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【発明の名称】 偏芯機能システムとスチールボールの遠心力機能システムを組合せた自動車のオートマチック装置
【発明者】 【氏名】庭山 新造

【目的】 ブレーキとアクセル操作のみにて自動車の加速が、始動から高速まで自動的に適当な速度をもって行われるようにしたオートマチック装置(自動変速機能装置)に関する。
【構成】 等辺三角形の外周面5´と、この外周面に等間隔でかつこの外周面と相似形の偏芯軌道の内周軌道面16、17(23、24)と、で形成される空洞6を有する本体Aと、この本体の空洞に回転自在に配設される動力伝達配分円板13と、この動力伝達配分円板を架承する前記本体に貫設した原動軸12と、前記動力伝達配分円板に設けられた前記原動軸の放射方向に等分間隔で穿孔した円筒14と、この円筒内に摺動移動可能に挿設され、かつ前記外周面に圧接される数個の動力伝達用のスチールボール7と、で構成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 回転盤1、2を相対して組合せた本体A内に等辺三角形を呈する偏芯軌道の外周面5´を設け、この偏芯軌道の外周面5´に等間隔に設けた同外周面5´と相似形の内周軌道面16、17(23、24)とで形成された空洞6を設け、該空洞6の軸芯部に架設した原動軸12の中心部に動力伝達配分円板13を固着し、該動力伝達配分円板13を、その円周方向において、少なくとも三分割した切欠部15を形成し、この少なくとも三分割した切欠部15内にそれぞれ円筒14を挿設し、該各円筒14内に摺動可能な寸法のスチールボール7をそれぞれ保持するとともに、前記切欠部15に挿設された円筒14の先端がそれぞれ偏芯軌道の外周面5´に対し、スチールボール7の直径の1/2よりやや少ない間隔に形成するとともに、前記原動軸12の回転により、前記円筒14に設けられた前記スチールボール7の遠心力機能による重圧循環回転作用が前記偏芯軌道の外周面5´に付与されるように組合せたことを特徴とする偏芯機能システムとスチールボールの遠心力機能システムを組合せた自動車のオートマチック装置。
【請求項2】 回転盤1、2を相対して組合せた本体A内に等辺三角形を呈する偏芯軌道の外周面5´を設け、この偏芯軌道の外周面5´に等間隔に設けた同外周面5´と相似形の内周軌道面16、17(23、24)とで形成された空洞6を設け、該空洞6の軸芯部に原動軸12を回転自在に架承し、この原動軸12の中心部に数本の腕幹25aをプロペラ状の等分間隔に設けた動力伝達配分多岐腕幹25を設けて前記空洞6をほぼ等分のスペース6´に区画し、このスペース6´の周縁方向にスチールボール7を適宜数遊嵌し、前記原動軸12の回転により、腕幹25を介してスペース6´内のスチールボール7を同時に回転し、このスチールボール7の自動遠心力機能による重圧循環回転が前記偏芯軌道の外周面5´に付与されるように組合せたことを特徴とする偏芯機能システムとスチールボールの遠心力機能システムを組合せた自動車のオートマチック装置。
【請求項3】 回転盤1、2を相対して組合せた本体A内に等辺三角形を呈する偏芯軌道の外周面5´を有する空洞6を設け、該空洞6の軸芯部に原動軸12を回転自在に架承し、この原動軸12の中心部に数本の腕幹25aをプロペラ状の等分間隔に設けた動力伝達配分多岐腕幹25を設けて前記空洞6をほぼ等分のスペース6´に区画し、このスペース6´の周縁方向にスチールボール7を適宜数遊嵌し、前記原動軸12の回転により、腕幹25を介してスペース6´内のスチールボール7を同時に回転し、このスチールボール7の自動遠心力機能による重圧循環回転が前記偏芯軌道の外周面5´に付与されるように組合せたことを特徴とする偏芯機能システムとスチールボールの遠心力機能システムを組合せた自動車のオートマチック装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【産業上の利用分野】この本発明は、自動車の加速を始動から高速まで、自動的でかつ適当な速度をもって行われるようにしたオートマチック装置(自動変速機能装置)に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、自動車におけるオートマッチック装置としては、走行安定性又は始動から高速までスムーズな切換え及びトルク伝達が達成され、かつ始動時における衝撃が軽減される構造、即ち多数の歯車と流体(油圧)を組合せた手動・自動トランスミッションが採用されている。
【0003】そして、該トランスミッションに関する発明も多数散見される。その一部を掲載すると、特公昭59−2647号の自動車のクラッチ制御装置、特公昭61−5923号の自動車用自動変速機、特開平2−171333号の自動変速機におけるシフト操作機構、又は特開平4−237640号の自動変速機の変速制御装置等がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前述の如く、自動車等において衝撃のない始動ができるものとして、油圧加速のものがあった。しかしこれらの発明は、液体を利用するため多数の羽根が必要であるので、構造がきわめて複雑となること、また該羽根の制御、液体制御に関する複雑な電機装置及び構成を有し、前述と同様構造が極めて複雑となる。更に装置全体が大型化することから、その重量増大が発生すること、また製作費が高くなること、等の面から自動車用としては不向きな処である。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は前記欠点を除去するため、従来の油圧の如き液体の利用を全く排し、固体であるスチールボールを利用したことを根本的な特徴とし、このスチールボールを空洞内で重圧循環回転して自動的に生じる遠心力機能を、内周軌道面を利用してほぼ100%偏芯軌道の外周面に加速作用するよう組合せたことを特徴とするものであり、これにより自動車の始動時に必要な空転と加速が順次自動的に、かつ適当速度をもって徐々に行われるものであり、本発明は前記のような極めて簡単な構造で製作費を下げ、資材も節約し、低廉でかつ運転し易い自動車を市場に提供すること、及び熟練を要することなく、初心者でもエンストせずスムーズな運転ができる自動車のオートマッチック装置を得ることを目的とする。
【0006】その要旨は、等辺三角形の外周面と、この外周面に等間隔でかつこの外周面と相似形の偏芯軌道の内周軌道面と、で形成される空洞を有する本体と、この本体の空洞に回転自在に配設される動力伝達配分円板と、この動力伝達配分円板を架承する前記本体に貫設した原動軸と、前記動力伝達配分円板に設けられた前記原動軸の放射方向に等分間隔で穿孔した円筒と、この円筒内に摺動移動可能に挿設され、かつ前記外周面に圧接される数個の動力伝達用のスチールボールと、で構成される偏芯機能システムとスチールボールの遠心力機能システムを組合せた自動車のオートマチック装置である。
【0007】
【作用】本発明は以上のような構成であるから、エンジンによって原動軸12を回転すると前記の如く連接された動力伝達配分円板13及び円筒14を介して円筒先内に自在にスライドできるよう保持されたスチールボール7が、偏芯軌道の外周面5´を循環回転する。したがって、スチールボール7の遠心力の重圧が回転力に応じて自動的に働き、回転盤1、2、即ち、本体Aを必要に応じた速度で回転をさせることができる。従って、本発明は自動車の始動時の必須要件とする空転は勿論アクセル操作一つで始動から高速運転まで、スムーズなクラッチ操作が可能な自動車のオートマチック装置とすることができる。
【0008】
【実施例】以下、本発明の一実施例を、試作実施した図面に基づいて説明すれば次の通りである。
【0009】先ず、本発明の被回転構成システムについて詳述すると、図1〜図4に示す六個のスチールボールを採用する構成では、図1は全体の縦断面図、同図2は図1のC−C縦断面図、同図3は図4のD−D横断面図で等辺三角形を明示した図、同図4は図3のE−E縦断面図である。この例では、図において、本体Aは、同形とする二枚の回転盤1、2を回転盤組合せボルト3で左右に相対して組合せたものであり、その過程において該回転盤1、2の各々内面軸芯部に適当とする大きさの等辺三角形4を仮設し、該等辺三角形4の一辺の長さを直径とする位の大きさのスチールボール等、円体を仮設した等辺三角形4の各辺に沿って一周し、回転盤1、2の内周面に描かれた外周線5はその形態が等辺三角形4の仮想外周線を形成しており、本発明の基本的軌道外周面(偏芯軌道の外周面5´)とするものであり、この類似線はコンパスと定規で書くこともできる。更にこの描かれた外周線5よりスチールボール7の内周軌道面16、17(23、24)迄の区間をそれぞれ必要な深さにルーター掘して本体Aの空洞6を形成すると同時に偏芯軌道の外周面5´が形成される。尚、図中8、9は本体Aの左右の支持パイプ軸であり、回転盤1、2の軸芯部に左右よりそれぞれ適当な深さに差し込んで固着し、外部は必要寸法に延ばし、軸受けベアリング10、11を介して回転できるよう車体シャシに設置する。更にルーター掘りにより形成された偏芯軌道の外周面5´に対する内周軌道面は元来ルーター掘りしてできた等辺三角形4の側面に当るが以下に述べる構造上の理由で、特別な形状となる。即ち、図2に示すように本体Aの空洞6の軸芯部に貫通架設した原動軸12の中心部に固着した動力伝達配分円板13が設けてあるから、これを避けるため前記ルーター掘りで掘り残した等辺三角形4の厚さから動力伝達配分円板13の厚さの2分の1余(左・右に設けるので)に相当する厚さをそれぞれ削り取って薄くしたものを新等辺三角形4´とし、該新等辺三角形4´の回りの角部とスチールボール7との接点部を内周軌道面とすべき処であるが、前記の如く等辺三角形4の厚さを新等辺三角形4´と薄くした関係で図2の如く、本体Aの中心より左右にそれぞれ広がるので、スチールボール7との接点はその球面のカーブ差だけ自然的に拡大する。更に該新等辺三角形4´の左右の各角部は、スチールボール7の球芯に向けた巾10mm位の範囲で、かつ適宜の寸法を有する帯状の平斜面とし、しかもその中央部が、スチールボール7との接点となるよう形成した左右の二条の偏芯小角丸部の内周軌道面16、17とする。尚、この内周軌道面16、17の三角形を呈する偏芯小角丸部のカーブ面は、偏芯軌道の外周面5´内をスチールボール7を回周して描くことにより容易かつ適正に形成することができる。
【0010】次に、本発明の駆動構成システムについて詳述すると、図において、12は本体Aを貫通した原動軸でありその両端を本体Aの支持パイプ軸8、9に差し込んで架設し図2で示すように中芯部に動力伝達配分円板13を固着し、該動力伝達配分円板13には、その円周の三等部分、又は六等部分など等間隔に切欠部15を設け、更に、スチールボール7がスムーズにスライドできる内径とした円筒14を設け、それぞれスチールボール7を入れ、スチールボール7の半径より3mm位深くかぶせ筒先を外方の偏芯軌道の外周面5´に向けて固着したものであり特に偏芯軌道の外周面5´と円筒14の筒先との間隔がスチールボール7の半径より僅かに少なくかつ円筒14の筒先が偏芯軌道の外周面5´の直線部を通過できる寸法であることが重要なポイントである。
【0011】図中15は動力伝達配分円板13に設けた切欠部であり、円筒14内のスチールボール7の内外の往復運動が充分できるよう半径円としてある。18は本体Aの原動軸12の端部に固着した外部への動力伝達用の歯車である。19は回転盤1、2の放熱羽根であり、20は原動軸12のオイル止め蓋である。尚、前記空洞6内には要所にオイル止を設け、内部に潤滑油を充填する。
【0012】尚、図5、図6に示す三個のスチールボールを採用する構成の被回転構成システムについて詳述すると、図5は全体の縦断面図、同図6は図5のC−C縦断面図である。この例の要部を説明すると、前述と同様に等辺三角形4の厚さを新等辺三角形4´と薄くした関係で図5の如く、本体Aの中心より左右にそれぞれ広がるので、三個のスチールボール7との接点はその球面のカーブ差だけ自然的に拡大する。更に該新等辺三角形4´の左右の各角部はスチールボール7の球芯に向けた巾10mm位の範囲で、適宜の寸法を有する帯状の平斜面としかつその中央部が、スチールボール7との接点となるよう形成した左右二条の偏芯小角丸部の内周軌道面23、24(拡大仮設三角形21、22)とする。
【0013】また、図7、図8に示す動力伝達分配多岐腕幹を採用する構成の被回転構成システムについて詳述すると、図7は全体の縦断面図、同図8は図5のC−C縦断面図である。この例の要部を説明すると、前記の動力伝達配分円盤13を動力伝達分配多岐腕幹(動力分配三叉腕幹25で説明する。)に代替する構成であり、本体Aに等辺三角形を呈する偏芯軌道の外周面5´を有する空洞6を設け、この空洞6の軸芯部に、左右より支持パイプ軸8、9を差し込んで固着し、この支持パイプ軸8、9に原動軸12を回転できるように架設する。そして、この原動軸12の中心部12aより放射方向に延設した三本又は数本の腕幹25aをプロペラ状の三等分間隔に設けた動力伝達配分三叉腕幹25を設け、この動力伝達配分三叉腕幹25により前記空洞6をほぼ三等分のスペース6´に区画し、このスペース6´の周縁方向にスチールボール7を適宜数遊嵌する。この構成において、前記原動軸12が回転することにより、この回転は前記腕幹25に伝達される。そして、この腕幹25の回転を介してスペース6´内のスチールボール7が同時に回転し、このスチールボール7の自動遠心力機能による重圧循環回転が前記偏芯軌道の外周面5´に付与される構成となっている。
【0014】
【発明の効果】以上で説明した如く、従来の自動車のオートマチック装置は、油圧構造のため無数の羽根片を必要とすることから、例えば、構造が極めて複雑でかつ大型となること、及び重量が重くなること、又は装置全体の製作費も高くなること、等大きな欠点があった。これに対して、本発明では、従来の液体を利用する構造を採用せず、スチールボール(ボールベアリング)という固体を利用した根本的な特徴がある。即ち、主要部に在来市販のスチールボールを利用できる利点がある。また全体的な構造が極めて簡単であること、及び製作能率の向上、並びに材料が節約できること、更には経済的なオートマチック装置を備えた自動車を市場に提供できること、等の特徴を有し産業に大いに貢献できる優れた効果がある。
【0015】また本発明の動力伝達分配多岐腕幹と、内周軌道面を採用する構成では、スチールボールの拡大と、これに基づく強い重力循環回転が偏芯軌道の外周面に付与される特徴がある。
【0016】更にまた本発明の動力伝達分配多岐腕幹を採用する構成では、内周軌道面を不要として、装置の簡略化、又は低コスト化が図れること、及びスチールボールの拡大と、これに基づく強い重力循環回転が偏芯軌道の外周面に付与される特徴がある。
【出願人】 【識別番号】593121380
【氏名又は名称】庭山 新造
【出願日】 平成7年(1995)3月16日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】竹中 一宣
【公開番号】 特開平8−247176
【公開日】 平成8年(1996)9月24日
【出願番号】 特願平7−57304