| 【発明の名称】 |
防音防振用弾性成形体 |
| 【発明者】 |
【氏名】野澤 光治
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| 【目的】 |
軽量化し同時に低廉化する。モミ殻、オガ屑とゴム廃材の同時再利用。 |
| 【構成】 |
モミ殻又はオガ屑と再生弾性材料粉末との混合。混合比率を0.66から4の範囲とすることにより、防音・吸音・創音・防振効果を上げる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】弾性材料と前記弾性材料に較べて比重が小さいモミ殻又はオガ屑とを混合した防音防振用弾性材料を用いて成形したことを特徴とする防音防振用弾性成形体。 【請求項2】請求項1において、前記モミ殻又は前記オガ屑が30重量部より多く100重量部よりも少ないのに対して前記弾性材料の内の再生弾性材料は45重量部より少なく15重量部よりも多いことを特徴とする防音防振用弾性成形体。 【請求項3】弾性材料と前記弾性材料に較べて比重が小さいモミ殻及びオガ屑とを混合した防音防振用弾性材料を用いて成形したことを特徴とする防音防振用弾性成形体。 【請求項4】請求項3において、前記モミ殻と前記オガ屑の総量が30重量部より多く100重量部よりも少ないのに対して前記弾性材料の内の再生弾性材料は45重量部より少なく15重量部よりも多いことを特徴とする防音防振用弾性成形体。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、ボード、パネル、マット、シート状の防音防振用弾性成形体に関する。更に詳しくいうと、防音壁、吸音壁、防振壁、防音床、吸音床などを単独で構成し、あるいは、他の壁、床とで2重層、3重層を構成するための防音防振用弾性成形体に関する。 【0002】 【従来の技術】音響機器の発達により、CD、LD、磁気テープに記録された音楽、映像を個人家屋内の個室、ホームシアター、カラオケボックスで再生し鑑賞するための音響機器の発達、航空機、車両、エレベータなどの輸送手段の発達により、音に関して急速に関心が高まっている。 【0003】音に対する関心は、隣室、航空機から発生する騒音に対する環境問題に向けられる一方で、音響効果を高めるための設備環境にも向けられている。壁を伝わる固体音を半減させるためには、壁の厚みは4倍にしなければならない。音量を上げて個室内の空気音の音響効果を高めようとすると、隣室への固体音の伝播を防ぐとともに、室内側の壁の吸音性能を高めなければならない。 【0004】住宅、マンションなどの集合住居、コンクリート壁のビルの事務所、劇場などがさまざまな目的で構築される。音に対する対策は、構築材料も広さも設備予算も異なる居住空間に対応して適切に講じられなければならない。同じ個人住宅内でも、寝室、オーディオルーム、2階の子ども部屋、リビング、ピアノ練習室、カラオケルームごとに、防音、吸音、遮音、音響、創音などの目的が異なっている。 【0005】このような目的に合わせて用いる仕切材として、防音用板状パネルが成形されて大量に生産されている。防音用板状パネルは、天然・合成ゴム・エラストマなどの弾性材料に架橋材、活性剤などが混ぜられた防音防振用弾性材料を用いて成形し大量に規格化して生産している。防音用板状パネルは、壁構成用部材、2重壁構成用部材、浮床構成用部材などの空間仕切材として、また遮音マットなどの敷物材として、吸音のために壁に張り付ける張付材として、施工業者、ユーザーにより用いられる。 【0006】音に対する最近の関心度の高まりを反映し需要が急増している防音用板状パネルは、性能アップの要求に伴う使用量の増大にしたがって、低廉化と軽量化の2点が重要な問題になっている。ゴム粉末の混合割合が非常に高くかなり以前から知られている防音用板状パネルは比重が大きく、しかも、目が粗くて強度が弱いので、十分な防音効果を得るためと強度を高めるために厚く成形したものは非常に重い。 【0007】ゴム粉末に樹脂などのバインダを混合してブロック化したものも知られている。バインダ結合によるこのようなものは連結間に隙間が多いので、比重はそれほど大きくなっていないが、強度が全く弱く欠けやすいので建築資材としては全く不適切である。 【0008】ゴム粉末にコルク粉末を混合したものも知られている。ゴムパッキンとして知られているこのようなものは、コストが高い。ゴム材に炭酸カルシウム、クレー、タルク等の安価な充填剤を混合して成形する技術として知られているゴム成形技術により生産した防音用板状パネルは、比重が大きくなるので、このような充填剤の大量充填は軽量化を不可能にする。 【0009】 【発明が解決しようとする課題】このように考えると、比重が小さく大量に混合することができ、又大量に混合しても硬くなり過ぎず一般の産業分野で比較的に入手しやすいものを見つけることはできないだろうか、ということが今日的課題になる。 【0010】他方、汚れ、ムーニー粘度、異物混入の点で若干の規格外になった廃棄処分対象になっているゴム材料の有効な再利用の道はないか、現在色々な方面で再利用されているがさほど手をかけずにモミ殻、オガ屑を有効に再利用できる分野はないか、という課題が他の分野にある。 【0011】この発明は、このような異種分野における両課題を結合し前記した技術的背景のもとで発明されたものであり、次のような目的を達成する。 【0012】この発明の目的は、軽量化できると同時に低廉化できる防音防振用弾性成形体を提供することにある。 【0013】この発明の他の目的は、モミ殻、オガ屑を有効に再利用できる防音防振用弾性成形体を提供することにある。 【0014】この発明のさらに他の目的は、ゴム廃材を有効に再利用できる防音防振用弾性成形体を提供することにある。 【0015】 【課題を解決するための手段】この発明1の防音防振用弾性成形体は、弾性材料と前記弾性材料に較べて比重が小さいモミ殻又はオガ屑とを混合した防音防振用弾性材料を用いて成形したことを特徴としている。 【0016】また、この発明2の防音防振用弾性成形体は、前記発明1において、前記モミ殻又は前記オガ屑が30重量部より多く100重量部よりも少ないのに対して前記弾性材料の内の再生弾性材料は45重量部より少なく15重量部よりも多いことを特徴としている。 【0017】さらにまた、この発明3の防音防振用弾性成形体は、弾性材料と前記弾性材料に較べて比重が小さいモミ殻及びオガ屑とを混合した防音防振用弾性材料を用いて成形したことを特徴としている。 【0018】さらにまた、この発明4の防音防振用弾性成形体は、前記発明4において、前記モミ殻と前記オガ屑の総量が30重量部より多く60重量部よりも少ないのに対して前記弾性材料の内の再生弾性材料は45重量部より少なく15重量部よりも多いことを特徴としている。 【0019】この発明の防音防振用弾性成形体は、弾性材料に混合されモミ殻又はオガ屑が再利用される。モミ殻、オガ屑は、隙間が多く、適当な大きさに潰されて弾性材料ともよく混合する。モミ殻、オガ屑は、弾性材料に較べて比重が小さいので、モミ殻、オガ屑と弾性材料を混合した防音防振用弾性材料を用いて成形した防音防振用弾性成形体は軽い。 【0020】また、この発明の防音防振用弾性成形体は、弾性材料粉末に混合されモミ殻及びオガ屑が再利用される。モミ殻、オガ屑は、隙間が多く、適当な大きさに潰されて大量に弾性材料粉末ともよく混合する。モミ殻、オガ屑は、弾性材料に較べて比重が小さいので、モミ殻、オガ屑と弾性材料を混合して成形した防音防振用弾性成形体は非常に軽い。 【0021】モミ殻、オガ屑が格子状に分散している防音防振用弾性成形体は、弾性材と性質が異なるモミ殻、オガ屑が弾性材の共振条件を壊し減衰率が高いので、空気音を吸収し、固体音を減衰させる。 【0022】弾性材料には再生弾性材料粉末が混合される。この場合、モミ殻又はオガ屑あるいはモミ殻及びオガ屑が30重量部より多く100重量部よりも少ないのに対して弾性材料の内の再生弾性材料は45重量部より少なく15重量部よりも多くする。このような配合にすると、軽量化と低廉化の両面で効果的である。ゴムの木の廃材を破砕してオガ屑様にしたものを用いるとより効果的である。 【0023】弾性材料は、ゴム状弾性高分子であり、天然ゴム、合成ゴム、エラストマなどである。弾性材料は、再利用したものも用いる。再生弾性材料は、自動車・自転車のタイヤ、椅子・ベッドのクッション材に使用されている弾性材料、不適格・規格外として原料生産工場で選別され廃棄される各種弾性材料、成形工場で再利用ラインから外れた成形用弾性材料を分別して取出し破砕し微粉化して再利用可能状態にした粉末である。 【0024】天然ゴムは、イソプレンの重合体であり、その誘導体を含む。合成ゴムは、ブタジエン系、オレフィン系の合成ゴムその他である。エラストマは、塩化ビニル系、ポリオレフィン系、エチレン酢酸ビニル系のエラストマ、ポリウレタンエラストマなどである。 【0025】モミ殻は、大規模脱穀場にある廃棄処分予定のものをそのまま持ち帰り加工することなく原料として用いることができる。このようなものは、すでに必要程度に乾燥している。オガ屑も、大規模製材所にある廃棄処分予定のものをそのまま持ち帰り加工することなく原料として用いることができる。このようなものも、すでに必要程度に乾燥している。 【0026】再利用可能状態にした再生弾性材料粉末とモミ殻、オガ屑とを混合機で混合する。モミ殻とオガ屑の両方を再生弾性材料粉末に混合する。あるいは、再生弾性材料粉末にモミ殻かオガ屑のどちらか一方のみを混合し、その混合率を変えて混合率ごとに分けて貯蔵しておくことができる。このようにしておくと、ある特定の混合率のものを用いるか、ある混合率のものにオガ屑を混合するか、製品性能、価格、使用目的に応じて使い分けすることができる。 【0027】使用するモミ殻又はオガ屑をX重量部とし再生弾性材料粉末をY重量部とすると、次式で表される混合割合X+Y=7530<X<60で用いるのが好ましい。比率X/Yで述べると、0.66<X/Y<4で表される比率の範囲での使用が好ましい。この場合、モミ殻をA重量部としオガ屑をB重量部とすると、X=A+B0<A<60である(A=0、A=60を含む)。 【0028】使用者側の使用目的は機能面から見ると、遮音、防音、吸音、反射音、拡散音、創音、防振、滑りどめなどである。これらは、固体音(壁などの固体中を伝播する音)、空気音(空気中を伝播する音)について判断される。また、使用目的は、寝室、勉強部屋、ホームシアター、録音室、オフィス内間仕切り室などの居住空間の種別、壁材、床材の種別によっても判断される。リビングルームでは、まわりの部屋に対する防音に重点がおかれる。 【0029】寝室では、室内に対する遮音が判断される。2階の子ども部屋では、床材について階下に対する防振・防音の判断が加味される。ピアノ練習室では、室外に対する高い防音効果が優先的に判断されるが、室内の音響効果も重要である。複数個のスピーカーを使って音場を再生するサラウンドを活かすAVルーム、ホームシアター、オーディオルームでは、部屋に響きを抑える防音、反射音、拡散音を消去する吸音の他にさらに音を創り出す創音も重要な判断事項である。このような多岐にわたる判断は、サウンド・デザイナー、サウンド・コーディネータにより専門的にサウンド・デザインされる。 【0030】防音防振用弾性成形体は、定形ボード、定形パネルとして製品化されている。壁材として使用される他に、壁面に張り付けられ使用される。ボード、パネルは、モジュール化されている。遮音シート、吸音テープ、滑りどめテープとして巻芯に巻いた状態で販売されることもある。 【0031】2重壁部材として用いられる場合がある。40dBは、30dBに対して2倍の強さとして耳に感じられる。40dBの音を30dBの音に落とす遮音効果を得るためには、壁の厚さは4倍にしなければならない。中間を空気とする2重壁構造のものは、遮音効果が高いことが知られている。2重壁の一方を防音防振用弾性成形体で構成すれば、さらに高い遮音効果が得られる。厚みを増やし大量に建築資材として用いても全体としての重量増加にはならない。 【0032】防振用マット・シート、制振用マット・シート、滑りどめマット・シートは、駅のプラットホーム、公園・動物園、商店街の歩道、鉄道の踏切に埋め込む踏切板、階段、坂道に敷く滑りどめタイル・安全シート、上面に音響機器を置いて用いる制振板として用いることができる。 【0033】 【実施例】次に本発明の実施例を説明する。 (実施例1) 天然ゴム …20.4重量%老化防止材・活性剤 … 1.2重量%架橋剤(固体間) … 1.2重量%プロセス油 … 2.1重量%再生粉末ゴム …30.6重量%モミ殻 …44.5重量%ここにいう再生粉末ゴムは、市販品が主に用いられる。市販品は、古タイヤ、廃棄製品を粉末化したもので、市販時には金属、繊維、樹脂などが取除かれている。市況により自社工場内で粉末化することがある。粒度は、10〜30メッシュのものが用いられる。 (実施例2) スチレンブタジエンゴム … 5.0重量%ポリイソプレン …15.4重量%老化防止剤・活性剤 … 1.2重量%架橋剤 … 1.2重量%プロセス油 … 2.1重量%再生粉末ゴム …30.0重量%オガ屑 …45.1重量%オガ屑としては、10〜30メッシュの粒度のものが用いられ、ゴムの木、その他種々の木から作られ市販されている。 【0034】(その他の実施例)本発明は、上記実施例に限られることはなく、用途、コスト、耐久性などユーザーの使用目的により弾性材料の変更、混合割合の変更が行われる。 【0035】 【発明の効果】この発明の防音防振用弾性成形体によると下記効果が奏される。防音防振用弾性成形体は、軽量低廉である。軽量低廉である防音防振用弾性成形体を厚くして用いることにより、従来のものに較べて同じコストで防音・遮音効果、防振効果を上げることができる。騒音問題など一方の環境問題を解決しながら同時に、自然環境の破壊を防止し他方の環境問題の解決にも資することができる。保温効果もある。
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| 【出願人】 |
【識別番号】591154544 【氏名又は名称】野澤 光治
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| 【出願日】 |
平成6年(1994)6月21日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】富崎 元成
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| 【公開番号】 |
特開平8−4143 |
| 【公開日】 |
平成8年(1996)1月9日 |
| 【出願番号】 |
特願平6−162606 |
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