービスエリア内の地上の任意の一地点と、地上の他の地点と、の間で、1つまたは複数のゲートウェイ18と1つまたは複数の衛星12とを経由して、場合によっては電話基盤セグメント4も使用して、さらにはPSTNを介して、通信を行うことができる。
【0010】なお、システム10の上記記載は、本発明の実施例が見いだされる通信システムの適切な実施例を表したにすぎない。すなわち、上述の通信システムの詳細によって、本発明は限定されるものではない。システム10の説明を続けると、衛星12の間や各衛星によって伝送される16のスポットビーム(図4参照)の各々の間でのソフト転送(すなわち、ハンドオフ)処理によって、スペクトラム拡散(以下、SSと称す)技術や符号分割多元接続(以下、CDMAと称す)技術を介して非破壊の通信が行われる。様々なスペクトラム拡散CDMA(以下、SS−CDMAと称す)技術やプロトコルを用いることができるが、好ましいSS−CDMA技術は、TIA/EIA暫定標準「2重モード広域スペクトラム拡散セルラシステムの移動局を含む局互換性標準(Mobile Station-Base Station Compatibility Standard for Dual-Mode Wideband Spread Spectrum Cellular System )」TIA/EIA/IS−95(1993年7月)と似ている。
【0011】低地球軌道によって、低電力固定型ユーザ端末や低電力移動ユーザ端末13は、衛星12を経由して通信を行うことができる。なお、本発明において、「固定型(fixed )」とは、移動自在ではなく、一地点から移動不能な状態に、すなわち固定状態に設置されていることと同義に用いるものである。これらの衛星12の各々は、本発明の好ましい実施例において、「折曲パイプ(bent pipe )」型中継器としてのみ機能し、ユーザ端末13やゲートウェイ18からの音声やデータなどの通信トラフィック信号(communications traffic signal )を受信し、受信した通信トラフィック信号を他の周波数帯域に変換し、次に、変換された信号を再び送信している。すなわち、受信した通信トラフィック信号に対して、衛星での信号処理は行われず、衛星12は、通信トラフィック信号が送受信されて搬送されていることを少しも認識していないのである。
【0012】さらに、衛星12間の直接通信リンクを必要としない。すなわち、衛星12の各々は、ユーザセグメント2に位置する送信機や地上セグメント3に位置する送信機だけから信号を受信し、ユーザセグメント2に位置する受信機や地上セグメント3に位置する受信機のみに信号を送信している。ユーザセグメント2には、衛星12との通信に適した複数種類のユーザ端末13が含まれている。ユーザ端末13には、例えば、携帯移動無線電話機14、車載の移動無線電話機15、ページング及びメッセージングタイプの装置16や固定型無線電話機14aなどを含む複数の様々な種類の固定型ユーザ端末や移動ユーザ端末が含まれる。なお、かかる固定型ユーザ端末及び移動ユーザ端末は、各種電話機14,14a,15,16に限定されるものではない。ユーザ端末13には、好ましくは、1つまたは複数の衛星12を介して双方向に通信を行うために全方向性アンテナ13aが備えられている。
【0013】なお、固定型無線電話機14aは、方向性アンテナを使用することもできる。これによって、干渉が低減され、その結果、1つまたは複数の衛星12によって同時にサービスを行うことのできるユーザの数を増やすことができる。さらに、ユーザ端末13は、2重使用装置であり、従来と同様な方法で地上のセルラシステムとも通信を行うことのできる回路を含んでいる。
【0014】図3を参照すると、ユーザ端末13は、全2重モードで動作でき、例えばアップリンク、すなわちリターンリンク17bとしてのLバンドRFリンクを経由してリターン衛星トランスポンダ12aを介して通信を行うことができ、さらに、ダウンリンク、すなわち順方向リンク17aとしてのSバンドRFリンクを経由して順方向衛星トランスポンダ12bを介して通信を行うことができる。リターンLバンドRFリンク17bは、1.61GHzから1.625GHzまでの帯域幅16.5MHzの周波数帯域内で動作し、スペクトラム拡散技術によりパケット化ディジタル音声信号やディジタル信号によって変調されている。順方向SバンドRFリンク17aは、2.485GHzから2.5GHzまでの帯域幅16.5MHzの周波数帯域内で動作する。順方向RFリンク17aも、ゲートウェイ18にて、スペクトラム拡散技術によりパケット化ディジタル音声信号やディジタル信号によって変調されている。
【0015】順方向リンクの16.5MHzの帯域は、13チャネルに分割され、例えば1チャネル毎に最多128のユーザが割り当てられる。リターンリンクは、様々な帯域を有し、ユーザ端末13は、順方向リンクに割り当てられたチャネルとは別のチャネルに割り当てられたり、割り当てられなかったりする。しかしながら、リターンリンクにおいて2つ以上の衛星12から受信するダイバーシチ受信モードで動作するとき、ユーザは、各衛星に対して同一の順方向及びリターンリンクRFチャネルに割り当てられる。
【0016】地上セグメント3は、少なくとも1つのゲートウェイ18を含む。なお、多くの場合、地上セグメント3は複数のゲートウェイ18を含む。ゲートウェイ18は、例えば、3GHzより高い周波数範囲内で、好ましくはCバンド内で動作する全2重CバンドRFリンク19を介して衛星12と通信を行う。図1において、ゲートウェイ18は、衛星に向かう順方向リンク19aと衛星からのリターンリンク19bとを介して、衛星12と通信を行う。CバンドRFリンクは、通信フィーダリンクを双方向に運び、衛星に対して衛星コマンドを運び、衛星からはテレメトリ情報を運ぶ。順方向フィーダリンク19aは、5GHzから5.25GHzまでの帯域内で動作するが、リターンフィーダリンク19bは、6.875GHzから7.075GHzまでの帯域内で動作する。
【0017】衛星フィーダリンクアンテナ12g,12hは、好ましくは、LEO衛星12から見える地上のサービスエリアを最大に仕切る広域カバレッジアンテナである。通信システム10の好ましい実施例において、地上からの仰角を10度と仮定した場合、1のLEO衛星12が境界を仕切る角度は、およそ110度である。これによって、直径がおよそ5793.48km(3600マイル)となるサービスエリアが生成される。
【0018】Lバンドアンテナ及びSバンドアンテナは、対応する地上のサービス領域内に有効範囲を形成するマルチビームアンテナである。Lバンドアンテナ12c及びSバンドアンテナ12dは、好ましくは、図4に示すように、ビームパターンがほぼ一致している。すなわち、これは、宇宙船からの送信ビーム及び受信ビームが地上の同一領域をカバーしていることを示す。しかし、これは、システム10の動作に対して特に大切なことではない。
【0019】例えば、数千の全2重通信が、1つの衛星12を介して行われる。システム10の特徴により、2つ以上の衛星12が、1つのユーザ端末13と1つのゲートウェイ18との間の通信を同時に伝送している。この動作モードは、後述するように、フェージングに対する耐性を増大させつつソフトハンドオフ処理の実行を容易としながらも、各受信機でのダイバーシチ合成を考慮しているのである。
【0020】なお、周波数と、帯域と、本発明にて説明された周波数及び帯域の全ては、1つのシステムを表すためのものにすぎない。他の周波数や周波数帯域を、議論されている原理に何の変化ももたらさずに使用することができる。一例として、ゲートウェイと衛星との間のフィーダリンクは、およそ3GHzから7GHzまでのCバンド以外の他の帯域や、例えばおよそ10GHzから15GHzまでのKuバンドや、15GHzよりも高周波数のKaバンドなどの帯域の周波数を使用することもできる。
【0021】ゲートウェイ18は、衛星12の通信機器やトランスポンダ12a,12b(図3参照)を電話基盤セグメント4に接続するように機能する。トランスポンダ12a,12bは、Lバンド受信アンテナ12cと、Sバンド送信アンテナ12dと、Cバンド電力増幅器12eと、Cバンド低雑音増幅器12fと、Cバンドアンテナ12g,12hと、LバンドからCバンドへの周波数変換領域12iと、CバンドからSバンドへの周波数変換領域12jと、を含む。さらに、衛星12は、マスター周波数発生器12kと、コマンド及びテレメトリ装置12lとを含む。
【0022】電話基盤セグメント4は、既存の電話システムからなり、公有地移動網(Public Land Mobile Network:以下、PLMNと称す)ゲートウェイ20と、地域公衆電話網(regional public telephone networks:以下、RPTNと称す)22や他のローカル電話サービスプロバイダなどのローカル電話交換局と、国内長距離ネットワーク24と、国際ネットワーク26と、私設ネットワーク28と、その他のRPTN30と、を含む。通信システム10は、ユーザセグメント2と、電話基盤セグメント4の公衆交換電話網(以下、PSTNと称す)の電話機32と、PSTNには無い電話機32と、私設ネットワークにある様々なタイプのユーザ端末と、の間で、双方向の音声通信やデータ通信を行うように動作する。
【0023】図1及び図5に示すように、地上セグメント3の一部として、衛星動作制御センター(Satellite Operations Control Center :以下、SOCCと称す)36と、地上動作制御センター(Ground Operations Control Center:以下、GOCCと称す)38とが存在する。地上データ網(Ground Data Network :GDN)39を含む通信路(図2参照)は、地上セグメント3のゲートウェイ18及びテレメトリ及びコマンドユニット(以下、TCUと称す)18aと、SOCC36及びGOCC38とを相互に接続するために設けられている。通信システム10のこの部分によって、全システム制御機能が構成される。
【0024】図2に、ゲートウェイ18を詳細に示す。各ゲートウェイ18は、最大4つの2重偏波RF・Cバンド補助システム、すなわち2重偏波RF・Cバンドサブシステムを含む。各2重偏波RF・Cバンド補助システムは、パラボラアンテナ40と、アンテナ駆動部42と、ペデスタル42aと、低雑音受信機44と、高電力増幅器46とからなる。これらの部品は、全てレドーム構造の内部に配置されて、周囲の環境から保護されている。
【0025】ゲートウェイ18は、受信RF搬送波信号を処理するダウンコンバータ48と、送信RF搬送波信号を処理するアップコンバータ50とを含む。ダウンコンバータ48及びアップコンバータ50は、CDMA補助システム52、すなわちCDMAサブシステム52に接続されている。CDMA補助システム52は、公衆交換電話ネットワーク(以下、PSTNと称す)にPSTNインターフェース54を介して接続されている。また、衛星対衛星リンクが使用される場合、PSTNは無視されることがある。
【0026】CDMA補助システム52は、信号加算器及びスイッチユニット52aと、ゲートウェイトランシーバ補助システム(以下、GTSと称す)52bと、GTSコントローラ52cと、CDMA相互接続補助システム(以下、CISと称す)52dと、セレクタバンク補助システム(Selector Bank Subsystem :以下、SBSと称す)52eとを含む。CDMA補助システム52は、基地局管理部(Base Station Manager: 以下、BSMと称す)52fによって制御され、例えばIS−95互換性などのCDMA互換性を有する基地局と同じように機能する。CDMA補助システム52も、所望の周波数合成器52gとグローバルポジショニングシステム(Global Positioning System:以下、GPSと称す)受信機52hとを含む。
【0027】PSTNインターフェース54は、PSTNサービス交換ポイント(以下、SSPと称す)54aと、電話制御プロセッサ(以下、CCPと称す)54bと、ビジターロケーションレジスタ(Visitor Location Register:以下、VLRと称す)54cと、ホームロケーションレジスタ(Home Location Register: 以下、HLRと称す)へのプロトコルインターフェース54dとを含む。HLRは、セルラゲートウェイ20(図1参照)やPSTNインターフェース54内部に配置されている。
【0028】ゲートウェイ18は、SSP54aによって形成される標準インターフェースを経由して電気通信網、すなわちテレコミュニケーションネットワークに接続されている。ゲートウェイ18は、1次レートインターフェース(Primary Rate Interface: 以下、PRIと称す)を介してPSTNとインターフェースをとって、PSTNと接続している。さらに、ゲートウェイ18は、移動交換センター(Mobile Switching Center:以下、MSCと称す)と直に接続せしめられるようになっている。
【0029】ゲートウェイ18は、SS−7・ISDN固定信号をCCP54bに供給する。このインターフェースのゲートウェイ側では、CCP54bは、CIS52dとインターフェースをとって、CDMA補助システム52とインターフェースをとっている。CCP54bは、システムエアインターフェース(system Air Interface:以下、AIと称す)に対してプロトコル転送機能を提供する。かかるAIは、CDMA通信のIS−95暫定標準と似ている。
【0030】ブロック54c,54dは、通常ゲートウェイ18と外部のセルラ電話網との間のインターフェースをとる。このインターフェースは、例えばIS−41(北アメリカ標準、AMPS)セルラシステムや、GSM(欧州標準、MAP)セルラシステムと互換性を有し、特に、電話のホームシステムから外れたところから電話を使用するユーザを扱う方法に対して互換性を有する。ゲートウェイ18は、システム10対AMPS電話、及びシステム10対GSM電話に対して、ユーザ端末の認証を支援する。既存の電気通信基盤が無いサービス領域では、HLRが、ゲートウェイ18に加えられて、SS−7信号方式インターフェースとのインターフェースがとられる。
【0031】通常のサービス領域から電話をかけているユーザは、確認されるとシステム10によって取り込まれる。ユーザは、どの領域にいても、同一の端末装置を使用して、世界中のどこからでも電話をかけることができ、必要なプロトコルの変換がゲートウェイ18によって行われる。例えばGSMからAMPSへの変換が不要のとき、プロトコルインターフェース54dは無視される。
【0032】GSM移動交換センタに固有の「A」インターフェースや、IS−41移動交換センタに対するベンダ対オーナ(vendor-proprietary)インターフェースに加えて、またはかかるインターフェースの替わりに、セルラゲートウェイ20に対して専用の汎用(universal )インターフェースを設けることも、本発明に含まれる。図1に示すように、PSTN−INTと記された信号路のように、PSTNに直接インターフェースを設けることも、本発明に含まれる。
【0033】ゲートウェイ全体の制御は、ゲートウェイコントローラ56によって行われる。ゲートウェイコントローラ56は、上述の地上データネットワーク(以下、GDNと称す)39へのインターフェース56aと、サービスプロバイダ制御センタ(以下、SPCCと称す)60へのインターフェース56bとを含む。ゲートウェイコントローラ56は、通常、BSM52fを介して、さらにはアンテナ40の各々に接続されたRFコントローラ43を介して、ゲートウェイ18と相互に接続されている。さらに、ゲートウェイコントローラ56は、ユーザのデータベースや衛星エフェメリスデータなどのデータベース62に接続され、また、I/Oユニット64にも接続されている。なお、このI/Oユニット64は、ゲートウェイコントローラ56とアクセスするパーソナルサービスを可能とするものであり、ディスプレイやキーボードなどを有する。GDN39も、テレメトリ及びコマンド(以下、T&Cと称す)ユニット66に対して双方向にインターフェースをとっている(図1及び図5参照)。
【0034】図5を参照すると、GOCC38の機能は、ゲートウェイ18による衛星の使用を計画して制御することであり、この衛星の使用をSOCC36に対して調整することである。通常、GOCC38は、傾向を解析し、トラフィック計画を生成し、電力やチャネルなどのシステム資源や衛星12の割り当てを行い、システム10全体の性能を監視し、リアルタイムで、または前もって、使用指示をゲートウェイ18にGDN39を介して送っている。なお、システム資源は、電力やチャネルに限定されるものではない。
【0035】SOCC36は、他の機能に加えて、軌道を維持するとともに監視し、ゲートウェイに衛星使用情報を中継してGDN39を介してGOCC38に入力せしめ、衛星のバッテリ状態を含む各衛星12の機能全体を監視し、衛星12内のRF信号路に対する利得を設定し、地表に対する衛星の姿勢を最適とするように動作する。
【0036】上述の如く、各ゲートウェイ18は、信号伝送(signalling)と、音声やデータの通信との両者のために、ユーザをPSTNに接続したり、または、請求を目的としてデータベース62(図2参照)を介してデータを生成したりする。選択されたゲートウェイ18は、テレメトリ及びコマンドユニット(以下、TCUと称す)18aを含み、リターンリンク19bにおいて衛星12によって送信されるテレメトリデータを受信するとともに、順方向リンク19aを介してコマンドを衛星12まで送信する。GDN39は、ゲートウェイ18と、GOCC38と、SOCC36と、を相互に接続するように動作する。
【0037】通常、LEO配列の衛星12の各々は、Cバンド順方向リンク19aからSバンド順方向リンク17aへと情報をゲートウェイ18からユーザに中継し、また、Lバンドリターンリンク17bからCバンドリターンリンク19bへと情報をユーザからゲートウェイ18に中継する。この情報は、電力制御信号に加え、SS−CDMA同期チャネルとSS−CDMAページングチャネルとを含む。様々なCDMAパイロットチャネルも、順方向リンクでの干渉をモニタするために使用される。衛星エフェメリス更新データも、衛星12を介してゲートウェイ18からユーザ端末13の各々に向けて通信される。衛星12も、アクセス指令や電力変化指令、登録指令を含む信号方式情報をユーザ端末13からゲートウェイ18に中継する。衛星12も、ユーザとゲートウェイ18との間の通信信号を中継したり、未登録者や未登録端末による使用を軽減するための防護手段を備えることもできる。
【0038】動作時において、衛星12は、衛星の動作状態の測定値を含む宇宙船テレメトリデータを送信する。衛星からのテレメトリストリームと、SOCC36からのコマンドと、通信フィーダリンク19とは、全てCバンドアンテナ12g,12hを共有する。TCU18aを含むゲートウェイ18に対して、受信された衛星テレメトリデータは、SOCC36に直ちに送られ、または、一旦保存されて後になって、大抵はSOCCの指令によってSOCC36に送られる。テレメトリデータは、どのように送られようとも、パケットメッセージとしてGDN39を介して送られる。なお、パケットメッセージの各々は、単一の小テレメトリフレーム(minor telemetry frame )を含んでいる。複数のSOCC36が衛星の支援を行う場合は、テレメトリデータは全てのSOCCに送られる。
【0039】SOCC36は、GOCC38とのインターフェース機能を複数有する。第1のインターフェース機能は、軌道位置情報であり、各ゲートウェイ18が自身の視界にある衛星の最大4つを正確に追跡できるように、SOCC36は、GOCC38に軌道情報を提供する。このデータは、ゲートウェイ18が周知のアルゴリズムを使用して衛星交信リストを明らかにすることができる程度のデータ表を含んでいる。SOCC36は、ゲートウェイの追跡計画を知るためには不要である。TCU18aは、ダウンリンクテレメトリ帯域を捜して、コマンドを伝える前に、各アンテナによって追跡されている衛星を確認するのみである。
【0040】第2のインターフェース機能は、SOCC36からGOCC38に報告される衛星状態情報である。衛星状態情報は、衛星やトランスポンダの可用性(availablity )と、バッテリの状態と、軌道情報とを含み、通信のために衛星12の全部または一部の使用を妨げる衛星関係の制限を含んでいる。システム10の重要な概念は、ゲートウェイの受信機やユーザ端末の受信機でのダイバーシチ合成とともにSS−CDMAを使用することである。ダイバーシチ合成が用いられて、信号が長さが異なる複数の伝送路を介して複数の衛星からユーザ端末13やゲートウェイ18に到着したときのフェージングの影響を少なくしている。ユーザ端末13やゲートウェイ18においてレイク受信機が用いられて、複数の信号源からの信号を受信して合成している。例えば、ユーザ端末13やゲートウェイ18は、衛星12のマルチビームを介して同時に送信され受信される順方向リンク信号やリターンリンク信号に対してダイバーシチ合成を行っている。連続ダイバーシチ受信モードの性能は、1つの衛星中継器を介して1つの信号を受信するモードの性能よりも優れており、さらに、受信信号に悪影響をもたらす木や障害物からの遮蔽や妨害によりリンクが失われる通信の中断が無いのである。
【0041】1つのゲートウェイ18のマルチ方向性アンテナ40は、ユーザ端末13におけるダイバーシチ合成を支援するために、1つまたは複数の衛星12の様々なビームを介して、ゲートウェイからユーザ端末への順方向リンク信号を送信することができる。ユーザ端末13の全方向性アンテナ13aは、ユーザ端末13の視野にある衛星ビームの全てを経由して送信を行う。
【0042】各ゲートウェイ18は、送信機の電力制御機能を支援して低速フェード(slowfades)にアドレスせしめ、さらにブロックインターリーブも支援して媒体を高速フェード(fast fades)にアドレスせしめる。電力制御は、順方向リンクと逆方向リンクとの両方で行われる。電力制御機能の応答時間は、最悪30m秒の衛星周回の遅延引きはずし(satellite round trip delay)に適応するように調整される。
【0043】ブロックインターリーブ回路(53d,53e,53f、図6参照)は、ボコーダ(音声符号化・復号化器)53gのパケットフレームに関係するブロック長において動作する。最適インターリーブ長は、より長いものに交換されるので、終端間遅延(end-to-end delay)は増大するが、エラー訂正は向上する。好ましい最大終端間遅延は、150ミリ秒であり、またはそれよりも短い。この遅延は、ダイバーシチ合成器によって行われる受信された信号アライメントによる遅延と、ボコーダ53gの処理遅延と、ブロックインターリーブ回路53d〜53fの遅延と、CDMA補助システム52の一部を構成する図示せぬビタビデコーダの遅延とを含む全遅延を含む。
【0044】図6に、図2のCDMA補助システム52の順方向リンク変調部のブロック図を示す。加算器ブロック53aの出力部は、周波数アジィルアップコンバータ(frequency agile up-convertor)53bに信号を送り、アップコンバータ53bは、加算器及びスイッチブロック52aに信号を送る。テレメトリ及び制御(以下、T&Cと称す)情報も、ブロック52aに入力される。
【0045】無変調直接シーケンスSSパイロットチャネルは、所望のビットレートで全てゼロからなるウォルシュコードを生成する。このデータストリームは、様々なゲートウェイ18や衛星12から信号を分離するために使用される短PNコード(short PN code )と合成される。パイロットチャネルは、使用される場合、短コードに加えられた2を法とし、次に、CDMA・FD・RFチャネル帯域においてQPSK拡散されたりBPSK拡散される。次に示す様々な疑似雑音(PN)コードオフセットが提供される。すなわち、(a)ユーザ端末13がゲートウェイ18の1つを確認するためのPNコードオフセットと、(b)ユーザ端末13が衛星12の1つを確認するためのPNコードオフセットと、(c)ユーザ端末13が衛星12から伝送される16のビームのうちの1つを確認するためのPNコードオフセットとである。様々な衛星12からのパイロットPNコードは、同一のパイロットシード(seed)PNコードとは異なる時間オフセットや位相オフセットに割り当てられる。
【0046】ゲートウェイ18によって伝送されるパイロットチャネルの各々は、使用される場合、他の信号よりも高い電力レベルで、または低い電力レベルで伝送される。パイロットチャネルによって、ユーザ端末13は、順方向CDMAチャネルのタイミングを捕捉し、コヒーレントな復調のために位相基準を形成し、信号強度の比較を行ってハンドオフを開始する時を判定する機構を備えることができる。しかしながら、パイロットチャネルの使用は強制ではなく、他の技術を使用することもできる。
【0047】同期チャネルは、次に示す情報、すなわち、(a)時刻と、(b)伝送を行っているゲートウェイの身元と、(c)衛星エフェメリスと、(d)割り当てられたページングチャネルとに関する情報を含むデータストリームを生成する。同期データは、畳み込み符号器53hに供給され、ここで、データは、畳み込み符号化され、次にブロックインターリーブされて高速フェードを減らす。生じたデータストリームは、同期ウォルシュコードに加算された2を法とし、CDMA・FD・RFチャネル帯域においてQPSK拡散されたり、またはBPSK拡散されたりする。
【0048】ページングチャネルは、畳み込み符号器53iに供給され、ここで、ページングチャネルは畳み込み符号化されてブロックインターリーブされる。生成されたデータストリームは、長コード発生器53jの出力と合成される。長PNコードは、様々なユーザ端末13の帯域を分離するために使用される。ページングチャネルと長コードとは、シンボルカバーに加算された2を法とし、ここで、生成された信号はウォルシュコードに加算された2を法としている。次に、この結果は、CDMA・FD・RFチャネル帯域においてQPSK拡散されたりBPSK拡散されたりする。
【0049】一般に、ページングチャネルは、(a)システムパラメータメッセージ、(b)アクセスパラメータメッセージ、(c)CDMAチャネルリストメッセージを含む複数のメッセージを伝達する。システムパラメータメッセージは、ページングチャネルの構成と、位置決めパラメータと、捕捉を支援するパラメータとを含む。アクセスパラメータメッセージは、アクセスチャネルの構成とアクセスチャネルデータレートとを含む。CDMAチャネルリストメッセージは、使用される場合、対応するパイロットの身元と割り当てられたウォルシュコードとを運ぶ。
【0050】ボコーダ53kは、音声を符号化してPCM順方向トラフィックデータストリームを生成する。順方向トラフィックデータストリームは、畳み込み符号器53lに供給され、畳み込み符号器53lにおいて、データストリームは畳み込み符号化されてブロック53fにてブロックインターリーブされる。生成されたデータストリームは、ユーザの長コードブロック53kの出力と合成される。ユーザの長コードは、様々な加入者チャネルを分離するために使用される。次に、生じたデータストリームは、マルチプレクサ(以下、MUXと称す)53mにおいて電力制御され、ウォルシュコードに加算された2を法とし、CDMA・FD・RF通信チャネル帯域においてQPSK拡散されたりまたはBPSK拡散される。
【0051】ゲートウェイ18は、CDMAリターンリンクを復調するように動作する。リターンリンクに対して異なる2つのコード、すなわち、(a)ゼロのオフセットコードと、(b)長コードと、が存在する。これらのコードは、異なる2種類のリターンリンクCDMAチャネル、すなわち、アクセスチャネルとリターントラフィックチャネルとによって使用される。
【0052】アクセスチャネルに対して、ゲートウェイ18は、アクセスを要求するアクセスチャネルにてバーストを受信して復調する。アクセスチャネルメッセージは、比較的小量のデータが続く長プリアンブルにおいて具体的になる。プリアンブルは、ユーザ端末の長PNコードである。各ユーザ端末13は、単一の時間によって生成される唯一の長PNコードを共通のPN発生器の多項式へとオフセットする。
【0053】アクセス要求を受信した後、ゲートウェイ18は、アクセス要求の受信を承認するとともにウォルシュコードをユーザ端末13に割り当ててトラフィックチャネルを設けながら、順方向リンクページングチャネル(ブロック53e,53i,53j)上でメッセージを送る。ゲートウェイ18も周波数チャネルをユーザ端末13に割り当てる。ユーザ端末13とゲートウェイ18とは、共に割り当てられたチャネル素子に切り替わって、割り当てられたウォルシュ(拡散)コードを使用しながら2重通信を開始する。
【0054】リターントラフィックチャネルは、ローカルデータソースやユーザ端末のボコーダからのディジタルデータを畳み込み符号化することによって、ユーザ端末13にて生成される。次に、データは、所定間隔毎にブロックインターリーブされて、128−Ary変調器及びデータバーストランダム化器(randomizer)に供給されてクラッシュ(clashing)を減らす。次に、データは、ゼロのオフセットPNコードに加算されて、1つまたは複数の衛星12を介してゲートウェイ18に伝送される。
【0055】ゲートウェイ18は、例えば高速ハダマード変換(FHT)を使用してリターンリンクを処理することによって、128−Aryウォルシュコードを復調し、復調された情報をダイバーシチ合成器に供給する。このように、通信システム10の好ましい実施例を記載した。次に、本発明の好ましい実施例を記載する。
【0056】図7に、本発明を説明する際に有効なシステム構成図を示す。上記システム構成要素も図7において符号が付されている。符号18,18’が付された2つのゲートウェイ18は、3つの衛星12を経由して送信を行うように示されている。衛星のうち、仰角が最大となる衛星に符号12が付され、仰角が2番目に大となる衛星に符号12’が付され、仰角が最小の衛星に符号12”が付されている。
【0057】第1の順方向リンクが、周波数決定ユニット43によって設けられ、このユニット43は、ゲートウェイ18の送信アンテナ40a,40b,40cを介して衛星12,12’,12”に単一の通信信号を同一周波数で送信する。衛星12,12’,12”は、受信した信号を中継して同一周波数でユーザ端末13に送信する。衛星12,12’,12”は、互いに近接していないので、ユーザ端末13に到達するダウンリンク伝送の各々は、伝送時間が異なるとともに、被るマルチパス遅延も異なっている。ユーザ端末13内のダイバーシチ合成器は、復調された受信信号を合成して、目的の信号をユーザに送る。
【0058】第2の順方向リンクが、周波数測定ユニット43’によって設けられ、このユニット43’は、第2乃至第Nゲートウェイ18の送信アンテナ40a,40bを介して衛星12’,12”までに単一の通信信号を同一周波数で送信する。衛星12’,12”は、受信された信号を中継して、同一周波数でユーザ端末13’に送信する。衛星12’,12”は、互いに近接していないので、ダウンリンク伝送の各々は、様々なマルチパス遅延でユーザ端末13’に到達する。ユーザ端末13’内のダイバーシチ合成器は、復調された受信信号を合成し、目的の信号をユーザに送る。
【0059】周波数決定ユニット43,43’の各々は、対応するコントローラ56,56’の制御の下に、後述する方法により、アップリンク伝送をそれぞれ送る。なお、衛星12は、各軌道において地上を通過するので、衛星12の相対仰角は、1つのゲートウェイ18から観察した場合、互いに変化するものである。また、2つのゲートウェイ18,18’は、互いに百または千kmのオーダで離れているものである。
【0060】多数のユーザが各ゲートウェイ18と接続されている。さらに、衛星の配列によって、ユーザ及びゲートウェイの視界に同時に複数の衛星が入る。一般的に、通信は、ユーザを視野にある衛星のうちで仰角が最大の衛星、すなわち本実施例においては衛星12へとロードせしめると、最も効率が良くなる。しかし、視野に入っている衛星のうちユーザ端末13,13’が置かれている大陸の上に無い衛星があるかもしれないが、遮蔽や妨害による影響を減らすために、できる限り多数の衛星を経由して伝送を行うことが必要である。
【0061】送信されたスペクトルは、複数の周波数分割(以下、FDと称す)セグメントに分割される。各セグメントは、特定のゲートウェイ18と対応しており、全ての衛星ビームに存在したり、または衛星ビームに必ずしも存在するものではない。衛星12のローディングの制御は、後述する方法に基づいて行われ、この方法は、好ましくはGOCC38の内部に存在するマスターコントローラによって行われる。また、この方法は、GDN58を介してゲートウェイ18のコントローラ56に送られる。さらに、この方法は、GOCC38から受信した情報も用いて、ゲートウェイ18によっても実行される。目標は、衛星12をロードするために、システム資源の割り当てを行い、ゲートウェイ18の視野にある衛星をロードし過ぎないようにすることである。本発明の方法のうち、1つの方法はリアルタイムやほぼリアルタイムで動作するが、他の方法は予測モードで実行される。
【0062】なお、GOCC38は、各衛星の全送信電力を認識しており、衛星のローディングの全制御を行い、全ゲートウェイ18と衛星12との間に設けられたリンクの数に関する記録を維持している。図8において、例えばゲートウェイ18,18’の視野に3つの衛星12,12’,12”が存在していると仮定した場合、サービス要求がゲートウェイ18,18’の一方に対して行われる(ブロックA)。1つのユーザ端末13と通信リンクを設ける需要に応答して、サービス要求が行われる。または、衛星から既に設けられているリンクを他の衛星にハンドオフするために、サービス要求が発せられる。
【0063】ブロックBにおいて、仰角が最大の衛星が通信トラフィックに完全にロードされているか否かの判定が行われる。ブロックBにて仰角が最大の衛星が通信トラフィックに完全にロードされていれば、すなわち「YES」であれば、ブロックCにて、仰角が2番目に大きい衛星が通信トラフィックに完全にロードされているか否かの判定が行われる。ブロックCにて仰角が2番目に大きい衛星が通信トラフィックに完全にロードされていれば、すなわち「YES」であれば、ブロックDにて、仰角が最小の衛星が通信トラフィックに完全にロードされているか否かの判定が行われる。ブロックDにて仰角が最小の衛星が通信トラフィックに完全にロードされていれば、すなわち「YES」であれば、ブロックEにて、ゲートウェイ18の視野にある衛星の全てが完全にロードされているので、ユーザに衛星は割り当てない。
【0064】ブロックBにて仰角が最大の衛星が通信トラフィックに完全にロードされていなければ、すなわち「NO」であれば、ユーザは最大仰角の衛星12に割り当てられ、故に1つの衛星を経由した通信リンクが設けられる。フェージングの影響を減らすためにダイバーシチ受信が必要であることが思い出されて、ブロックGにて、ダイバーシチ受信をユーザに対して行うべきか否かの判定が行われる。ブロックGにてダイバーシチ受信を行わない場合、すなわち「NO」であれば、単一の通信リンクのみが維持されて、図8のアルゴリズムは終了する。ブロックGにてダイバーシチ受信を行う場合、すなわち「YES」であれば、次にブロックCに移行して、仰角が2番目に大きい衛星が完全にロードされているか否かの判定が行われる。
【0065】ブロックCにて仰角が2番目に大きい衛星が完全にロードされていなければ、すなわち「NO」であれば、ブロックHにおいて、ブロックBから入ってきた場合はユーザに対して仰角が2番目に大きい衛星12’が割り当てられ、ブロックGから入ってきた場合はユーザに対して仰角が2番目に大きい衛星12’も割り当てられる。
【0066】ブロックIにて、ダイバーシチ受信をユーザに対して行うべきか否か、または、ユーザに対して既に少なくとも1つの衛星が割り当てられている場合においてもさらなるダイバーシチ受信を行うべきか否かの判定が行われる。ブロックIにて判定が否定、すなわち「NO」であれば、図8のアルゴリズムは終了する。ブロックIにて判定が肯定、すなわち「YES」であれば、次に、ブロックDに移行して、仰角が最小の衛星が完全にロードされているか否かの判定が行われる。
【0067】ブロックDにて仰角が最小の衛星が完全にロードされていなければ、すなわち「NO」であれば、ブロックCから来た場合は、ユーザに対して仰角が最小の衛星12”が割り当てられ、ブロックIから来た場合は、ユーザに対して仰角が最小の衛星12”も割り当てられる。ブロックG,Iでの特定のユーザの通信をダイバーシチ受信で行うか否かに関する判定は、実際のシステムローディングや、例えば次のn分間に亘る所定期間の予測システムローディングなどの多数の判定基準に基づいている。例えば、ピーク通信トラフィック期間の間、ダイバーシチモードを行わないことが要求され、または、ダイバーシチモードでも例えば2つの衛星のみの使用が要求される。
【0068】ブロックB,C,Dにて行われる判定も、様々な多数の判定基準に基づいている。例えば、1つの判定基準は、衛星が実際に中継している通信リンクが所定の最大数に達しているか否かに基づいている。衛星が中継している通信リンクが所定の最大数に達している、すなわち「YES」であれば、衛星は完全にロードされていると考えられる。
【0069】他の判定基準は、1つの衛星の全電力出力に基づいている。または、関連した別の判定基準は、地上で測定される例えば−154dBW/m2/4kHzの所定ピーク磁束密度(PFD)を越える電力レベルで1つの衛星ビームが動作しているか否かである。例えば、ある衛星は最大通信容量の75%で動作しているが、新たなユーザがサービスを要求しているビームや、ユーザをハンドオフするビームは、ビームからのRFエネルギが地上のPFD限界を上回るようなレベルとほぼ等しい電力レベルで動作している。この場合、衛星は完全にロードされていると考えられるので、ユーザは、2番目に仰角が大となる衛星に割り当てられる。
【0070】GOCC38は、現在のトラフィックローディングと今までのトラフィックローディングの記録とに基づいて、ある期間に亘る通信トラフィックローディングを予測する。この予測に基づいて、1つまたは複数のゲートウェイ18に対して、例えば次の5分間の間に1つまたは複数の衛星に新しいユーザの全てを割り当てるように指示を出すことができる。
【0071】スペクトラム拡散通信システムについて記載したが、本発明は、例えば時分割多元接続(TDMA)技術を使用する他の衛星通信システムに対しても適用させることができるものである。さらに、本発明は、他の低地球軌道衛星通信システムにも適用せしめることができるものである。このように、本発明の好ましい実施例について特に説明したが、当業者においては、本発明記載の請求項の範囲内で本発明の形態及び詳細に対して変化を与えることができるものと考えられる。
【出願人】 【識別番号】596028941
【氏名又は名称】グローバルスター エル. ピー.
【識別番号】596055198
【氏名又は名称】クウォリコム インコーポレイテッド
【出願日】 平成8年(1996)4月22日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】藤村 元彦
【公開番号】 特開平8−331030
【公開日】 平成8年(1996)12月13日
【出願番号】 特願平8−99773