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【発明の名称】 ローラクラッチ
【発明者】 【氏名】ジェームズ・アール・パパニア

【目的】
【構成】
【特許請求の範囲】
【請求項1】 カムレース(10)と経路レース(12)との間に配置された複数のローラ(24)を有するローラクラッチ(8)において、カムレース(10)及び経路レース(12)が軸方向に伸びる単一の軸線の回りでほぼ同軸でありかつ環状の空間(22)を限定し、カムレース(10)が複数の傾斜したカム傾斜面(18)を限定しかつ経路レース(12)がカム傾斜面(18)に対向して円筒状の経路(13)を限定し、ローラ(24)の各々が経路レース(12)の円筒状の経路(13)とカムレース(10)の隣接するカム傾斜面(18)との間で係合され、ローラ(24)がクラッチの動作中カムレース(10)と経路レース(12)との間の環状の空間(22)内で円周方向に移動し、ローラ(24)の各々が、実質的に平行な対向する側壁(36、38)及び実質的に平行な対向する端壁(32、34)を有するケージ部分(30)によって適所に保持され、ケージ部分(30)が内側の空間(35)を限定してその空間内でローラ(24)がレース(10、12)間の環状の空間(22)に沿って円周方向に移動され、ケージ部分(30)がカム傾斜面(18)と滑り可能に係合するための少なくとも一つのカム作用面(46、47)を有し、ケージ部分(30)がレース(10、12)間の環状の空間(22)内でケージ部分(30)をカムレース(10)に固定する少なくとも一つの係合装置(44)を有し、部分(30)がカムレース(10)に半径方向、軸方向及び円周方向に保持されているローラクラッチ。
【請求項2】 請求項1に記載のローラクラッチにおいて、カムレース(10)が係合装置(44)を受けるための保持装置(14、16)を提供するローラクラッチ。
【請求項3】 請求項2に記載のローラクラッチにおいて、カムレース(10)の保持装置(14、16)が、カムレース(10)の第1の側面に形成された少なくとも一つの止め部(14)をかつカムレース(10)の反対側の第2の側面に少なくとも一つの止め部(16)を有し、止め部(14、16)がカムレース(10)のカム傾斜面(18)に関して隔てられており、ケージ部分(30)の係合装置(44)が第1の止め部(14)及び第2の止め部(16)内に固定されているローラクラッチ。
【請求項4】 カムレース(10)と経路レース(12)とを有するクラッチ(8)に使用するためのケージ部分(30)において、平行に隔てられた第1の端部(32)及び第2の端部(34)と、平行に隔てられた第1の側壁(36)及び第2の側壁(38)とを備え、第1の端部(32)及び第2の端部(34)並びに第1の側壁(36)及び第2の側壁(38)が少なくとも一つのローラ装置(24)及び少なくとも一つの弾性装置(26)を受けるための内側空間を限定し、各側壁(36、38)がケージ部分(30)をカムレース(10)に固定するための少なくとも一つの係合装置を限定するケージ部分。
【請求項5】 請求項4に記載のケージ部分(30)において、各側壁(36、38)が内側表面(40、41)を有し、内側表面がカムレース(10)の傾斜したカム傾斜面(18)と釣り合って係合するためのカム作用面(46、47)を限定するケージ部分。
【請求項6】 請求項4に記載のケージ部分(30)において、第2の端部(34)は少なくとも一つの上フランジ(70)を限定してその上フランジが第2の端部(34)の上部分(71)から第1の端部(32)に向かう方向に伸び、第2の端部(34)は更に少なくとも一つの下フランジ(74)を限定してその下フランジが第2の端部(34)の下部分(76)から第1の端部(32)に向かう方向に伸び、上フランジ(70)及び下フランジ(74)が弾性装置(26)と係合するケージ部分。
【請求項7】 請求項4に記載のケージ部分(30)において、第1の端部(32)は少なくとも一つの上フランジ(60)を限定してその上フランジが第1の端部(32)の上部分(61)から第2の端部(34)に向かう方向に伸び、第1の端部(32)は更に少なくとも一つの下フランジ(66)を限定してその下フランジが第1の端部(32)の上部分(68)から第2の端部(34)に向かう方向に伸び、上フランジ(60)及び下フランジ(66)がローラ(24)と係合するケージ部分。
【請求項8】 経路レース(12)及びカムレース(10)を有し、カムレース(10)がカム傾斜面(18)を限定するクラッチ(8)内にケージを半径方向、軸方向及び円周方向に取り付けるための方法において、各々が少なくとも一つのローラ(24)及び少なくとも一つの弾性装置(26)を保持するための対向する側壁(36、38)及び対向する端壁(32、34)を有し、側壁(36、38)の各々がカム作用面(46、47)及び少なくとも一つの係合装置(44)を限定する複数の部分(30)を容易する工程と、カムレース(10)の対応するカム傾斜面(18)に隣接して各ケージ部分(30)のカム作用面(46、47)を心合わせする工程と、ケージ部分(30)の係合装置(44)がケージ部分(30)をカムレース(10)に固定するまでカムレース(10)に向かう方向にケージ部分(30)を移動する工程とを含む方法。
【請求項9】 請求項8に記載の方法において、カムレース(10)は、係合装置(44)を受けるための少なくとも一つの保持装置(14、16)が設けられている方法。
【請求項10】請求項9に記載の方法において、保持装置(14、16)がカムレース(10)の両外側側面に少なくとも一つの止め部を備える方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は全般的にローラクラッチに関し、特にローラが半径方向、軸方向及び円周方向に確実に保持することが望まれるローラクラッチに使用するための個々のスナップ止めする部分に関する。個々の部分はローラクラッチの組み立て及び取り付けを容易にする。
【0002】
【従来の技術】多くの自動変速機が一対のレース間で選択的な相対回転を許容するオーバーランニング・ローラクラッチを使用している。このような変速機には種々の形式のクラッチケージが使用されてきた。一体クラッチケージは一体的に成形されかつレース間の環状の空間内に取り付けられるようになっている。他のクラッチケージは互いに連結されている複数の部分から成りかつレース間の空間内に取り付けられている。両形式のクラッチケージでは、レースが同軸関係に保持されることが重要である。各クラッチケージの支持部分はレースをこの同軸位置に保持すべきであるとは言え、移動又は傾斜が生じ、これにより一方又は他方のレースが同軸に整合しなくなる。
【0003】この非同軸な整合の問題を解決するために、一体のケージが使用されている。一体のケージは、自動変速機の使用中の温度の変化、水分の吸収及び冷却率を吸収する少なくとも一つの伸縮継ぎ手を必要とする。一体のケージを取り付ける場合、円筒状のレースを組み立てるために同時にトルク及びスラスト荷重を加えることが必要である。一体のケージは完全に丸くなく、それ故に組み立て中に高いトルクが必要であるので、これにより人間工学的な問題が生じる。
【0004】更に、伸縮継ぎ手が組み込まれた一体のケージは自動変速機の加熱サイクル中に弾性的に変形する必要がある。しかしながら、ケージの伸縮継ぎ手は塑性的に変形する傾向があり、それにより締まり嵌めが起こり摩耗が増加する。
【0005】不連続なすなわち分割されたケージにおいて、各ケージ部分の接続手段は隣接するケージ部分を接続する必要がある。種々の部分を有するクラッチケージ装置の一つの形式がジョンソン(Johnson)に与えられた米国特許第4,054,192号に記載され、その装置はレース内に互いに嵌まる幾つかのプラスチックの部分を備えている。しかしながら、各部分の連結手段すなわち接続手段は各部分に追加の応力を加える。更に、ケージをレース間の中央に保持することが望まれるとは言え、個々の部分は半径方向、軸方向及び(又は)円周方向に不要に移動する傾向がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述の従来技術に特有の問題を除去し、かつ隣接する部分に接続されない分割されたケージを提供する。
【0007】本発明の目的は、複数の分割されたケージがクラッチ内で三つの方向、すなわち軸方向、半径方向及び円周方向に保持されている改良したクラッチを提供することである。
【0008】本発明の他の目的は、分割されたケージが軸方向、半径方向及び円周方向に保持されるように分割されたケージに少なくとも一つの係合装置又は鎖錠機構(latching mechanism)を設けることによって、分割されたケージをクラッチ内に取り付けるための改良した方法を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本願の一つの発明は、カムレースと経路レースとの間に配置された複数のローラを有するローラクラッチにおいて、カムレース及び経路レースが軸方向に伸びる単一の軸線の回りでほぼ同軸でありかつ環状の空間を限定し、カムレースが複数の傾斜したカム傾斜面を限定しかつ経路レースがカム傾斜面に対向して円筒状の経路を限定し、ローラの各々が経路レースの円筒状の経路とカムレースの隣接するカム傾斜面との間で係合され、ローラがクラッチの動作中カムレースと経路レースとの間の環状の空間内で円周方向に移動し、ローラの各々が、実質的に平行な対向する側壁及び実質的に平行な対向する端壁を有するケージ部分によって適所に保持され、ケージ部分が内側の空間を限定してその空間内でローラがレース間の環状の空間に沿って円周方向に移動され、ケージ部分がカム傾斜面と滑り可能に係合するための少なくとも一つのカム作用面を有し、ケージ部分がレース間の環状の空間内でケージ部分をカムレースに固定する少なくとも一つの係合装置を有し、部分がカムレースに半径方向、軸方向及び円周方向に保持されて構成されている。本願の他の発明は、カムレースと経路レースとを有するクラッチに使用するためのケージ部分において、平行に隔てられた第1の端部及び第2の端部と、平行に隔てられた第1の側壁及び第2の側壁とを備え、第1の端部及び第2の端部並びに第1の側壁及び第2の側壁が少なくとも一つのローラ装置及び少なくとも一つの弾性装置を受けるための内側空間を限定し、各側壁がケージ部分をカムレースに固定するための少なくとも一つの係合装置を限定して構成されている。本願の別の発明は、経路レース及びカムレースを有し、カムレースがカム傾斜面を限定するクラッチ内にケージを半径方向、軸方向及び円周方向に取り付けるための方法において、各々が少なくとも一つのローラ及び少なくとも一つの弾性装置を保持するための対向する側壁及び対向する端壁を有し、側壁の各々がカム作用面及び少なくとも一つの係合装置を限定する複数の部分を容易する工程と、カムレースの対応するカム傾斜面に隣接して各ケージ部分のカム作用面を心合わせする工程と、ケージ部分の係合装置がケージ部分をカムレースに固定するまでカムレースに向かう方向にケージ部分を移動する工程とを含んで構成されている。
【0010】
【作用効果】本発明はカム作用レース及び経路レース(pathway race)を有する改良したローラクラッチを提供する。ケージを形成している複数の個々の部分はレース間に取り付けられている。ケージ部分はレース間でレースの軸線に関して一定の距離を保つ。複数のローラ及び弾性装置(ばねのような)がレース間に配置されている。レース間のローラは、クラッチの動作中にレース間で円周方向に移動する。
【0011】カム作用レースは複数のカム面を限定し、そのカム面はカムレースの一方の面に沿って円周方向に配置されている。個々のケージ部分はカムレースの各カム面に隣接して配置されている。ケージ部分は互いに接続されていない。各ケージ部分はむしろカムレースに個々に取り付けられている。カムケージ部分はカム作用面を有し、そのカム作用面はクラッチ動作中にカムレースの隣接するカム面と接触する。
【0012】ローラ及び附勢ばねは、例えばひだ付けされたアコーデオン形のばね又はワイヤばねから構成されてもよく、またケージ部分によって限定される内側空間内に配置されている。それぞれローラ及びばねを備えている部分は、カムレース内のカム面に隣接して置かれている。各ケージ部分はカムレースの外側と係合する装置を備えている。好ましい実施例において、係合装置は少なくとも一つのタブすなわち鎖錠機構を備え、そのタブすなわち鎖錠機構はケージ部分をカムレースの外側面にスナップ止し或いは固定する。個々のスナップ止めするケージ部分はカムレースに半径方向、軸方向及び円周方向に確実に保持される。好ましい実施例において、部分はカムレースの外側面の少なくとも一つの保持装置内に移動され或いはスナップ止めされる。
【0013】本発明のケージ部分は一般的に、対向して配置され平行な二つの側壁と、対向して配置され平行な二つの端壁とを備えている。本発明の一つの特徴は、側壁の部分がカムレースと係合する係合装置すなわち鎖錠機構を形成している。他の特徴は、ローラ及びばねがレース間の環状の空間内にしっかりと保持されることである。ローラは経路レースの滑らかな内側表面に沿って円周方向に動き、移動する。カムレース又は経路レースの移動方向が変わったとき、部分は経路レースの内側表面とカムレースのカム面との間でくさび止めされる。本発明の一つの特徴は、この移動方向すなわち経路レースに関するカムレースの相対回転方向が変化する間に、ローラは確実な円周方向位置、半径方向位置及び軸方向位置が保持され、ローラのほぼ全体の長手方向表面が経路レースの内側表面及びカムレースと係合する。すなわち、ローラは、円滑な移行又はシフトが起こるように傾斜するのが阻止される。反対方向に移動すると、カムレースは経路レースに関して自由にかつ円滑にオーバーラーンする。
【0014】本発明の他の特徴は、スナップ作用部分の側壁及び端壁は、潤滑が最も必要な区域における潤滑を保つ助けを行う。ケージ部分はカムレースから外れた及びクラッチの摩擦パックに向かう漏斗潤滑(funnel lubrication)に対する障壁を形成する。
【0015】更に他の特徴は、ケージ部分を連結されたケージに組み立てる必要がないので、本発明の個々のケージ部分がローラクラッチを製造するコストを下げることである。上記目的、特徴及び利点は以下の説明からも明白である。
【0016】
【発明の実施の形態】最初に図3及び図4において、クラッチ8と、外側のカムレース10及び内側の円滑な円筒状の経路レース12を有する一対のレースとが示されている。説明を簡単にするため、外側のレースはカムレースとして示されかつ内側のレースは経路レースとして示されている。しかしながら、外側のレース又は内側のレースのいずれもがカム作用面又は経路面を限定することが可能である。
【0017】全体が30で示される複数のケージ部分はレース10と12との間に配置されている。好ましい実施例において、ケージ部分30は好ましいプラスチック材料又は金属材料で成形され、それらの材料は好ましい強度及び摩擦特性を有している。本発明のケージ部分は好ましい形状に容易に成形されかつ現在利用されているケージよりも製造及び輸送の両方の面でコスト上の利点がある。示されるように、ケージ部分30は、各ケージ部分30がカムレース10と経路レース12との間に限定される円弧に合うように、立面図で僅かに円弧状になっている。各ケージ部分30は隣接するケージ部分と隔てられている。各ケージ部分は隣接するケージ部分と接触しない。したがって、一つのケージ部分で発生される応力は他のケージ部分に影響することはない。各ケージ部分はクラッチ内で別個に移動するので、ケージに所望の可撓性を与えるために要求される従来技術の薄いケージを使用する必要はない。それよりむしろ、本発明によれば、個々のケージ部分は、一連のケージ部分の可撓性に関係なく最適な寸法の厚さ、幅及び長さを有するように成形され得る。
【0018】カムレース10のカム面18及び経路レース12の実質的に滑らかな円周方向に伸びる内側表面13は環状の空間22を限定する。カムレース10は一方の側面15に少なくとも一つの保持装置14をかつカムレース10の他の側面17に少なくとも一つ保持装置16を有している。示されて実施例において、保持装置14及び16は円周方向に伸びる止め部すなわち溝から成っている。しかしながら、ケージ部分をカムレースに受けかつ止めるための他の保持装置は本発明の範囲内にありかつ本発明の説明を容易にするために保持装置として円周方向に伸びる止め部すなわち溝のみが示されていることを理解すべきである。更に、保持装置は、止め部が不連続な円弧状の形状を有するようにカムレースの周囲に円周方向に部分的に伸びる溝すなわち止め部を含むことも理解すべきである。カムレースから突出しかつ凹んだ溝又は止め部の形状を有しかつケージ部分に形成された少なくとも一つの係合装置と接触することによってケージ部分をカムレースに保持する保持装置が意図されている。保持装置14及び16はカムレース10のカム面18に対して隔てられている。カムレース10のカム面18は機械加工されて複数の等しく隔てられて傾斜したカム傾斜部20を限定する。環状の空間22はケージ部分30を受け、その部分は少なくとも一つのローラ24と部分内に配置されたばねのような少なくとも一つの弾性装置すなわちばね26とを有している。ローラ24はばね26によって一方向に偏倚されている。
【0019】クラッチの動作中、カムレース10及び経路レース12の両方とも同じ方向に回転する。ばね26はローラ24が経路レース12の内側表面13と接触するようにローラ24を作動位置に保持する。クラッチの動作中、ローラ24はばね26に向かう方向に移動し或いは回転する。カムレース10及び経路レース12は同じ方向に回転している間は必ずしも等しい軸方向位置を保持していない。むしろ、カムレース10のカム面18と経路レース12の内側表面13との間の環状の空間22はレース10、12の各回転と共に距離が変わる。
【0020】図1及び図2において、本発明のケージ部分30が全体的に示されている。部分30は互いに平行に隔てられた第1の端部32及び第2の端部34と、互いに平行に隔てられた第1の側壁36及び第2の側壁38とを備えている。端部32及び34並びに側壁36及び38は内側空間を限定し、その空間は好ましい実施例においては、形状がほぼ長方形又は正方形である。各側壁36及び38は、図1及び図2に示されるように、それぞれ外側壁面37及び39を有している。各側壁36及び38はまたそれぞれ内側壁面40及び41を有している。
【0021】各側壁36及び38の内側壁面すなわち内側表面40及び41は少なくとも一つの係合装置44を備え、その係合装置は一方の側壁の内側表面から他の側壁の反対側の内側表面に向かって伸びている。種々の係合装置が本発明には利用できることを理解すべきである。示された実施例において、係合装置44は、図1及び図2に最も良く示されているように、少なくとも一つの、好ましくは二つの、タブ又は鎖錠部材すなわち鎖錠機構を備えている。したがって、側壁36の内側表面40の係合装置44は側壁38の内側表面41に向かう方向に伸びている。種々の実施例において、少なくとも一つの開口50が、係合側壁44が成形され得るように形成され、その開口は、側壁36及び38の内側表面40及び41に沿って長手方向に伸びている。
【0022】各側壁36及び38の各内側表面40及び41は、更に、反作用耳部すなわちカム作用面46及び47をそれぞれ限定している。動作時において、カム作用面46及び47はカムレース10の傾斜しているカム傾斜部と滑り可能に又は釣り合って係合する。加えて、各側壁36及び38の内側表面40及び41は、クラッチの動作中ローラ24が傾こうとする傾向を無くすように、ローラを保持する。
【0023】図示された実施例において、部分30の第1の端部32は一つ又はそれ以上の上フランジ60を限定し、そのフランジは第2の端部34に向かう方向に内側に伸びている。示された実施例において、第1の端部32はフランジ60A及び60Bを備え、それらのフランジは第1の端部32の上部61から伸びている。フランジ60A及び60Bはくさびすなわち傾斜面64を有してもようい。示された実施例において、第1の端部32は少なくとも一つの下フランジ66を限定し、そのフランジは第1の端部32の下部68から第2の端部34に向かう方向に内側に伸びている。フランジ66はくさびすなわち傾斜面を有してもよい。フランジ60A及び60B並びにフランジ66はローラ24と係合する。ローラ24は、ばね26によって、上フランジ60A及び60Bと下フランジ66との間に保持されている。ローラ24は、クラッチ内への部分30の装着の前にフランジ60と66との間で係合する。しかしながら、本発明のケージ部分は上及び下フランジ60及び66なしで成形されることが可能であり、かつばね26はローラ24をケージ部分30内に保持できる。
【0024】部分30の第2の端部34は少なくとも一つの上フランジ70を限定し、そのフランジは第1の端部32に向かう方向に伸びる。示された実施例において、第2の端部34はフランジ70A及び70Bを備え、それらのフランジは互いに隔てられかつ第2の端部34の上部71から伸びている。第2の端部34は、更に、少なくとも一つのフランジ74を限定し、そのフランジは第2の端部34の下部76から第1の端部32に向かう方向に内側に伸びている。フランジ70A及び70B並びにフランジ74はケージ部分30内でばね26と係合し、保持する。示された実施例において、フランジ74は傾斜した上面78を有してもよい。フランジ74の傾斜面78はばね26の少なくとも一方の縁29を上フランジ70A及び70Bに向かう方向に偏倚するように作用する。ばね26は、第1の端部27をローラ24に係合させかつ第2の端部28をフランジ70及びフランジ74と係合させることによって、部分30の適所に保持される。
【0025】クラッチの組み立ては、ローラ24及びばね26を部分30の内側空間35内に置くことを含む。フランジ60及び66が存在するある実施例において、ローラ24はフランジ60A及び60B並びにフランジ66に対向して配置される。ばね26はフランジ70A及び70B並びにフランジ74に対してかつローラ24の長手方向の表面に対して圧縮して配置されている。その後、内部にばね26及びローラ24が配置されて組み立てられた部分30は、部分30のカム面46及び47をカムレース10の隣接する傾斜したカム傾斜部20と整合することによって、カムレース12内の位置内にスナップ止め(ここで「スナップ止め」とはパチンと嵌まる状態を言う)される。部分30は、係合装置44がカムレース10の側面15及び17と接触するように、カムレース10に向かう半径方向外側の方向に移動される。ケージ部分30の側壁36及び38は、図4に最も良く示されているように、係合装置44が側面15及び17の保持装置14及び16とそれぞれ接触する(スナップ止めされる)まで、係合装置44がカムレース10の外側の側面15及び17に沿って滑り移動される。部分30がカムレース10にスナップ止めされると、ローラ24は、ばね26が圧縮されるように、ばね26に向かう方向に移動する。
【0026】部分30は係合装置44によるカムレース10の係合により半径方向に保持されている。すなわち、係合装置44は、部分30を保持装置14及び16に対してぴったりと合って保持し、その結果、環状の空間22の幅が変化しても部分30が半径方向に移動することはない。
【0027】部分30は、部分30のカム作用面46及び47がカムレース10の傾斜したカム傾斜部20と接触することにより円周方向に保持される。
【0028】部分30は、係合装置44が保持装置14及び16と係合することにより軸方向に保持される。部分30の側壁34及び36はばね26及び鋼のローラ24を軸方向に保持する。
【0029】ケージ部分30がカムレース10に固定された後、パスウエーレース12はケージ部分30に隣接して装着されてクラッチ8を形成する。
【0030】好ましい実施例における変形例を、本発明の意図した範囲から外れることなくつくり得ることは理解すべきである。例えば、ケージ部分の係合装置の形状及び個数は変更可能である。
【出願人】 【識別番号】591001709
【氏名又は名称】ボーグ−ワーナー・オートモーティブ・インコーポレーテッド
【氏名又は名称原語表記】BORG−WARNER AUTOMOTIVE INCORPORATED
【出願日】 平成7年(1995)12月15日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】湯浅 恭三 (外6名)
【公開番号】 特開平8−247173
【公開日】 平成8年(1996)9月24日
【出願番号】 特願平7−326696