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【発明の名称】 無整流子モータ
【発明者】 【氏名】築谷 精一

【目的】 各種電気,電子機器に使用される無整流子モータにおいて、シャフトと滑り軸受けとの隙間で発生する振動騒音を抑制した安価で信頼性の高い無整流子モータを提供する。
【構成】 永久磁石1回転子と対向する回路基板14上に磁性材からなる吸引部材18を設置する。これにより、永久磁石1回転子は吸引部材18の方向に引き寄せられるのでシャフト3が滑り軸受け9,10との隙間で振動することなく安定した位置で回転することができ、振動の少ない無整流子モータを安価な滑り軸受けを使用して実現することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 内径から外径方向に放射状に磁化された環状の永久磁石と、この永久磁石の外周を取り巻き磁路を構成するフレームと、このフレームの軸方向の一端に回転子の回転中心をなすシャフトを保持する機構を有する部分とからなる環状の回転子と、この回転子の内側にあって回転子に向けて複数個の突起のある複数枚のコア板を軸方向に積み重ねて構成され、この積層コアの各突起に磁束を発生するように突起に巻き付けられた巻線とからなる固定子と、回転子の位置を永久磁石の端面磁束か、あるいは内面の漏洩磁束で検出するセンサーと、このセンサーの信号に応じた電流を流す制御回路を含む回路基板と、固定子の中心に設置され回転子のシャフトを保持する少なくとも一個の焼結含油滑り軸受けを有する軸受け部からなる無整流子モータにおいて、前記回路基板上の前記永久磁石回転子と対向する位置に前記永久磁石回転子を吸引する磁性材の部材を設置することを特徴とする無整流子モータ。
【請求項2】 前記回転子の外周部に複数個の羽根が設けられ、この回りを環状の風洞部が取り囲んで箱型の冷却ファンを形成する請求項1記載の無整流子モータ。
【発明の詳細な説明】【0001】
【産業上の利用分野】本発明は無整流子モータのモータ構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、各種電気,電子機器において機器自体の信頼性が高まり、それらに使用される動力としては信頼性の高い無整流子モータが多く使われている。
【0003】以下に、従来の無整流子モータについて説明する。図4は従来の機器冷却用ファンモータに使われている無整流子モータの構造を示すものである。図4において、1は永久磁石、2はフレーム、3はシャフトであり、これらが回転子を構成している。回転子の周囲にはファンモータの羽根5が取り付けられた負荷部4が圧入等の方法で取り付けられている。6は複数個の突起のある複数枚のコア板からなり、永久磁石1の内周面に対向して設置されている固定子であり、その突起部には巻線7が巻かれている。8は2個の滑り軸受け9,10と数枚の摺動板11からなる軸受け部であり、3のシャフトを保持している。シャフト3の端部には抜け止め12が取り付けられている。
【0004】また、永久磁石1の端面部近傍には回転子の位置を検出するための磁気センサー13が巻線7の電流制御回路部とともに回路基板14に設置されている。15は羽根5の周りを取り囲み、軸受け部8を保持するファンモータのケースである。シャフト3には油切り16が軸受け部8からの油飛散防止の目的で取り付けられている。また、17も軸受け部8からの油漏れを防止する目的の部材でキャプである。
【0005】以上のように構成された無整流子モータについて、以下その動作について説明する。
【0006】まず磁気センサー13が回転子の永久磁石1の端面磁束を検出し、その磁束に応じた信号を制御回路部に送る。制御回路部はこの信号に対応して正しい方向に回転子を回転させるため巻線7へ適切な電流を流す。これにしたがって回転子は回転する。回転子の動きは常に磁気センサー13が監視しているので回転子の回転は停止することなく連続する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の従来の構成ではシャフト3と軸受け9,10との間には隙間が存在するため、特にファンモータのようにシャフトが特定の方向に側圧を受けない場合にはモータの回転中シャフトはその隙間を移動し振動を発生する。この振動は、シャフトの移動状態の変化により発生周波数も変化するのでモータの防振対策が難しく、ファンモータに滑り軸受けの採用を妨げる要因となっていた。
【0008】本発明は上記従来の問題点を解決するもので、安価で振動の少ない無整流子モータを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため本発明の無整流子モータは、回路基板上の永久磁石回転子に対向する位置に設置された磁性材の部材を有している。
【0010】
【作用】この構成によって、永久磁石回転子は磁性材の部材の方向に吸引されることになりシャフトの移動が抑えられ安定した位置で回転できるので軸受けを滑り軸受けとしてもモータの振動を小さくすることができる。
【0011】
【実施例】以下本発明の一実施例について、図面を参照しながら説明する。
【0012】図1において、1は永久磁石、2はフレーム、3はシャフトであり、これらにより回転子を形成している。4はその外周に羽根5が取り付けられた負荷部、8は軸受け部であり、シャフト3を支持する滑り軸受け9,10と数枚の摺動板11とで構成されている。13は回転子の位置を検出するセンサーであり、回路基板14に設置されている。
【0013】また、回路基板14上には永久磁石1と対向するよう磁性材からなる部材18が設置されている。6は複数個の突起のあるコア板を複数枚積層された固定子で、その突起部には巻線7が巻かれている。15は羽根5の周りを取り囲み、軸受け部8を保持するファンモータのケースである。このケース15の内側は風洞部となり箱型の冷却ファンを形成している。
【0014】シャフト3には油切り16が軸受け部8からの油飛散防止の目的で取り付けられている。また、17も軸受け部8からの油漏れを防止する目的の部材でキャプである。またシャフト3の先端には抜け止め12が取り付けられている。
【0015】図2は、図1のファンモータの固定子6と回路基板14および磁性材からなる吸引部材18の位置関係を上方から見た図である。図3は吸引部材18の詳細図で、19は永久磁石と対向する面であり永久磁石の吸引面、20は回路基板に取り付けるための取り付け足部である。
【0016】以上のように構成された本実施例によれば、回転子の永久磁石1が常に磁性材からなる吸引部材18に吸引されるので回転子の回転中心であるシャフト3が滑り軸受け9,10との間隔で移動することなく安定した位置で回転することができ、回転子の振動を小さく抑えることができる。
【0017】
【発明の効果】以上のように本発明は、回路基板上の永久磁石回転子に対向する位置に設置された磁性材の吸引部材を有することにより、低振動のモータを提供することができる。
【出願人】 【識別番号】000005821
【氏名又は名称】松下電器産業株式会社
【出願日】 平成5年(1993)5月20日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】小鍜治 明 (外2名)
【公開番号】 特開平6−335217
【公開日】 平成6年(1994)12月2日
【出願番号】 特願平5−118197