| 【発明の名称】 |
電磁装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】坂本 有基
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| 【目的】 |
リード線が両方向にそれぞれ引き出されるタイプの温度スイッチを、コイルボビンの所定位置に容易に位置決め固定し、高性能の電磁装置を得る。 |
| 【構成】 |
ボビン径方向外側に向けて開口する断面コ字状部14が環状に延びたコイルボビン15と、断面コ字状部14内に巻き付けられた巻線16により形成されたコイル17と、両方向にそれぞれリード線21、22が引き出された温度スイッチ20と、リード線21と巻線16の一巻端部18とを接合する第1の接合部23と、リード線22と系外への導線25とを接合する第2の接合部24とを有する電磁装置において、断面コ字状部14の側壁外面14aに、少なくとも温度スイッチ20と、第1の接合部23および第2の接合部24とを位置決め固定する固定部26を設けた電磁装置。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ボビン径方向外側に向けて開口する断面コ字状部が環状に延びたコイルボビンと、該コイルボビンの周上でかつ前記断面コ字状部内に巻き付けられた巻線により形成されたコイルと、両方向にそれぞれリード線が引き出された温度スイッチと、該温度スイッチの一方のリード線と前記巻線の一巻端部とを接合する第1の接合部と、前記温度スイッチの他方のリード線と系外への導線とを接合する第2の接合部とを有する電磁装置において、前記断面コ字状部の側壁外面に、少なくとも、温度スイッチと、前記第1の接合部および第2の接合部とを位置決め固定する固定部を設けたことを特徴とする電磁装置。 【請求項2】 前記固定部が、前記断面コ字状部の側壁外面に該断面コ字状部と一体に成形されている、請求項1の電磁装置。 【請求項3】 前記固定部が、前記断面コ字状部の側壁外面上に固着された円弧状に延びる基板上に形成されている、請求項1の電磁装置。 【請求項4】 前記固定部が、前記第1の接合部および第2の接合部を覆う蓋体を有している、請求項1の電磁装置。 【請求項5】 前記固定部が、前記温度スイッチの両方向にそれぞれ引き出されたリード線の温度スイッチへの接続部近傍部分を直線状態に保つ支柱を有している、請求項1ないし4のいずれかに記載の電磁装置。 【請求項6】 前記第1の接合部と第2の接合部とがタブを有する端子からなっている、請求項1ないし5のいずれかに記載の電磁装置。 【請求項7】 電磁装置が電磁クラッチである、請求項1ないし6のいずれかに記載の電磁装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、コイルボビン、温度スイッチを有する電磁装置に関する。さらに詳しくは、たとえば自動車用空調装置の圧縮機等に用いられる電磁クラッチ等に用いて好適な電磁装置の構造に関する。 【0002】 【従来の技術】従来から、断面コ字状部が環状に延び、該断面コ字状部内に巻線を巻き付けることによりその中にコイルを形成するコイルボビンは、たとえば自動車用空調装置の圧縮機の電磁クラッチ等に利用されている。 【0003】また、上記のようなコイルボビンには、電磁クラッチの異常高温を検知するために(たとえば、電磁クラッチのクラッチロータと吸引板の接触不良によって両部材に滑りが生じ、摩擦熱が発生したようなとき)、圧縮機等の駆動体を保護するための温度スイッチが設けられることが多い。 【0004】たとえば、図12に示すように、断面コ字状部42が環状に延びたコイルボビン41の周上、つまり断面コ字状部42内に巻線43を巻き付けることにより、コイル44を形成するが、このコイルボビン41の外側面に温度スイッチとして温度ヒューズ47が設けられる。温度ヒューズ47からは、両方向にそれぞれリード線45、46が引き出されており、一方のリード線45は、たとえばカシメ端子からなる接合部48で系外への導線50へ接合され、他方のリード線46は巻線43の一巻端部43aへ接合部49で接合されている。 【0005】コイルボビン41は、リング軸方向に沿う方向に開口された断面コ字状部52が環状に延びたコアリング51の該断面コ字状部52内に挿入される。そして、上述の如く何らかの原因で温度異常が発生した場合には、温度ヒューズ47が作動して、コイル44の通電が遮断され、装置を自動的に停止して駆動体を保護するようになっている。 【0006】上記のように、コイルボビン41をコアリング51内に挿入する構成では、温度ヒューズ47を検出感度よく作動させるためには、該温度ヒューズ47をコアリング51の断面コ字状部52の開口部、つまりコイルボビン41の側壁外面42aに固定することが重要になる。 【0007】しかし、該側壁外面42aの近傍には、電磁クラッチを構成する他の部材(たとえば、クラッチロータ)が配設されるため、これら他の部材と温度ヒューズ47等との絶縁状態を確保することが必要となる。このため、温度ヒューズ47等をコイルボビン41の側壁外面42aに、たとえば絶縁テープあるいは接着剤等で固着する必要がある。 【0008】ところが、このような絶縁テープあるいは接着剤による固着は煩雑な作業であるため、著しく作業性が低下する。また、温度ヒューズ47を絶縁テープで覆う方法では、温度ヒューズ47の応答性が低下するおそれもある。 【0009】温度ヒューズのコイルボビンへの固定に関する技術として、特開昭56−138529号公報に記載された方法が知られている。この提案においては、図13に示すように、断面コ字状部53が環状に延びたコイルボビン54の周上に巻線55を巻き付けてコイル56が形成されている。そして、断面コ字状部53の側壁外面53aに切り欠き部57を設け、該切り欠き部57から巻線55を引出したるませて切断し、切断された巻線55a、55bに、温度ヒューズ58から引き出されたリード線59、60が接合されている。また、温度ヒューズ58は、側壁外面53aに設けられたフック61に固定されている。 【0010】したがって、上記提案においては温度ヒューズ58は、断面コ字状部53の側壁外面53aに固定され絶縁性が確保される。また、温度ヒューズ58のリード線59、60が共に片側から同一方向に引き出されているので、側壁外面53a上のように比較的狭いスペースでも図13に示すような配設状態が可能になっている。 【0011】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記提案構造に、図12に示したような温度ヒューズ47、即ち、両方向にそれぞれリード線45、46が引き出された温度ヒューズ47を適用しようとすると、リード線45、46の温度ヒューズ47の接合部近傍を急角度で折り曲げなければならなくなる。ところがこのリード線部位を急角度で折り曲げると、リード線45、46の断線等が発生し、温度ヒューズ47の作動不良を発生するおそれがある。したがって、現実には、この種タイプの温度ヒューズ47に前述の従来提案構造を適用することは困難である。さらに近年、温度スイッチとしては、リード線が両方向にそれぞれ引き出されたタイプのものが主流になってきており、この種タイプの温度スイッチに好適な、スイッチ固定構造の出現が望まれている。 【0012】そこで本発明は、上述のような従来技術の現状に鑑み、リード線が両方向にそれぞれ引き出されるタイプの温度スイッチを、絶縁テープ等を用いることなく、しかも作動不良等を発生させることなく優れた応答性能を維持させつつ、コイルボビンの側壁外面に所望の姿勢で確実に固定した電磁装置を提供することを目的とする。 【0013】 【課題を解決するための手段】上記の目的に沿う本発明の電磁装置は、ボビン径方向外側に向けて開口する断面コ字状部が環状に延びたコイルボビンと、該コイルボビンの周上でかつ前記断面コ字状部内に巻き付けられた巻線により形成されたコイルと、両方向にそれぞれリード線が引き出された温度スイッチと、該温度スイッチの一方のリード線と前記巻線の一巻端部とを接合する第1の接合部と、前記温度スイッチの他方のリード線と系外への導線とを接合する第2の接合部とを有する電磁装置において、前記断面コ字状部の側壁外面に、少なくとも、温度スイッチと、前記第1の接合部および第2の接合部とを位置決め固定する固定部を設けたことを特徴とするものからなる。 【0014】なお、本発明における温度スイッチには、温度ヒューズやバイメタルからなる温度スイッチを含む。 【0015】上記固定部は、上記断面コ字状部の側壁外面に容易に一体的に成形することができる。即ち、断面コ字状部成形の際に一つの工程で成形できる。 【0016】また、上記固定部は、コイルボビンとは別体の基板を設け、その基板上に形成してもよい。たとえば、コイルボビンの断面コ字状部の側壁外面に固着された円弧状に延びる基板上に形成してもよい。 【0017】また、上記固定部は、上記第1の接合部および第2の接合部およびその近傍部を覆う蓋体を有するものであってもよい。 【0018】さらに、上記固定部は、温度スイッチの両方向にそれぞれ引き出されたリード線の温度スイッチへの接続部近傍部分を直線状態に保つ支柱を有していることが望ましい。 【0019】また、上記第1の接合部および第2の接合部は、タブを有する端子から構成することもできる。 【0020】なお、本発明の電磁装置としては、電磁クラッチ、電磁弁等を挙げることができるが、本発明は、とくに、ロータ等の作動不良による異常発熱等の検知が必要な電磁クラッチに適用して最適なものである。 【0021】 【作用】上記のような電磁装置においては、断面コ字状部の側壁外面に、少なくとも、両方向にそれぞれリード線が引き出された温度スイッチと、第1の接合部および第2の接合部とを位置決め固定する固定部が設けられているので、絶縁テープ等の固定用部材を用いる必要がなく、そのような煩雑な作業を省略できる。しかも絶縁テープ等によってスイッチ応答性能が阻害されることがないので、温度スイッチ自身が有する良好な応答性能をそのまま発揮させることができる。そして、このような作業の容易化、良好な応答性能の維持を達成しつつ、温度スイッチ、第1、第2の接合部がコイルボビンの側壁外面の所定位置に確実かつ正確に位置決め固定される。所定位置への正確な位置決めにより、電磁装置の他部材とは良好な絶縁状態に確保される。 【0022】また、上記固定部は、コイルボビンの断面コ字状部と一体的に、つまり、コイルボビン成形の際に一つの工程で一体的に成形できるので、実質的に部品点数および工程の増加を防止できる。 【0023】また、固定部は、断面コ字状部の側壁外面に固着された円弧状に延びる基板上に形成することもできる。したがって、コイルボビンの設計変更等をすることなく既存のコイルボビンに適用することもできる。 【0024】また、上記固定部を、上記第1の接合部および第2の接合部を覆う蓋体を有するものとすることにより、第1の接合部および第2の接合部の固定は実質的には蓋体で行われることになるので、第1、第2の接合部を側壁外面上に固定する際の位置決め精度に関して、それ程高い精度が要求されなくなる。したがって、たとえば、温度スイッチのリード線の長さに多少のバラツキがあったとしても、あるいは温度スイッチと第1、第2の接合部間距離に多少のバラツキがあったとしても、第1、第2の接合部は確実に固定される。また、固定の容易化もはかることができる。 【0025】また、上記第1の接合部および第2の接合部とをタブを有する端子から構成することにより、タブのいずれかの部位を固定すれば第1、第2の接合部が固定されることになる。したがって、このような構成においても温度スイッチのリード線のバラツキ等に起因する固定不良、リード線のたるみ等が防止される。 【0026】さらに、固定部に、温度スイッチの両方向にそれぞれ引き出されたリード線の温度スイッチへの接続部近傍部を直線状態に保つ支柱を設けることにより、温度スイッチとリード線とは、温度スイッチ周りにおいて略直線状に配列されることになる。したがって、リード線の折り曲げによるリード線の断線等が確実に防止され、温度スイッチの作動不良のおそれが解消される。 【0027】 【実施例】以下に、本発明の電磁装置の望ましい実施例を、図面を参照して説明する。なお、以下の説明においては、電磁装置が電磁クラッチである場合について説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、電磁装置は電磁弁等であってもよい。 【0028】図1ないし図4は、本発明の一実施例に係る電磁クラッチを示している。図において1は、主軸を示しており、主軸1の一端は、たとえば自動車用空調装置の圧縮機本体等の駆動体(図示略)内部へと挿通されている。一方、主軸1の他端は、圧縮機等のハウジングの突出部2内に配置されている。この主軸1の他端にはクラッチハブ3が接合されている。クラッチハブ3の外周には吸引板4が設けられており、クラッチハブ3と吸引板4はストッププレート4aを介して接合されている。また、吸引板4のストッププレート4a側の面には板ばね9が設けられている。 【0029】吸引板4の近傍には、所定の間隔aをあけて、クラッチロータ5が設けられている。クラッチロータ5は、ボールベアリング6を介して突出部2に回転自在に支持されている。また、クラッチロータ5には、環状に延びる凹部5aが形成されており、凹部5aには、コアリング7が遊嵌されている。コアリング7は、リング軸方向に沿う方向に開口された断面コ字状部8が環状に延びることにより形成されている。そして、コアリング7の断面コ字状部8内には後述のコイル機構10がエポキシ樹脂11で所定の位置に固定されている。なお、コアリング7は固定具12を介して圧縮機等の壁13に固定されている。このようにコアリング7は、コイル機構10を収容し、装置内の所定の位置に固定するヨークとして機能している。 【0030】クラッチロータ5の外周部には、該クラッチロータ5とたとえば自動車用エンジン又は駆動モータ等の駆動源(図示略)とを連結するVベルト(図示略)が掛けられるV溝5bが形成されている。 【0031】コイル機構10は、ボビン径方向外側に向かって開口する断面コ字状部14が環状に延びることにより形成されたコイルボビン15と、該コイルボビン15の周上、つまり断面コ字状部14内に巻線16が巻き付けられて形成されたコイル17とで形成されている。本実施例においては、コイルボビン15は樹脂からなっている。 【0032】コイルボビン15の断面コ字状部14内に巻き付けられた巻線16の一巻端部18(本実施例においては巻き終り部)には、温度スイッチとして両方向にそれぞれリード線21、22が引き出された温度ヒューズ20の一方のリード線21が第1の接合部23を介して接合されている。また、温度ヒューズ20の他方のリード線22は、系外へと延びる導線25と第2の接合部24を介して接合されている。なお、本実施例においては、第1、第2の接合部23、24は、タブ23b、24bを有する端子23a、24aからなっているが、タブをもたないカシメ端子であってもよい。また、リード線21、22と一巻端部18、導線25との接合はろう付けであってもよい。 【0033】コイルボビン15の断面コ字状部14の一方の側壁外面14a上には、温度ヒューズ20と第1の接合部23および第2の接合部24とを該面14a上に位置決め固定するための固定部26が設けられている。固定部26は、本実施例においては、側壁外面14a上に突出した突起から形成されている(図4)。具体的には、第1の接合部23を固定する第1の突起27と、第2の接合部24を固定する第2の突起28と、温度ヒューズ20を固定する第3の突起29から形成されている。そして、各突起は図3に示すように温度ヒューズ29を固定する第3の突起の両側に第1の突起27、第2の突起28が配置されるような位置関係になっている。 【0034】固定部26の各突起27、28、29は、図4に示すように、互いに対向しかつ平行に突出した一対の突起として、側壁外面14a上から垂直に立ち上がる形状、たとえば柱状に形成されている(図4)。 【0035】また、固定部26には、温度ヒューズ20の両方向にそれぞれ引き出されたリード線21、22の温度ヒューズ20への接続部近傍部(本実施例では約5mm)を直線状態に保つための支柱30、31が設けられている。本実施例においては、上記接続部近傍部を直線状態に保つために、各リード線21、22に対して、支柱30、31をそれぞれ1本ずつ設けているが、これに代えて、図4に示したのと同様の一対の突起を各リード線に対して設け、リード線を突起間に保持してその直線状態を保つようにしてもよい。さらに、温度ヒューズ20を固定する突起29を、支柱30、31が設けられている位置まで延設するようにしても、上記リード線接続部近傍部の直線状態を保つことが可能である。 【0036】また、固定部26の各突起27、28、29、および支柱30、31は、側壁外面14a上に断面コ字状部14、即ちコイルボビン15と一体に成形されている。このような固定部26、支柱30、31を備えたコイルボビン15は、たとえば射出成形により一つ工程で加工することができるので、実質的に部品点数、加工あるいは製造工程の増加が防止されている。 【0037】なお、コイルボビン15を成形する樹脂は特に限定されるものではなく、たとえばナイロン、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアセタール等を挙げることができる。また、コイルボビン15を成形する樹脂には、本発明の目的を阻害しない範囲で、たとえば有機、無機の添加物を加えてもよい。添加物を混入させることによりコイルボビン15に要求される強度、耐熱性等の諸特性を一層向上させることも可能である。 【0038】固定部26に、温度ヒューズ20、第1の接合部23および第2の接合部24が固定されたコイルボビン15は、側壁外面14aがコアリング7の断面コ字状部8の開口部側になるように断面コ字状部8内に挿入される。そして、断面コ字状部8内にエポキシ樹脂11を注入して所定の位置に固定されるようになっている。また、電磁クラッチ内では、温度ヒューズ20はクラッチロータ5に対向するように配設される。 【0039】本実施例の電磁クラッチにおいては、駆動源からの駆動力がクラッチロータ5に伝達されると、クラッチロータ5が回転する。この状態で、コイル17に通電されると図1の破線で示すような磁界が発生する。このため、吸引板4がクラッチロータ5側に引き寄せられ、クラッチロータ5に接触する。クラッチロータ5と吸引板4が接触すると、駆動源からの駆動力が吸引板4からクラッチハブ3を介して主軸1に伝達され、駆動体が駆動されるようになっている。また、コイル17への通電が停止されると磁界が消失し、クラッチロータ5と吸引板4は離間し、主軸1への駆動力の伝達は遮断されるようになっている。 【0040】また、電磁クラッチ内に何らかの原因で異常が発生したような場合、たとえばクラッチロータ5と吸引板4との接触状態が悪く両部材間に滑りが生じて高温の摩擦熱が発生したような場合には、温度ヒューズ20が作動してコイル17への通電が停止し駆動体の保護が図られるようになっている。 【0041】本実施例においては、コイルボビン15の断面コ字状部14の側壁外面14aには、第1の接合部23を位置決め固定する第1の突起27と第2の接合部24を位置決め固定する第2の突起28および温度ヒューズ20を位置決め固定する第3の突起29が設けられており、各突起27、28、29は各々一対の対向する突起からなっている。したがって、各一対の突起間の空隙に、固定しようとする部材を軽く押し込むだけで容易に各部材の位置決め固定ができる。 【0042】つまり、従来の如く、たとえば絶縁テープ等の固定用部材を用いることなく確実な位置決め固定が可能になるので、温度ヒューズ20等の組み付け時の作業性を向上できる。また、温度ヒューズ20が絶縁テープにより覆われることは必要なくなるので、温度ヒューズ20の良好な応答性能が阻害されることもない。また、温度ヒューズ20等が側壁外面14a上に確実に位置決め固定されるので、装置に組み込んだ際の他部材との絶縁性も確保できる。 【0043】また、本実施例においては、第1の接合部23、第2の接合部24は、共にタブ23b、24bを有する端子23a、24aからなっているので、タブ23b、24bを第1の突起27、第2の突起28に固定するようにしても、第1、第2の接合部23、24を固定することが可能である。タブ23b、24bは、ある長さを有しており、それらのいずれかの部位を固定すればよいので、固定位置の自由度が、タブ長手方向に増すことになる。したがって、温度ヒューズ20のリード線21、22の長さ等にバラツキがある場合であっても、各接合部を容易に固定できるとともに、リード線21、22のたるみ等を防止でき、目標とする位置決め固定が確実に行われる。 【0044】さらに、本実施例においては、固定部26には温度ヒューズ20から両方向にそれぞれ引き出されたリード線21、22の温度ヒューズへの接続部近傍部を直線状態に保つ支柱30、31が設けられているので、該部分におけるリード線21、22の断線等を防止できる。したがって、温度ヒューズ20の作動不良が確実に防止できる。 【0045】なお、固定部26を形成する各突起27、28、29は、図5ないし図7に示すような態様であってもよい。つまり図5に示すように先端部にアンダーカット32を形成したり、あるいは図6に示すように一対の突起同士を先端が近づくように傾斜させて側壁外面14aに突設してもよい。さらに、図7に示したように、略逆L字形に各突起27、28、29を突設して、側壁外面14aとの間に形成される空隙に各部材20、23、24を挿入するようにすることも可能である。 【0046】また、本実施例においては、固定部26をコイルボビン15の側壁外面14aに一体に成形したものを示したが、本発明はこれに限定されるものではない。たとえば、固定部26を、図8に示すような、コイルボビン15の断面コ字状部14の側壁外面14aに沿って延びる円弧状の基板34上に設け、該基板34を側壁外面14aに固着(たとえば、絶縁テープ、接着剤で固着)してもよい。このように固定部26を側壁外面14aとは別体の部材に形成することにより、既存のコイルボビンに対しても本発明を容易に適用できる。 【0047】図9および図10は、本発明の別の実施例に係る固定部101を示している。固定部101は、温度ヒューズ20を固定する一対の突起102と、温度ヒューズ20の両方向にそれぞれ引き出されたリード線21、22の温度ヒューズ20への接続部近傍部を直線状態に保つための支柱103、104を有している。また、固定部101は、第1の接合部23、第2の接合部24およびその近傍を覆い、両接合部を固定する蓋体107、108を有している。蓋体107、108は、断面略コ字状に形成されており、壁109、110には孔111、112が穿設されている。孔111、112には支柱113、114が嵌着可能になっている。支柱113、114の近傍には一対の突起105、106が設けられている。そして、第1の接合部23、第2の接合部24は、一対の突起105、106間に形成される空隙部上に載置された後、接合部23、24、突起105、106は蓋体107、108により覆われている(図10)。 【0048】本実施例においては、温度ヒューズ20は一対の突起102間の空隙に押し込まれ、一対の突起102に挟持されてコイルボビン15の側壁外面14aに固定されている。また、第1の接合部23、第2の接合部24は、支柱113、114に係合する蓋体107、108の壁109、110の内面により、コイルボビン15の側壁外面14aとの間に押圧されて固定されるようになっている。 【0049】つまり、本実施例においては、前記実施例とは異なり、第1の接合部23、第2の接合部24は蓋体107、108によって側壁外面14a上に固定されている。このため、温度ヒューズ20のリード線21、22の長さのバラツキ等に起因して、第1の接合部23、第2の接合部24の載置される位置と、突起105、106の位置に多少のずれが生じた場合でも、第1、第2の接合部23、24を蓋体107、108でコイルボビン15の側壁外面14a上に確実に位置固定することができる。なお、本実施例においては、蓋体107、108は、コイルボビン15とは別体として形成されているが、一体として形成することも可能である。 【0050】たとえば、図11に示すように、一対の突起105、106のうち、コイルボビン15の環状に延びる側壁外面14aの内周側に位置する突起に、蓋体107、108を一体成形してもよい。そして、蓋体107、108の根元部の可撓性を利用して、蓋体107、108を開閉できるようにすればよい。なお、蓋体107、108の先端部にコイルボビン15の側壁内面に係止可能なアンダーカット部115、116を設けるようにすれば、孔111、112の穿設および支柱113、114の設置を省略することも可能である。 【0051】なお、上記実施例においては、温度スイッチとして温度ヒューズ20を使用しているが、これに代えてたとえば、バイメタルからなる温度スイッチを使用することも可能である。また温度ヒューズ20を使用した場合には一度切れてしまえば復帰できないが、温度スイッチの場合は、一旦作動しても継続使用できる。 【0052】 【発明の効果】以上説明したように、本発明の電磁装置によるときは、リード線が両方向にそれぞれ引き出されるタイプの温度スイッチを、絶縁テープ等を用いずに作業性よく、しかも作動不良のおそれなく優れた応答性能を維持して所定の位置に位置決め固定できるので、高性能の電磁装置を得ることができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000001845 【氏名又は名称】サンデン株式会社
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| 【出願日】 |
平成7年(1995)3月8日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】伴 俊光
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| 【公開番号】 |
特開平8−247171 |
| 【公開日】 |
平成8年(1996)9月24日 |
| 【出願番号】 |
特願平7−78279 |
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