トップ :: A 生活必需品 :: A47 家具;家庭用品または家庭用設備;コ−ヒ−ひき;香辛料ひき;真空掃除機一般




【発明の名称】 羽毛布団製造方法
【発明者】 【氏名】菊池 仁達

【目的】
【構成】 片面に熱硬化性又は熱軟化性等の接着剤(AD)を塗布した帯状布材(13)を、接着剤塗布面を外側にして帯幅の略中央部に沿って中芯地(17)の表裏面に格子状等適宜配置で縫合し、これ表側地(11)と裏側地(12)の間に一体に位置せしめ、各帯状部材部を表側地外面と裏側地外面の少なくとも一方より加熱する等して前記接着剤(AD)を硬化させて、2層の多数の小区画室(2,2')を有する側(がわ)を製造し、各小区画室(2,2')に羽毛(1) を充填したのち封止する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 夫々が略等面積の表側地(11)と、裏側地(12)と、両者の間に介在する中芯地(17)を有する羽毛布団の製造方法であって、片面に接着剤(AD)を塗布した帯状布材(13)を用意し、この帯状布材(13)を中芯地(17)に、中芯地の所定方向に表面及び裏面に所定間隔で略平行に充填孔部(2a)を残して前記帯状布材(13)の中央部で縫着し、帯状布材を両面に縫着した上記中芯地(17)を、表側地(11)と裏側地(12)の間に互いの位置を合わせて介在させて一体に保持し、前記接着剤(AD)を硬化させて表側地(11)と裏側地(12)及び中芯地(17)を接着固定するとともに表側地(11)と中芯地(17)間及び裏側地(12)と中芯地(17)間夫々に充填孔(2a)を有した多数の小区画室(2) を形成し、上記加工物の周縁部を充填口(21)を残して封止して最外周部の小区画室(2) を完成させ、前記各小区画室(2) に充填口(21)を介して夫々の充填孔(2a)より羽毛(1) を充填したのち充填口(21)を封止するとの各過程を順に含む羽毛布団製造方法。
【請求項2】 夫々が略等面積の表側地(11)と、裏側地(12)と、両者の間に介在する中芯地(17)を有する羽毛布団の製造方法であって、片面に接着剤(AD)を塗布した帯状布材(13)を用意し、この帯状布材(13)を中芯地(17)に、中芯地の表面及び裏面に格子状に各区画に通じる充填孔部(2a)を残して前記帯状布材(13)の中央部で縫着し、帯状布材を両面に縫着した上記中芯地(17)を、表側地(11)と裏側地(12)の間に互いの位置を合わせて介在させて一体に保持し、前記接着剤(AD)を硬化させて表側地(11)と裏側地(12)及び中芯地(17)を接着固定するとともに表側地(11)と中芯地(17)間及び裏側地(12)と中芯地(17)間夫々に充填孔(2a)を有した多数の小区画室(2) を形成し、上記加工物の周縁部を充填口(21)を残して封止して最外周部の小区画室(2) を完成させ、前記各小区画室(2) に充填口(21)を介して夫々の充填孔(2a)より羽毛(1) を充填したのち充填口(21)を封止するとの各過程を順に含む羽毛布団製造方法。
【請求項3】 夫々が略等面積の表側地(11)と、裏側地(12)と、両者の間に介在する中芯地(17)を有する羽毛布団の製造方法であって、片面に接着剤(AD)を塗布した帯状布材(13)を用意し、この帯状布材(13)を中芯地(17)に、中芯地の所定方向に表面及び裏面に交互に所定間隔で略平行に各区画に通じる充填孔部(2a)を残して前記帯状布材(13)の中央部で縫着し、帯状布材を両面に縫着した上記中芯地(17)を、表側地(11)と裏側地(12)の間に互いの位置を合わせて介在させて一体に保持し、前記接着剤(AD)を硬化させて表側地(11)と裏側地(12)及び中芯地(17)を接着固定するとともに表側地(11)と中芯地(17)間及び裏側地(12)と中芯地(17)間夫々に充填孔(2a)を有した多数の小区画室(2) を形成し、上記加工物の周縁部を充填口(21)を残して封止して最外周部の小区画室(2) を完成させ、前記各小区画室(2) に充填口(21)を介して夫々の充填孔(2a)より羽毛(1) を充填したのち充填口(21)を封止するとの各過程を順に含む羽毛布団製造方法。
【請求項4】 夫々が略等面積の表側地(11)と、裏側地(12)と、両者の間に介在する中芯地(17)を有する羽毛布団の製造方法であって、片面に接着剤(AD)を塗布した帯状布材(13)を用意し、この帯状布材(13)を中芯地(17)に、中芯地の所定方向に表面及び裏面に交互に所定間隔で略平行に、また前記所定方向と略直交する方向に中芯地の裏面に交互に所定間隔で略平行に、中芯地の両面夫々の直交する布材群による各区画に通じる充填孔部(2a)を残して前記帯状布材(13)の中央部で縫着し、帯状布材を両面に縫着した上記中芯地(17)を、表側地(11)と裏側地(12)の間に互いの位置を合わせて介在させて一体に保持し、前記接着剤(AD)を硬化させて表側地(11)と裏側地(12)及び中芯地(17)を接着固定するとともに表側地(11)と中芯地(17)間及び裏側地(12)と中芯地(17)間夫々に充填孔(2a)を有した多数の小区画室(2) を形成し、上記加工物の周縁部を充填口(21)を残して封止して最外周部の小区画室(2) を完成させ、前記各小区画室(2) に充填口(21)を介して夫々の充填孔(2a)より羽毛(1) を充填したのち充填口(21)を封止するとの各過程を順に含む羽毛布団製造方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、羽毛布団製造方法に関し、特に表側地と裏側地、及びこの両者の間に介在する中芯地を有した2層構造の羽毛布団の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】羽毛布団は、使用用途に応じて各種のものが提供されているが、特に軽さと薄さを要求されるものがある。図6、図7は、このような羽毛布団の一例を示す図で、図6は側断面図、図7は平面図である。図に示す羽毛布団20´は、袋体を形成する表裏の側地11、12同士を縦横に格子状に糸14で縫着することで、内部に多数の小区画室2(211、212、〜、246)を形成している。そして、側地11、12の縁部を縁布16で被覆することで封止した後、各小区画室内に充填物である羽毛1を充填して形成されている。この他、袋体を形成する表裏の側地11、12の間に中芯地を介在させて、布団を2層構造としたものもある。
【0003】また、図示はしないが、同様な袋体の形成に接着を用いて側地同士を縦横に格子状に接着することで、内部に多数の小区画室を形成したものも知られている。接着には、熱硬化性或いは熱軟化性の接着剤や粘着剤が使用されている。接着による布団は、外表面に針穴が全くなく仕上がるので使用に供されても布団内にダニ等の虫が入り込むことが無く健康上また衛生上も好ましい。更に充填物に羽毛を用いた羽毛布団では針穴から羽毛の先が突出して肌触りが悪化したり生理的不快感を起こさせることもなく長期にわたって快適に使用することができる利点がある。また、接着による製造は、縫着と比較して簡便で熟練を要さないという利点がある。然しながら、接着によるものは強度が不足し耐久性に欠ける場合もある。また、接着部の剛性が高く布団としての使用感が悪い傾向がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述したような状況に鑑みてなされたもので、羽毛布団に好適な接着に依りながらも従来のものに比して接着部の結合力が強く耐久性が高く、同時に接着部の剛性もさほど高くなく使用感の良い、従来にない羽毛布団を製造する方法を提案することを課題とする。また、製造工程を簡易化することも課題としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するための本願第一発明の羽毛布団製造方法は、夫々が略等面積の表側地と、裏側地と、両者の間に介在する中芯地を有する羽毛布団の製造方法であり、片面に接着剤を塗布した帯状布材を用意し、この布材を中芯地に、中芯地の所定方向に表面及び裏面に所定間隔で略平行に充填孔部を残して前記帯状布材の中央部で縫着し、帯状布材を両面に縫着した上記中芯地を、表側地と裏側地の間に互いの位置を合わせて介在させて一体に保持し、前記接着剤を硬化させて表側地と裏側地と及び中芯地を接着固定するとともに表側地と中芯地間及び裏側地と中芯地間夫々に充填孔を有した多数の小区画室を形成し、上記加工物の周縁部を封止して最外周部の小区画室を完成させ、前記各小区画室に夫々の充填孔より羽毛を充填したのち充填口を封止するとの各過程を順に行う。
【0006】本願第二発明の羽毛布団製造方法は、上記第一発明とほぼ同様であって、差異は、上述の布材を中芯地に縫着する過程に替えて、前記帯状布材を中芯地に、中芯地の所定方向に表面及び裏面に格子状に各区画に通じる充填孔部を残して前記帯状布材の中央部で縫着する過程を用いる点のみである。
【0007】本願第三発明の羽毛布団製造方法は、上記第一発明とほぼ同様であって、差異は、上述の布材を中芯地に縫着する過程に替えて、前記帯状布材を中芯地に、中芯地の所定方向に表面及び裏面に交互に所定間隔で略平行に充填孔部を残して前記帯状布材の中央部で縫着するとの過程を用いる点のみである。
【0008】本願第四発明の羽毛布団製造方法は、上記第一発明とほぼ同様であって、差異は、上述の布材を中芯地に縫着する過程に替えて、前記帯状布材を中芯地に、中芯地の所定方向に表面及び裏面に交互に所定間隔で略平行に、また前記所定方向と略直交する方向に中芯地の裏面に交互に所定間隔で略平行に、中芯地の両面夫々の直交する布材群による各区画に通じる充填孔部を残して前記帯状布材の中央部で縫着するとの過程を用いる点のみである。
【0009】
【作用】本願第一発明の羽毛布団製造方法では、予め片面に接着剤を塗布した帯状布材を用意し、所定の長さに切断した帯状負部材を中芯地の表裏の所定位置に線状に多数列、接着剤塗布面を外側にして帯状部材の帯幅の略中央部に沿って縫合しておく。上述所定位置は少なくとも所定間隔で略平行に充填孔部を残すようにする。表側地と裏側地を接着する時には、単に上記加工物を2枚の布の間に挟んで帯状布材部分を表側地外面または裏側地外面から、押圧或いは加熱する。すると、接着剤が粘着性のもの(粘着剤)であれば押圧により接着され、接着剤が熱硬化性であれば熱により硬化し所望の接着が完了する。また、接着剤が熱軟化性であれば熱により軟化溶融したのち、冷却により硬化し所望の接着が完了しこのとき同時に所望の小区画が中芯地の表裏面に2層に形成される。
【0010】ついで、従来に於けると同様に上記加工物の周縁部を封止して最外周部の小区画室を完成させ、前記各小区画室に夫々の充填孔より羽毛を充填したのち充填口を封止することで羽毛布団を完成させる。接着後は、表裏2枚の布に剥離力が加わった場合でも、縫合部の作用で接着部にはせん断力のみ加わり剥離の作用点は接着より強固な縫合部に加わる結果、2枚の布を剥離する力に対抗する力が格段に強く、接着部の固定機能が損なわれることがない。また、帯状布材に薄手の柔軟なものを選択することで、接着部の柔軟性を容易に高めることができる。
【0011】本願第二発明の羽毛布団製造方法では、帯状布材を中芯地に縫着する過程に於いて、中芯地の所定方向に表面及び裏面に格子状に各区画に通じる充填孔部を残して前記帯状布材の中央部で縫着する結果、接着後に中芯地の表裏面に格子状の小区画室が形成される。従って、充填後の羽毛が偏在することが少ない。他の過程は第一発明と同じであり、その作用等も同等であり、繰り返しを避け省略する。
【0012】本願第三発明の羽毛布団製造方法では、帯状布材を中芯地に縫着する過程に於いて、中芯地の所定方向に表面及び裏面に交互に所定間隔で略平行に充填孔部を残して前記帯状布材の中央部で縫着する結果、接着後に中芯地の表裏面に互いにずれた小区画室が形成される。従って、充填後の羽毛が偏在することが少なく、接着部が分散することから柔軟性が保証される。他の過程は第一発明と同じであり、その作用等も同等であり、繰り返しを避け省略する。
【0013】本願第四発明の羽毛布団製造方法では、帯状布材を中芯地に縫着する過程に於いて、中芯地の中芯地の所定方向に表面及び裏面に交互に所定間隔で略平行に、また前記所定方向と略直交する方向に中芯地の裏面に交互に所定間隔で略平行に、中芯地の両面夫々の直交する布材群による各区画に通じる充填孔部を残して前記帯状布材の中央部で縫着する結果、接着後に中芯地の表裏面に互いにずれた格子状の小区画室が形成される。従って、充填後の羽毛が偏在することがより少なく、接着部がより均等に分布することから一層の柔軟性が保証される。他の過程は第一発明と同じであり、その作用等も同等であり、繰り返しを避け省略する。
【0014】
【実施例】次に、本発明の羽毛布団製造方法について詳細に説明する。図1及び図2は、本願発明の羽毛布団製造方法を適用した羽毛布団の一例を示す図で、図1は側断面図、図2は平面図である。この羽毛布団20、本願第四発明に直接対応しているが、第一乃至第三発明の例示ともなっている。図に示す羽毛布団20では、袋体を形成する表裏の側地11、12の間に中芯地17を介在させて、布団を2層構造としより多くの羽毛1が充填可能な構成となっている。本発明方法はこのような、夫々が略等面積の表側地と、裏側地と、両者の間に介在する中芯地を有する羽毛布団を対象とする。側地11と中芯地17の固定、又同じ中芯地17と側地12との固定には接着が用いられており、上下各層夫々に縦横に格子状の接着部を配置することで、多数の小区画室2、2´を形成している。そして、各小区画室内に充填物である羽毛1を充填したのち充填口21、21´を封止することで形成されている。以下では、この羽毛布団の製造過程に沿って、本発明方法を説明する。
【0015】本発明方法では、先ず帯状布材13を作成する。図4(a)に中芯地17と共に示すように、帯状布材13は所定幅の帯状の基布の片面に熱硬化性(又は、熱軟化性)の接着剤ADが塗布或いは含浸されており接着剤側表面は接着処理前にゴミ等が付着して接着性能が劣化すること等を防止するための保護テープ15で被覆される。この保護テープ15は、後に接着処理(加熱)の直前に取り去られる。基布は、布地で例えば不織布を用いる。なお、接着剤には粘着性を持つ粘着剤を用いることもできる。
【0016】この帯状布材13は、図3の接着部断面図及び図4(a)の帯状部材と中芯地の斜視図に拡大して示すように中芯地17の所定部位に糸14で縫合される。中芯地17は、表側地11と裏側地12の間に設けられるもので、表側地11及び裏側地12と略同じ形状の布で、通気性を考慮して編物による素材を用いると好適である。図4(b)にその構造の一部を例示する。合成繊維の糸が編まれた構成であってこのため通気性に優れているのは無論、加えて強度が高くしかも織物による布地の如くに糸がほつれて突出したり離散することがないため寝具に用いて特に好適である。各種のものが利用可能であり一例として「ナイロンタフター(商品名)」が市販されている。
【0017】この中芯地17の両面に、前述した帯状布材13が複数、接着剤側表面を外方にして糸14により前記帯状布材14の幅方向中央部で縫着される。帯状布材13の中芯地17に対する縫着位置は、図示の羽毛布団20では、長方形状の中芯地17の辺に平行な直交する2方向に縦横に表面及び裏面に所定間隔で互いが平行に充填孔部を残して縫着され格子状を呈している。表裏の格子は互いにずれて位置する。
【0018】即ち、中芯地17の一面に長手方向を等分割(図では6等分)した位置に幅方向に5ヵ所の直線状接着部を設定し、この位置夫々で前記帯状布材13を接着剤側表面を外方にして中央部を糸14で縫いつける。また、同じ面に幅方向を等分割(図では4等分)した位置に長手方向に延びる3ヵ所の直線状接着部を設定し、この位置夫々で前記帯状布材13を接着剤側表面を外方にして中央部を糸14で縫いつける。
【0019】これにより、この面は格子状に帯状布材13が縫着されて24の区画に分割される。なお、上述縫着にあたっては、のちにこの24個の区画夫々に長手方向の一端より連通可能に充填孔2aが形成されるように、対応部分には帯状部材がないように適宜長さの帯状部材が一列に途切れ途切れに中芯地に対して縫着される。
【0020】中芯地17の残る片面には、長手方向には上述した一面(反対面)に取付られた帯状部材の中間位置に対応する位置に、帯状布材13が縫い付けられる。即ち、略等間隔で長手方向6ヵ所で幅方向に延びる前記帯状布材を接着剤側表面を外方にして中央部を糸14で縫いつけ、直線状接着部が設けられる。幅方向についても、上述した一面(反対面)に取付られた帯状部材13の中間位置に対応する位置に、略等間隔で長手方向に延びて4ヵ所で前記帯状布材13を接着剤側表面を外方にして中央部を糸14で縫いつけ、直線状接着部が設けられる。縫着にあたって、やはり充填孔2aに対する配慮がなされる。これにより、この面も格子状に帯状布材13が縫着されて複数の区画に分割される。
【0021】なお、両面同一位置に帯状布材13を接着剤側表面を外方にして中央部を糸で縫いつけても良いが、合わせて3つの部材を同時に縫着せねばならないし、接着後の接着部の剛性が高くなる難点があり、図示の例がより柔軟性に富む。
【0022】次に、このようにして帯状布材13を両面に縫着した上記中芯地17を、表側地11と裏側地12の間に互いの位置を合わせて介在させて三者一体に保持したまま前記帯状布材を表側地外面と裏側地外面の少なくとも一方より(両面からが望ましい)加熱し、前記接着剤ADを硬化させて表側地11と裏側地12と及び中芯地17を加熱して3者を一度に接着する。加熱は、前記帯状布材を表側地外面と裏側地外面の少なくとも一方より加熱すれば良いが、工業的には熱圧着機(後述)を用い両面より加熱する。全ての帯状部材13について順に加熱・接着が行われる。この接着固定に伴い表側地11と中芯地17間、及び裏側地12と中芯地17間夫々に充填孔2aを有した多数の小区画室2、2´(211、212、〜、246及び2´11、2´12、〜、2´57)が形成される。上下2層の接着部及び各小区画2は、長手方向及び幅方向にずれており、これにより、完成羽毛布団の柔軟性と充填羽毛の均等性が保証される。接着剤が熱軟化性のものでは、加熱により接着剤が軟化し、続く冷却過程中で硬化することで接着が行われる。また、粘着剤を用いたものは、単に両面より押圧することで接着できる。
【0023】上述の熱による接着過程に用いて好適な熱圧着機の一例を図5に示す。この熱圧着機30は概略プレス機械に似た構成をしており、脚部31上部に取付けられた台盤32上に固定された長尺板状の加工台座33と、台盤33後部に固定され上方向ついで前方へ加工台座上方まで延出する腕部35に取りつけられ加工台座へと移動してその押圧部で被加工物を加圧し復帰するヘッド部34と、被加工物の被加圧部を加工台座側あるいはヘッド部側の少なくとも一方の面から加熱する加熱部37とを有している。また、36は保護カバー、38は腕部35上部に取付けられ前記ヘッド部34を駆動するためのシリンダ、39は電磁弁・リレー等からなる制御部であり、40は腕部35上部に取付けられ前記ヘッド部34に固定されたガイド棒41の昇降をガイドするガイド筒である。
【0024】接着時には、接着部を熱圧着機30の加工台座33上に各部が所定位置関係を保った状態で保持したのち空気シリンダ38によりヘッド部34を加工台座33へと移動(下降)させ接着部分を押圧挟持する。ヘッド部34は抵抗線やサーミスタを熱源とする加熱部37を有していて下端部の押圧面は高温に保たれているため押圧と同時に接着部の接着剤ADが加熱により溶融される。その後ヘッド部34が上昇移動して被加工物から離れ、接着部は自然冷却され接着剤ADが硬化して熱圧着機による接着が完了する。
【0025】続いて、接着の完了した上記加工物の周縁部を縁布16を用いて封止し、最外周部の小区画室を完成させる。この時、布団の一端には、各小区画の一列に並んだ充填孔2aに対応して複数の開口部21、21´を残しておく。以上で袋状の布団側(がわ)の製造過程が終了し、充填過程が続く。
【0026】上述の布団側に形成された上下2層になった各小区画室2、2´夫々に充填物である羽毛1を圧縮空気と共に吹き込み充填する。このためには表側地側を例にとれば充填機(図示せず)の筒状の充填パイプ3を前記充填口21より各充填穴2aを貫通させて一番奥の小区画室(例えば211)まで挿入するそして羽毛1を圧縮空気と共に吹き込み小区画室211を羽毛1で満たす。次に手前の小区画室212、更に手前の小区画室213と順に一列の各小区画室(211、212、〜、246)全てに羽毛1を適量充填する。同様に他の列を構成する小区画室2にも順に充填を行う。全く同様の手順で、裏側地側の各小区画室にも順次羽毛1を適量充填する。この様にして全ての小区画室2、2´に羽毛を充填した後全ての充填口21、21´を封止する。以上の各工程により、羽毛布団20が完成する。
【0027】この羽毛布団20は、上下の接着部を一致させず長手方向及び幅方向に上下交互に設けて格子が上下でずれて分布するようにしている。このようにすることに依り、接着部が均等に分布し全体の柔軟性が得られる。接着部が同一位置で2層となると剛性は高まり種類によっては使用感が悪化する慮がある。また、格子のずれた分布は、充填された羽毛1が均等に分布する結果となる。また、接着時に2つの中間部材を位置を合わせて保持する必要がなく作業しやすい利点もある。
【0028】以上、縦横にずれた格子状の接着部が上下2層となった布団20を例示したが、上述した接着部の分布形態は布団の種類・目的によって異なる形で良く、同様に強度のある布団が得られる。即ち、接着強度は上述したと同等の強さで、必要とする小区画室の広さ(区分の細かさ)、接着部の柔軟性、充填羽毛の均等性に応じて別の接着部分布を採用することができる。
【0029】本願他の発明は、上述した本願第四発明に於ける、布材を中芯地に縫着する過程のみが異なるものである。他の発明である羽毛布団製造方法における、接着部の設定を以下に列挙する。本願第一発明の羽毛布団接着方法では、上述の布材を中芯地に縫着する過程で、前記帯状布材を中芯地に、中芯地の所定方向に表面及び裏面に格子状に各区画に通じる充填孔部を残して前記帯状布材の中央部で縫着するものとする。即ち、本願第一発明は、夫々が略等面積の表側地と、裏側地と、両者の間に介在する中芯地を有する羽毛布団の製造方法であって、片面に接着剤を塗布した帯状布材を用意し、この布材を中芯地に、中芯地の所定方向に表面及び裏面に所定間隔で略平行に充填孔部を残して前記帯状布材の中央部で縫着し、帯状布材を両面に縫着した上記中芯地を、表側地と裏側地の間に互いの位置を合わせて介在させて一体に保持し、前記接着剤を硬化させて表側地と裏側地と及び中芯地を接着固定するとともに表側地と中芯地間及び裏側地と中芯地間夫々に充填孔を有した多数の小区画室を形成し、上記加工物の周縁部を封止して最外周部の小区画室を完成させ、前記各小区画室に夫々の充填孔より羽毛を充填したのち充填口を封止するとの各過程を順に行うものである。これは、第四発明をも含むものであるが、表裏両面に幅方向一杯の小区画室が長手方向に平行して多数並んだ形態までを含むものである。
【0030】本願第二発明の羽毛布団接着方法では、上述の布材を中芯地に縫着する過程で、前記帯状布材を中芯地に、中芯地の所定方向に表面及び裏面に格子状に各区画に通じる充填孔部を残して前記帯状布材の中央部で縫着するものとする。これは表裏両面に格子状の小区画室を有するもので、表裏の格子が一致していてもずれた配置であっても含む(第四発明をも含む)。
【0031】本願第三発明の羽毛布団接着方法では、上述の布材を中芯地に縫着する過程で、前記帯状布材を中芯地に、中芯地の所定方向に表面及び裏面に交互に所定間隔で略平行に充填孔部を残して前記帯状布材の中央部で縫着するものとする。これは表裏両面に方形の小区画室あるいは格子状の小区画室を表裏任意の組み合わせで有するもので、但し、接着部は必ずずれた配置となる。例えば表側が格子、裏側が方形・列状の小区画室を持つようなものが得られる。
【0032】本願第四発明の羽毛布団接着方法は、例示した羽毛布団の製造に対応するもので、布材を中芯地に縫着する過程が、中芯地の所定方向に表面及び裏面に交互に所定間隔で略平行に、また前記所定方向と略直交する方向に中芯地の裏面に交互に所定間隔で略平行に、中芯地の両面夫々の直交する布材群による各区画に通じる充填孔部を残して前記帯状布材の中央部で縫着するものである。
【0033】なお、各発明で接着部を中芯地の表裏で同位置とする場合には、表裏2枚の帯状部材の間に中芯地を一体に保持し、縫着を行う。
【0034】以上説明したように、本願各発明の羽毛布団製造方法による接着部は、予め片面に接着剤を塗布した帯状布材を、接着剤塗布面を外側にして中芯地に帯幅の略中央部に沿って縫合して固定しておき、帯状布材を表側地11および/または裏側地12と一体に位置せしめて加熱して前記接着剤を硬化させており、接着部は図1に示すように縫合による線状の強い結合部の両側に接着による結合部が広がる構成となる。なお、接着剤は皮膜状に極薄く適量塗布されていて、側地と中芯地を接着することは無い。塗布量の制御技術は確立されており任意量の塗布ができる。
【0035】このように2層構造となっているので、2枚の布を引き離す力が加わった場合には、側地と中芯地の間は開き直線状の縫合部に力がかかる。この時接着部では表側地(裏側地)と帯状基布の間にせん断力が加わる。接着のせん断力に対する強度は周知のように究めて高く、結局、接着部と縫合部各々の結合は共に極めて強固であり、2枚の布の結合は通常の剥離力が加わっても損なわれることがない。布団の表側地と裏側地を引き離す力は、中芯地及び2ヵ所の接着部に加わることになり、このような力に対しても羽毛布団はやはり充分な強度を有している。一方で、帯状部材に適切な厚みのものを選定することで、同じ強固な接着部は同時に充分な柔軟性を容易に確保できる。
【0036】従って、何れの発明によっても、耐久性が格段に高く一方で接着部は充分な柔軟性を持つ羽毛布団を製造することができる。そして、接着部の配置に応じて更に柔軟性がまし、充填羽毛の均一性が得られる。また、従来に較べ部材の減少と工程の短縮が計れる。なお、接着による既知効果ではあるが縫い目が外面に直接出ることがなく、寝具としての製品価値が高く、充填された羽毛が表面にでることがなく使用感が極めて良い。
【0037】以上説明した実施例では、帯状布材の片面に先ず接着層を設けておき接着面を外方にして中芯地に縫着しているが、帯状布材及び中芯地がともに熱で溶融する素材であれば、先に中芯地と帯状布材を加熱により熱接着して固定し(充填孔相当部は空けておく)、しかる後帯状布材の外方表面に接着層を設けるようにしてもよい。このように、帯状布材と中芯地の固定は糸による縫着に限らない。また接着層を設けるのは該固定の前であっても後であっても良い。いずれの場合でもこのようにして形成した部材を用いて上述したと同様の工程により同等の羽毛布団を製造することができる。
【0038】
【発明の効果】以上詳述したとおり本願各発明方法、即ち夫々が略等面積の表側地と、裏側地と、両者の間に介在する中芯地を有する羽毛布団の製造方法は、共通して、片面に接着剤を塗布した帯状布材を用意し、この布材を中芯地に、中芯地の所定方向に表面及び裏面に所定間隔で略平行に充填孔部を残して前記帯状布材の中央部で縫着し、帯状布材を両面に縫着した上記中芯地を、表側地と裏側地の間に互いの位置を合わせて介在させて一体に保持し、前記接着剤を硬化させて表側地と裏側地と及び中芯地を接着固定するとともに表側地と中芯地間及び裏側地と中芯地間夫々に充填孔を有した多数の小区画室を形成し、上記加工物の周縁部を封止して最外周部の小区画室を完成させ、前記各小区画室に夫々の充填孔より羽毛を充填したのち充填口を封止するとの各過程を順に含み構成されている結果、従来のものに比して格段に高い耐剥離力を示し同時に柔軟性を合わせ持つ高品質な羽毛布団を製造供給できる。製造された羽毛布団は構成部分が少なく安価である。また、作業自体も従来の方法に較べてより簡便となり熟練も要さない。発明毎の接着部の配置に応じて、布団としての柔軟性を更に増すことができ、充填羽毛の均一性が得られるので、用途に応じて各種のものが製造できる。
【出願人】 【識別番号】591195606
【氏名又は名称】株式会社アサミ
【出願日】 平成6年(1994)3月9日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】岡澤 英世 (外1名)
【公開番号】 特開平7−246146
【公開日】 平成7年(1995)9月26日
【出願番号】 特願平6−65620