| 【発明の名称】 |
電磁誘導加熱調理器 |
| 【発明者】 |
【氏名】小笠原 敏雄
【氏名】久保田 哲正
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| 【目的】 |
SUS430材使用の加熱用容器の構造による電磁誘導加熱を最適に行い、鍋加熱から高温のホットプレート領域までを最適加熱する。 |
| 【構成】 |
加熱用容器の誘導コイルの対向側を磁性材、その上層を非磁性材とした加熱用容器9をトッププレート1に載置し、加熱用容器9の下面にある誘導コイル3により通電し、加熱用容器9と誘導コイル3との距離を適選可変をし、設定温度を適選制御するようにした。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】加熱用容器と、この加熱用容器を載置するトッププレートと、このトッププレートの下面に面して備えられる高周波電流を通電する誘導コイルと、高周波駆動部を有し、上記加熱用容器と誘導コイルとの間隔を可変する電磁誘導加熱調理器において、上記加熱用容器の上記誘導コイルの対向側を磁性材、その上層を非磁性材とする層状構造に構成し、この加熱用容器と上記トッププレートとの距離に応じて上限の設定温度を制御したことを特徴とする電磁誘導加熱調理器。 【請求項2】設定温度が高い時は上記加熱用容器と上記トッププレートとの距離は大きく、設定温度が低い時は距離を小さくするように温度目盛りと距離を連動させることを特徴とする請求項第1項記載の電磁誘導加熱調理器。 【請求項3】上記加熱容器を加熱用容器固定枠に固定し、上記誘導コイルを固定する枠体と上記トッププレートを一体に構成し、この一体化にしたトッププレートを上下させることにより上記加熱用容器との距離を可変することを特徴とする請求項第1,2項記載の電磁誘導加熱調理器。 【請求項4】上記加熱用容器の外周部にフランジ部を設け、上記加熱用容器を固定する容器固定枠に上記フランジ部と勘合する凹部を設け、上記フランジ部を前記凹部に勘合または前記凹部の周りの凸部に載置により、上記加熱用容器を上下させ、上記加熱用容器と上記誘導コイルとの距離を可変するようにしたことを特徴とした請求項第1,2項記載の電磁誘導加熱調理器。 【請求項5】上記加熱用容器と上記トッププレートとの距離をリミットスイッチで検出することを特徴とする請求項第1〜4項記載の電磁誘導加熱調理器。 【請求項6】上記加熱用容器と上記トッププレートとの距離が小さいとき設定温度を最大にするように距離と出力目盛りが連動することを特徴とする請求項第1〜4項記載の電磁誘導加熱調理器。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【産業上の利用分野】この発明は、電磁誘導加熱調理器に関する。 【0002】 【従来の技術】図9は、従来の電磁誘導加熱調理器を示す構成断面図である。図において、25は加熱用容器、26は該加熱用容器25を載置するトッププレート、27は本体外郭、28は高周波電流が通電する誘導コイル、29はこの誘導コイル29を固定するコイル支持枠、30は上記誘導コイル28に高周波電流を通電する高周波駆動部、31は所定の温度で該高周波駆動部30の断続を制御する温度検出素子、32は電源の断続スイッチや加熱モード切替スイッチで構成された操作部、33は該操作部32で示した温度にするためのコイル支持枠29の高さを設定する温度設定ノブである。 【0003】このような従来の電磁誘導加熱調理器においては、被加熱体である加熱用容器25には誘導コイル28に通電される高周波電流によって、上記加熱用容器25底面の表面に誘導電流を生じ、誘導電流が加熱用容器25表面の抵抗によってジュール熱に変換され発熱し誘導加熱が行われる。誘導コイル28に通電される高周波電流は高周波駆動部30で発生させるがその周波数は20〜30KHzであり、温度検出素子31はサーミスタで構成され所定の温度で高周波駆動源30の断続を制御する。この時の温度の制御は温度設定ノブ33とスライドボリュームが連動しマイクロコンピュータ等で行われる。 【0004】誘導コイル28に流れる電流は、誘導コイル28のインダクタンスで抑制されて駆動素子の限界電流以下で制御される。インダクタンス値はコイルの巻数が多ければ多いほど大きくなり駆動素子の保護にはなるが、反面コイルの自己抵抗が増大し、コイル自身の発熱も増大してしまい損失が増加するのであまり多くのコイル巻数は設定できない。前記加熱用容器25の材質に鉄を用いると図10に示すように鉄の磁性体としての特性である適度のインダクタンス値を得ることができ、18ターン程度の少ないコイル巻数でも所定のインダクタンス値は得られ、また、前記高周波誘導加熱の原理からも誘導結合が良く、表面の抵抗が程よく抵抗加熱されるので鉄が加熱用容器25に用いられる。 【0005】また、トッププレート26は厚さ3mmの絶縁性のあるセラミック材等を使用し、誘導コイル28はコイル支持枠29にエポキシ樹脂等で接着固定されトッププレート26から5mm程度離して耐熱性を考慮している。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】上記のような従来の電磁誘導加熱容器では、加熱用容器25からの輻射熱で誘導コイル28の温度が上昇し絶縁劣化を起こすのを防ぐため、誘導コイル28とトッププレート26の間は5mm程の間隔が設定される。しかし、図11は横軸に加熱用容器25と誘導コイル28の距離、縦軸に加熱効率を目盛ったものであるが、距離が離れる程加熱効率は低下することが示されている。だが、図10は横軸に加熱用容器25と誘導コイル28の距離、縦軸にコイルのインダクタンス値を目盛ったものであるが、距離が大きくなるとインダクタンス値は小さくなる特性を有する。このように本来は図11に示すように加熱用容器25と誘導コイル28との距離はゼロが望ましいのであるが、図10より分かるように加熱用容器25からの輻射熱を防ぐためには、加熱用容器25と誘導コイル28との距離はある程度離さなければならず、加熱効率を犠牲にしなければならないという問題点があった。 【0007】この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、加熱用容器と誘導コイルの距離がゼロに近いときでも容器の輻射熱を防ぎ、かつ加熱効率を犠牲にすることなく、適正な容器温度・出力を得ることができる電磁誘導加熱調理器を得ることである。 【0008】 【課題を解決するための手段】この発明に係る電磁誘導加熱調理器においては、加熱用容器の誘導コイルの対向側を磁性材、その上層を非磁性材とする層状構造の構成にし、加熱用容器とトッププレート間の距離により上限の設定を制御するようにしたものである。 【0009】また、加熱用容器とトッププレートとの距離と、温度目盛りを連動させる。 【0010】また、加熱用容器を固定する加熱用容器固定枠を設け、さらに誘導コイルを固定するコイル支持枠とトッププレートを一体化させ上下させるものである。 【0011】また、加熱用容器の外周部にフランジ部を設け、このフランジ部と勘合する凹部を設けた加熱用容器固定枠に上記加熱用容器を載置するものである。 【0012】また、加熱用容器とトッププレートとの距離をリミットスイッチで検出する。 【0013】また、加熱用容器とトッププレートとの距離と、出力目盛りを連動させる。 【0014】 【作用】上記のように構成された電磁誘導加熱調理器においては、加熱用容器を磁性材と非磁性材との層状構造の構成にし、加熱用容器と誘導コイルとの距離を可変させ、加熱用容器と誘導コイルとの距離が近い時は設定温度低下させ、距離が離れている時すなわち距離が遠い時は設定温度を上昇させる。 【0015】また、加熱用容器とトッププレートとの距離と温度目盛りを連動させ、加熱用容器とトッププレートすなわち誘導コイルとの距離が小さい時は設定温度を低下させ、加熱用容器と誘導コイルとの距離が大きい時は設定温度を上昇させた。 【0016】また、加熱用容器固定枠に加熱用容器を固定し、高周波電流を通電する誘導コイルを固定するコイル支持枠とトッププレートを一体に構成し上下させて、加熱用容器と誘導コイルとの距離が可変できる。 【0017】また、加熱用容器の外周部にフランジ部を設け、このフランジ部と加熱用容器固定枠に設けた凹部が勘合することで加熱用容器を上下させて加熱用容器と誘導コイルとの距離を可変できる。 【0018】また、加熱用容器とトッププレートとの距離をリミットスイッチで検出し、加熱用容器と誘導コイルとの距離が小さいと検出した時は設定温度を低下させ、加熱用容器と誘導コイルとの距離が大きいと検出した時は設定温度を上昇させる。 【0019】また、加熱用容器とトッププレートとの距離と出力目盛りを連動させ、加熱用容器とトッププレートすなわち誘導コイルとの距離が小さい時は出力を上昇させ、加熱用容器と誘導コイルとの距離が大きい時は出力を減少させた。 【0020】 【実施例】 実施例1.図1はこの発明の電磁誘導加熱調理器の実施例1を示す側面断面図である。図において、1はトッププレート、2は本体外郭、3は誘導コイル、4はトッププレート1と一体になっているコイル支持枠、5は温度検出素子、6は高周波駆動部、7は温度ノブ、9はトッププレート1に載置し、容器固定枠8で固定される加熱用容器であり、その一実施例を図2に示している。図2において、10はアルミやSUS304系材等の非磁性材、11はSUS430系材等の磁性材であり、(イ)は加熱用容器9全体が非磁性材10のコイル側に磁性材11を貼り合わせた層状構造になっており、(ロ)は加熱用容器9の底部だけが非磁性材10と磁性材11の層状構造になっている。 【0021】このように構成された電磁誘導加熱調理器の加熱用容器9は、従来の加熱用容器と異なり加熱用容器9の外側(誘導コイル側)に耐蝕性の良いステンレス11(鉄・SUS430材)を用い、加熱用容器9の内側にはアルミニウム10(SUS304材)を張り合わせ焦げ付きに対して剥離性の良いテフロンコーティングを施した層状の構成にしている。ステンレス材11は前記電磁誘導加熱の原理より磁性材のSUS430材であり、電磁誘導加熱特性を得ることができ、さらにアルミニウムの特性である良好な熱伝導性を利用して容器表面の均一加熱を可能にする。本来鉄材を用いたいのであるが錆を抑える手段がないためSUS430材を用いるが、この材料は図3に示すようにインダクタンス値は加熱用容器9と誘導コイル3の距離が大きくなる程高くなる特性で、鉄材と正反対の特性を持つ。すなわちSUS430材の透磁率が鉄ほど高くなく、鉄材の加熱用容器を誘導コイル3に載せるとインダクタンス値が高くなるが、SUS430材の加熱用容器9を載せるとインダクタンス値は低くすなわち加熱用容器9を遠ざけるとコイルの自己インダクタンス値に近づくものである。 【0022】このような加熱用容器9に誘導電流を発生させ電磁誘導加熱を行うと、加熱用容器9を誘導コイル3に密着させた時インダクタンス値が低いため誘導コイル3のピーク電流が多く流れて駆動素子・誘導コイル3の温度上昇ストレスが高まり、よって加熱用容器9からの輻射熱も加わり相乗的に温度上昇が起こる。従って、加熱用容器9と誘導コイル3との距離が近い時は設定温度を「100℃」のように低くし、加熱用容器9と誘導コイル3との距離が離れている時はインダクタンス値が高くないので駆動素子・誘導コイル3の温度上昇が緩和されて加熱用容器9と誘導コイル3の距離も離れているので加熱用容器9の輻射熱の影響も緩和され、設定温度を「260℃」のように高くすることができる。 【0023】上述の加熱用容器9と誘導コイル3との距離を可変させる可変機構を示した電磁誘導加熱調理器の側面断面図を図4に示す。図において、1〜11及び容器1の構造は上記実施例1の電磁誘導調理器と同一のものであり、その説明を省略する。12は本体の高さを決める勘合部、13は本体とコイル支持枠4がネジ山で構成されている可動部であり、トッププレート1とコイル支持枠4が一体に構成しているのでところでこの可動部13で可動でき、図中Aから低下しBのところまで約5mmレベルが下げられる。また、可動部13は温度設定ノブ7の円弧動作に連動してコイル支持枠4が上下する。 【0024】このように構成された電磁誘導加熱調理器の可変機構においては、温度設定ノブ7の円弧動作の中心は図5に示すトッププレート1の中心14で一致させ、温度設定ノブ7の位置が「260℃」の設定温度ではトッププレート1の上端部はレベルBの位置で加熱用容器9と誘導コイル3の距離は最大になり、「100℃」以下の設定温度ではレベルAの位置になり距離はゼロで密着状態となる。 【0025】実施例2.図6と図7はこの発明の電磁誘導加熱調理器の実施例3を示す加熱用容器と誘導コイルとの距離を可変する可変機構の加熱用容器の平面図と加熱用容器固定枠の斜視図である。15は加熱用容器9の外周部、16は外周部15に設けた取手状の突出部、17は加熱用容器固定枠8に設けた凹部である。 【0026】このように構成された電磁誘導加熱調理器の可変機構においては、加熱用容器9を加熱用容器固定枠8に載置する時、図6の取手状突出部16が図7の凹部17に勘合した場合は加熱用容器9と誘導コイル3との距離は最小つまり密着状態になり、また凹部の回りの凸部に載置した場合は加熱用容器9と誘導コイル3との距離は最大になる。 【0027】なお、上記実施例1と実施例2での可変機構では、実施例1における加熱用容器9を使用することにより、図5に示すような操作部20によって設定された設定温度が低い時(切や保温)には加熱用容器9と誘導コイル3との距離は小さく、すなわち距離は0に近く、設定温度が高い(260℃)には距離は大きく、離れている状態になるように設定温度と距離が連動する。 【0028】実施例3.図8は、この発明の電磁誘導加熱調理器の実施例4を示すものであり、加熱用容器9と誘導コイル3との距離の検出をリミットスイッチで行ったものである。図において、21は温度切り換えスイッチ、22は連動棒、23は平バネのスイッチ動作片である。加熱用容器9とトッププレート1が密着状態になった時、連動棒22は下へ下がり、したがってスイッチ動作片23を押して温度切り換えスイッチ21が動作する。この温度切り換えスイッチ21の動作より距離が小さい(密着状態)であることを感知し、設定温度を「100℃」の最小になるようにマイクロコンピュータ等で制御する。 【0029】実施れ4.また、図5において、操作部20は温度目盛りであり、24はこの温度目盛りを出力に置き換えたものであり、加熱用容器9と誘導コイル3との距離を最小にして誘導コイル3との距離を最小にして誘導コイル3への通電量を大きくしても駆動素子へのストレスが少ないという効果を利用して、温度(出力)設定ノブ7を左の方向に設定した時は加熱用容器9と誘導コイル3との距離は最大になり出力は1200W、逆に右方向へ設定した時は加熱容器9と誘導コイル3との距離は最小で出力200Wになるように構成する。鍋料理において湯を沸かす場合は最大出力である最大距離を設定し、煮込みの場合のように火力を意識的に絞る時は出力が抑えられる最小距離に設定できるもので、温度ではなく出力とすることで、鍋料理専用加熱調理器になる。 【0030】 【発明の効果】この発明は、以上説明したように構成されているので、以下に示すような効果を奏する。 【0031】電磁誘導加熱に最適でないSUS430材を容器の外側(誘導コイル側)に施した層状構造の容器にすることで容器と誘導コイルの距離が一番小さいすなわち最大結合度の時に最大効率を得ることができ、加熱用容器と誘導コイルの距離を大きくしても効率は低下しないため加熱用容器の幅射熱を軽減しスイッチング素子に過大なストレスを与えることなく効率の良い電磁誘導加熱調理器を提供できる。 【0032】また、温度目盛りを設定し、希望温度に対応して加熱用容器と誘導コイルとの距離を可変で切るように温度目盛りと距離を連動させることによって、効率が良く使いやすい電磁誘導加熱調理器を提供することができる。 【0033】また、加熱用容器固定枠により加熱用容器を固定し、誘導コイルを固定するコイル支持枠とトッププレートを一体に構成し、上下させることにより、加熱用容器と誘導コイルとの距離を設定温度に合わせて可変することができ、効率の良い電磁誘導加熱調理器を得ることができる。 【0034】また、加熱用容器の外周部にフランジ部を設け、容器固定枠に前記フランジ部と勘合する凹部を設け、上記フランジ部と凹部が勘合することにより、加熱用容器と誘導コイルとの距離を設定温度に合わせて可変することができ、効率の良い電磁誘導加熱調理器を得ることができる。 【0035】また、加熱用容器と誘導コイルとの距離をリミットスイッチで検出することでその検出された距離に対応した適正温度・適性出力にすることができるため、効率の良い電磁誘導加熱調理器を得ることができる。 【0036】また、加熱用容器と誘導コイルとの距離と出力目盛りを連動させることにより、加熱用容器と誘導コイルの距離を鍋料理のような時には密着させ、さらに鍋料理専用の制御ができ、調理に適した入力が自動的に設定され使い勝手の良い電磁誘導加熱調理器を提供することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000006013 【氏名又は名称】三菱電機株式会社
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| 【出願日】 |
平成6年(1994)4月15日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】高田 守
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| 【公開番号】 |
特開平7−288180 |
| 【公開日】 |
平成7年(1995)10月31日 |
| 【出願番号】 |
特願平6−77459 |
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