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【発明の名称】 シュミレーションプログラムの作成方法およびその装置
【発明者】 【氏名】星野 俊彦

【氏名】坂本 俊治

【目的】 生産ラインの実情に即したシュミレーションプログラムを効率良く作成する方法および装置を提案する。
【構成】 生産ラインにおける設備の状態を表す情報をプログラマブルコントローラから得、この情報と既存のシーケンス制御プログラムとを比較することにより、前記シーケンス制御プログラムの不変部分と、そのシーケンス制御プログラムからの修正部分とを生成してシュミレーションプログラムを作成する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 生産ラインのシーケンス制御をシュミレーションするシュミレーションプログラムを作成する方法において、生産ラインにおける設備についての、シーケンスプログラムの状態を表す情報と、それが使用するデバイスの状態を表す情報をプログラマブルコントローラから得、これらの情報と既存のシーケンス制御プログラムとを比較することにより、前記シーケンス制御プログラムの不変部分と、そのシーケンス制御プログラムからの修正部分とを生成してシュミレーションプログラムを作成することを特徴とするシュミレーションプログラムの作成方法。
【請求項2】 シュミレーション条件を表すところの、シュミレーション対象の信号間のオン/オフパターンを作成し、作成されたパターンからシュミレーション条件を設定し、作成されたシュミレーションプログラムに設定されたシュミレーション条件を取り込んで、シュミレーションプログラムを完成することを特徴とする請求項1のシュミレーションプログラムの作成方法。
【請求項3】 前記シュミレーション条件は、設備におけるデバイスを規定する信号のオン/オフ状態であることを特徴とする請求項1または2に記載のシュミレーションプログラムの作成方法。
【請求項4】 前記比較工程においては、前記シーケンス制御プログラムをラダーパターンとデバイスとに分けて比較することを特徴とする請求項1または2に記載のシュミレーションプログラムの作成方法。
【請求項5】 プログラマブルコントローラにおけるシーケンス制御をシュミレーションするシュミレーションプログラムを作成する装置において、前記プログラマブルコントローラから、生産ラインについての、シーケンスプログラムの状態を表す情報と、それが使用するデバイスの状態を表す情報を入力する手段と、この情報と既存のシーケンス制御プログラムとを比較する手段と、前記シーケンス制御プログラムの不変部分と、そのシーケンス制御プログラムからの修正部分とを生成してシュミレーションプログラムを作成する手段とを具備することを特徴とするシュミレーションプログラムの作成装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、生産ラインのシーケンス制御を、例えば故意に故障状態を発生させたりしてシュミレーションするシュミレーションプログラムの作成方法およびその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】プログラマブルコントローラを用いて生産ラインを制御するシーケンスプログラムを自動的に作成する方法として、例えば、特開平4−319702号では、ラダープログラムの一部を表示して、表示されたプログラム中からコイル番号を抜き出す。システムは、このコイル番号を下にして、そのコイルの付勢・消勢に関係するリレー番号を全て検索し、検索したリレー番号とコイル番号とに基づいてコメントファイルを検索してリレーコメントを捜し出し、それを表示するようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記先行技術の手法は、シーケンスプログラムを作成するためには有効であるかも知れないが、シュミレーションプログラムを生成するためには有効でない場合が多い。シュミレーションプログラムは、主に、シーケンス制御プログラムが異常時に正しく対処するようになっているか否かを確認する目的で作成される。そのためには、シュミレーションプログラムは、実際に生産ラインで実行されるプログラムはその生産ラインの実態を正確に反映したものでなくてはならない。ところが、実際には、シーケンス制御プログラムはその現場での実情に合わせて改変されて用いられていることが多く、それ故に、上述のような先行技術のプログラムの作成方法はシュミレーションプログラムの作成に対しては無効であることが多い。
【0004】本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、生産ラインの実情に即したシュミレーションプログラムを効率良く作成する方法および装置を提案するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成すべく、本発明は、生産ラインのシーケンス制御をシュミレーションするシュミレーションプログラムを作成する方法において、生産ラインにおける設備についての、シーケンスプログラムの状態を表す情報と、それが使用するデバイスの状態を表す情報をプログラマブルコントローラから得、これらの情報と既存のシーケンス制御プログラムとを比較することにより、前記シーケンス制御プログラムの不変部分と、そのシーケンス制御プログラムからの修正部分とを生成してシュミレーションプログラムを作成することを特徴とする。
【0006】生成されたシュミレーションプログラムは改変された部分を反映したものとなり正確なシュミレーションを行なうことができる。また、既存の部分を流用しているのでシュミレーションプログラムの開発が効率的である。また、本発明のシュミレーションプログラムの作成方法は、さらに、シュミレーション条件を表すところの、シュミレーション対象の信号間のオン/オフパターンを作成し、作成されたパターンからシュミレーション条件を設定し、作成されたシュミレーションプログラムに設定されたシュミレーション条件を取り込んで、シュミレーションプログラムを完成することを特徴とする。
【0007】このようにすることにより、シュミレーション条件の設定が簡単効率的になる。本発明の好適な1態様に拠れば、前記シュミレーション条件は、設備におけるデバイスを規定する信号のオン/オフ状態である。本発明の好適な1態様に拠れば、前記比較工程においては、前記シーケンス制御プログラムをラダーパターンとデバイスとに分けて比較する。
【0008】上記課題を達成するための本発明にかかる、プログラマブルコントローラにおけるシーケンス制御をシュミレーションするシュミレーションプログラムを作成する装置は、前記プログラマブルコントローラから、生産ラインについての、シーケンスプログラムの状態を表す情報と、それが使用するデバイスの状態を表す情報を入力する手段と、この情報と既存のシーケンス制御プログラムとを比較する手段と、前記シーケンス制御プログラムの不変部分と、そのシーケンス制御プログラムからの修正部分とを生成してシュミレーションプログラムを作成する手段とを具備することを特徴とする。
【0009】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
〈装置の構成〉図1は、本発明のシュミレーション装置が適用される生産ライン管理システムの全体を示す図である。
【0010】この生産システムは、複数の設備(50a〜50c)と、これら設備を夫々制御するプログラマブルコントローラ(40a〜40c)と、これらプログラマブルコントローラのシーケンスプロを自動生成するための自動生成装置10と、シュミレーションプロを生成するためのシュミレータ20とから構成される。尚、自動生成装置10は、シュミレータ20、プログラマブルコントローラ(40a〜40c)はイーサネットによって接続され、相互に更新が可能である。
【0011】図1において、生産のためにプログラマブルコントローラを制御するためのシーケンス制御プログラムは自動生成装置10が作成し、イーサネットを介してプログラマブルコントローラ(40a〜40c)にダウンロードする。生成装置10は、このプログラマブルコントローラと共に後述のデバイスマップも合わせてプログラマブルコントローラにロードする。
【0012】シュミレーションを行なうときは、シュミレータ20がシュミレーションプログラムを作成し、それをプログラマブルコントローラ(40a〜40c)にダウンロードする。シュミレーションの実行に際して、あるデバイスを疑似的にオンしたりオフしたりする必要があるときは、シュミレータ20がプログラマブルコントローラ中のデバイスマップにおいて目的のデバイスに対応する番地の値を“1”または“0”に書き換える。
【0013】本実施例のシュミレーション方法に特徴的なことは次の2点である。
■:最初に自動生成したときのシーケンス制御プログラムは、実際にはプログラマブルコントローラ段階において改変されていることに鑑みて、その改変箇所を知るために、シュミレータ20がプログラマブルコントローラ中のデバイスマップをアップロードするようにしている。アップロードしたマップを照合することにより、自動生成したシーケンス制御プログラムを改変して現場のプログラマブルコントローラに合致したシュミレーションプログラムを自動生成して、プログラマブルコントローラにダウンロードする。
■:シュミレーションにおいては、人為的に故障状態を現出させ、または、特定の動作状態を疑似的に発生させる必要があるが、このような状態を操作者が前もってタイミングチャートに作成して、シュミレータ20はそのタイミングチャートから特定のデバイスのオン/オフタイミングを自動的に生成してシュミレーションプログラムを作成する。
【0014】先ず図2に基づいて、シーケンス制御プログラムの自動生成について説明する。図2において、ラダーパターンメモリは、標準化されたラダーパターン(例えば、ボルトの締め付けルーチン、シリンダへの出力ルーチン等)を記憶する生成装置10内のメモリである。アクチュエータ定義テーブルは、生成装置10内にあらかじめ用意され、図4に示すように、設備に使用され得るアクチュエータの、その入力信号アドレス(A)、中間信号アドレス(B)、出力信号アドレス(C)を記述したマップである。また、I/O割付テーブルは図5に示すように、実際の生産ラインにおいて、各シーケンス毎に使用されるアクチュエータを特定するマップである。自動生成装置10は、I/O割付テーブルを参照することにより、対象に生産設備にし要されているアクチュエータを知り、使用されているアクチュエータの入出力間関係をアクチュエータマップ(図4)から知って、実行シーケンス(シーケンス制御プログラム)を生成する。具体的には、生成装置10は、I/O割付テーブル、アクチュエータ定義テーブルを参照してデバイスメモリマップを生成する。その制御プログラムは、表示されないと操作者には理解が困難であるので、生成装置10は、ラダーパターンメモリを参照し、ラダーパターンメモリとデバイスマップとを照合させながら、必要なパターンを表示装置(CRT30)に出力する。
【0015】シーケンス制御プログラムを実行させるには、生成装置10は当該プログラムをプログラマブルコントローラにダウンロードする。図3は、試験制御プログラムの自動生成の制御手順を示すフローチャートである。ステップS100において、ラダーパターンメモリへラダーライブラリ(アクチュエータの標準パターンシンボル)を読み込んで、パターンメモリを完成させる。尚、パターンメモリに直接書き込んで完成させてもよい。ステップS102では、パターンメモリの各デバイスパターンに該当設備用のデバイスを割り付ける。ステップS104では、パターンメモリのアドレスと、デバイスマップのメモリのアドレスとをリンクさせる。ステップS106では、I/O割付テーブルとラダーパターンメモリを参照しながら、デバイスとその接続関係に従ってシーケンス制御プログラムのコードを作成する。
【0016】以上がシーケンス制御プログラムの自動生成の手順である。次にシュミレーションについて説明する。図6は本システムにおけるシュミレーションの手順の概略を示したものである。ステップS200〜ステップS206は、実際の設備の状況を知るためにプログラマブルコントローラからデバイスマップをアップロード(ステップS200)し、また、以前に作ったシュミレーション対象の設備のためのシーケンス制御プログラムをパターンメモリに呼び出し(ステップS204)て、デバイスマップとパターンメモリとを照合をとりながらシュミレーションプログラムを作成する(ステップS206)ものである。
【0017】図7は、デバイスマップとパターンメモリとの照合を説明する。即ち、デバイスマップは、対象設備における入出力関係をアドレス表現で表し、またパターンメモリも、シーケンス制御プログラムをラダープログラム表現で表すものである。ラダープログラムにおいては、個々のデバイスにはアドレスが付されているので、このパターンプログラム中のアドレスとデバイスマップ中のドレスとを比較することにより、元のシーケンス制御プログラムがプログラマブルコントローラにおいてどのように改変されているかを知ることができる。そして、同じ部分があれば、その部分は修正されていないので、その部分をそのままシュミレーションプログラム中に取り込み、変形されている部分があれば、操作者の指示の下に当該変形部分を反映したシュミレーションプログラムを作成する。
【0018】図6において、ステップS210〜ステップS212はどのようなシュミレーション条件を生成するかを設定する手順である。ステップS210において、操作者は図8に示すようなシュミレーションパターンを作成する。図8において、左側の信号名は、設備のデバイスに対応する信号名(アドレス)である。図8においては、入力信号“A001”、“A002”、中間信号“B003”、“B004”、出力信号“C005”、“C006”が人為的にある状態を現出させるためにシュミレーション対象となっている信号である。図8の右側部分は、これらの信号の発生すべきタイミング時刻を示す。このようなタイミングチャートは、操作者がシュミレータ20を介してCRT表示装置30を用いて作成する。シュミレータ20は、このタイミングチャートにおける信号の変化点を時刻として抽出し、ステップS212において、シュミレーション条件を生成する。
【0019】ステップS214では、ステップS206で生成したシュミレーションプログラムと、ステップS212で作成した条件とを合成して、条件入りシュミレーションプログラムを完成する。ステップS216では、このシュミレーションプログラムをプログラマブルコントローラにダウンロードする。シュミレータ20は、シュミレーションに際し、ステップS212で生成した条件に従って、その条件で記述された時刻において、プログラマブルコントローラ側のデバイスマップにおいて、目的の信号に相当する番地部分を書き換える。こうしてシュミレーションが実行される。
【0020】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のシュミレーションプログラムの作成方法および装置によれば、生産ラインの実情に即したシュミレーションプログラムを効率良く作成することができる。しかも、信号のオン/オフパターンを作成したものからシュミレーション条件が設定されるので、さらにシュミレーションプログラムの作成が効率的になる。
【出願人】 【識別番号】000003137
【氏名又は名称】マツダ株式会社
【出願日】 平成6年(1994)8月24日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 康徳 (外1名)
【公開番号】 特開平8−63208
【公開日】 平成8年(1996)3月8日
【出願番号】 特願平6−199838