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【発明の名称】 資金運用分析システム
【発明者】 【氏名】高橋 昭五

【氏名】根本 健

【氏名】林 朋子

【目的】 過去の金融取引履歴を分析して資金運用等に役立つ情報を提供するための資金運用分析システムにおいて、金融機関が顧客の過去の取引履歴を保管しておく必要を一切なくし、且つ、短時間で資金運用分析を行うことを可能にする。
【構成】 ICチップと光学的記録媒体とを表面に有した個人携帯用のカードを預金通帳として用いて(以下、電子通帳という)、その光学的記録媒体にその個人の過去の金融取引履歴を記録しておく。この電子通帳を専用の端末装置にセットすると、端末装置は、まず未記帳の取引履歴を電子通帳に記帳した上で、電子通帳から取引履歴を読出し、この取引履歴を分析して資金運用に役立つアドバイスをディスプレイする。分析の内容としては、例えば、預金残高の時間的推移や平均残高をグラフ化して示すこと、及び、預金残高の推移から運用自由な資金額を見積り、その金額に対して予めテーブルとして用意した各種預金種類別の利息率を適用して、預金種類別の利息額を比較すること等がある。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 利用者の暗証番号及び識別コードを含むセキュリティ情報を記録した第1の情報記録媒体と、金融取引の履歴を機械が読み書き可能なデータ形態で記録するための第2の情報記録媒体とを有した携帯可能なカードと、前記カードの第2の情報記録媒体から前記履歴を読み出す手段と、読み出した履歴を用いて所定の資金運用分析を行なう手段と、前記分析の結果を利用者に提供する手段とを有した情報処理装置と、を備えたことを特徴とする資金運用分析システム。
【請求項2】 請求項1記載のシステムにおいて、前記情報処理装置が、金融機関のホストコンピュータシステムと通信可能に接続され、前記資金運用分析を行なう際、この資金運用分析の実行に先立ち、前記利用者の過去の取引に係る前記カードに未記録の取引履歴を前記ホストコンピュータシステムより受け取る手段と、前記受け取った未記録の取引履歴を前記カードの第2の情報記録媒体に書込む手段と、を更に有することを特徴とする資金運用分析システム。
【請求項3】 請求項1記載のシステムにおいて、前記資金運用分析を行なう手段が、複数の預金種類毎の利息率又はこの利息率を種々の元金額に適用した利息額を記憶したテーブルと、前記読み出した取引履歴に基づいて、運用自由資金額を見積もる手段と、前記見積もられた運用資金額を元金として、この元金に前記テーブル内の利息率又は利息額を適用することにより、前記複数の預金種類毎の利息額を求める手段と、を有することを特徴とする資金運用分析システム。
【請求項4】 請求項3記載のシステムにおいて、前記情報処理装置が、金融機関のホストコンピュータシステムと通信可能に接続され、利用者の指示に応答して、指定された資金額に関する異なる預金種類間での預け替えの実行要求を、前記ホストコンピュータシステムに対し送信する手段、を更に有することを特徴とする資金運用分析システム。
【請求項5】 顧客の暗証番号及び識別コード並びにその顧客の金融取引履歴を記録した顧客の携帯するカードから、前記履歴を読み出す手段と、前記読み出した履歴を用いて所定の資金運用分析を行なう手段と、前記分析の結果を顧客に提供する手段と、を備えた資金運用分析装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、過去に行った資金運用の履歴を分析して将来の運用に役立つ情報を提供する資金運用分析システムに関する。
【0002】
【従来の技術】この種の従来装置として銀行等で用いられている相談端末装置が知られている。この相談端末装置は、相談相手の過去の金融取引履歴を銀行のホストコンピュータシステムから受け取り、この取引履歴を分析するものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の相談端末装置には幾つかの問題点がある。第1の問題は、銀行側で顧客の過去の取引履歴を保管しておく必要がある点である。全顧客の全取引履歴を電子データの形で銀行の記憶装置に保管しておくことは、極めて膨大な容量の記憶装置と莫大なコストとがかかるため、現実には不可能である。次善の策として、取引履歴の内容を簡略化し又は期間を限定する等して保管すべきデータ量を削減する方法が考えられるが、そうすると、削減した履歴分だけ資金運用分析の自由度の範囲も制限されることになる。しかも、有効な資金運用分析を行うためには、削減できるデータ範囲にも限度があるので、やはり、相当大量の取引履歴を保管しておく必要があり、非常に高いコストがかかってしまう。
【0004】第2の問題として、相談端末を利用する場合、ホストコンピュータシステムの膨大なデータベース中から利用者の取引履歴を検索して、これを通信回線を通じて相談端末へと伝送する必要があるから、利用時間が長くかかってしまうことがある。
【0005】更に、第3の問題点として、相談端末は銀行のホストコンピュータシステムと接続される必要があるので、設置場所は銀行店舗などの特別の場所に限られ、利用日時も銀行の営業日時に限られるため、利用者にとって充分便利であるとはいえない。
【0006】従って、本発明の目的は、過去の金融取引履歴を分析して資金運用等に役立つ情報を提供するための資金運用分析システムにおいて、金融機関が顧客の過去の取引履歴を保管しておく必要を一切なくすと共に、短時間で資金運用分析を行うこと可能とし、更には、顧客が各々の自宅などで日時を問わずに自由に資金運用分析を行えるようにすることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明に従う資金運用分析システムは、利用者の暗証番号及び識別コードを含むセキュリティ情報を記録した第1の情報記録媒体と、金融取引の履歴を機械が読み書き可能なデータ形態で記録するための第2の情報記録媒体とを有した携帯可能なカードと、このカードの第2の情報記録媒体から履歴を読み出す手段と、読み出した履歴を用いて所定の資金運用分析を行なう手段と、分析の結果を利用者に提供する手段とを有した情報処理装置と備えたことを特徴とする。
【0008】好適な実施形態では、上記情報処理装置が更に、金融機関のホストコンピュータシステムと通信可能に接続され、資金運用分析を行なう際、この資金運用分析の実行に先立ち、利用者の過去の取引に係るカード未記録の取引履歴をホストコンピュータシステムより受け取る手段と、受け取った未記録の取引履歴を前記カードの第2の情報記録媒体に書込む手段とを有する。
【0009】また、好適な実施形態では、前記資金運用分析を行なう手段が、複数の預金種類毎の利息率又はこの利息率を種々の元金額に適用した利息額を記憶したテーブルと、読み出した取引履歴に基づいて運用自由資金額を見積もる手段と、見積もられた運用資金額を元金として、この元金に前記テーブル内の利息率又は利息額を適用することにより、複数の預金種類毎の利息額を求める手段とを有する。
【0010】更に、この好適な実施形態では、上記情報処理装置が更に、金融機関のホストコンピュータシステムと通信可能に接続され、利用者の指示に応答して、指定された資金額の異なる預金種類間での預け替えの実行要求を、前記ホストコンピュータシステムに対し送信する手段を有する。
【0011】
【作用】本発明のシステムによれば、携帯可能なカードに、利用者の暗証番号と識別コードと金融取引履歴とが記録されている。そのため、このカードは、従来のキャッシュカードと同様に金融取引を実行するために自動金銭出納装置(ATM)等で利用することができ、且つ、従来の紙の預金通帳と同様に取引履歴を記録しておくことができ、しかも、紙の預金通帳と異なって、取引履歴は機械が自動的に読み取れるデータ形態で記録されている。従って、利用者はこのカードを従来のキャッシュカードと同様にATM等で頻繁に使用することが予想されるから、その度にATMからカードに自動的に取引履歴を記帳することができる。つまり、各顧客の取引履歴を各顧客自身に分散して保管させた状態が実現される。
【0012】本システムの情報処理処理装置は、このカードから顧客の取引履歴を読み出して資金運用分析を行ない、その結果を顧客にフィードバックする。分析に必要な情報は顧客携帯のカード内にあるから、金融機関のホストコンピュータシステムからそれらの情報の提供を受ける必要がない。従って、金融機関のホストコンピュータシステムでは、カードに顧客の取引履歴を記録した時点で、その履歴を自システムから消去することができ、資金分析用に膨大な取引履歴を保管しておく必要が一切なくなる。
【0013】また、分析の際、必要な履歴の取得は、ホストシステムから受けるのではなく、カードから読み出すだけであるため、短時間で分析処理が完了する。
【0014】更に、分析に必要な履歴を顧客が自己のカード内に携帯しているから、分析を行なうための情報処置装置は必ずしも金融機関に設置する必要はなく、顧客の個人ユースのパーソナルコンピュータなどを用いて実現することもできる。そのため、顧客は自宅で日時を問わずに自由に資金分析が行なえる。
【0015】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面により詳細に説明する。
【0016】図1は、本発明に係る資金運用分析システムで使用される電子通帳の構成を示す。
【0017】図1(A)に示すように、この電子通帳1は、手札サイズの樹脂カードの表面にICチップ3とシート状の光学的記録媒体(以下、光メモリという)5とを取り付けたもので、銀行の預金通帳として使用される。光メモリ5は、ピットと呼ばれる微小な穴をレーザビームで開けることによりデータを記録するもので、この記録原理上、データを書込む際に既存データの消去は不可能であり追記だけが可能である。また、この光メモリ5は、半導体メモリや磁気シート等に比較して記憶容量が各段に大きい。こうした性質により、光メモリ5は、主として取引履歴の記録に用いられる。
【0018】ICチップ3は、EEPROMのような書換可能不揮発メモリ(以下、ICメモリという)7と、マイクロプロセッサ9とを内蔵する。マイクロプロセッサ9は、外部装置からICメモリ7へのアクセスの制御やデータの暗号化等の若干の情報処理機能を有する。
【0019】ICメモリ7は、記憶データが書換可能であること及びマイクロプロセッサ9によるアクセス制御下にあること等の性質を利用して、秘匿の必要なセキュリティ情報や、光メモリ5内の取引履歴とアドレスとの関係を管理するためのアドレステーブル等の記憶に利用される。セキュリティ情報としては、顧客の暗証番号やその他の認証コードや暗号化キー等があり、特に暗証番号や認証コードを記憶できるが故に、この電子通帳11は単に取引履歴を記録するという預金通帳の機能だけでなく、従来のキャッシュカードやクレジットカードのように、金融取引を実行するための道具としての機能も併せもつ。
【0020】更には、振込を行なう時に必要な振込元及び振込先の情報もICメモリ7に記憶させておくことができ、しかも、複数件の振込先情報が保有でき、必要に応じて書き換えも可能であるため、従来の振込カードの複数枚分の機能もこの電子通帳11で果たすことができる。
【0021】図1(B)は、光メモリ5の記録フォーマットを示したもので、光メモリ5は主走査方向において多数のトラックT1、T2、…に区分され、副走査方向において多数のセクタS1、S2、…に区分されている。そして、一つのトラックと一つのセクタとで区画される領域に、1つの取引に関する取引履歴(以下、レコードという)が記録されるようになっている。個々のレコードの記録領域は、そのトラック番号とセクタ番号とからなるアドレスによって識別される(図では、便宜上、「トラック番号−セクタ番号」の形でアドレスを表している)。この光メモリ5には、若いアドレスから順に、取引の実行日時の順番でレコードが記録されることになる。
【0022】図1(C)は、ICメモリ7に記憶されているアドレステーブルの一つを示したものである。このテーブルは、光メモリ5に記憶されているレコードを取引の実行された月別に分類してそのアドレスを記録したもので、各月毎に、月の最初の取引のレコードアドレス(以下、開始アドレスという)と、月の最後の取引のレコードアドレス(以下、終了アドレスという)とが記録されている。このテーブルへのアドレス書込は、後述する電子通帳専用機又は電子通帳対応型の自動金銭出納装置(ATM)によって、光メモリ5にレコードを記帳する際に行われる。また、このテーブルは後述するように、電子通帳専用機によって、資金運用分析を行う際に、分析対象となる期間のレコードを光メモリ5内から検索するために参照される。
【0023】図2は、光メモリ5に記録された一つのレコードの構成を示す。図示のように、レコードは、検索キー、取引の実行日付及び時刻、摘要、支店コード、取引金額、残高金額、エラーチェックコード等の項目から構成される。このうち、本実施例での資金運用分析に利用される項目は、日付と残高金額である。
【0024】図3は、本実施例で用いられる電子通帳専用機の構成を示す。この電子通帳専用機11は、電子通帳1に記録されたレコードの検索・照会や資金運用分析を行うことを主目的としたもので、銀行店舗等にATMとは別の端末装置として設置される。尚、ATMとは別の装置とした理由は、ATMを利用して行なう本来の銀行業務が、レコード検索や資金運用分析のサービスによって遅滞してしまうことがないようにするためである。
【0025】この電子通帳専用機11は、本機の全体の制御や資金運用分析やレコード検索のための情報処理を行うメインコントローラ13、銀行のホストコンピュータシステムと回線を通じて通信するための上位インタフェース15、電子通帳1にアクセスするためのカードリーダ/ライタ27、これを制御するカードリーダ/ライタコントローラ17、フロッピーディスクドライブ29、これを制御するフロッピーディスクドライブコントローラ19、ハードディスク記憶装置31、これを制御するハードディスクドライブコントローラ21、検索結果や資金運用分析結果を表示するディスプレイ装置33、これを制御するディスプレイコントローラ23、検索結果や資金運用分析結果を印刷するプリンタ35、これを制御するプリンタコントローラ25、利用者が入力を行うための操作パネル39、及びこれを制御する操作パネルコントローラ37等を備える。
【0026】図4は、この電子通帳専用機11のハードディスク記憶装置33内に記憶される利息率テーブルを示す。このテーブルは、普通預金や定期預金等の各種の預金種類について、最新の利息率を記録したものである。このテーブルの記録を常に最新のものとしておくために、電子通帳専用機11のメインコントローラ13は、定期的に又は毎システム立ち上げ時に又は利息率が変った時などの必要な機会に、銀行ホストコンピュータシステムから最新の利息率の情報を受け取ってテーブル内容を更新する。この利息率テーブルは、後述するように資金運用分析を行う際に参照される。
【0027】尚、この利息率テーブルの代りに、預金種類毎の最新の利息率を種々の元金額に適用して予め利息額計算した結果を登録した利息額テーブルをハードディスク内にもつようにしてもよい。
【0028】図5は、この電子通帳専用機11が資金運用分析を行う時の処理の流れを示す。尚、この実施例で行う資金運用分析は、一定金額の資金を各種の預金として運用した場合をシミュレートするものであるため、以下の説明では、資金運用シミュレーションと呼ぶこととする。
【0029】まず、利用者が操作パネル39により「資金運用シミュレーション」を選択し(S1)、且つ電子通帳1をカードリーダ/ライタ27に挿入すると(S2)、電子通帳専用機11は、電子通帳11のICメモリ7に記憶されている顧客識別情報を読み取り(S3)、この顧客識別情報を銀行ホストコンピュータシステムに送信して、ホストコンピュータシステムよりその顧客の過去の未記帳の取引履歴を送ってもらい、その未記帳の取引履歴を電子通帳11の光メモリ5に書込むと共に、この書込んだレコードに応じてICメモリ7内の月毎のアドレステーブルに必要なデータを追加する(S4)。
【0030】こうして未記帳履歴の記帳を先に行うことにより、引続く資金運用シミュレーションにおいて、最新の履歴を活用することができるようになる。
【0031】尚、銀行ホストコンピュータシステムは、未記帳履歴を記帳した後、その未記帳履歴を自システムの記憶装置から消去する。従って、資金分析のために銀行側が取引履歴を保管しておくことはない。
【0032】次に、電子通帳専用機11は、利用者に暗証番号を入力させ(S6)、暗証番号が正しければ(S6)、電子通帳11の光メモリ11から全てのレコード又は現在から一定期間のレコードを読み出す(S7)。尚、この際、事前に利用者は読み出すべきレコードの期間を指定すこともでき、その場合は、電子通帳専用機11は図1(C)に示した月別のアドレステーブルを参照することにより、利用者の指定した期間に該当するレコードの開始及び終了アドレスを知って、光メモリ5のそのアドレス範囲内の全レコードにアクセスする。これにより、光メモリ5をサーチする手間が省け、アクセス時間が短縮する。
【0033】次に、電子通帳専用機11は、ハードディスク内の利息率テーブルから各種預金の最新の利息率を取得し(S8)、続いて、現在までの残高推移のグラフ作成、平均残高の計算、及びある金額の資金を普通預金からその他の定期預金や積み立て預金等に預け替えした場合の利息額に関するシミュレーション等を行ない、その結果を編集しディスプレイ装置に表示したりプリンタに印刷したりする(S9)。尚、後述するように、シミュレーションは、資金額や預金種類を自動的に設定して行なう自動シミュレーションと、利用者がマニュアルで設定して行なうマニュアルシミュレーションとがあり、利用者が自由に選べる。
【0034】以上で資金運用シミュレーションを終えるが、シミュレーション結果に基づいて利用者が直ちに資金の預け替えを行いたい場合をサポートするために、続いて、利用者に対して預け替えを行うか否を尋ねる(S10)。その結果、イエスの回答を得た場合は、先程のシミュレーションで用いた資金額と預金種類の通に預け替えを行なって良いか否かを利用者に確認させ(S11)、確認結果が良ければ、預け替えの実行を銀行ホストコンピュータシステムに依頼する(S12)。預け替えが実行されると、銀行ホストコンピュータシステムよりその履歴をもらって電子通帳11に記帳し、そして電子通帳11を排出して処理を終える(S13)。
【0035】尚、ステップS11で、利用者の確認結果が否の場合は、ステップS9に戻り、利用者に資金額や預金種類を訂正させた上で、再び利息額のシミュレーションを行い、その結果を表示した後に、再び利用者に預け替えを行うか否かを尋ねることになる(S10)。この利息額のシミュレーションと預け替え処理とのリンクによって、利用者にとって、自己の資金状態と利率等の金融環境との双方の面から見て適当な資金運用方法を選択することが容易となる。
【0036】図6は、上記のステップS9をより詳細に示したもので、まず、読み出したレコードに基づき残高推移を示すグラフの作成や平均残高の計算を行う(S21)。次に、読み出したレコードの中から最低残高金額を検索する(S22)。
【0037】次に、利用者にシミュレーション条件の設定を行わせる(S23)。即ち、まず、上述した自動シミュレーションとマニュアルシミュレーションのいずれかを選択させる。自動シミュレーションの場合には、ステップS22で検索した最低残高を運用自由な資金額とみなし、預け替えの先の預金種類として所定の預金種類(例えば、1年定期預金等)を設定する。また、マニュアルシミュレーションの場合は、次に、利用者に資金額と預け替え先の預金種類(定期預金のように期間が選択できる預金種類の場合はその期間も)を設定させる。
【0038】次に、設定したシミュレーション条件に従って、利息額のシミュレーションを行う(S24)。即ち、利息額テーブルから普通預金と預け替え先の預金種類の最新の利息率を読出し、この利息率を、設定された資金額を元金とした場合に適用して、利息額を普通預金と預け替え先の預金種類について計算する。続いて、預け替え先の預金種類の利息額と普通預金の利息額との差額を計算する。
【0039】次に、この利息の差額に基づいて、利用者に与えるべきアドバイスメッセージの内容を決定し(S25)、このアドバイスメッセージをディスプレイ装置に表示したり、利用者の要求があれば印刷したりする(S26)。
【0040】図7はその表示例であるが、残高推移のグラフ41と、平均残高43と、最低残高45と、アドバイスメッセージ49とが見やすい形に編集されて表示されている。ボタン47を操作すればこの表示内容の印刷ができ、ボタン51を操作すれば、この表示を終了することができる。
【0041】再び図6を参照して、シミュレーション結果の表示・印刷を終了した後、利用者にシミュレーション対象となる資金額を変更するか否かを尋ね(S27)、変更する場合は、ステップS23に戻ってシミュレーション条件を変更させた上で再度シミュレーションを実行する。尚、図5のステップS11の確認結果が否の場合にも、ステップS23に戻ることとなる。
【0042】以上説明した実施例によれば、資金運用分析を電子通帳に記録された取引履歴に基づいて行えるため、銀行が膨大な取引履歴を保管しておく必要がなくなり、しかも、電子通帳の光メモリには充分大量の取引履歴を記録できるので、充実した内容の資金分析を行うことができる。また、分析に先立って銀行ホストから未記帳データを取得するので、最新の取引履歴を分析に反映することができる。更に、分析結果と共に残高推移や平均残高も表示されるため、利用者が自己資金の変動を把握することが容易であり、資金運用アドバイスの効果が高い。
【0043】また、資金運用分析に必要な取引履歴は全て電子通帳から読み出すため、必要な全ての取引履歴をホストシステムから貰う場合に比較し、非常に短時間で分析を完了することができる。
【0044】尚、この電子通帳は、既に述べたように、キャッシュカードやクレジットカードや振込カードと同様の機能を持つため、従来の紙の預金通帳に比較して遙かに頻繁にATMで利用されることが予想され、その利用の度にATMから未記帳データを記帳することが出来る。そのため、資金運用分析を行なう際、その時に記帳すべき未記帳履歴の数は多くとも数件程度であろう。また、未記帳履歴は電子的に記帳するので、記帳の時間は非常に短かくてすむ。よって、資金運用分析に先立って未記帳データの記帳を行なっても、記帳時間が全体の分析時間を長びかせるという問題は実質的にない。
【0045】また、この実施例では、顧客は分析結果を受けた後、必要であればその場で直ちに預け替えが行えるという利点もある。
【0046】更に、電子通帳専用機は、実施例の場合は最新取引履歴や最新利息率の取得や預け替えのオンライン実行を行えるようにするために、銀行ホストシステムと接続されていた。しかし、必ずしもそうである必要はなく、電子通帳専用機を顧客の個人ユースのパーソナルコンピュータ等を用いて実現することも可能である。そうした場合には、銀行業務とは関係なく、顧客は自宅で日時を問わずに自由に資金運用分析を行なうことができる。
【0047】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、過去の金融取引履歴を分析して資金運用等に役立つ情報を提供するための資金運用分析システムにおいて、金融機関が顧客の過去の取引履歴を保管しておく必要が一切なく、且つ、短時間で資金運用分析を行うことが可能である。
【出願人】 【識別番号】000102728
【氏名又は名称】エヌ・ティ・ティ・データ通信株式会社
【出願日】 平成6年(1994)7月20日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】上村 輝之
【公開番号】 特開平8−30707
【公開日】 平成8年(1996)2月2日
【出願番号】 特願平6−189952