| 【発明の名称】 |
変速機 |
| 【発明者】 |
【氏名】大井 光雄
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| 【目的】 |
動力伝達系路切り替え用クラッチの強度を向上させると共に、形状を簡略化することによって、大トルクの伝達が可能で、低価格の変速機を提供する。 |
| 【構成】 |
出力軸4に、可動子6を軸方向にスライド可能に配設し、前記可動子6の両面に係合凸部9a,9bを設け、従動歯車a及びbの側面には、前記係合凸部9a,9bが嵌合する嵌合凹部22a,22bを設け、これら係合凸部と嵌合凹部の正面視を、各頂部における小径円弧の接線を大径円弧で結んだ、略正三角形状とした。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】平行に軸支された入力軸と出力軸の軸間に、2組の動力伝達手段によって動力伝達系路が構成され、出力軸における2組の動力伝達手段の中間に、軸方向にスライド可能な可動子を配設して、該可動子と前記出力側動力伝達手段との係合により、いずれかの動力伝達系路を選択可能にした変速機において、前記可動子の両側面に、夫々正面視が各頂部における小径円弧の接線を大径円弧で結んだ略三角形状の係合凸部を設け、出力側動力伝達手段の側面に、前記係合凸部が嵌合する嵌合凹部を設けたことを特徴とする変速機。 【請求項2】請求項1記載の変速機において、前記嵌合凹部を可動子の各側面に、前記係合凸部を出力側動力伝達手段の側面に夫々設けたことを特徴とする変速機。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、変速機、更に詳しくは、変速機における、動力伝達系路の切り替え用クラッチに関し、平行に軸支された入力軸と出力軸の軸間に、2組の動力伝達手段によって動力伝達系路が構成され、出力軸における2組の動力伝達手段の中間に、軸方向にスライド可能な可動子を配設して、該可動子と前記出力側動力伝達手段との係合により、いずれかの動力伝達系路を選択可能にした変速機の改良に関する。 【0002】 【従来の技術】従来、この種の変速機のクラッチとしては、まず図5に示すように、可動子26の両面に設けた係合凸部27の直線部分28と、従動歯車29の嵌合凹部30に植え込んだ2本のピン31がかみ合うことによって駆動歯車から従動歯車29及び可動子26を介して、出力軸32にトルクが伝達されるものがあった。その従来クラッチの従動歯車29は、出力軸32に対して回転自在に取り付けられているため、通常は空転するだけでトルクは伝達されない。しかし、出力軸32に対してキーで固定されている可動子26とかみ合うと、可動子26が従動歯車29のボスの役割をするためトルクを伝達させることができる。 【0003】また、図6に示すように、可動子33の両面に加工した、のこ歯状のつめ34と、従動歯車35の凹部に加工した、のこ歯状のつめ36をかみ合わせてトルクを伝達させるものもあり、その他の構造は、図5に示したものと同じである。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】上記従来クラッチには、次のような不具合があった。図5の従来クラッチは、、スペースの都合でピンをあまり太くできないため、ピンが折れやすい。すなわち、起動および停止時の衝撃荷重による疲労が蓄積した場合、あるいは、可動子をかみ合わせるときに加わる横方向荷重による疲労が蓄積した場合に、ピンが損傷しやすい。また、可動子に設けた係合凸部の直線部分と、従動歯車のピンとの接触が点接触であるため、大きなトルクが伝達できず、更には、ピンが従動歯車と一体加工できないので、部品点数が増え組み立て工数が多くなることである。 【0005】図6に示したクラッチでは、次のような不具合があった。ひとつは、のこ歯状のつめの加工精度を維持するのが難しいため、つめ同士の当たりが不均一となり、部分的な摩耗やかみ合い不良が生じ、また、これらを防止するために加工精度をあげようとすると、加工費が高くなってしまった。 【0006】そこで本発明が解決しようとする課題は、上記従来変速機の不具合を解消し、十分な強度があり、大きなトルクが伝達でき、しかも製造が容易で安価なクラッチを内蔵した変速機を提供する点にある。 【0007】 【課題を解決するための手段】本発明に係る変速機は、入力軸と出力軸との間に、2組の速比の異なる動力伝達手段によって、動力伝達系路を構成し、その出力軸における2組の動力伝達手段の中間に、軸方向にスライド可能な可動子を配設し、前記可動子の両側面に、夫々正面視が各頂部における小径円弧の接線を大径円弧で結んだ、略正三角形状の係合凸部を設け、出力側動力伝達手段の側面に、前記係合凸部が嵌合する嵌合凹部を設け、前記可動子と出力側のいずれかの動力伝達手段との係脱により、いずれかの動力伝達系路を選択可能にしたものである。 【0008】また、係合凸部と嵌合凹部は、上記した関係とは逆、すなわち可動子側に嵌合凹部を設け、出力軸動力伝達手段側に係合凸部を設けても良い。 【0009】なお、動力伝達手段は、入力軸の回転を出力軸に選択可能に伝達させる手段であって、歯車かみ合い機構、Vベルトプーリー、歯付きベルトプーリー、あるいは、ローラーチェーン用スプロケットなどが利用できる。 【0010】 【作用】上記のように構成された変速機の可動子をスライドさせると、可動子の係合凸部が出力軸動力伝達手段の嵌合凹部の中に入り込み、入力軸動力伝達手段から出力軸動力伝達手段へ伝わった動力が、嵌合凹部の内壁面より係合凸部の外壁面へ伝わる。更に可動子を介して出力軸へ動力が伝わり、所定の回転数が出力される。 【0011】上記係合機構においては、嵌合凹部及び凸部の正面視形状が小径の円弧と大径の円弧を組み合わせた略正三角形状であるため、動力伝達面となる嵌合凹部の内壁面と係合凸部の外壁面の接触面積が大きくとれる。 【0012】 【実施例】次に、本発明の実施例について、図面に基づいて説明する。図1は、本発明の平面図であり、外箱1の中に入力軸2を、図示していない軸受によって回転可能に支持し、片側の端部3のみは、軸継手やプーリーなどが取り付けられるように外箱1の外部に突出させる。 【0013】入力軸2には、それぞれ歯数の異なる駆動歯車c及び駆動歯車dを固定する。また、外箱1の中に出力軸4を、図示していない軸受によって、入力軸2と平行かつ回転可能に支持し、片側の端部5を、入力軸2と同じように外箱1の外部に突出させる。 【0014】一方、出力軸4には、可動子6が取り付けられ、更に入力軸2の駆動歯車cとかみ合う従動歯車a及び駆動歯車dとかみ合う従動歯車bが取り付けられる。これらは、いずれも平歯車であり、出力軸4に対して、回転自在に取り付けられている。 【0015】可動子6は、その正面図を現している図2及び図3のように、基本形状は、短円柱であり、この右側面8と左側面7にそれぞれ、正面視が直線部分を含まない略正三角形状の係合凸部9a,9bを形成する。また可動子6には、全長のほぼ中央に該当する位置の円周上に、断面形状が矩形型の溝10が形成されると共に全長を貫通する軸穴11及びキー溝12が加工される。 【0016】上記係合凸部9a,9bの正面視形状について、詳しく説明すれば、軸穴11の中心37より、120°の間隔で3本の直線38を放射状に引き、この3本の直線上に、それぞれ中心からの距離が等しい点39をとり、この点を中心として小さい円弧40を描き、これらの円弧の接線同士を、ゆるやかな曲線41で結ぶことによって得られた形状が、係合凸部9a,9bの正面視となる。また、短円柱の右側7に形成された嵌合凸部9aと、左側面8に形成された係合凸部9bとは、3ヶ所ある頂点42の位置を60°ずらして形成されている。 【0017】なお、この小さい円弧40と、ゆるやかな曲線42の作成方法は、この方法に限定されるものではない。 【0018】上記可動子6は、出力軸4に埋め込まれたフェザーキー13の位置まで差し込まれ、軸方向に対してスライドできるように保持される。また、可動子6をスライドさせるのは、次に説明する構造の回転数変更レバー14によって行われる。 【0019】すなわち、外箱1に、出力軸4と直交するように、アーム回転軸15を設け、アーム回転軸15の片側端部16に、回転数変更レバー14を取り付けると共に、L字型のアーム17の基部18を取り付ける。上記L字型アームを固定する位置は、アーム17の先端に取り付けたピン19が、可動子6の矩形型の溝10に入り込んだ位置とする。これによって、回転数変更レバーを操作することにより、アーム17の先端のピン19が、可動子6の溝10内の壁面20を押しながらアーム回転軸を中心とした円弧状に動いて、可動子6をスライドさせる。 【0020】従動歯車a及びbは、その斜視図を現している図4に示すように、平歯車の片側の側面21a,21bの中心に、可動子6の係合凸部9a,9bの正面視形状に適合する嵌合凹部22a,22bが形成され、この凹部に凸部が若干のクリアランスをもって嵌合する。嵌合凹部の深さは、可動子6の係合凸部9の高さと同一または深めとしておき、出力軸4と同径の軸穴23とキー溝24を有する。 【0021】なお取り付け方法について説明すれば、これらは、出力軸4に対して回転自在に差し込むだけで固定せず、軸方向の位置ずれを防ぐために、止め輪などが取り付けられるだけである。また、キー溝24は、従動歯車bのみに加工され、その形状は、出力軸4に埋め込まれたフェザーキー13の断面よりもやや大きめとする。これによって、従動歯車bを、フェザーキー13に邪魔されずに出力軸4に組み込むことができる。 【0022】上記従動歯車a及び従動歯車bを出力軸に取り付ける位置は、次による。まず、従動歯車aの位置は、図1において可動子6がいちばん左寄りにスライドしたときに、可動子6の左側面7に従動歯車aの側面21aが密着する位置とする。一方、従動歯車bの位置は、可動子6がいちばん右寄りにスライドしたときに、可動子6の右側面8に従動歯車bの側面21bが密着する位置とする。 【0023】上記のように構成された変速機を使用するには、入力軸が回転中に、回転数変更レバーを操作して、どちらかの動力伝達系路を選択する。すると、可動子の係合凸部が、従動歯車の嵌合凹部に係合されて、動力が従動歯車から可動子を介して出力軸に伝達され、所定の回転数が出力される。 【0024】 【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成されているので、以下に述べるような効果を得ることができる。 【0025】請求項1においては、可動子の係合凸部と、出力軸動力伝達手段の嵌合凹部を、直線部分を持たない略正三角形状としたので、動力伝達のための接触面積が大きく、大きなトルクを伝達させることができると共に、係合凸部の高さを低くできるので、強度が十分確保でき破損の心配がない。 【0026】更に、可動子の左右側面の係合凸部の位置を60°ずらすようにすれば、荷重が分散され、寿命が長くなり、正面視形状がシンプルなので加工も容易である。 【0027】また、可動子を出力軸動力伝達手段に係合させるときの、係合凸部と嵌合凹部の位置ずれは、最大60°で済むため、係合凸部と動力伝達手段の側面との無駄な滑動が少なく、摩耗が少ない。また、請求項2においても上記と同様の効果がある。 【0028】また、出力軸動力伝達手段側を嵌合凹部としたので、請求項2と比べれば、材料の歩留まりが大変良い。したがって、部品単価が低くなり、変速機全体の原価を低減できる。 【0029】
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| 【出願人】 |
【識別番号】594151900 【氏名又は名称】大井 光雄
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| 【出願日】 |
平成7年(1995)3月13日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】早川 政名
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| 【公開番号】 |
特開平8−247165 |
| 【公開日】 |
平成8年(1996)9月24日 |
| 【出願番号】 |
特願平7−52469 |
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