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【発明の名称】 テレビジョン映像信号のS/N値検出方法
【発明者】 【氏名】和泉 ▲吉▼則

【氏名】山口 孝一

【氏名】合志 清一

【氏名】苗村 昌秀

【氏名】福田 淳

【目的】 映像信号中のS/N値の検出精度を上昇させる。
【構成】 テレビジョン映像信号のS/N値を検出するにあたり、入力テレビジョン映像信号を画面上で複数の小さなブロックに分割(1)し、分割された各小ブロックの各画素毎に、映像信号と各前記小ブロック内で時間軸方向に平均化した信号(2)との差分(4)および/または各前記小ブロック内で2次元的に平均化した信号(3)との差分(5)を求め、それら差分の分布をあらかじめS/N値検出用に用意した統計的分布則のノイズ分布と比較して有意度(6)を求め、有意度ありと判定された当該小ブロックの差分によるS/N値はこれを採用し、かかる比較検討を全画面内で順次に継続(7)するとともに、全画面内で採用されたそれらS/N値の発生頻度(8)を求め、その発生頻度の分布から有効なS/N値を検出(9)する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 テレビジョン映像信号のS/N値を検出するにあたり、入力テレビジョン映像信号を画面上で複数の小さなブロックに分割し、分割された各小ブロックの各画素毎に、映像信号と各前記小ブロック内で時間軸方向に平均化した信号との差分および/または各前記小ブロック内で2次元的に平均化した信号との差分を求め、それら差分の分布をあらかじめS/N値検出用に用意した統計的分布則のノイズ分布と比較して有意度を求め、有意度ありと判定された当該小ブロックの差分によるS/N値はこれを採用し、かかる比較検討を全画面内で順次に継続するとともに、全画面内で採用されたそれらS/N値の発生頻度を求め、その発生頻度の分布から有効なS/N値を検出することを特徴とするテレビジョン映像信号のS/N値検出方法。
【請求項2】 請求項1記載の方法において、前記小ブロックを1画素および1走査線ごとに画面上左から右へおよび上から下へそれぞれ移動させることを特徴とするテレビジョン映像信号のS/N値検出方法。
【請求項3】 請求項1または2記載の方法において、求められたS/N値の全画面内の発生頻度の分布から有効なS/N値を検出するにあたり、前記発生頻度の分布の分散を考慮に入れた判定用しきい値を設定することを特徴とするテレビジョン映像信号のS/N値検出方法。
【請求項4】 請求項3記載の方法において、前記判定用しきい値に時間的な変化を考慮することを特徴とするテレビジョン映像信号のS/N値検出方法。
【請求項5】 請求項1から4いずれかに記載の方法において、前記有効なS/N値の検出に時間的な変化を考慮することを特徴とするテレビジョン映像信号のS/N値検出方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、テレビジョン映像信号中のノイズ検出方法に係り、特にそのS/N値の測定に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種のテレビジョン映像信号中のS/N値の検出は、既知のレベルの信号を映像の一部に定め、この信号に対して、既知のレベルとの差分をとりノイズ量を求め、S/N値を算出していた。つまり本当の意味での映像に含まれるノイズ量の評価ではなく、その映像が経てきた系で被るノイズ量を検出していた。もしくは、静止画に限定すれば、時間的に見て変化するのをノイズとしてS/N値を算出していた。しかし、この静止画に限定する場合は動き検出、動き補正等の方法により得た静止画部分のみでノイズ量を検出しなければならない。しかし、一般的に画像からの正確な動き部分の検出およびベクトルの検出は困難であり、かつ全ての動きに適用できず、アルゴリズムの複雑さ、ハードウエア規模の増大の割には効果は限られてきた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】すなわち、従来この種のテレビジョン映像信号中のS/N値の検出には、既知のレベルの信号を映像の一部に定める必要があったり、つまりその映像が経てきた系で被るノイズ量の検出で真の意味での映像に含まれるノイズ量の評価ではなかったり、静止画のみに限定したS/N値の検出しか可能でないという問題点があった。そこでこの発明の目的は、上述の問題点を解決し、映像振幅とノイズの確率的な分布の違いに着目してノイズを映像から分離、検定することにより、複雑な動き検出および動き補正を用いることなく、実映像中のS/N値を推定することの可能なテレビジョン映像信号のS/N値検出方法を提供せんとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため本発明テレビジョン映像信号のS/N値検出方法は、テレビジョン映像信号のS/N値を検出するにあたり、入力テレビジョン映像信号を画面上で複数の小さなブロックに分割し、分割された各小ブロックの各画素毎に、映像信号と各前記小ブロック内で時間軸方向に平均化した信号との差分および/または各前記小ブロック内で2次元的に平均化した信号との差分を求め、それら差分の分布をあらかじめS/N値検出用に用意した統計的分布則のノイズ分布と比較して有意度を求め、有意度ありと判定された当該小ブロックの差分によるS/N値はこれを採用し、かかる比較検討を全画面内で順次に継続するとともに、全画面内で採用されたそれらS/N値の発生頻度を求め、その発生頻度の分布から有効なS/N値を検出することを特徴とするものである。
【0005】
【実施例】本発明の原理は、テレビジョン映像信号のS/N値を検出するにあたり、全画面を複数の小ブロックに分割し、小ブロック毎のノイズの分布をあらかじめ用意した統計的分布則と比較して有意度を求め、有意度のない小ブロックの測定値はこれを捨て、これを全画面に適用し、次に全画面内で採用されたS/N値の発生頻度を求め、この発生頻度分布から有効なS/N値を検出し、かくて映像による誤検出を少なくした点に存する。
【0006】一般に映像が静止画の場合には、画素毎に映像信号の時間軸方向に平均化した信号との差分からノイズが容易に検出される。しかし、動画の場合にはこの差分には動きによる誤差が生じる。一方画像の動きに左右されないように、前記小ブロック内で2次元的に平均化した信号との差分を用いてもノイズが検出できる。しかし、この差分には映像信号成分による誤差が混入する。このようにそれぞれのノイズ検出方法には画像内容によって誤差が生じ、このため従来の一般画像中のノイズの検出は困難であった。
【0007】以下本発明方法を図1図示ブロック線図を使用して詳細に説明する。本発明方法ではまず、入力映像信号を画面上で複数の小さなブロック(例えば8画素×8画素の大きさ)に小ブロック化処理1を使用して分割し、この細分化された各小ブロックについて、画素ごとに、時間軸方向平均化処理2により時間軸方向に平均化された信号との差分4および/または2次元的平均化処理3によりx,y2次元空間で平均化された信号との差分5を求める。
【0008】次にこれら差分の分布をあらかじめS/N値検出用に用意した統計的分布則のノイズ分布と比較して有意度を求め、有意度ありと判定された小ブロックの差分によるS/N値はこれを採用する。この処理は図1において差分有意度判定処理6において実行される。前記ノイズ分布が例えば正規分布したノイズの場合は、正規分布の検定、すなわち通常カイ自乗検定が用いられる。かくて細分化された画面の各小ブロック中の、動きにより差分が生じる映像部分および2次元的何らかの相関の強い映像成分のために差分が生じる映像部分での誤検出を排除することができる。
【0009】これら小ブロックの検定は全画面内で順次に継続され、ノイズとしてその分布が検定をパスしてきた小ブロックのみのS/N値がS/N値集積処理7により集積される。この集積されたS/N値は全画面にわたりさらに頻度分布(ヒストグラム)が頻度分布作成処理8により作成される。作成されたヒストグラムから直ちに最良のS/N値が判定される場合はそれをS/N値判定処理9を介して出力すればよいが、一般的にはヒストグラムからピーク値、平均値、分散が求められ、さらに前記ヒストグラムにしきい値が与えられ、しきい値以上の最良のS/N値および前記ピーク値および前記平均値の中から最良のS/N値をS/N値判定処理9を介して出力する。これにより、できるだけ映像の影響を除いたS/N値検出とする事ができ、さらに、検出S/N値が誤検出でも実際よりよいS/N値を出力するため、例えばノイズリデューサの制御にはフェールセーフとなる(もちろん逆の目途には逆のフェールセーフとすることができる)。
【0010】また、発生頻度のしきい値を分散および過去の値を参照することにより映像の影響をさらに減らす事ができる。これは図1図示処理ブロック10,11,9の系路で行われる。またさらに、検出値の時間変化を検出する事によりさらに、映像による誤検出をへらすことができ、実映像中のノイズ量を推定することができる。この処理系路は図1図示では処理ブロック9の出力から遅延回路12を介するフィードバック処理で示されている。
【0011】以上の説明は大よそ請求項1,3〜5に関わる実施例の説明であるが、請求項2では画面の画素の走査につれて着目画素が移動していき、小ブロックをこの着目画素ごとに逐一設けていく方法でよりきめ細かな処理方法ということができる。さらに本発明はここに記載した実施例に限定されることなく、発明の要旨内で各種の変形、変更の可能なことは自明であろう。
【0012】
【発明の効果】本発明S/N値検出方法によれば、通常のテレビジョン動画像におけるS/N値を精度高く検出することができる。これにより画像のS/N値の変化に応じてノイズリデュース量を最適化することができ、ノイズリデューサを効果的に働かせることができ、きめ細かい画質管理を行うことができる。
【出願人】 【識別番号】000004352
【氏名又は名称】日本放送協会
【出願日】 平成7年(1995)1月23日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 暁秀 (外5名)
【公開番号】 特開平8−201464
【公開日】 平成8年(1996)8月9日
【出願番号】 特願平7−8050