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【発明の名称】 放電ランプ装置および照明装置
【発明者】 【氏名】秋山 史博

【氏名】渡部 英樹

【目的】 簡単なランプ構成で照度むらの発生が低減できる放電ランプ装置およびこのランプ装置を用いた照明装置を提供することを目的とする。
【構成】 直管状のガラス管バルブ1の表面に蛍光体膜3、4または光拡散膜およびバルブ軸に沿って蛍光体膜3、4または光拡散膜が塗布されていない一対の帯状の窓部5が形成されたアパーチャ形の放電ランプLと、この一対の帯状の窓部5、5間が光放射方向への中心に向くよう上記ランプLを支持したランプLの保持装置と、上記ランプの光放射方向に対して反対位置側に設けられた反射体Rとを備えている放電ランプ装置およびこのランプ装置を備えた照明装置である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 直管状のガラス管バルブの表面に蛍光体膜およびバルブ軸に沿って蛍光体膜が塗布されていない一対の帯状の窓部が形成されたアパーチャ形の放電ランプと、この一対の帯状の窓部間が光放射方向への中心に向くよう上記ランプを支持したランプの保持装置と、上記ランプの光放射方向に対して反対位置側に設けられた反射体とを備えていることを特徴とする放電ランプ装置。
【請求項2】 直管状のガラス管バルブの表面に光拡散膜およびバルブ軸に沿って光拡散膜が塗布されていない一対の帯状の窓部が形成されたアパーチャ形の放電ランプと、この一対の帯状の窓部間が光放射方向への中心に向くよう上記ランプを支持したランプの保持装置と、上記ランプの光放射方向に対して反対位置側に設けられた反射体とを備えていることを特徴とする放電ランプ装置。
【請求項3】 上記アパーチャ形の放電ランプが複数本並置され、それぞれのランプに反射体を備えていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の放電ランプ装置。
【請求項4】 上記アパーチャ形の放電ランプがガラス管からなる屈曲形成された放電路部を有し、その直管状の放電路部分が複数本並置されるとともに、それぞれの直管状の放電路部分に反射体を備えていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の放電ランプ装置。
【請求項5】 上記屈曲形成されたガラス管バルブからなるアパーチャ形の放電ランプがU字形またはW字形であるとともに、それぞれの直管状の放電路部分に反射体を備えていることを特徴とする請求項4に記載の放電ランプ装置。
【請求項6】 上記反射体がバルブの表面に一体的に形成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか一に記載の放電ランプ装置。
【請求項7】 上記反射体がバルブと離れ形成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか一に記載の放電ランプ装置。
【請求項8】 筐体または反射体と、この本体または反射体に配設された上記請求項1ないし請求項7のいずれか一に記載の放電ランプ装置と、このランプの点灯回路装置とを具備していることを特徴とする照明装置。
【請求項9】 筐体または反射体と、この本体または反射体に対向して設けられた制光体と、上記本体または反射体とこの制光体との間に設けられた上記請求項1ないし請求項7のいずれか一に記載の放電ランプ装置と、このランプの点灯回路装置とを具備していることを特徴とする照明装置。
【請求項10】 上記制光体が導光板または光拡散板であることを特徴とする請求項9に記載の照明装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【産業上の利用分野】本発明は一般の照明用やパソコン、ワープロなどのOA機器やテレビあるいはメータなどの表示装置に用いられる放電ランプ装置およびこの放電ランプ装置を装着したバックライト装置などの照明装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、液晶表示装置(以下LCDと略称する。)を用いた小型のパソコンやテレビなどあるいは文字や図形などの表示装置は小型で高輝度のカラー化がすすめられている。このLCDや表示装置などを照明するためのバックライト装置に使用されるたとえば蛍光ランプは入力が小さく、通常の一般照明用の蛍光ランプに比べ、細径などの小形化され低消費電力で、同時に高輝度、高演色性で長寿命なものが要望されている。
【0003】そして、このバックライト装置などで直下式と呼ばれている光拡散板に対して下面側に蛍光ランプなどの放電ランプを配置させたものがある。この放電ランプ装置の場合、蛍光ランプは反射板と組み合わせられ、直管形ランプを複数本用いたり、光放射面積の大きいU字形やW字形の屈曲形のランプが用いられたりしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そして、管形バルブの内面全周にほぼ同じ厚さの蛍光体膜を形成した蛍光ランプを用い、蛍光ランプからの放射光を直接あるいは光拡散板とは反対側に放射された光を反射板によって反射させ光拡散板に向かうようにしている。
【0005】しかし、この放電ランプ装置ではランプから直接光拡散板に入射する光強度は、ランプとの距離が最も近い真上の部分が最も高く、この真上部分から離れていくに従い、すなわちランプとの距離が遠いほどその光強度は低くなっていき、離れた部位には反射板からの反射光もくるが、上記光拡散板の光入射側では光強度にばらつきがあり、このばらつきに起因する照射光の照度むらをさらに減少させることが要望されている。
【0006】一方、反射体の形状などを変えて照度分布を均一化することも種々行なわれているが、なかなか適したものが得られなかった。
【0007】もちろん、バックライト装置としては上記の光拡散板によって、照射面に対して均一の照度分布を得るようにしているが、光拡散板に入射させる光自体をも板面に対し均一化している方が、この光拡散板からの出射光をより均斉化でき照度むらを減少させることができる。
【0008】本発明は上記事情に鑑みなされたもので、簡単なランプ構成で照度むらの発生が低減できる放電ランプ装置およびこのランプ装置を用いた照明装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に記載の放電ランプ装置は、直管状のガラス管バルブの表面に蛍光体膜およびバルブ軸に沿って蛍光体膜が塗布されていない一対の帯状の窓部が形成されたアパーチャ形の放電ランプと、この一対の帯状の窓部間が光放射方向への中心に向くよう上記ランプを支持したランプの保持装置と、上記ランプの光放射方向に対して反対位置側に設けられた反射体とを備えていることを特徴としている。
【0010】本発明の請求項2に記載の放電ランプ装置は、直管状のガラス管バルブの表面に光拡散膜およびバルブ軸に沿って光拡散膜が塗布されていない一対の帯状の窓部が形成されたアパーチャ形の放電ランプと、この一対の帯状の窓部間が光放射方向への中心に向くよう上記ランプを支持したランプの保持装置と、上記ランプの光放射方向に対して反対位置側に設けられた反射体とを備えていることを特徴としている。
【0011】本発明の請求項3に記載の放電ランプ装置は、上記アパーチャ形の放電ランプが複数本並置され、それぞれのランプに反射体を備えていることを特徴としている。
【0012】本発明の請求項4に記載の放電ランプ装置は、上記アパーチャ形の放電ランプがガラス管からなる屈曲形成された放電路部を有し、その直管状の放電路部分が複数本並置されるとともに、それぞれの直管状の放電路部分に反射体を備えていることを特徴としている。
【0013】本発明の請求項5に記載の放電ランプ装置は、上記屈曲形成されたガラス管バルブからなるアパーチャ形の放電ランプがU字形またはW字形であるとともに、それぞれの直管状の放電路部分に反射体を備えていることを特徴としている。
【0014】本発明の請求項6に記載の放電ランプ装置は、上記反射体がバルブの表面に一体的に形成されていることを特徴としている。
【0015】本発明の請求項7に記載の放電ランプ装置は、上記反射体がバルブと離れ形成されていることを特徴としている。
【0016】本発明の請求項8に記載の照明装置は、筐体または反射体と、この本体または反射体に配設された上記請求項1ないし請求項7のいずれか一に記載の放電ランプ装置と、このランプの点灯回路装置とを具備していることを特徴としている。本発明の請求項9に記載の照明装置は、筐体または反射体と、この本体または反射体に対向して設けられた制光体と、上記本体または反射体とこの制光体との間に設けられた上記請求項1ないし請求項7のいずれか一に記載の放電ランプ装置と、このランプの点灯回路装置とを具備していることを特徴としている。
【0017】本発明の請求項10に記載の照明装置は、上記制光体が導光板または光拡散板であることを特徴としている。
【0018】
【作用】ランプのガラス管バルブの光放射面側の中央部には蛍光体膜または光拡散膜が形成され、この被膜が形成された中央部の両側に被膜を形成していない帯状の窓部を設けたので、照射方向中央部に対面したランプ中央部からの放射光強度より被膜を形成していない帯状の窓部からの方の放射光強度が高くなる。
【0019】このため、ランプと最も近い被照射面の中央部には光拡散性の被膜を介して直射放射光および反射体からの反射光が照射される。また、被照射面の中央部から離れたランプから遠い被照射面には帯状の窓部からの強い放射光および反射体からの反射光が照射される。したがって、光強度(量)は距離に逆比例して低下していくことから、中央部から離れた被照射面に向かう放射光は低下度が大きいが被照射面に到達する光量は中央部の光量とあまり変わらず、被照射面の広い範囲に亘り照度むらの少ない照明が得られる。
【0020】
【実施例】以下、本発明の実施例を図1ないし図3を参照して説明する。図1はバックライト装置などに用いる放電ランプ装置LDを示す一部切欠上面図、図2は図1中のA−Aに沿って断面した部分を示す側面断面図、図3は図2の一部を拡大して示す拡大側面断面図である。
【0021】図中Lは蛍光ランプ、Bは長四角形状箱形の筐体で、この筐体Bの内部には反射体Rが取付けられ、上部には光拡散板Dが配設されている。また、Sは蛍光ランプLを点灯させる点灯回路装置である。
【0022】上記蛍光ランプLのバルブ1はソーダ石灰ガラスや鉛ガラスなどの軟質ガラスからなる直管状のガラス管を中間部においてたとえば3回折り返して形成した3っの屈曲部11、11、11と4本の直管部12、12、12、12とを有するW字形状(M字形状ともいう.)をなし、放電路は1本の連通したものからなる。そして、両外側の直管部12、12の端部の封着部(図示しない。)にはそれぞれゴム製のホルダー2、2が取付けられている。
【0023】また、この蛍光ランプLはアパーチャ形と呼ばれる構成を一部にとり、図3に横断面を拡大して示すようにバルブ1内面の下面側約200度の範囲にはたとえば青色、緑色、赤色に発光領域を有する蛍光体を混合した3波長形蛍光体膜3が所定膜厚で形成され、上面側中央部の約50度の範囲には上記と同じ材料と厚さの帯状の蛍光体膜4が形成されていて、この中央部の蛍光体膜4の左右の約55度の範囲には蛍光体膜が形成されていない透明な光透過用の窓部(アパーチャ)5、5が形成されている。(通常のアパーチャ形ランプは窓部が1本)
また、このバルブ1内にはAr(アルゴン)などの不活性ガスおよび水銀が封入されているとともに封着部には電極(図示しない。)が封着されている。
【0024】また、上記反射体Rはポリカーボネート樹脂や金属板から成形され、ランプLの屈曲形状とほぼ同じのW字形状(M字形状ともいう.)をなしバルブ1軸に沿って凹面状の反射面7が連続して構成された凹部61と平坦部62とを有する。この反射面7は反射体R自体が高い反射率を有する場合は特に反射層を形成しなくてもよい。
【0025】そして、上記のアパーチャ5、5を形成した蛍光ランプLは、一対の帯状の窓部(アパーチャ)5、5間が光放射方向への中心に向き、反射体Rがこのランプの光放射方向に対して反対側に位置して保持装置(図示しない。)に保持されている。
【0026】また、上記光拡散板Dはアクリル樹脂などからなり長四角形状をなしていて、ランプL側に位置する面には凹凸面(図示しない。)が形成されていたり、内部に光拡散体が混入されている。
【0027】また、上記筐体Bはポリカーボネート樹脂などからなる上面が開口した長四角形状の箱型をなし、内部に上記反射体Rを取付けるとともに、側壁81上には光拡散板Dが載置されている。また、底壁81には点灯回路装置Sが設けられている。
【0028】そして、上記構成の放電ランプ装置LDは点灯回路装置Sを介して蛍光ランプLを点灯させると、バルブ1内の放電によって蛍光体膜3、4が励起して発光する。そして、その一部は蛍光体膜3、4を透過し拡散されてバルブ1外へと向かい、光拡散板Dへ直射光91、…あるいは反射体Rで反射された反射光92、…となって照射される。また、一部は蛍光体膜3、4で反射されて帯状の窓部5、5を透過してバルブ1外へと向かい、光拡散板Dへ直射光93、…あるいは反射体Rで反射された反射光92、…となって照射される。
【0029】このとき、蛍光ランプL中央部の直上の光拡散板Dへは蛍光体膜4を介しての直射光91、…および反射体Rからの反射光92、…が照射されるが、直射光91とはいえ蛍光体膜4で拡散されているのでその光強度(量)は平均的なものである。また、蛍光ランプL中央部の直上から離れた凹部61の端部に近い光拡散板D部分方向へは、蛍光体膜が形成していない透明な帯状の窓部5から高い光強度(量)の光放射があるが、距離が遠いため光拡散板Dに到達したときの光強度(量)は低下し、蛍光ランプL中央部の直上の部分とあまり差のない値が得られる。すなわち、本発明の構成によれば光拡散板Dの中央部の光強度(量)は従来と変わらず、中央部から遠く離れた部分の光強度(量)を従来に比べて高くすることができ、しかも、中央部と端部との照射強度の差を少なくして光拡散板Dにおける照度むらを低減することができた。
【0030】また、反射体Rは、上述したように合成樹脂や金属板から成形され、その裏側にはランプL点灯のための高周波点灯回路やインバータ回路などを有する点灯回路装置Sが設けられ、電源線や給電線などの配線が添設されている。そして点灯時に、これら回路装置Sや配線から高周波や電磁作用によるノイズの発生することがあり、金属板などの導電性材料製の反射体Rの場合は放電ランプLの発光にちらつき現象を生じる。この発光のちらつき現象を防ぐ手段としては、反射体Rの内面側には光反射性のよいポリカーボネートなどからなる樹脂層を、また、外面側にはポリカーボネートの表面にアルミニウムの薄膜をコーティングした層により形成される反射体Rを用いた放電ランプ装置を、たとえば液晶表示装置のバックライト装置とした場合は、画像がちらついたり揺れたりすることがなく鮮明なものが得られ、また、電気的にも安全性が高まる。
【0031】また、図4は本発明の放電ランプ装置の他の実施例を示し、図中、図3と同一部分には同一の符号を付してその説明は省略する。図4の実施例は蛍光ランプL1のバルブ1面に直接に反射層71を形成したもので、格別には反射体を備えていないものである。
【0032】すなわち、上記実施例に示す蛍光ランプLのバルブ1軸に沿ってその外面の約200度の範囲を覆うようにアルミニュウムなどの光反射性物質を被膜やテープ状のものを貼付して反射層71が形成してある。このようなアパーチャ形の蛍光ランプL1を用いた場合でも、上述した実施例と同様の作用効果を奏し、器具側に反射体を備えなくてよいので構造が簡単で安価に装置をつくることができる利点を有する。
【0033】なお、本発明は上記実施例に限定されない。たとえば、放電ランプはガラス管バルブ内に水銀を封入した蛍光ランプについて述べたが、水銀を封入しない希ガス発光による放電ランプでもよく、この場合は蛍光体膜であってもよいがバルブに形成する被膜を上記の蛍光体膜に変えてシリカやチタンなどの無機質の微粉末で形成した光拡散膜であっても同様な作用効果を奏する。
【0034】また、ランプのバルブ表面に形成する蛍光体膜や光拡散膜あるいは光反射膜は内外面のうちの少なくとも一方の面のどちらでもまたは両面に形成してあってもよく、それは作業性、経済性を考慮して決めればよい。
【0035】また、反射体はバルブに直接に被膜を形成したものに限らず、バルブの外面に金属や樹脂などで成形した反射体を添設するようにしてもよい。
【0036】また、ランプのバルブ形状は直管部を有する管形のものであればよく、直管形のランプ、W(M)字形状、U字形状、V字形状、L字形状などの屈曲部を有する放電ランプあるいは直管状のバルブを細管でつなぎH字形状などにしたランプにも適用でき、また、もちろんバルブの屈曲部において被膜のない窓部が形成してあってもよい。
【0037】また、使用するランプの数は直管形のランプ1本から複数本のランプを並置したものであってもよい。
【0038】また、ランプの放電電極はバルブ内に一対設けたものに限らず、中間電極など3個以上の電極を有していてもよく、また、内部電極に限らずバルブの外面に設けられた外部電極であってもよい。
【0039】また、筐体および反射体は必須のものではないが、ランプの保持装置は筐体や反射体などに適宜に設けられていればよい。
【0040】さらに、放電ランプ装置は、液晶用や表示用などのバックライト装置に用いられるものに限らず、一般の照明に用いる照明装置に適用することも差支えないものであり、ランプからの放射光がそのまま何も介さずに放出されるものあるいは実施例のように光拡散板や導光体などの制光体を介し放出されるものであってもよい。
【0041】
【発明の効果】以上詳述したように本発明は、従来とは異なる新規のアパーチャ形をした放電ランプを用いランプ装置を構成したもので、反射体と協同して光放射方向の広い範囲にほぼ均一の強度(量)の光照射ができる。
【0042】したがって、液晶表示装置のに用いられるバックライト装置や一般照明に用いられる照明装置において、照度むらが改善できて鮮明な画像や表示あるいは快適な明りが得られるという効果を奏する。
【出願人】 【識別番号】000111672
【氏名又は名称】ハリソン電機株式会社
【出願日】 平成7年(1995)4月27日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】大胡 典夫
【公開番号】 特開平8−298100
【公開日】 平成8年(1996)11月12日
【出願番号】 特願平7−103869