| 【発明の名称】 |
無線中継装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】小野 ▲吉▼昭
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| 【目的】 |
本発明は、相対的に見通し領域外に隔たって位置する無線局の間に設置され、これらの無線局間に中継による無線伝送路を形成する無線中継装置に関し、容易かつ安価に保守および運用を行い、かつ無線周波数の有効利用をはかりつつ伝送品質を高めることを目的とする。 |
| 【構成】 |
第一の無線伝送路を介して到来する受信波を空間ダイバーシチあるいは角度ダイバーシチをはかりつつ受信する2つの受信アンテナ111 、112 と、2つの受信アンテナ111、112によって受信された受信波を取り込み、第一の無線伝送路に隣接する第二の無線伝送路に、これらの受信波を互いに交差偏波である第一の偏波および第二の偏波で並行して送信する2つの送信アンテナ131、132とを備えたて構成される。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 第一の無線伝送路を介して到来する受信波を空間ダイバーシチあるいは角度ダイバーシチをはかりつつ受信する2つの受信アンテナと、前記2つの受信アンテナによって受信された受信波を取り込み、前記第一の無線伝送路に隣接する第二の無線伝送路に、これらの受信波を互いに交差偏波である第一の偏波および第二の偏波で並行して送信する2つの送信アンテナとを備えたことを特徴とする無線中継装置。 【請求項2】 第一の無線伝送路の一端に配置され、第一の偏波による送信および受信に共用される送受信アンテナと、前記第一の無線伝送路の一端に配置されて前記送受信アンテナとの組み合わせにより空間ダイバーシチあるいは角度ダイバーシチをはかり、その無線伝送路を介して前記第一の偏波で到来する受信波を受信する受信アンテナと、前記第一の無線伝送路の一端に配置されて前記第一の偏波の交差偏波による送信に供される送信アンテナと、前記第一の無線伝送路に隣接する第二の無線伝送路の一端に配置されて互いに交差偏波である第二の偏波および第三の偏波について偏波共用され、その第二の偏波に対応した給電端が前記受信アンテナの給電端に接続された偏波共用アンテナと、前記偏波共用アンテナの給電端の内、前記第三の偏波に対応した給電端に対して、前記送受信アンテナの給電端と前記送信アンテナの給電端との間に分波路を形成する分波手段とを備えたことを特徴とする無線中継装置。 【請求項3】 第一の無線伝送路を介して互いに交差偏波である第一の偏波と第二の偏波とで到来する受信波を個別に受信する2つの受信アンテナと、前記2つの受信アンテナによって受信された受信波を取り込み、前記第一の無線伝送路に隣接する第二の無線伝送路に、これらの受信波を互いに交差偏波である第三の偏波と第四の偏波とで並行して送信する2つの送信アンテナとを備えたことを特徴とする無線中継装置。 【請求項4】 第一の無線伝送路を介して到来する受信波を空間ダイバーシチあるいは角度ダイバーシチをはかりつつ受信する2つの受信アンテナと、前記2つの受信アンテナによって受信された受信波を取り込み、これらの受信波に前記第一の無線伝送路の伝送方式に適応した合成受信法に基づく合成処理を施して単一の受信波を得る合成処理手段と、前記合成処理手段によって得られた単一の受信波を取り込み、前記第一の無線伝送路に隣接する第二の無線伝送路に、その受信波を互いに交差偏波である第一の偏波および第二の偏波で並行して送信する2つの送信アンテナとを備えたことを特徴とする無線中継装置。 【請求項5】 第一の無線伝送路の一端に配置されて第一の偏波による送信および受信に共用され、その送信および受信にかかわる個別の給電端を有する送受信アンテナと、前記第一の無線伝送路の一端に配置されて前記送受信アンテナとの組み合わせにより空間ダイバーシチあるいは角度ダイバーシチをはかり、その無線伝送路を介して前記第一の偏波で到来する受信波を受信する受信アンテナと、前記第一の無線伝送路の一端に配置されて前記第一の偏波の交差偏波による送信に供される送信アンテナと、前記第一の無線伝送路に隣接する第二の無線伝送路の一端に配置されて互いに交差偏波である第二の偏波および第三の偏波について偏波共用され、その第二の偏波について送信および受信にかかわる個別の給電端を有する偏波共用アンテナと、前記偏波共用アンテナの給電端の内、前記第二の偏波の受信にかかわる給電端と、前記送受信アンテナの送信にかかわる給電端と前記送信アンテナの給電端との間に分波路を形成する分波手段と、前記送受信アンテナを介して受信された受信波と、前記受信アンテナによって受信された受信波とに前記第一の無線伝送路の伝送方式に適応した合成受信法に基づく合成処理を施して単一の受信波を生成し、その受信波を前記偏波共用アンテナの給電端の内、前記第二の偏波の送信にかかわる給電端と前記第三の偏波に対応した給電端とに与える合成処理手段とを備えたことを特徴とする無線中継装置。 【請求項6】 第一の無線伝送路を介して互いに交差偏波である第一の偏波と第二の偏波とで到来する受信波を個別に受信する2つの受信アンテナと、前記2つの受信アンテナによって受信された受信波を取り込み、これらの受信波に前記第一の無線伝送路の伝送方式に適応した合成受信法に基づく合成処理を施して単一の受信波を得る合成処理手段と、前記合成処理手段によって得られた単一の受信波を取り込み、前記第一の無線伝送路に隣接する第二の無線伝送路に、その受信波を互いに交差偏波である第三の偏波と第四の偏波とで並行して送信する2つの送信アンテナとを備えたことを特徴とする無線中継装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、相対的に見通し領域外に隔たって位置する無線局の間に設置され、これらの無線局間に中継による無線伝送路を形成する無線中継装置に関する。 【0002】 【従来の技術】無線伝送路を介して結ばれるべき2つの無線局間に山岳、丘陵その他、無線伝送路の形成を阻むものが存在する場合には、一般に、その山岳や丘陵の上に無線中継局が設置される。特に、業務連絡に供される無線通信システムでは、後述するように簡易な構成の無線中継装置を設置することにより、保守および運用にかかわる作業の煩雑さやコストの増加が抑えられる。 【0003】図13は、従来の無線中継伝送システムの構成例(1)を示す図である。図において、中継局130は、図14に示すように、端局1311、1312の間に設置される。中継局130は、端局1311 の方向に主ローブの方向が設定されたアンテナ1321 と端局1312 の方向に主ローブの方向が設定されたアンテナ1322とを有し、これらのアンテナ1321、1322の給電端の間を直結することにより構成される。 【0004】端局1311 は、送信系13311、13312、受信系13411、13412、サーキュレータ13511、13512、13611、13612、1371 、終端器13811、13812およびアンテナ1391 から構成される。送信系13311の出力はサーキュレータ13511の第一の開口に接続され、そのサーキュレータの第二の開口はサーキュレータ13512の第一の開口に接続される。送信系13312の出力はサーキュレータ13512の第二の開口に接続され、そのサーキュレータの第三の開口はサーキュレータ1371 の第一の開口に接続される。サーキュレータ1371 の第二の開口はアンテナ1391 の給電端に接続され、サーキュレータ1371 の第三の開口はサーキュレータ13611の第一の開口に接続される。サーキュレータ13611の第二の開口は受信系13411の入力に接続され、サーキュレータ13611の第三の開口はサーキュレータ13612の第一の開口に接続される。サーキュレータ13612の第二の開口は受信系13412の入力に接続され、サーキュレータ13511、13612の第三の開口はそれぞれ終端器13811、13812を介して接地される。 【0005】端局1312 の構成については、端局1311 の構成と同じであるから、対応する個々の構成要素に第一の添え番号を「2」とする同じ符号を付与して示し、ここではその説明を省略する。このような構成の無線中継伝送システムでは、端局1311 において送信系13311、13312から出力された送信波は、サーキュレータ13511、13512およびサーキュレータ1371 を介してアンテナ1391 に給電され、中継局130に向けて送信される。 【0006】中継局130では、端局1311 から到来する受信波は、アンテナ1321 によって受信された後にアンテナ1322 に与えられ、端局1312 に向けて再送信(中継)される。 【0007】端局1312 では、アンテナ1392 は中継局130を介して端局1311 から到来する受信波を受信し、その受信波はサーキュレータ1372 、13621、13622を介して受信系13421、13422に与えられる。受信系13421、13422は、その受信波に予め決められた受信処理を施すことにより、例えば、伝送情報の復元や後続の無線中継区間に対する中継伝送を行う。 【0008】なお、端局1312 と端局1311 との間には中継局130を介して双方向に可逆的な無線中継伝送路が形成され、その無線中継伝送路を形成するために端局1312 で行われる送信動作と端局1311 で行われる受信動作とについては、上述した動作と同様であるから、ここではその説明を省略する。図15は、従来の無線中継伝送システムの構成例(2)を示す図である。 【0009】図において、図13に示すものと機能および構成が同じものについては、同じ符号を付与して示し、ここではその説明を省略する。図15に示す従来例と図13に示す従来例との構成の相違点は中継局130にあり、その中継局では、アンテナ1321 の給電端とアンテナ1322 の給電端とがそれぞれサーキュレータ1501、1502によって送信系列と受信系列とに分離される。その分離されたアンテナ1321 の受信系列とアンテナ1322 の送信系列との間には、直列に配置されたサーキュレータ15111、15112および終端器1521 によって分波器が形成され、その分波器の出力は端局1311における送信系13311、13312に対応した増幅器15311、15312の入力に個別に接続される。増幅器15311、15312の出力は、上述した分波器と同様にして構成された合波器を介してサーキュレータ1502 の開口の内、アンテナ1322 の送信系列に対応したものに接続される。なお、このような合成器については、サーキュレータ15111、15112および終端器1521 に個別に対応して設けられたサーキュレータ15411、15412および終端器1551 から構成される。 【0010】また、アンテナ1322 の受信系列とアンテナ1321 の送信系列との間については、同様にして可逆的な回路が構成されるので、対応する構成要素に第一の添え番号を「2」とする同じ符号を付与して示し、ここではその説明を省略する。このような構成の中継局130では、アンテナ1321、1322を介する中継に際して生じる伝送損失が、増幅器15311、15312、15321、15322の利得によって補償される。 【0011】したがって、図13に示す従来例に比較して伝送品質が高められ、中継局に対する端局1311、1312の相対距離を拡大したりこれらの中継局および端局の空中線系に要求される利得を低減することが可能である。 【0012】 【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従来例の内、図13に示すものでは、中継局130は、能動素子を含まずに構成されるために、特に電力の供給が不可能であったり地理的に辺鄙な所に容易に設置可能であるが、その中継局を介して端局に到来する受信波に中継に付随する損失分が補償されないために、伝送品質が低下し、ITU−Rの規格を満足した無線伝送を行うことができない場合があった。 【0013】また、図15に示す従来例では、中継局130が能動素子を含んで構成されるために駆動電力の供給が不可欠となり、例えば、太陽電池による電力の供給源が採用された場合には装置のハードウエア規模に併せて局舎等も必要となってコスト高であり、かつ狭小な山頂や保守に必要なアクセス道路の敷設が困難な孤島等には必ずしも適用できなかった。 【0014】しかし、近年、通信手段については通信形態の多様化とニーズの拡大とが要求され、中継局の設置場所にかかわる制約が少なく、かつ保守および運用にかかわるコストが削減可能であって信頼性が高い無線中継伝送システムが要望されていた。本発明は、容易かつ安価に保守および運用が行われ、かつ無線周波数の有効利用をはかりつつ伝送品質が高められる無線中継装置を提供することを目的とする。 【0015】 【課題を解決するための手段】図1は、請求項1に記載の発明の原理ブロック図である。請求項1に記載の発明は、第一の無線伝送路を介して到来する受信波を空間ダイバーシチあるいは角度ダイバーシチをはかりつつ受信する2つの受信アンテナ111 、112 と、2つの受信アンテナ111、112によって受信された受信波を取り込み、第一の無線伝送路に隣接する第二の無線伝送路に、これらの受信波を互いに交差偏波である第一の偏波および第二の偏波で並行して送信する2つの送信アンテナ131、132とを備えたことを特徴とする。 【0016】図2は、請求項2に記載の発明の原理ブロック図である。請求項2に記載の発明は、第一の無線伝送路の一端に配置され、第一の偏波による送信および受信に共用される送受信アンテナ21と、第一の無線伝送路の一端に配置されて送受信アンテナ21との組み合わせにより空間ダイバーシチあるいは角度ダイバーシチをはかり、その無線伝送路を介して第一の偏波で到来する受信波を受信する受信アンテナ22と、第一の無線伝送路の一端に配置されて第一の偏波の交差偏波による送信に供される送信アンテナ23と、第一の無線伝送路に隣接する第二の無線伝送路の一端に配置されて互いに交差偏波である第二の偏波および第三の偏波について偏波共用され、その第二の偏波に対応した給電端が受信アンテナ22の給電端に接続された偏波共用アンテナ24と、偏波共用アンテナ24の給電端の内、第三の偏波に対応した給電端に対して、送受信アンテナ21の給電端と送信アンテナ23の給電端との間に分波路を形成する分波手段25とを備えたことを特徴とする。 【0017】図3は、請求項3に記載の発明の原理ブロック図である。請求項3に記載の発明は、第一の無線伝送路を介して互いに交差偏波である第一の偏波と第二の偏波とで到来する受信波を個別に受信する2つの受信アンテナ311 、312 と、2つの受信アンテナ311、312によって受信された受信波を取り込み、第一の無線伝送路に隣接する第二の無線伝送路に、これらの受信波を互いに交差偏波である第三の偏波と第四の偏波とで並行して送信する2つの送信アンテナ331、332とを備えたことを特徴とする。 【0018】図4は、請求項4に記載の発明の原理ブロック図である。請求項4に記載の発明は、第一の無線伝送路を介して到来する受信波を空間ダイバーシチあるいは角度ダイバーシチをはかりつつ受信する2つの受信アンテナ111 、112 と、2つの受信アンテナ111、112によって受信された受信波を取り込み、これらの受信波に第一の無線伝送路の伝送方式に適応した合成受信法に基づく合成処理を施して単一の受信波を得る合成処理手段41と、合成処理手段41によって得られた単一の受信波を取り込み、第一の無線伝送路に隣接する第二の無線伝送路に、その受信波を互いに交差偏波である第一の偏波および第二の偏波で並行して送信する2つの送信アンテナ431 、432 とを備えたことを特徴とする。 【0019】図5は、請求項5に記載の発明の原理ブロック図である。請求項5に記載の発明は、第一の無線伝送路の一端に配置されて第一の偏波による送信および受信に共用され、その送信および受信にかかわる個別の給電端を有する送受信アンテナ51と、第一の無線伝送路の一端に配置されて送受信アンテナ51との組み合わせにより空間ダイバーシチあるいは角度ダイバーシチをはかり、その無線伝送路を介して第一の偏波で到来する受信波を受信する受信アンテナ52と、第一の無線伝送路の一端に配置されて第一の偏波の交差偏波による送信に供される送信アンテナ53と、第一の無線伝送路に隣接する第二の無線伝送路の一端に配置されて互いに交差偏波である第二の偏波および第三の偏波について偏波共用され、その第二の偏波について送信および受信にかかわる個別の給電端を有する偏波共用アンテナ54と、偏波共用アンテナ54の給電端の内、第二の偏波の受信にかかわる給電端と、送受信アンテナ51の送信にかかわる給電端と送信アンテナ23の給電端との間に分波路を形成する分波手段55と、送受信アンテナ51を介して受信された受信波と、受信アンテナ52によって受信された受信波とに第一の無線伝送路の伝送方式に適応した合成受信法に基づく合成処理を施して単一の受信波を生成し、その受信波を偏波共用アンテナの給電端の内、第二の偏波の送信にかかわる給電端と第三の偏波に対応した給電端とに与える合成処理手段56とを備えたことを特徴とする。 【0020】図6は、請求項6に記載の発明の原理ブロック図である。請求項6に記載の発明は、第一の無線伝送路を介して互いに交差偏波である第一の偏波と第二の偏波とで到来する受信波を個別に受信する2つの受信アンテナ311 、312 と、2つの受信アンテナ311、312によって受信された受信波を取り込み、これらの受信波に第一の無線伝送路の伝送方式に適応した合成受信法に基づく合成処理を施して単一の受信波を得る合成処理手段61と、合成処理手段61によって得られた単一の受信波を取り込み、第一の無線伝送路に隣接する第二の無線伝送路に、その受信波を互いに交差偏波である第三の偏波と第四の偏波とで並行して送信する2つの送信アンテナ631、632とを備えたことを特徴とする。 【0021】 【作用】請求項1に記載の発明にかかわる無線中継装置では、受信アンテナ111 、112 は第一の無線伝送路を介して到来する受信波を空間ダイバーシチあるいは角度ダイバーシチをはかりつつ並行して受信し、送信アンテナ131、132はこれらの受信波を互いに交差偏波である第一の偏波および第二の偏波で第二の無線伝送路に並行して送信する。 【0022】すなわち、中継すべき受信波の受信については受信アンテナ111、112によってダイバーシチがはかられ、かつ第二の無線伝送路にかかわる送信ついては交差偏波である2つの偏波によって偏波ダイバーシチがはかられるので、周波数ダイバーシチ方式を適用したり無線周波数の変換を行うことなく、簡単な構成のハードウエアにより第一の無線伝送路と第二の無線伝送路との間の中継伝送が良好な伝送品質で行われる。 【0023】請求項2に記載の発明にかかわる無線中継装置では、送受信アンテナ21および受信アンテナ22は、第一の無線伝送路を介して第一の偏波で到来する受信波を受信する。受信アンテナ22によって受信された受信波は偏波共用アンテナ24によって第二の無線伝送路に第二の偏波で送信され、かつ送受信アンテナ21によって受信された受信波は分波手段25および偏波共用アンテナ24を介して第二の無線伝送路に、第二の偏波の交差偏波である第三の偏波で送信される。 【0024】また、偏波共用アンテナ24は第二の無線伝送路から上述した第三の偏波で到来する受信波を受信し、その受信波は、分波手段25を介して送受信アンテナ21および送信アンテナ23から第一の偏波とその偏波の交差偏波とで並行して第一の無線伝送路に送信される。すなわち、第一の無線伝送路と第二の無線伝送路との間における双方向の中継伝送の過程では、第一の無線伝送路にかかわる受信については送受信アンテナ21と受信アンテナ22とによって空間ダイバーシチあるいは角度ダイバーシチがはかられ、第二の無線伝送路にかかわる送信については互いに交差偏波である第二の偏波および第三の偏波の適用の下で偏波ダイバーシチがはかられる。さらに、第二の無線伝送路にかかわる受信については上述した第三の偏波で行われ、第一の無線伝送路にかかわる送信については、送受信アンテナ21と送信アンテナ23とによって互いに交差偏波である2つ偏波が適用されて偏波ダイバーシチがはかられる。 【0025】したがって、第一の無線伝送路については送信および受信の双方にダイバーシチがはかられ、第二の無線伝送路については、伝送特性の変動分が許容される限りにおいて、偏波共用アンテナ24が分波手段25との組み合わせにより双方向の中継に共用されるので、所要アンテナの数が低減されて中継局の置局条件にかかわる制約が大幅に軽減される。 【0026】請求項3に記載の発明にかかわる無線中継装置では、受信アンテナ311 、312 は第一の無線伝送路を介して互いに交差偏波である第一の偏波および第二の偏波で並行して到来する受信波を個別に受信し、送信アンテナ331、332はこれらの受信波を互いに交差偏波である第三の偏波および第四の偏波で第二の無線伝送路に並行して送信する。 【0027】すなわち、第一の無線伝送路にかかわる受信については受信アンテナ311 、312 によって偏波ダイバーシチがはかられ、かつ第二の無線伝送路にかかわる送信ついても同様にして偏波ダイバーシチがはかられるので、周波数ダイバーシチ方式を適用したり無線周波数の変換を行うことなく、簡単な構成のハードウエアにより第一の無線伝送路と第二の無線伝送路との間の中継伝送が良好な伝送品質で行われる。 【0028】請求項4に記載の発明にかかわる無線中継装置では、合成処理手段41は、受信アンテナ111、112によって空間ダイバーシチあるいは角度ダイバーシチがはかられつつ第一の無線伝送路から受信された受信波に、その無線伝送路の伝送方式に適応した合成受信法に基づく合成処理を施すことにより単一の受信波を得る。送信アンテナ431、432は、このような単一の受信波を互いに交差偏波である第一の偏波および第二の偏波で第二の無線伝送路に並行して送信する。 【0029】すなわち、第一の無線伝送路から受信された受信波は、その無線伝送路の伝送特性の変動によって生じた伝送品質の劣化分が一旦上述した合成受信法によって改善された後に第二の無線伝送路に送信されるので、第一の無線伝送路と第二の無線伝送とにおける伝送品質の劣化分の累積は請求項1に記載の無線中継装置に比べて低減される。 【0030】請求項5に記載の発明にかかわる無線中継装置では、送受信アンテナ51および受信アンテナ52は、第一の無線伝送路について空間ダイバーシチあるいは角度ダイバーシチをはかりつつその無線伝送路から到来する受信波を受信する。合成手段56は、このようにして受信された受信波に第一の無線伝送路の伝送方式に適応した合成受信法に基づく合成処理を施して単一の受信波を生成し、偏波共用アンテナ54はその単一の受信波を互いに交差偏波である第二の偏波および第三の偏波で第二の無線伝送路に並行して送信する。 【0031】また、偏波共用アンテナ54は第二の無線伝送路から上述した第二の偏波で到来する受信波を受信し、分波手段55はその受信波を送受信アンテナ51および送信アンテナ53を介して第一の無線伝送路に並行して送信する。このような第一の無線伝送路と第二の無線伝送路との間における双方向の中継伝送の過程では、第一の無線伝送路にかかわる受信については空間ダイバーシチあるいは角度ダイバーシチがはかられ、第一の無線伝送路および第二の無線伝送路にかかわる送信については共に偏波ダイバーシチがはかられる。 【0032】さらに、第一の無線伝送路から受信された受信波については、上述した合成処理の下でその無線伝送路で生じた伝送品質の劣化分が一旦改善されるので、請求項2に記載の発明にかかわる無線中継装置と同様にして、双方向の中継に要するアンテナの搭載数が低減されて中継局の置局条件にかかわる制約が大幅に軽減されると共に、第一の無線伝送路と第二の無線伝送とにおける伝送品質の劣化分の累積が低減される。 【0033】請求項6に記載の発明にかかわる無線中継装置では、受信アンテナ311 、312 は互いに交差偏波である第一の偏波と第二の偏波とで第一の無線伝送路を介して到来する受信波を個別に受信し、合成処理手段61は、その受信された受信波に第一の無線伝送路の伝送方式に適応した合成受信法に基づく合成処理を施して単一の受信波を得る。送信アンテナ631、632は、このような単一の受信波を互いに交差偏波である第三の偏波および第四の偏波で第二の無線伝送路に並行して送信する。 【0034】すなわち、第一の無線伝送路から受信された受信波は、その無線伝送路の伝送特性の変動によって生じた伝送品質の劣化分が一旦上述した合成受信法によって改善された後に第二の無線伝送路に送信されるので、第一の無線伝送路と第二の無線伝送とにおける伝送品質の劣化分の累積は請求項3に記載の無線中継装置に比べて低減される。 【0035】 【実施例】図面に基づいて本発明の実施例について詳細に説明する。図7は、請求項1に記載の発明に対応した第一の実施例を示す図である。図において、図13に示すものと機能および構成が同じものについては、同じ符号を付与して示し、ここではその説明を省略する。 【0036】本実施例と図13に示す従来例との構成の相違点は、端局1311 に代えて備えられた端局701、702と中継局130に代えて備えられた中継局73とにある。端局701 では、アンテナ1391 に代えて偏波共用アンテナ711 が備えられ、そのアンテナの垂直偏波に対応した給電端にはサーキュレータ1371Vの第二の開口が接続され、受信系13411、13412(以下では、垂直偏波に対応するので、それぞれの符号を「13411V」、「13412V」と添え文字「V」を付して示す。)に併せて、これらの受信系が受信する受信波の偏波の交差偏波である水平偏波に対応した受信系13411H、13412Hが備えられる。これらの受信系13411H、13412Hの入力と偏波共用アンテナ711 の水平偏波に対応した給電端との間には、サーキュレータ1371 、13611、13612(以下では、垂直偏波に対応するので、それぞれの符号を「1371V」、「13611V」 、「13612V」 と添え文字「V」を付して示す。)によって形成される垂直偏波の受信波の分波器と同様の分波器が、サーキュレータ1371H、13611H 、13612Hによって形成される。受信系13411V、13412V、13411H、13412H の後段には、異偏波識別部7211V、7212V、7211H、7212Hがそれぞれ備えられる。 【0037】なお、端局702 の構成については、端局701 の構成と同じであるから、対応する個々の構成要素の符号には第一の添え番号として「2」を付加し、ここではその説明を省略する。中継局73では、アンテナ1321、1322に代えてそれぞれ垂直偏波のアンテナ741、742が備えられ、端局701、702に設置されたアンテナ711 、712 の方向に主ローブの方向が設定された偏波共用アンテナ751、752が備えられる。偏波共用アンテナ751 の垂直偏波と水平偏波とに対応した給電点は、それぞれ偏波共用アンテナ752 の水平偏波と垂直偏波とに対応した給電点に直結される。 【0038】なお、本実施例と図1に示すブロック図との対応関係については、アンテナ741 および偏波共用アンテナ751 は受信アンテナ111、112に対応し、アンテナ742 および偏波共用アンテナ752 は送信アンテナ131、132に対応する。以下、本実施例の動作を説明する。 【0039】端局701 では、送信系13311、13312から出力された送信波は、サーキュレータ13511、13512、1371Vを介して偏波共用アンテナ711 の給電端の内、垂直偏波に対応した給電端に与えられる。したがって、偏波共用アンテナ711 は、その送信波を垂直偏波によって中継局73に向けて送信する。また、中継局73では、アンテナ741、751は、垂直偏波で端局701 から到来する受信波を受信してアンテナ742 の給電点と水平偏波に対応した偏波共用アンテナ752 の給電点とに並行して与える。したがって、その受信波は、アンテナ742 からは垂直偏波の送信波として再送信され、かつ偏波共用アンテナ752 からは水平偏波の送信波として並行して再送信される。 【0040】端局702 では、偏波共用アンテナ712 は、中継局73から垂直偏波および水平偏波で並行して到来する受信波を受信し、それぞれサーキュレータ1372V、1372Hに与える。サーキュレータ1372Vは上述した受信波の内、垂直偏波で到来したものをサーキュレータ13621V、13622Vを介して受信系13421V、13422V に与え、サーキュレータ1372Hは反対に水平偏波で到来した受信波をサーキュレータ13621H、13622Hを介して受信系13421H 、13422H に与える。したがって、受信系13421V、13422Vは垂直偏波の受信波を取り込んで受信処理を施し、かつ受信系13421H、13422Hは並行して水平偏波の受信波について同様の受信処理を施す。 【0041】また、異偏波識別部7221V、7221Hはそれぞれ受信系13421V、13421Hによって受信処理が施された受信波に偏波識別処理を施し、かつ両受信波に予め決められた方式に基づいて合成処理あるいは選択処理を施す。さらに、異偏波識別部7222V、7222Hはそれぞれ受信系13422V、13422Hによって受信処理が施された受信波に偏波識別処理を施し、かつ両受信波に予め決められた方式に基づいて合成処理あるいは選択処理を施す。 【0042】このように本実施例によれば、端局701 から中継局73に至る無線伝送区間については、その中継局73に設置されたアンテナ741 と偏波共用アンテナ751 とによってスペースダイバーシチがはかられ、かつ中継局73から端局702 に至る無線伝送区間については、偏波ダイバーシチがはかられる。したがって、これらの何れの無線伝送区間についても、既存の無線周波数を有効に利用しつつ簡単な構成で伝送品質が高められる。 【0043】また、中継局73については、能動素子を含まずに構成されるので、駆動電力の供給、保守その他を実現する置局条件の制約が大幅に軽減され、かつ運用にかかわるコストが低減される。なお、本実施例では、端局702 から中継局73に至る無線伝送区間とその中継局から端局701 に至る無線伝送区間とについては、それぞれ垂直偏波による伝送と垂直偏波および水平偏波による伝送とが行われ、これらの伝送にかかわる端局702 、中継局73および端局701 の動作については、可逆的であるからここではその説明を省略する。 【0044】図8は、請求項1に記載の発明に対応した第二の実施例を示す図である。図において、図7に示す実施例との構成の相違点は、中継局73に代えて設けられた中継局81にある。中継局81では、アンテナ741 の給電端はサーキュレータ821 からなる第一の送受共用器に接続され、その送受共用器の受信出力は、従属接続されたサーキュレータ8311、8312からなる分波器を介して増幅器8411、8412(送信系13311、13312に個別に対応する。)の入力に接続される。増幅器8411、8412の出力はサーキュレータ8321、8322からなる合波器の対応する入力に接続され、その合波器の出力はサーキュレータ822 からなる第二の送受共用器の送信入力に接続される。このような第二の送受共用器のアンテナ端子はアンテナ742 の給電端に接続され、その送受共用器の受信出力は、従属接続されたサーキュレータ8511、8512からなる分波器を介して増幅器8421、8422(受信系13411V、13412Vに個別に対応する。)の入力に接続される。増幅器8421、8422の出力はサーキュレータ8521、8522からなる合波器の対応する入力に接続され、その合波器の出力は上述した第一の送受共用器の送信入力に接続される。 【0045】また、偏波共用アンテナ751 の垂直偏波に対応した給電端は、従属接続されたサーキュレータ8611、8612からなる分波器を介して増幅器8711、8712(送信系13311、13312に個別に対応する。)の入力に接続される。増幅器8711、8712の出力はサーキュレータ8621、8622からなる合波器の対応する入力に接続され、その合波器の出力は偏波共用アンテナ752 の水平偏波に対応した給電端に接続される。偏波共用アンテナ752 の垂直偏波に対応した給電端は、従属接続されたサーキュレータ8811、8812からなる分波器を介して、増幅器8721、8722(受信系13411H、13412Hに個別に対応する。)の入力に接続される。増幅器8721、8722の出力はサーキュレータ8821、8822からなる合波器の対応する入力に接続され、その合波器の出力は偏波共用アンテナ751 の水平偏波に対応した給電端に接続される。 【0046】以下、本実施例の動作を説明する。中継局81では、端局701 から到来した垂直偏波の受信波の内、アンテナ741 によってとらえられたものは、サーキュレータ821 、8311、8312、増幅器8411、8412、サーキュレータ8321、8322、822 を介して増幅され、アンテナ742 から端局702 に向けて垂直偏波により再送信される。 【0047】また、同様に端局701 から到来して偏波共用アンテナ751 によってとらえられた垂直偏波の受信波は、サーキュレータ8611、8612、増幅器8711、8712およびサーキュレータ8621、8622を介して増幅され、偏波共用アンテナ752 から端局702 に向けて水平偏波により再送信される。さらに、端局702 から到来した垂直偏波の受信波の内、アンテナ742 によってとらえられたものは、サーキュレータ822 、8511、8512、増幅器8421、8422、サーキュレータ8521、8522およびサーキュレータ821 を介して増幅され、アンテナ741 から端局701 に向けて垂直偏波により再送信される。 【0048】また、同様に端局702 から到来して偏波共用アンテナ752 によってとらえられた垂直偏波の受信波は、サーキュレータ8811、8812、増幅器8721、8722およびサーキュレータ8821、8822を介して増幅され、偏波共用アンテナ751 から端局701 に向けて水平偏波により再送信される。すなわち、中継局73では、中継されるべき受信波が増幅され、先行する無線伝送区間で生じた伝搬損失とその中継に付随した空中線系の損失とが補償されるので、図7に示す実施例に比べて伝送品質が高められる。 【0049】なお、図7および図8に示す実施例では、端局701 と端局702 との間で中継局を介して行われる上りおよび下りの無線中継伝送に請求項1に記載の発明が適用されているが、本発明はこのような構成に限定されず、上りあるいは下りの何れか一方のみの無線中継伝送に適用されてもよい。図9は、請求項2に記載の発明に対応した実施例を示す図である。 【0050】図において、図7に示すものと機能および構成が同じものについては、同じ符号を付与して示し、ここではその説明を省略する。本実施例と図7に示す実施例との構成の相違点は、中継局73に代わる中継局90の構成にある。中継局90では、アンテナ742、452に代えて偏波共用アンテナ91が備えられてその偏波共用アンテナの給電端の内、水平偏波に対応した給電端は、偏波共用アンテナ751 の給電端の内、垂直偏波に対応した給電端に直結される。偏波共用アンテナ91の垂直偏波に対応した給電端はハイブリッド92の第一の端子に接続され、その第二の端子と第三の端子とがそれぞれアンテナ741 の給電端と偏波共用アンテナ751 の水平偏波に対応した給電端とに接続される。 【0051】なお、本実施例と図2に示すブロック図との対応関係については、アンテナ741 は送受信アンテナ21に対応し、偏波共用アンテナ451 は受信アンテナ22および送信アンテナ23に対応し、偏波共用アンテナ91は偏波共用アンテナ24に対応し、ハイブリッド92は分波手段25に対応する。以下、本実施例の動作を説明する。 【0052】端局701 から垂直偏波で到来する受信波は、アンテナ741 および偏波共用アンテナ751 によって受信される。このようにして受信された受信波の内、アンテナ741 によって受信されたものはハイブリッド92を介して偏波共用アンテナ91の垂直偏波に対応した給電端に与えられ、反対に偏波共用アンテナ751 によって受信されたものは偏波共用アンテナ91の水平偏波に対応した給電端に直接与えられる。 【0053】したがって、端局701 からその中継局90に至る無線伝送区間ではアンテナ741 および偏波共用アンテナ751 によってスペースダイバーシチがはかられ、かつ中継局90から端局702 に至る無線伝送区間には、偏波共用アンテナ91と端局702 に設置された偏波共用アンテナ712 とを介して交差偏波による2つの無線伝送路が形成される。 【0054】また、端局702 から垂直偏波で到来する受信波は、偏波共用アンテナ91によって受信され、かつハイブリッド92を介してアンテナ741 の給電端と偏波共用アンテナ751 の水平偏波に対応した給電端とに分配される。したがって、端局702 から中継局90に至る無線伝送区間では垂直偏波による単一の無線周波信号による伝送が行われ、さらに、端局701 に至る無線伝送区間には、アンテナ741 および偏波共用アンテナ751 と偏波共用アンテナ711 との間に交差偏波による2つの無線伝送路が形成される。 【0055】このように本実施例によれば、端局702 から中継局90に至る無線伝送区間についてはダイバーシチがはかられないが、その無線伝送区間の伝送特性が安定に良好な状態が保たれることが予め確認されている場合には、中継局90はアンテナ74に代えてハイブリッド92を備え、能動素子を含まない簡易な構成により伝送品質が高い無線中継伝送が実現される。 【0056】すなわち、中継局90については、所要アンテナの数を低減しつつ双方向の無線中継が実現されるので、タワーの機械的強度や寸法、駆動電力の供給その他の置局条件の制約が大幅に軽減され、かつ運用にかかわるコストの低減がはかられる。図10は、請求項3に記載の発明に対応した実施例を示す図である。 【0057】図において、端局1001 は第一の無線伝送区間を介して中継局101に接続され、その中継局は第二の無線伝送区間を介して端局1002 に接続される。端局1001 では、送信系1021 の出力はハイブリッド1031 の一方の端子に接続され、そのハイブリッドの第二の端子はサーキュレータ1041Vの第一の開口に接続される。サーキュレータ1041Vの第二の開口はアンテナ1051Vの給電端に接続され、そのサーキュレータの第三の開口は受信系1061Vの入力に接続される。ハイブリッド1031 の第三の端子はサーキュレータ1041Hの第一の開口に接続され、そのサーキュレータの第二の開口はアンテナ1051Hの給電端に接続される。サーキュレータ1041Hの第三の開口は、受信系1061Hの入力に接続される。受信系1061V、1061Hの出力は、それぞれ異偏波識別部1071V、1071Hの入力に接続される。 【0058】なお、端局1002 の構成については、端局1001 の構成と同じであるからから、対応する各構成要素に第一の添え文字を「2」とする同じ符号を付与し、ここではその説明を省略する。中継局101では、端局1001 に設置されたアンテナ1051V、1051Hの方向に主ローブの方向が設定された偏波共用アンテナ108と、端局1002 に設置されたアンテナ1052V、1052Hの方向に主ローブの方向が設定された偏波共用アンテナ109とが備えられ、これらの偏波共用アンテナ108、109が個別に有する垂直偏波に対応した給電端と水平偏波に対応した給電端とはそれぞれ直結される。 【0059】なお、本実施例と図3に示すブロック図との対応関係については、偏波共用アンテナ108は受信アンテナ311、312に対応し、偏波共用アンテナ109は送信アンテナ331、332に対応する。以下、本実施例の動作を説明する。端局1001 では、送信系102から出力された送信波はハイブリッド1031 を介して二分され、それぞれサーキュレータ1041V、1041Hを介してアンテナ1051Vおよびアンテナ1051Hの給電端に与えられる。アンテナ1051Vとアンテナ1051Hとは、その送信波をそれぞれ垂直偏波と水平偏波とにより並行して送信する。 【0060】中継局101では、垂直偏波と水平偏波とにより端局1001 から到来する受信波は偏波共用アンテナ108によって受信され、かつ偏波共用アンテナ109によってこれらの偏波が保たれたまま端局1002 に向けて再送信(中継)される。 【0061】端局1002 では、中継局101から到来する2つの受信波は、これらの受信波の偏波に適応したアンテナ1052V、1052Hによって個別に受信される。さらに、このようにして受信された受信波は、それぞれサーキュレータ1042V、1042Hを介して受信系1062V、1062Hに与えられ、これらの受信系によって個別に受信処理が施された後に、異偏波識別部1072V、1072Hによって偏波識別処理および合成処理が施される。 【0062】このように本実施例によれば、端局1001 から中継局101に至る無線伝送区間およびその中継局から端局1002 に至る無線伝送区間には、同じ無線周波数の交差偏波による2つの無線伝送路が能動素子を含まずに構成された中継局を介して形成される。したがって、保守、運用にかかかわるコストの増加と中継局の設置条件にかかわる制約が軽減され、ダイバーシチ受信方式に基づいて伝送特性の変動分が吸収される。 【0063】なお、本実施例では、端局1002 から中継局101に至る無線伝送区間とその中継局から端局1001 に至る無線伝送区間とでは上述した中継伝送と可逆的な中継伝送が行われるので、その中継伝送にかかわる各部の動作については説明を省略する。また、本実施例では、端局1001、1002と中継局101との間における無線伝送に垂直偏波と水平偏波とが適用されているが、本発明はこのような偏波の組み合わせに限定されず、例えば、その中継局において中継区間相互間におけるアイソレーションが十分に得られ、かつ互いに交差偏波であるならば中継区間毎異なる偏波が適用されてもよい。 【0064】図11は、請求項4〜6に記載の発明に対応した第一の実施例を示す図である。図において、図8に示すものと機能および構成が同じものについては、同じ符号を付与して示し、ここではその説明を省略する。 【0065】本実施例と図8に示す実施例との構成の相違点は、中継局81に代えて設けられた中継局111にある。中継局111では、サーキュレータ8311、8312からなる分波器の出力はそれぞれ受信レベル検出部(D)11211、11212の入力に接続され、これらの受信レベル検出部の第一の出力はそれぞれスイッチ11311、11312の一方の接点に接続される。サーキュレータ8611、8612からなる分波器の出力はそれぞれ受信レベル検出部(D)11411、11412の入力に接続され、これらの受信レベル検出部の第一の出力はそれぞれスイッチ11311、11312の他方の接点に接続される。スイッチ11311、11312の共通接点はそれぞれ増幅器11511、11512の入力に接続され、これらの増幅器の出力はそれぞれハイブリッド11611、11612の入力に接続される。ハイブリッド11611、11612の第一の出力はそれぞれサーキュレータ8321、8322からなる合波器の対応する入力に接続され、これらのハイブリッドの第二の出力はそれぞれサーキュレータ8621、8622からなる合波器の対応する入力に接続される。受信レベル検出部11211、11212、11411、11412の第二の出力は制御部1171 の対応する入力に接続され、その制御部の第一の出力および第二の出力はそれぞれスイッチ11311、11312の制御入力に接続される。 【0066】また、サーキュレータ8511、8512からなる分波器の出力はそれぞれ受信レベル検出部(D)11221、11222の入力に接続され、これらの受信レベル検出部の第一の出力はそれぞれスイッチ11321、11322の一方の接点に接続される。サーキュレータ8811、8812からなる分波器の出力はそれぞれ受信レベル検出部11421、11422の入力に接続され、これらの受信レベル検出部の第一の出力はそれぞれスイッチ11321、11322の他方の接点に接続される。スイッチ11321、11322の共通接点はそれぞれ増幅器11521、11522の入力に接続され、これらの増幅器の出力はそれぞれハイブリッド11621、11622の入力に接続される。ハイブリッド11621、11622の第一の出力はそれぞれサーキュレータ8521、8522からなる合波器の対応する入力に接続され、これらのハイブリッドの第二の出力はそれぞれサーキュレータ8821、8822からなる合波器の対応する入力に接続される。受信レベル検出部11221、11222、11421、11422の第二の出力は第二の制御部1172 の対応する入力に接続され、その制御部の第一の出力および第二の出力はそれぞれスイッチ11321、11322の制御入力に接続される。 【0067】なお、本実施例と図4〜図6に示すブロック図との対応関係については、受信レベル検出部11211〜11222、制御部1171、1172およびスイッチ11311〜11322は合成処理手段41、56、61に対応し、アンテナ741 、偏波共用アンテナ751 は受信アンテナ111、112、311、312に対応し、アンテナ742 および偏波共用アンテナ752 は送信アンテナ431、432、631、632に対応し、アンテナ741 は送受信アンテナ51に対応し、送受共用アンテナ751 は受信アンテナ52および送信アンテナ53に対応し、偏波共用アンテナ752 は偏波共用アンテナ54に対応し、サーキュレータ8311〜8322、8511〜8522、8611〜8622、8811〜8822、11611〜11622は分波手段55に対応する。 【0068】以下、本実施例の動作を説明する。受信レベル検出部11211は、端局701 の送信系13311からアンテナ741 に到来する受信波を取り込んでスイッチ11311の第一の接点に与え、かつ並行してその受信波の電界強度を計測する。また、受信レベル検出部11411は、端局701 の送信系13311からアンテナ751 に到来する受信波を取り込んでスイッチ11311の第二の接点に与え、かつ並行してその受信波の電界強度を計測する。 【0069】さらに、受信レベル検出部11212は、端局701 の送信系13312からアンテナ741 に到来する受信波を取り込んでスイッチ11312の第一の接点に与え、かつ並行してその受信波の電界強度を計測する。また、受信レベル検出部11412は、端局701 の送信系13312からアンテナ751 に到来する受信波を取り込んでスイッチ11312の第二の接点に与え、かつ並行してその受信波の電界強度を計測する。 【0070】制御部1171 は、このように送信系13311に対応した受信波について、受信レベル検出部11211、11411が計測した電界強度を比較し、その比較の結果に基づいてスイッチ11311の接点の内、共通接点に接続されるものを切り替えることにより、両者の内、電界強度が大きいものを絶えず選択して増幅器11511の入力に与える。 【0071】なお、端局701 の送信系13312からアンテナ741、751に到来する受信波については、受信レベル検出部11212、11412による電界強度の測定と、制御部1171 が同様にして行うスイッチ11312の接点の切り替えとに基づいて電界強度が大きい一方が選択され、増幅器11512の入力に与えられる。このようにして増幅器11511、11512によって増幅された受信波は、それぞれハイブリッド11611、11612を介してアンテナ742 と偏波共用アンテナ752 とに分配され、それぞれ垂直偏波と水平偏波とにより端局702 に向けて送信される。 【0072】また、端局702 から到来した受信波については、受信レベル検出部11221、11222、11421、11422が行う電界強度の測定と、制御部1172 が上述した制御部1171 と同様にして行うスイッチ11321、11322の接点の切り替えと、ハイブリッド11621、11622が行う電力の分配とに基づいて、それぞれ垂直偏波と水平偏波とにより端局701 に向けて送信される。 【0073】すなわち、本実施例によれば、端局701 から中継局111に至る伝送区間と端局702 から中継局111に至る伝送区間については、その中継局において選択ダイバーシチがはかられて伝送品質が一旦改善される。したがって、スペースダイバーシチがはかられた先行する無線伝送区間が直交偏波による無線伝送路として延長される請求項1ないし請求項3に記載の発明に比較して、後続の伝送区間における伝送特性の変動に起因した伝送品質の劣化分の累積が低減される。 【0074】図12は、請求項4〜6に記載の発明に対応した第二の実施例を示す図である。図において、図11に示すものと機能および構成が同じものについては、同じ符号を付与して示し、ここではその説明を省略する。本実施例と図11に示す実施例との構成の相違点は、中継局111に代えて設けられた中継局121にある。 【0075】中継局121では、受信レベル検出部11211、11212、11221、11222および制御部1171、1172が備えられず、かつスイッチ11311、11312、11321、11322に代えて合成器(COMB)12211、12212、12221、12222が備えられた点にある。以下、本実施例の動作を説明する。 【0076】合成器12211、12212は、それぞれ送信系13311、13312に対応して端局701 から到来し、かつアンテナ741、偏波共用アンテナ751によって個別にとらえられた受信波をこれらの送信系との対応関係を維持しつつ合成する。このようにして合成された受信波は、ハイブリッド11611、11612を介してアンテナ742 および偏波共用アンテナ752 の給電端に分配され、これらのアンテナによってそれぞれ垂直偏波および水平偏波の送信波として端局702 に向けて送信される。 【0077】なお、端局702 から中継局121に至る無線伝送区間と、その中継局121から端局701 に至る無線伝送区間との間については、合成器12221、12222、ハイブリッド11621、11622、アンテナ741 および偏波共用アンテナ751 によって同様の中継が行われるので、ここでは動作説明を省略する。このように本実施例によれば、図11に示す実施例に比較してハードウエアの構成が簡略化されると共に、端局701 から中継局121に至る伝送区間と端局702 から中継局121に至る伝送区間については、その中継局において2つのアンテナによって受信された受信波が合成されて伝送品質が良好に保たれる。 【0078】したがって、装置の低廉化および小型化がはかられ、かつスペースダイバーシチがはかられた先行する無線伝送区間が直交偏波による後続の無線伝送路として延長される請求項1に記載の発明に比較して、後続の伝送区間における伝送品質の変動に起因した伝送品質の劣化分の累積が低減される。なお、図11および図12に示す実施例では、それぞれ請求項1に記載の発明に合成手段が付加されているが、このような構成に限定されず、請求項2あるいは請求項3に記載の発明に合成処理手段を付加することによっても同様にして伝送品質の劣化分の累積が低減される。 【0079】また、図7〜図9、図11および図12に示す実施例では、2つの端局と中継局との間で垂直偏波および水平偏波による無線伝送が行われているが、本発明はこのような偏波に限定されず、各区間毎に、例えば、右旋円偏波と左旋円偏波との組み合わせのように、互いに交差偏波であるならば如何なる組み合わせの偏波が適用されてもよい。 【0080】さらに、図7〜図9、図11および図12に示す実施例では、2つの端局と中継局との間において、送信(受信)時に垂直偏波のみが適用されて受信(送信)時に垂直偏波と水平偏波とが適用されているが、本発明はこのような偏波の組み合わせに限定されず、例えば、送信(受信)時に垂直偏波に代えて水平偏波が適用されてもよく、中継局において中継区間相互間におけるアイソレーションが十分に得られるならば、送信(受信)時と受信(送信)時とに異なる偏波の組み合わせからなる交差偏波が適用されてもよい。 【0081】 【発明の効果】上述したように請求項1および請求項3に記載の発明では、周波数ダイバーシチ方式を適用したり無線周波数の変換を行うことなく、先行する無線伝送路にかかわる受信および後続する無線伝送路に対する送信について確実にダイバーシチがはかられ、かつ簡単な構成のハードウエアによりこれらの無線伝送路の間の中継伝送が良好な伝送品質で行われる。 【0082】請求項2に記載の発明では、先行する無線伝送路については送信および受信の双方にダイバーシチがはかられ、かつ後続する無線伝送路については、伝送特性の変動分が許容される限りにおいて偏波共用アンテナが適用されてこれらの無線伝送路の間における双方向の中継が行われるので、所要アンテナの数が低減されて中継局の置局条件にかかわる制約が大幅に軽減される。 【0083】請求項4ないし請求項6に記載の発明では、先行する無線伝送路から受信された受信波が、空間ダイバーシチあるいは角度ダイバーシチとその無線伝送路の伝送方式に適応した合成受信法とに基づいて伝送品質の劣化分が抑圧された後に、後続の無線伝送路に交差偏波である2つの偏波によって並行して送信されるので、これらの無線伝送路における伝送品質の劣化の累積が軽減される。したがって、これらの発明が適用された無線中継伝送システムでは、伝送品質の向上に併せて中継局にかかわる機器構成の簡略化および置局条件の軽減がはかられ、保守および運用に要するコストが低減されると共に信頼性が高められる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005223 【氏名又は名称】富士通株式会社
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| 【出願日】 |
平成7年(1995)6月2日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】古谷 史旺 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開平8−331029 |
| 【公開日】 |
平成8年(1996)12月13日 |
| 【出願番号】 |
特願平7−136843 |
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