トップ :: B 処理操作 運輸 :: B05 霧化または噴霧一般;液体または他の流動性材料の表面への適用一般




【発明の名称】 液体噴霧装置
【発明者】 【氏名】中村 誠

【目的】 消臭用液剤等の微粒子を効率よく対象物質に接触させて効能を高めることができる液体噴霧装置を提供すること。
【構成】 第2ノズル8と電極棒10の間に電圧を印加することにより、消臭用液剤等の微粒子を噴霧直後にプラスまたマイナス何れかに帯電させ、もしくは高活性のラジカル(遊離)状態とさせ、これら帯電微粒子R+,R−並びにラジカル微粒子R・を空気中に放出することができる。放出された各帯電微粒子R+,R−並びにはラジカル微粒子R・は対象物質(消臭物質)の電荷や電子状態に応じて引き寄せられ高効率で接触する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 消臭,消毒等の液体薬剤の微粒子を放出する噴霧ノズルを備えた液体噴霧装置において、噴霧ノズルの噴霧口前方に電極を配置すると共に、噴霧ノズルと電極の間に所定電圧を印加する電源を設けた、ことを特徴とする液体噴霧装置。
【請求項2】 消臭,消毒等の液体薬剤の微粒子を放出する噴霧ノズルを備えた液体噴霧装置において、噴霧ノズルの噴霧口前方に一対の電極を対向配置すると共に、両電極の間に所定電圧を印加する電源を設けた、ことを特徴とする液体噴霧装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、消臭,消毒等の液体薬剤の微粒子を空気中に放出する液体噴霧装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図2にはこの種従来の液体噴霧装置を示してある。同図において、1は水等の気化液F1を収容した気化液タンク、2は気化液タンク1内に一端を差し込まれた気化液管路、3は気化液管路2に介装されたポンプ、4は気化液管路2の他端にその入口を接続された気化器、5は気化器4の出口に接続された第1ノズル、6は噴霧液(消臭用液剤)F2を収容した噴霧液タンク、7は噴霧液タンク6内に一端を差し込まれた噴霧液管路、8は噴霧液管路7の他端に接続された第2ノズル、9は両ノズルを直交向きで保持するノズルホルダである。気化器4は電熱ヒータ4aと多孔質素子(図示省略)を備えており、該多孔質素子に送り込まれた気化液F1を電熱ヒータ4aの熱で加熱気化してその蒸気を出口から噴出することができる。
【0003】この液体噴霧装置は二流体噴霧装置と称されるもので、以下のようにして噴霧液(消臭用液剤)F2の噴霧が行われる。即ち、ポンプ3を作動させて気化液タンク1内の気化液F1を加熱状態にある気化器4内の多孔質素子に送り込むと、該気化液F1が加熱気化してその蒸気が第1ノズル5の先端から噴出され、該噴出蒸気によって噴霧液タンク6内の噴霧液F2が第2ノズル8の先端に吸い上げられると同時に噴出蒸気と衝突して霧化され前方に吹き出される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の液体噴霧装置では、消臭用液剤の微粒子を空気中に放出し、該微粒子を対象物質(臭気物質)に接触させることで所期の消臭作用を得るようにしている。しかし、自然接触を期待した従来のものでは放出微粒子を臭気物質に高効率で接触させることが難しく、所期の効能を得ることができない難点がある。
【0005】本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、消臭用液剤等の微粒子を効率よく対象物質に接触させて効能を高めることができる液体噴霧装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため、請求項1の発明では、消臭,消毒等の液体薬剤の微粒子を放出する噴霧ノズルを備えた液体噴霧装置において、噴霧ノズルの噴霧口前方に電極を配置すると共に、噴霧ノズルと電極の間に所定電圧を印加する電源を設けている。
【0007】また、請求項2の発明では、消臭,消毒等の液体薬剤の微粒子を放出する噴霧ノズルを備えた液体噴霧装置において、噴霧ノズルの噴霧口前方に一対の電極を対向配置すると共に、両電極の間に所定電圧を印加する電源を設けている。
【0008】
【作用】請求項1の発明では噴霧ノズルと電極の間、また請求項2の発明では両電極の間に電圧を印加すると、噴霧ノズルから放出された液体薬剤の微粒子が噴霧直後にプラスまたはマイナスに帯電し、もしくは高活性のラジカル(遊離)状態となり、これら帯電微粒子並びにラジカル微粒子が空気中に放出される。
【0009】臭気物質の場合は液状態で物体に付着するものはマイナスに、またガス状態で浮遊するものはプラスに帯電している場合が多いことから、上記の各帯電微粒子は臭気物質の電荷に応じて引き寄せられ高効率で接触することになる。また、反応性の高いラジカル微粒子は中性(無電荷)の臭気物質に高効率で衝突,接触する。
【0010】
【実施例】図1には本発明を図2に示した従来装置に適用した例を示してある。同図において2は気化液管路、4は気化器、4aは電熱ヒータ、5は第1ノズル、7は噴霧液管路、8は第2ノズル、9はノズルホルダであり、図示を省略した部分の構成も従来装置と同じである。ちなみに、両ノズル5,8は金属パイプ材から形成されている。
【0011】10は金属製の電極棒で、第2ノズル8の前方に間隔Lをおいて平行に配置され、その先端を略円錐形状を成す噴霧領域T内に位置している。11は直流電源で、マイナス端子を第2ノズル8にプラス端子を電極棒10に夫々接続されている。上記の間隔Lは直流電源11の出力によって変動するが、5〜15kVの出力の場合は好ましくは5mm以下に設定される。
【0012】ここで上述の液体噴霧装置の作用について説明する。消臭用液剤が噴霧されている状態で第2ノズル8と電極棒10の間に高電圧を印加すると、第2ノズル8と電極棒10の間に生じる放電によって、消臭用液剤の微粒子が間隔Lを通過する過程でプラスまたはマイナスに帯電し、もしくは高活性のラジカル(遊離)状態となり、これら帯電微粒子R+,R−並びにラジカル微粒子R・が空気中に放出される。
【0013】一般に臭気物質のうち微粒子や液状態で存在または物体に付着するもの、例えばトリメチルアミン,ピリジン,アセトアルデヒド等はマイナスに帯電している場合が多く、またガス状態で浮遊するもの、例えば硫化水素等はプラスに帯電している場合が多いことから、放出されたプラスの帯電微粒子R+はマイナス電荷の臭気物質に引き寄せられ、またマイナスの帯電微粒子R−はプラス電荷の臭気物質に引き寄せられて接触し、各臭気物質に対し所期の消臭作用が発揮される。また、中性(無電荷)の臭気物質に対しては、反応性の高いラジカル微粒子R・が高効率で衝突,接触し、所期の消臭作用が発揮される。
【0014】このように上述の液体噴霧装置によれば、消臭用液剤の微粒子をプラスまたはマイナスに帯電させ、もしくはラジカル微粒子として空気中に放出しているので、プラスの帯電微粒子R+をマイナス電荷の臭気物質に、またマイナスの帯電微粒子R−をプラス電荷の臭気物質に夫々高効率で接触させ、しかもラジカル微粒子R・を中性(無電荷)の臭気物質に高効率で衝突,接触させることが可能であり、自然接触に依存する従来装置に比し接触効率を格段高めて優れた消臭効果を得ることができる。また、上記接触によりプラスまたはマイナス電荷を持つ臭気物質を電気化学的に中和させ、これにより臭気物質を不活性化させて臭気発生を抑制することができる。
【0015】図3は本考案の第2実施例を示すもので、加圧式の液体噴霧装置に本発明を適用したものである。同図において、21は給液管路、22は給液管路21の端部に接続されたノズルアダプタ、23はノズルアダプタ22の先端に設けられた噴霧ノズルである。給液管路21の他端は消臭用液剤を収容した図示省略のタンクに差し込まれており、また該管路途中には消臭用液剤をノズルアダプタ22内に圧送する図示省略のポンプが介装されている。
【0016】24は金属製の一対の電極棒で、噴霧ノズル23の前方に間隔Lをおいて対向配置配置され、夫々の先端を略円錐形状を成す噴霧領域T内に位置している。25は直流電源で、マイナス端子を一方の電極棒24にプラス端子を他方の電極棒に夫々接続されている。上記の間隔L及び直流電源11の出力は前実施例と同様である。
【0017】上述の液体噴霧装置では、ノズルアダプタ22内に圧送された消臭用液剤を噴霧ノズル23で霧化し前方に吹き出すことができる。この噴霧状態で両電極棒24の高電圧を印加すると、両電極棒24の間に生じる放電によって、消臭用液剤の微粒子が間隔Lを通過する過程でプラスまたはマイナスに帯電し、もしくはラジカル状態となり、これら帯電微粒子R+,R−並びにラジカル微粒子R・が空気中に放出される。他の作用,効果は前実施例と同様である。
【0018】尚、実施例で示した電極棒は棒以外の形状のもので代用してよく、その個数は適宜増加してもよい。また、実施例では消臭用液剤を噴霧する場合を例に挙げたが、殺菌用液剤や消毒用液剤等の他種の液剤を噴霧する場合でも同様の作用,効果を得ることが可能である。更に、本発明は図示例以外の液体噴霧装置にも種々適用できることは言うまでもない。
【0019】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1,2の発明によれば、消臭,消毒等の液体薬剤の微粒子をプラスまたはマイナスに帯電させ、もしくはラジカル微粒子として空気中に放出しているので、プラスの帯電微粒子をマイナス電荷の対象物質に、またマイナスの帯電微粒子をプラス電荷の対象物質に夫々高効率で接触させ、しかもラジカル微粒子を中性(無電荷)の対象物質に高効率で衝突,接触させることが可能であり、自然接触に依存する従来装置に比し接触効率を格段高めて優れた消臭効果を得ることができる。
【出願人】 【識別番号】000001845
【氏名又は名称】サンデン株式会社
【出願日】 平成5年(1993)8月24日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 精孝
【公開番号】 特開平7−60166
【公開日】 平成7年(1995)3月7日
【出願番号】 特願平5−209254