| 【発明の名称】 |
適応干渉キャンセル受信機 |
| 【発明者】 |
【氏名】吉野 仁
【氏名】鈴木 博
|
| 【目的】 |
等レベル干渉信号、未知干渉信号を除去する。 |
| 【構成】 |
アンテナ1−1〜1−NB の受信信号をトランスバーサルフィルタFFF1 〜FFFNBでそれぞれ重み付けした後合成手段3で合成し、その合成信号から、推定希望信号、推定干渉信号を誤差推定手段4で差し引き、その推定誤差から尤度を求め、状態推定手段6で状態遷移を考慮して希望信号系列、干渉信号系列を推定し、更に希望信号推定手段8、干渉信号推定手段7−1〜7−Nで推定希望信号、推定干渉信号を作り、パラメータ制御手段9で前記推定誤差と、推定信号系列とから推定手段8、7−1〜7−N、フィルタFFF1 〜FFFNBの各タップ係数を更新する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 希望信号推定手段と1つ以上の干渉信号推定手段を有し、これら希望信号および干渉信号推定手段で生成された希望信号および1つ以上の干渉信号の受信推定信号(レプリカ)を、誤差推定手段において受信信号から減算して誤差信号を算出し、前記誤差信号より計算される尤度信号により希望信号および1つ以上の干渉信号の状態遷移を考慮した状態推定手段により受信された希望信号および干渉信号の信号系列を推定し、推定された信号系列に基づいて送信された信号を復号して出力する適応干渉キャンセル受信機において、複数の受信アンテナと、これら受信アンテナと対応してそれぞれ設けられ、その受信信号に対して重み付けを行う受信信号重み付け手段と、前記各受信信号重み付け手段の各出力を合成して前記誤差推定手段へ受信信号として供給する合成手段とを具備することを特徴とする適応干渉キャンセル受信機。 【請求項2】 前記受信信号重み付け手段のそれぞれは、対応する入力受信信号をT(ただし、Tは前記入力受信信号のシンボル時間)単位で遅延して互いに異なる遅延時間の複数の遅延信号を出力する遅延手段と、前記受信入力信号と、各遅延信号に対し、それぞれに対応するタップ係数を乗ずる乗算手段と、これらタップ係数を乗算された前記受信入力信号および各遅延信号を合成して出力する合成手段とから構成される請求項1記載の適応干渉キャンセル受信機。 【請求項3】 前記受信信号重み付け手段のそれぞれは、対応する入力受信信号をT/n(ただし、Tは前記入力受信信号のシンボル時間、nは2以上の整数値)単位で遅延して互いに異なる遅延時間の複数の遅延信号を出力する遅延手段と、前記受信入力信号と、各遅延信号に対し、それぞれに対応するタップ係数を乗ずる乗算手段と、これらタップ係数を乗算された前記受信入力信号および各遅延信号を合成して出力する合成手段とから構成される請求項1記載の適応干渉キャンセル受信機。 【請求項4】 前記受信信号重み付け手段のそれぞれは、前記受信入力信号に対し、それぞれに対応するタップ係数を乗じて出力する乗算手段から構成される請求項1記載の適応干渉キャンセル受信機。 【請求項5】 前記誤差推定手段からの誤差信号と、前記状態推定手段からの希望信号および干渉信号の各信号系列候補とを用いて、前記希望信号推定手段および前記干渉信号推定手段で用いられるタップ係数とともに、前記受信信号重み付け手段のタップ係数を推定更新する変換パラメータ制御手段を有することを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の適応干渉キャンセル受信機。 【請求項6】 合成された受信信号から希望信号の推定値(レプリカ)および干渉信号の推定値(レプリカ)を減算する前記誤差推定手段に、前記各推定値を減算する加算器の出力誤差信号を選択する誤差信号選択スイッチが設けられ、前記変換パラメータ制御手段は、前記誤差信号選択スイッチの出力誤差信号と、その出力誤差信号が取出された加算器よりも前記状態推定手段側にある加算器に対応する(干渉信号)推定手段を除く干渉信号推定手段のタップ係数と前記受信信号重み付け手段のタップ係数および前記選択スイッチが接続された希望信号推定手段のタップ係数とを推定更新し、つぎに、推定更新した前記受信信号重み付け手段のタップ係数を固定した状態で、前記希望信号推定手段およびすべての干渉信号推定手段のタップ係数を、前記状態推定手段からの希望信号および干渉信号の信号系列候補と、希望信号推定手段からの希望信号の推定値と、すべての干渉信号推定手段からの各干渉信号の推定値を合成された受信信号から減算して得られる誤差信号とを用いて、推定更新する手段であることを特徴とする請求項5記載の適応干渉キャンセル受信機。 【請求項7】 前記誤差推定手段に、その誤差推定手段の各加算器と希望信号推定手段、干渉信号推定手段との接続を入れ替えることができる推定信号切り替え手段が設けられ、この推定信号切り替え手段の切り替えで前記誤差信号選択スイッチの出力する誤差信号に含まれる干渉信号成分の構成を変化させ、その結果得られる前記受信信号重み付け手段のタップ係数の更新値を変化させて最適な受信信号重み付け手段のタップ係数を比較選択することを特徴とする請求項6記載の適応干渉キャンセル受信機。 【請求項8】 希望信号推定手段で生成された希望信号を、誤差推定手段において受信信号から減算して誤差信号を算出し、前記誤差信号より計算される尤度信号により希望信号の状態遷移を考慮した状態推定手段により受信された希望信号の信号系列を推定し、推定された信号系列に基づいて送信された信号を復号して出力する適応干渉キャンセル受信機において、複数の受信アンテナと、これら受信アンテナとそれぞれ対応して設けられ、その受信信号に対して重み付けを行う受信信号重み付け手段と、前記各受信信号重み付け手段の各出力を合成して前記誤差推定手段へ受信信号として供給する合成手段とを具備することを特徴とする適応干渉キャンセル受信機。 【請求項9】 前記変換パラメータ制御手段は、前記誤差推定手段の出力する誤差信号と、前記状態推定手段の出力する希望信号および干渉信号の信号系列候補とを用いて、RLS適応アルゴリズムを用いてタップ係数を更新する手段であることを特徴とする請求項5乃至8の何れかに記載の適応干渉キャンセル受信機。 【請求項10】 前記変換パラメータ制御手段は、前記誤差推定手段の出力する誤差信号と、前記状態推定手段の出力する希望信号および干渉信号の信号系列候補を用いて、LMS適応アルゴリズムを用いてタップ係数の更新をすることを特徴とする請求項5乃至8の何れかに記載の適応干渉キャンセル受信機。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【産業上の利用分野】この発明は、例えばディジタル移動通信において近接するゾーンからの同一チャネル干渉、符号間干渉などの干渉信号による伝送特性の劣化を補償することを可能とする干渉波除去機能を有する受信機に適する。 【0002】 【従来の技術】ディジタル移動通信などの無線通信においては、同一チャネル干渉を避け、かつ周波数を有効に利用するため、地理的に離れた場所で同じ周波数を繰り返して使用することが行われている。今日の自動車・携帯電話では、複数のセル(ゾーン)で構成される小セル構成のセルラー方式が採用されている。セルラー方式では、セル構成法を工夫して、サービスエリア内で互いに干渉妨害を受けない間隔を保ったセル間で、同じ周波数を別々の通信に使用し、周波数の有効利用を図っている。しかし、実際にはセルの小型化、3次元化に伴い、セル構成を工夫することのみでは、同一チャネル干渉を回避することが困難になりつつある。 【0003】『移動無線において変動する伝送路における等化方法及び適応等化器』〔特願平4−85765〕には、移動通信におけるマルチパスフェージングにより伝送される信号がマルチパス歪みを受けた場合に、この歪みを補償するため適応等化機能を有する最尤系列推定器を用いた補償技術が開示されている。この文献では、高速に変動する無線伝搬路に高速かつ正確に追従する最尤系列推定に適した伝送路パラメータ推定法が提案され、等化器では符号間干渉を除去しているが、同一チャネル干渉は、除去していないので信号レベルの高い同一チャネル干渉条件では、動作しないという欠点があった。まず、従来技術として上記適応等化機能を有する最尤系列推定を用いた受信機について説明する。図11に従来の適応等化機能を有する最尤系列推定を用いた受信機の構成の例を示す。この受信機は受信される希望信号を推定して出力する希望信号推定手段1よりの希望受信波推定信号を、端子100に入力されるサンプリングされた受信信号から減算して推定誤差信号を誤差推定手段3で出力し、この受信信号から希望受信波推定信号が減算された推定誤差信号の尤度を、状態推定手段4により最尤系列推定を行って求め、この状態推定手段4の出力および推定誤差信号にもとづき変換パラメータ制御手段5により希望信号推定手段1の変換パラメータを制御する。 【0004】状態推定手段4は図11に示すように、推定誤差信号が供給される尤度計算回路401と、その尤度計算回路401の出力から受信信号の最尤系列推定を行う最尤系列推定器413と、その最尤系列推定により推定希望信号系列を発生する信号系列発生回路415とを備える。また、希望信号推定手段1はトランスバーサルフィルタ101で構成されている。変換パラメータを制御する変換パラメータ制御手段5は、タップ係数制御部51で構成され、トランスバーサルフィルタ101のタップ係数を推定誤差信号および推定希望信号系列に基づいて設定する。タップ係数制御部51の構成については後述する。この図11に示す受信機の動作を信号の流れを中心にして説明する。 【0005】最尤系列推定器413の内部で信号の遷移する状態を発生させる。この遷移する状態をもとに信号系列発生回路415で変調された送信信号系列を生成し、状態推定手段4の端子4aに出力する。この送信信号系列は、希望信号推定手段1及びタップ係数制御部51で用いられる。希望信号推定手段1は前述のようにトランスバーサルフィルタ101で構成されており、このトランスバーサルフィルタ101のタップ係数は、タップ係数制御部51により、変動する伝送路のインパルスレスポンスに応じて適応的に変化させることができる。このトランスバーサルフィルタ101は、状態推定手段4で生成された送信信号系列を入力として受信推定信号を出力する。 【0006】誤差推定手段3は、加算回路31で構成されており、入力端子100よりの受信信号から希望信号推定手段1の出力である希望受信波推定信号を減算して推定誤差信号を出力する。受信信号に干渉波成分が含まれていない場合には、この推定誤差信号は、雑音成分のみとなる。推定誤差信号は状態推定手段4の尤度計算回路401に入力され尤度信号に変換される。 【0007】尤度計算回路401には推定誤差を2乗する2乗回路を用いることができる。尤度信号は最尤系列推定器413に入力される。ここで尤度計算回路401として2乗回路を用いると、尤度信号すなわち2乗回路の出力の大きさが最小になると尤度が最大になることになる。これにより尤度信号は最尤系列推定器413に入力されて送信信号系列の推定が行われる。 【0008】次に図11の各構成ブロックごとにその機能を説明する。まず、状態推定手段4について説明する。最尤系列推定器413は、受信信号の遷移する状態に対応した状態系列候補を順次発生させ出力する。次に信号系列発生回路415で、この候補により変調された送信信号系列を生成し、希望信号推定手段1へ出力する。この候補に対応する推定誤差信号を状態推定手段4の入力端子4iより入力し、尤度計算回路401で尤度信号に変換する。ここで得られた尤度信号を用いて尤度が高くなる系列を選択し、これを受信信号系列(すなわち希望信号系列)として信号判定を行う。受信信号系列の候補を順次出力する機能は、カウンタ機能を有する集積回路で容易に実現できる。最尤系列推定器413は入力端子100から入力される受信信号サンプル値が保持されている間に、すべての受信信号系列の候補について尤度が高くなる系列の探索を行う。しかし、信号系列が長くなると可能性のある信号系列候補の数は指数関数的に増大するので、実際には、ビタビアルゴリズムを用いて探索する信号系列候補の数を適宜減らし演算量を少なくする。 【0009】図11の例では希望信号推定手段1としては、トランスバーサルフィルタ101をもちいる。状態推定手段4の出力はこのトンラスバーサルフィルタ101に入力され、受信波の推定信号となる。トランスバーサルフィルタ101のタップ係数は、タップ係数制御部51によって制御される。タップ係数制御部51は、図12に示すように構成されており、タップ係数記憶回路511、タップ係数切り替えスイッチ512、タップ係数更新回路513から構成される。 【0010】タップ係数記憶回路511は、各状態に対応するタップ係数の組(タップ係数ベクトル)を記憶する回路である。タップ係数切り替えスイッチ512は、各状態に対応したタップ係数ベクトルをタップ係数記憶回路511から選択し、トランスバーサルフィルタ101へ出力する。タップ係数更新回路513は、最尤系列推定器413での各状態ごとの最尤系列推定が終了した時点で、タップ係数記憶回路511に記憶されている各状態に対応する複数の組のタップ係数ベクトルをそれぞれ更新する。このタップ係数の更新は、状態推定手段4から出力された信号系列と誤差推定手段3の出力である推定誤差信号を用いて行われる。この更新はRLSアルゴリズムやLMS(最小自乗平均法)アルゴリズムなどの適応アルゴリズムを用いて推定誤差信号が小さくなるように各状態に対応するタップ係数ベクトルごとに行われる。したがって、更新されたタップ係数ベクトルは、現時点での伝送路インパルスレスポンスを反映させたものとなるので、移動無線通信のようにフェージングにより伝送路が高速に変動するような場合に伝送路への追従性が向上するので良好な受信特性を得ることが出来る。 【0011】また、前記文献では、受信信号のサンプリングクロックのタイミングオフセットによる受信特性劣化を克服するための技術として図13に示すように希望信号推定手段で用いられるトランスバーサルフィルタ(34−41 と34−42 )に分数間隔形トランスバーサルフィルタを用いた最尤系列推定形適応等化器も提案している。 【0012】つまり図11においては入力端子100の入力は、受信信号がそのシンボル周期Tごとにサンプリングされたディジタル信号であったが、図13では2ブランチのダイバーシチィ受信であり、かつ、サンプリング回路34−21 ,34−22 でそれぞれシンボル周期Tの整数分の1の周期サンプリングされてディジタル信号とされる。相関器34−31 ,34−32 にて、送信信号に含まれる既知信号によりブランチごとの伝送路のインパルスレスポンスを推定して、これに応じてトランスバーサルフィルタ34−41 ,34−42 の各フィルタ係数を設定する。このサンプリング回路34−21 ,34−22 の出力からトランスバーサルフィルタ34−41 ,34−42 よりの推定受信信号との差をとり、その推定誤差信号を2乗し、その2乗値に応じたメトリック値をメトリック回路34−71,34−72 でそれぞれ演算し、その各メトリック値を加算して、ビタビアルゴリズム回路34−12へ供給する。ビタビアルゴリズム回路34−12からの可能な状態遷移に符号系列を信号発生回路34−14に入力し、これら信号系列により受信信号と対応し変調波を変調波再生回路34−15で再生してトランスバーサルフィルタ34−41 ,34−42 へ供給する。このようにいわゆるオーバーサンプリングによりサンプリングクロックのタイミングオフセットによる受信特性の劣化を克服できる。 【0013】希望波と干渉波の送信シンボル候補と、これら2つの信号に対応する伝送路パラメータからレプリカを生成し、これらのレプリカを受信信号から減算した誤差信号の2乗に−1を乗積した値を対数尤度(Log Likelihood)として用い、符号間干渉が発生する条件で、希望波およびチャネル間干渉波の信号を最尤系列推定器により判定する受信機が、すでにいくつか提案されている。 【0014】例えば、W.Van Ettenは、最尤系列推定器としてビタビアルゴリズムを用いた受信機を提案し検討している(W.Van Etten,“Maximum Likelihood Rceiver for MultipleChannel Transmission Systems”IEEE Transaction on Communications,February1976)。しかしながら、この受信機では、伝送路インパルスレスポンスの値が既知であるとしている。伝送路パラメータを推定し、かつ最尤系列推定器を用いた受信機の提案が、Howard E.Nichols,Arithur A.GiordanoおよびJhon G.Proakisによって行われている。彼らの提案では、伝送路パラメータ推定において、一定時間固定遅延させた受信信号サンプルと同一時間遅延して出力される最尤系列推定器でのシンボル判定推定値を用いて、適応アルゴリズムにより伝送路パラメータの推定及び更新を行っている。これは、伝送路の時間変動が比較的緩やかである場合に良好に動作する。しかし、移動通信伝搬路においては、希望波と干渉波の振幅と位相が高速に変動するため、Howard E.Nichols,等が提案した一定時間遅延させた受信信号サンプルの推定値では現時点の推定値ではないので、伝送特性が大幅に劣化する。 【0015】A.P.Clark,J.D.Harvey,J.P.Driscollは、最尤系列推定を用いた適応最尤受信器で問題となる固定遅延による伝送路パラメータの推定劣化を克服する方法としてNear−Maximum−Likelihood detectionを提案し、最尤系列推定に基ずく適応等化器の特性を改善している(A.P.Clark,J.D.Harvey and J.P.Driscoll,“Near−maximum−likelihooddetection processes for distorted digital signals”,Radio&Electronics Engineer vol.48,No.6,pp.301−309)。また、さらにA.P.Clarkは、Near−maximum−likelihood detectionを用いて、同一周波数チャネルを用いて2信号を伝送するFDM(Frequency Division Multiplexing)方式を提案している(U.S.Patent 4,862,483)。しかし、A.P.Clarkらの提案するNear−maximum−likelihooddetectionは、メモリに保存する送信信号系列候補(First Vector)およびそれらに対応する伝送路パラメータの組(ベクトル)が多く、また、拡張された受信信号系列候補(Second Vector)を尤度の大きい順に、順次選択し、新たな送信信号系列候補(First Vector)としている。このため、最も尤度の大きい送信信号系列候補(First Vector)の尤度が、他の送信信号系列候補(First Vector)の尤度より著しく大きい場合には、拡張された受信信号系列の候補(SecondVector)の尤度の順位は、First Vectorの尤度で決まってしまうので、他のFirst Vectorが選ばれる可能性はほとんどなくなり、最尤検波とはならない。 【0016】一方、『干渉波除去方法およびそれを使った受信機と通信システム』〔PCT/JP94/00059〕では、前記『移動無線において変動する伝送路における等化方法及び適応等化器〔特願平4−85765〕』で開示された最尤系列推定に適した伝送路パラメータ推定法を最尤系列推定器を用いた干渉キャンセラに適用し、希望波と干渉波の振幅と位相が独立して高速に変動する移動伝搬路のフェージングの性質を利用し希望波と干渉波の分離を効率的に行うとともに、高速に変動する希望波と干渉波の伝送路パラメータの推定を正確に行えるようにした技術が開示されている。図14を用いて簡単に説明する。受信すると推定される希望信号の状態遷移に対応した希望信号系列候補と、他局からの干渉信号の状態遷移に対応した干渉信号系列候補とを状態推定手段6にて生成する。次に、その希望信号系列候補から希望信号推定手段8により推定受信希望信号を、干渉信号系列候補から干渉信号推定手段71 〜7k によりそれぞれ推定受信干渉信号を生成する。こうして得られた推定受信希望信号と推定受信干渉信号を誤差推定手段4により受信信号から減算して推定誤差信号を算出する。状態推定手段6はそれぞれの候補に対して得られた推定誤差信号に基づいて希望信号系列および干渉信号系列を推定する。変換パラメータ制御手段9は、推定された希望信号系列および干渉信号系列と推定誤差信号とに基づいて適応アルゴリズムにより希望信号推定手段8および干渉信号推定手段71 〜7k の伝送路パラメータを制御する。 【0017】送信された正しい希望信号系列と干渉信号系列の組と同じ信号系列候補の組に対しては、この推定誤差信号は干渉信号成分が除去されているので、雑音成分のみとなる。このようにして得られた推定誤差信号を用いて状態推定手段6で尤度を計算し希望信号および干渉信号を推定する。したがって、受信信号の最尤推定においては干渉信号の影響が除去されているため、受信信号に干渉信号が含まれている場合でも干渉信号による受信性能の劣化を防止することができ、良好な受信性能を得ることができる。 【0018】 【発明が解決しようとする課題】ところで、『移動無線において変動する伝送路における等化方法及び適応等化器』〔特願平4−85765〕では、状態推定手段において他局からの干渉信号系列候補を考慮しておらず、他局からの干渉信号に対応する推定受信干渉信号(干渉信号レプリカ)を生成することができない。そのため、他局からの干渉に対して受信特性が大きく劣化する。また、『干渉波除去方法およびそれを使った受信機と通信システム』〔PCT/JP94/00059〕では、『移動無線において変動する伝送路における等化方法及び適応等化器』〔特願平4−85765〕の欠点を解決するため、予想される他局からの干渉信号に対しても状態推定手段においてその干渉信号系列候補を考慮し、他局からの干渉信号に対応する推定受信干渉信号(干渉信号レプリカ)を生成しているので、あらかじめ予見される干渉信号に対しては、すぐれた干渉除去効果がある。しかし、予め予想できない干渉信号に対しては推定受信干渉信号を生成することが困難となり受信特性が劣化する欠点があった。 【0019】 【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するために、請求項1の発明は、希望信号推定手段と1つ以上の干渉信号推定手段を有し、これら希望信号推定手段および干渉信号推定手段でそれぞれ生成された希望信号および1つ以上の干渉信号の受信推定信号(レプリカ)を、誤差推定手段において受信信号から減算して誤差信号を算出し、前記誤差信号より計算される尤度信号により希望信号および1つ以上の干渉信号の状態遷移を考慮した状態推定手段により受信された希望信号および干渉信号の信号系列を推定し、推定された信号系列に基づいて送信された信号を復号し出力する干渉キャンセル受信機において、複数の受信アンテナ、これらのアンテナに対応する複数の受信信号重み付け手段および各受信信号重み付け手段の出力を合成する合成手段を設け、各受信アンテナで受信された受信信号を前記受信信号重み付け手段で重み付けを行い、合成手段において合成して得られる合成受信信号を前記誤差推定手段に入力される受信信号として用いる。 【0020】請求項2の発明は請求項1の発明において、前記受信信号重み付け手段のそれぞれは、対応する入力受信信号をT(ただし、Tは入力受信信号のシンボル時間)単位で遅延して互いに異なる遅延時間の複数の遅延信号を出力する遅延手段と、前記受信入力信号と、各遅延信号に対し、それぞれに対応するタップ係数を乗ずる乗算手段と、タップ係数を乗算された前記受信入力信号および各遅延信号を合成する合成手段とから構成されることを特徴とする。 【0021】請求項3の発明は請求項1の発明において前記受信信号重み付け手段のそれぞれは、対応する入力受信信号をT/n(ただし、Tは入力受信信号のシンボル時間、nは2以上の整数値)単位で遅延して互いに異なる遅延時間の複数の遅延信号を出力する遅延手段と、前記受信入力信号と各遅延信号に対し、それぞれに対応するタップ係数を乗ずる乗算手段と、タップ係数を乗算された前記受信入力信号および各遅延信号を合成する合成手段から構成されることを特徴とする。 【0022】請求項4の発明は請求項1の発明において前記受信信号重み付け手段のそれぞれは、前記受信入力信号に対し、それぞれに対応するタップ係数を乗ずる乗算手段から構成されることを特徴とする。請求項5の発明は請求項1乃至4の発明において、前記受信信号重み付け手段のタップ係数は、変換パラメータ制御手段により、誤差推定手段の出力する誤差信号と、状態推定手段の出力する希望信号および干渉信号の信号系列候補を用いて、希望信号推定手段および干渉信号推定手段で用いられるタップ係数とともに、推定更新されることを特徴とする。 【0023】請求項6の発明は請求項5の発明において、合成された受信信号から希望信号の推定値(レプリカ)および干渉信号の推定値(レプリカ)を減算する前記誤差推定手段において、各推定値を減算する加算器の出力誤差信号を1つづつ順次選択する誤差信号選択スイッチを設け、当該誤差信号選択スイッチの出力誤差信号を用いて、変換パラメータ制御手段により受信信号重み付け手段のタップ係数および希望信号推定手段のタップ係数、誤差推定手段において誤差信号選択スイッチで選択されている加算器よりも状態推定手段側にある加算器に対応する干渉信号推定手段を除く干渉信号推定手段のタップ係数を推定更新し、つぎに、推定更新した受信信号重み付け手段のタップ係数を固定した状態で、希望信号推定手段およびすべての干渉信号推定手段のタップ係数を、状態推定手段の出力する希望信号および干渉信号の信号系列候補と、希望信号推定手段の出力する希望信号の推定値とすべての干渉信号推定手段の出力する各干渉信号の推定値を合成された受信信号から減算して得られる誤差信号を用いて、変換パラメータ制御手段により、推定更新することを特徴とする。 【0024】請求項7の発明は請求項6の発明において、誤差推定手段に、加算器と推定手段との接続を切り替える推定信号切り替え手段を設け、当該誤差推定手段の切り替えにより加算器における推定値の減算順序を入れ替えて誤差信号選択スイッチの出力する誤差信号に含まれる干渉信号成分の構成を変化させ、その結果得られる受信信号重み付け手段のタップ係数の更新値を変化させて最適な受信信号重み付け手段のタップ係数を比較選択することを特徴とする。つまりこの場合は最初に希望信号の推定値の減算を行うことなく、干渉信号推定値の減算を行い、その後、希望信号推定値の減算を行ってもよい。この場合は、希望信号レベルが少し低下するが、干渉信号との間にレベル差が生じ、希望信号を干渉信号から分離することができる。 【0025】請求項8の発明は請求項1の発明の受信機から、状態推定手段で希望信号の状態のみを考慮し、干渉信号推定手段をなくし、複数アンテナ、受信信号重み付け手段、合成手段により、アンテナ数より1つ少ない数の方向における指向特性をゼロ(ヌル)として、符号間干渉のみを除去する構成を特徴とする。請求項9の発明は請求項5乃至8の何れかの発明で変換パラメータ制御手段は、誤差推定手段の出力する誤差信号と、状態推定手段の出力する希望信号および干渉信号の信号系列候補を用いて、タップ係数を更新するRLS適応アルゴリズムを用いることを特徴とする。 【0026】請求項10の発明は請求項5乃至8の何れかの発明で、前記変換パラメータ制御手段は、誤差推定手段の出力する誤差信号と、状態推定手段の出力する希望信号および干渉信号の信号系列候補を用いて、タップ係数を更新するLMS適応アルゴリズムを用いることを特徴とする。 【0027】 【作用】上記のように、この発明では、複数のアンテナからの受信信号を受信信号重み付け手段により重み付けを行い合成することで、干渉信号推定手段において予め予想できない干渉信号に対しても、その干渉信号の到来方向特性が向上する。また、演算量を削減するため干渉信号推定手段が少ない、もしくはない場合においても他局からの干渉信号を低減し受信特性の劣化を防ぐことが可能である。 【0028】 【実施例】 実施例1以下、この発明の実施例の詳細を図面に基づいて説明する。図1はこの発明の第1の実施例を示す。この実施例の特徴とする点は、従来の構成に対し、複数の受信アンテナ1−1〜1−NB からの受信信号y1 (i)〜yNB(i)に重み付けを行う受信信号重み付け手段2と、重み付けされた受信信号を合成する手段3、および重み付け手段2の重み付け複素タップ係数を推定更新する変換パラメータ制御手段9を有する点である。NB 本の受信アンテナ1−1〜1−NB で受信された受信信号y1 (i)〜yNB(i)は、受信信号重み付け手段2においてそれぞれ重み付けされ合成される。 【0029】受信信号重み付け手段2は受信信号y1 (i)〜yNB(i)に対し、例えば各トランスバーサルフィルタFFF1〜FFFNBでそれぞれ構成される。このトランスバーサルフィルタの構成例を図2(a)に示す。同図に、第jアンテナ(j=1,2,…,NB )に接続されているトランスバーサルフィルタFFFj の構成を示している。図2(a)は、対応する入力受信信号をT(ただし、Tはこの入力受信信号のシンボル時間)単位で遅延して互いに異なる遅延時間の複数の遅延信号を出力する遅延手段201−1〜201−mと、前記入力受信信号と各遅延信号に対して、それぞれに対応する複素タップ係数hfj0〜hfjmを乗ずる乗算手段202−0〜202−mと、これら複素タップ係数を乗算された前記受信入力信号および各遅延信号を合成する合成手段203とで構成される。また、図2(b)は、対応する入力受信信号を、T/n(ただし、Tは前記入力受信信号のシンボル時間、nは2以上の整数値で例えばn=2)単位で遅延して互いに異なる遅延時間の複数の遅延信号を出力する遅延手段201−l〜201−mと、前記入力受信信号と各遅延信号に対して、それぞれに対応する複素タップ係数hfj0〜hfjmを乗ずる乗算手段202−0〜202−mと、これら複素タップ係数を乗算された前記受信入力信号および各遅延信号を合成する合成手段203とで構成された例である。 【0030】各トランスバーサルフィルタFFF1 〜FFFNBの出力はさらに合成手段3により合成される。合成手段3の出力は、合成受信信号yc (i)として誤差指定手段4に入力される。入力された合成受信信号yc (i)は、誤差推定手段4において、希望信号推定手段8および干渉信号推定手段7−1〜7−NI よりそれぞれ出力される希望信号の推定値(希望信号レプリカ)と干渉信号の推定値(干渉信号レプリカ)が減算されて誤差信号として出力される。状態推定手段5は希望信号の遷移する複数の状態に対応して、送信したと推定される希望信号系列候補を発生させて希望信号推定手段8に出力するとともに、各干渉信号が遷移する複数の状態に対応して複数の干渉信号系列候補をそれぞれ発生させて干渉信号推定手段7−1〜7−NI にそれぞれ供給する。これらの希望信号系列候補および干渉信号系列候補に対応して得られる推定誤差信号εから、尤度計算手段5により尤度を計算し状態推定手段6は得られた尤度を用いて合成受信信号yc (i)に含まれる希望信号系列と干渉信号系列の推定を行い系列判定結果を出力する。変換パラメータ推定部9は推定誤差信号および希望信号系列候補、干渉信号系列候補から、適応アルゴリズムにより、受信信号重み付け手段2の重み付け係数、希望信号推定手段8および干渉信号推定手段7−1〜7−NI の変換パラメータすなわち伝送路のインパルスレスポンス係数を制御する。 【0031】この発明では、従来の干渉信号推定手段7−1〜7−NI の出力(干渉信号レプリカ信号)を用いて除去することができない他の干渉信号が存在する場合において、複数のアンテナ1−1〜1−NB および受信信号重み付け手段2および合成手段3により、前記他干渉信号到来方向に対しアンテナ指向特性にヌル点を設けて、前記他干渉信号を抑圧除去することができ、受信特性が向上する。また、従来の干渉信号推定手段7−1〜7−NI の出力(干渉信号レプリカ信号)を用いて干渉信号を除去する場合には、干渉信号の信号系列候補を推定する必要があったが、この発明では、干渉信号の到来する方向に対して、アンテナの指向特性にヌルを向けて干渉を抑圧除去するので、信号系列候補の推定が不要である。したがって、干渉信号が希望信号と異なる変調方式である場合に対しても、その干渉信号に対応する干渉信号推定手段を特別に用意しなくても干渉除去することが可能である。また、図1の入力信号重み付け手段2に図2(b)のT/n間隔の遅延した複素タップを用いることにより、受信信号のタイミングクロックずれによる受信特性の劣化を抑えることができる。 【0032】図3は、受信アンテナ数NBが2、干渉信号推定手段7で考慮する他局からの干渉信号の数が1つある場合の構成を示し、図1と対応する部分に同一符号を付けて重複説明は省略する。 実施例2図4は、図1の構成と誤差推定手段の構成が異なり、また、入力信号重み付け手段2の重み付け係数を制御する方法が異なる場合の例であり、図1と対応する部分に同一符号を付けてある。図4では誤差推定手段4中の加算器4−1〜4−NI の出力信号を取り出し選択出力する誤差信号選択スイッチ10をもつ。図4の誤差推定手段4では、出力端子401より出力され尤度計算回路5で用いられる誤差信号の他に、選択スイッチ10の出力端子402より出力される誤差信号を生成する。出力端子402より出力される誤差信号は、変換パラメータ推定手段9に加えられる。この誤差信号は入力信号重み付け手段2の各トランスバーサルフィルタの複素タップ係数と、出力端子402の誤差信号生成に際して誤差推定手段4においてすでに減算除去されている干渉信号の推定値(干渉信号のレプリカ)を生成する干渉信号推定手段の複素タップ係数を更新するために用いられる。 【0033】誤差選択スイッチ10に入力される各誤差信号には、当該加算器以降の加算器で減算される干渉信号成分が減算されないままで残留している。変換パラメータ制御手段9は、誤差選択スイッチ10で選択された誤差が最小になるように入力信号重み付け手段2の複素タップ係数および希望信号推定手段8の複素タップ係数、減算される干渉信号に対応する干渉信号推定手段の複素タップ係数を更新する。したがって、合成受信信号yc (n)に含まれる誤差推定手段で除去されていない干渉信号成分の到来方向に対してはアンテナの指向特性でヌル点が向けられ、これらの干渉信号成分は抑圧される。したがって、等レベルの干渉信号が到来する場合においても、『干渉波除去方法およびそれを使った受信機と通信システム』〔PCT/JP94/00059〕で開示されている干渉キャンセラの欠点である等レベルの干渉信号が存在する場合の特性劣化を、入力信号重み付け手段2および合成手段3によるアンテナ指向性のヌル点制御により、回避することができる。 【0034】図5は、図4の実施例で受信アンテナ数を2本とし、入力信号重み付け手段2の各トランスバーサルフィルタの複素タップ数を1とした場合の例である。また、同図では干渉信号推定手段7−1で考慮する干渉信号の数を1としている。つぎに、図5を用いて入力信号重み付け手段2の複素タップ係数、希望信号推定手段8のトランスバーサルフィルタTVFDの各複素タップ係数および干渉信号推定手段7−1のトランスバーサルフィルタTVFI1の複素タップ係数の更新方法について具体的例を挙げて説明する。ここでは、希望信号と干渉信号の受信信号レベルが等レベルの場合を取り上げて説明する。ここで、希望信号と干渉信号の受信信号レベルが等レベルの場合は、従来の干渉キャンセル受信機例えば『干渉波除去方法およびそれを使った受信機と通信システム』〔PCT/JP94/00059〕で開示されている干渉キャンセル受信機では、著しい特性劣化を生じることが知られている。まず、誤差信号選択スイッチ10を101 に切り替えて加算器401の出力をタップ係数制御のための誤差信号として選択する。希望信号推定手段8の生成する希望受信信号の推定値(希望信号のレプリカ)をすでに加算器401で減算しているので、この誤差信号には、希望信号成分は除去されており、干渉信号成分を主成分として伝送路の推定誤差、熱雑音成分などが含まれている。この誤差信号と状態推定手段6が出力する希望信号系列候補を用いて、入力信号重み付け手段2の複素タップ係数および希望信号推定手段8のトランスバーサルフィルタTVFDの複素タップ係数を更新する。このとき、トランスバーサルフィルタTVFDの現在の時刻に相当する位置の複素タップ係数または、入力信号重み付け手段2のいずれかの複素タップ係数(例えば図5でhf1)を1.0(実部のみ)とすることができる。つぎに、更新された入力信号重み付け手段2の複素タップ係数を固定したまま、誤差信号選択スイッチ10を102 側にし、加算器402の出力する誤差信号と状態推定手段6の出力する希望信号系列候補と干渉信号系列候補を用いて、トランスバーサルフィルタTVFI1とTVFDの複素タップ係数の更新をする。このとき、すでに更新された入力信号重み付け手段2のタップ係数による重み付けにより、干渉信号成分の到来方向にヌル点が向けられ干渉信号成分がある程度抑圧されているので、状態推定手段6における希望信号と干渉信号の分離識別ができ干渉信号を除去することができる。 【0035】実施例3図6は、前記図4の構成と誤差推定手段4に、推定信号切り替え手段11を更に設けた点で異なる。推定信号切り替え手段11を設けることで、干渉信号推定手段71 〜7N1よりの各推定干渉信号を、誤差推定手段4内の直列に接続された加算器4−1〜4−N1 の任意の何れにも切り替え供給することができるようにされる。これにより誤差信号選択スイッチ10を切り替えて得られる誤差信号に含まれる干渉信号成分の成分を変化させることができる。推定信号切り替え手段11により、変換パラメータ制御手段4でタップ係数更新に用いられる誤差信号に含まれる干渉信号成分の構成を変化させることができ、特定の干渉信号に対して、入力信号重み付け手段2により、ヌル点を向けて抑圧することができる。すなわち、『干渉波除去方法およびそれを使った受信機と通信システム』〔PCT/JP94/00059〕で開示されている干渉キャンセラの欠点である等レベルの干渉信号が存在する場合の特性劣化を回避する上で有効である。 【0036】図7は、図6の構成において受信アンテナ数を2、干渉信号推定手段で考慮する干渉信号の数を2波とした場合の具体例である。同図において希望信号と干渉信号推定手段7−1に対応する干渉信号のレベルが等しい場合を取り上げる。推定信号切り替え手段11においてスイッチの接続状態が点線で示すように端子A−a,B−b,C−cであるとすると、誤差スイッチ10を101 にして前述の入力信号重み付け手段2および合成手段3による干渉信号推定手段7−1に対応する干渉信号希望信号へのアンテナ指向性のヌル点制御により前記干渉信号の信号レベルを下げる必要がある。このとき誤差信号の出力には干渉信号推定手段7−2に対応する干渉信号成分も含まれているので、この干渉信号に対しても干渉信号抑圧をするように動作してしまう。すなわち、ヌル点制御による干渉信号の抑圧を必要としない干渉信号に対してもヌル点を形成してしまい、受信特性の劣化が生じる。そこで、推定信号切り替え手段11においてスイッチの接続状態が実線で示すように端子A−b,B−a,C−cと切り替え、誤差信号選択スイッチ10を102 に切り替えることにより、この発明の入力信号重み付け手段2および合成手段3を用いて干渉信号を抑圧除去できる干渉信号を任意に選択することができる。 【0037】図6において、推定信号切替手段11は希望信号推定手段8も含めて切り替え可能としてもよい。つまり誤差推定手段4において、例えばある干渉信号推定値の減算をまず行い、その後に希望信号推定値の減算を行ってもよい。このようにすると、希望信号のレベルが若干低下するが、従来技術における等レベルの干渉信号が存在する場合の特性劣化を回避することができる。図6、図7において入力信号重み付け手段2は図5と同様に1タップのものとしてもよい。 【0038】実施例4図8は入力信号重み付け手段2においてトランスバーサルフィルタの複素タップ数が1つの場合である。この場合、入力信号重み付け手段2においては遅延手段を持たない構成となっている。図9は、干渉信号推定手段を持たない構成である。この場合干渉信号の除去は、この発明の入力信号重み付け手段2および合成手段3を用いて動作するアンテナ指向性のヌル点制御による効果のみによる。図9において入力信号重み付け手段2は図1と同様にトランスバーサルフィルタで構成してもよい。その場合の単位遅延手段の遅延量はT又はT/nの何れでもよい。 【0039】図10は、受信アンテナが1本の場合である。また、入力信号重み付け手段2では、T/n時間毎の遅延手段(nは2以上の整数、図10ではn=2の例を示す)を用いた2タップのトランスバーサルフィルタを用いた構成を示す。この構成では、アンテナ指向性のヌル点制御による干渉信号抑圧除去効果は得られないが、状態推定手段6中の最尤系列推定器(MLSE)で問題となるサンプリングクロックのタイミングずれによる受信特性の劣化を改善できる。 【0040】 【発明の効果】以上のようにこの発明によれば、従来からの干渉キャンセラの欠点であった他局からの等レベルの干渉信号による受信特性の劣化を回避することが可能となる。また、信号処理量も少なくてすみ低消費電力化がはかれる。また、干渉キャンセラ側で未知の干渉信号が到来した場合においても干渉抑圧除去効果があり、従来より優れた受信特性を得ることができる。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】392026693 【氏名又は名称】エヌ・ティ・ティ移動通信網株式会社
|
| 【出願日】 |
平成7年(1995)6月5日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】草野 卓 (外1名)
|
| 【公開番号】 |
特開平8−331025 |
| 【公開日】 |
平成8年(1996)12月13日 |
| 【出願番号】 |
特願平7−138102 |
|