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【発明の名称】 シールド電線の端末処理方法及びシールド部導線接続用端子
【発明者】 【氏名】瀬尾 博之

【氏名】横山 武

【目的】 シールド電線の端末処理方法及び該シールド線のシールド部導線接続用端子において、生産性を大幅に向上させ、接続不良や電磁遮蔽効果の低下を生じにくくする。
【構成】 外皮3とシールド部導線2を切除して露出させたコアワイヤ1に絶縁スリーブ11を挿入して、絶縁スリーブ11の外周先部11aでシールド部導線2の端末を拡径して半田製リング12の外周を被覆させ、ついで、外皮3の端末を加熱して半田製リング12を熔融させることにより、シールド部導線2にアースワイヤ5を自動的に接続する。シールド部導線2を切り開いて撚りまとめる手作業が不要になる。絶縁スリーブ11と半田製リング12との簡単な構造である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 コアワイヤとシールド部導線と外皮とでなるシールド電線の上記シールド部導線にアースワイヤを接続する端末処理方法であって、所定の長さで外皮とシールド部導線を切除してコアワイヤを露出させ、外周後部でアースワイヤを保持すると共に、外周中間部にアースワイヤ端末の芯線を保持する半田製リングを外嵌した絶縁スリーブの中空部に、上記コアワイヤを挿入し、上記絶縁スリーブの外周前端部に形成したテーパ状エッジを、上記コアワイヤとシールド部導線の端末との間に挿入して、シールド部導線の端末を拡径しつつ上記半田製リングの外周にシールド部導線の端末を被覆させた後、上記外皮の端末を加熱して、半田製リングの溶融でシールド部導線にアースワイヤを接続することを特徴とするシールド電線の端末処理方法。
【請求項2】 コアワイヤとシールド部導線と外皮とでなるシールド電線の上記シールド部導線にアースワイヤを接続するための端子であって、絶縁スリーブの外周後部にアースワイヤを保持する保持部を一体に形成すると共に、該絶縁スリーブの外周中間部に上記アースワイヤの芯線を保持する半田製リングを外嵌し、かつ、絶縁スリーブの前端部にテーパ状エッジを形成しており、上記絶縁スリーブを前端のエッジ部よりシールド電線のコアワイヤとシールド部導線との間に挿入してシールド部導線をコアワイヤ外周面より半田製リングの外周面へ剥離した後に半田製リングを溶融してアースワイヤ芯線とシールド部導線とを接続するように構成していることを特徴とするシールド部導線接続用端子。
【発明の詳細な説明】【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、シールド電線の端末処理方法及び該シールド線のシールド部導線接続用端子に関し、特に、シールド電線のシールド部導線とアースワイヤの接続を容易に行うものである。
【0002】
【従来の技術】従来、図6に示すように、コアワイヤ1,1の外周面を編組状あるいは横巻状態のシールド部導線2で被覆し、該シールド部導線2をビニール等の絶縁性外皮(シース)3で被覆してなるシールド電線4の端末に、アースワイヤ5を接続する端末処理方法としては、一般に 所定長さで外皮3を切除した後、露出したシールド部導線2を長手方向に切り開いて撚り合わせ、この撚り合わせて線状としたたシールド部導線2'の端末にアースワイヤ5の端末をジョイント端子6で接続するようにしている 図6において、7はコアワイヤ1の端末に取付けたプラグ、8はアースワイヤ5の端末に取付けたプラグである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、シールド部導線2を切り開いて撚り合わせるのは手作業であったから、生産性が著しく低下するという問題があった。また、シールド部導線2の撚り合わせのばらつきで、シールド部導線2とアースワイヤ5との接続が不安定となり、電磁遮蔽効果に問題があった。さらに、シールド部導線の撚りの長さはジョイント端子6との固定作業のため、少なくとも150mm程度は必要であり、そのため、コアワイヤ1から剥離するシールド部導線の領域が長くなり、剥離された領域の電磁遮蔽効果が期待出来なくなる問題もあった。
【0004】そこで、本発明の目的は、生産性が大幅に向上し、かつ接続不良や電磁遮蔽効果の低下が生じにくいシールド電線の端末処理方法及び該方法に用いるシールド部導線接続用端子を提供せんとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、本発明は、コアワイヤとシールド部導線と外皮とでなるシールド電線の上記シールド部導線にアースワイヤを接続する端末処理方法として、所定の長さで外皮とシールド部導線を切除してコアワイヤを露出させる一方、外周後部でアースワイヤを保持し、外周中間部にアースワイヤの端末を保持する半田製リングを嵌装した絶縁スリーブの中空部に上記コアワイヤを挿入し、該絶縁スリーブの外周前端部に形成したテーパ状エッジをコアワイヤとシールド部導線の端末との間に挿入して、シールド部導線の端末を拡径しつつ上記半田製リングの外周にシールド部導線の端末を被覆させた後、上記外皮の端末を加熱して、半田製リングの溶融でシールド部導線にアースワイヤを接続することを特徴とするシールド部導線の端末処理方法を提供するものである。
【0006】また、本発明は、コアワイヤとシールド部導線と外皮とでなるシールド電線の上記シールド部導線にアースワイヤを接続するための端子として、絶縁スリーブの外周後部にアースワイヤを保持する保持部を一体に形成すると共に、該絶縁スリーブの外周中間部に上記アースワイヤの芯線を保持する半田製リングを外嵌し、かつ、絶縁スリーブの前端部にテーパ状エッジを形成しており、上記絶縁スリーブを前端のエッジ部よりシールド電線のコアワイヤとシールド部導線との間に挿入してシールド部導線をコアワイヤ外周面より半田製リングの外周面へ剥離した後に半田製リングを溶融してアースワイヤ芯線とシールド部導線とを接続するように構成していることを特徴とするシールド部導線接続用端子を提供するものである。
【0007】
【作用】本発明の端末処理方法によれば、外皮とシールド部導線を切除して露出させたコアワイヤに絶縁スリーブを挿入すると、絶縁スリーブの外周先部でシールド部導線の端末が拡径されて半田製リングの外周を被覆するようになるので、外皮の端末を加熱すると、半田製リングが熔融してシールド部導線にアースワイヤが自動的に接続されるようになる。
【0008】よって、従来必要とされたシールド部導線を切り開いて撚りまとめる手作業が不要になるうえ、外皮とシールド部導線の切除、絶縁スリーブの挿入、外皮の加熱等は全て自動化が可能でシールド部導線とアースワイヤとの接続が安定する。さらに、アースワイヤとの接続のために必要なシールド部導線の長さは、半田製リングで保持されたアースワイヤの芯線に接続する長さだけとなり、コアワイヤの外周面から剥離されるシールド部導線の長さを短くできると共に、シールド部導線は露出されないため、電磁遮蔽効果の低減を防止することが出来る。
【0009】また、本発明の端末処理端子は、絶縁スリーブと半田製リングとを組み合わせた簡単な構成であるので、コスト安に製造できる。
【0010】
【実施例】以下、本発明を図示の実施例により詳細に説明する。図1及び図3に示すように、シールド電線4の端末は、シールド部導線2と外皮3を所定の長さで切除して、コアワイヤ1を露出させる。また、アースワイヤ5は、外皮を所定の長さで切除して、芯線5aを露出させる。
【0011】一方、シールド部導線とアースワイヤとを接続するシールド部導線接続用端子10として、耐熱合成樹脂製の絶縁スリーブ11と半田製リング12を組み合わせたものが用いられる。上記絶縁スリーブ11の中空部は上記コアワイヤ1を挿入できる大きさに内径が設定され、外周は適度の肉厚を有する外径に設定されている。該スリーブ11の材質としては、PBT (ボリブチレンテレフタレート9PBTにガラス繊維を混合した耐熱性の高いものが好ましい。
【0012】上記絶縁スリーブ11の外周前端部11aには、テーパ状のエッジが一体形成され、外周後部には上記アースワイヤ5の端部を圧入して保持する環状の保持部11bが一体形成されている。該保持部11bに保持されたアースワイヤ5の端末芯線5aは、外周前端部11aと外周後部との間の外周中間部に臨まされる。
【0013】上記絶縁スリーブ11の外周中間部に外嵌可能な半田製リング12が設けられ、該半田製リング12は、上記外嵌時には、アースワイヤ5の端末芯線5aを保持するようにしている。
【0014】シールド部導線2とアースワイヤ5とを接続する際、シールド電線4は先端より所要長さだけシールド部導線2と外皮3を切除してコアワイヤ1を露出させておく。一方、接続用端子10側では、アースワイヤ5の被覆端末を保持部11bで保持して、アースワイヤ5の端末芯線5aに半田製リング12を外嵌しておく。
【0015】上記シールド部導線接続用端子10を、その絶縁スリーブ11の中空部にシールド電線4のコアワイヤ1に挿入させて組み付けると、図2に示すように、絶縁スリーブ11の外周前端部11aのエッジでシールド部導線4の端末がコアワイヤ1の外周面より剥離されて拡径され、半田製リング12の外周を被覆するようになる。
【0016】この状態で、図4に示すように、ブロア13等で外皮3の端末を加熱すると、半田製リング12が溶融してシールド部導線2にアースワイヤ5が自動的に接続(半田付け)される。
【0017】また、図5に示すように、外皮3の端末の加熱をやめると収縮して、外皮3の端末で上記接続部分を挟着する。
【0018】上記シールド部導線接続用端子10の取付時において、絶縁スリーブ11の外周前端部11aのエッジは、コアワイヤ1とシールド部導線2の端末との間にスムースに挿入する。換言すれば切り込み作用を有し、上記絶縁スリーブ11は、コアワイヤ1自体やシールド部導線2とアースワイヤ5の接続部分のプロテクタの作用を有する。
【0019】
【発明の効果】以上の説明より明らかなように、本発明では、外皮とシールド部導線を切除して露出させたコアワイヤにシールド部導線接続用端子の絶縁スリーブを挿入して、絶縁スリーブの外周前端部でシールド部導線の端末を拡径して半田製リングの外周を被覆させ、ついで、外皮の端末を加熱して半田製リングを溶融させることにより、シールド部導線にアースワイヤを自動的に接続するものであるため、下記に列挙する効果を有する。
【0020】まず、従来のようにシールド部導線を切り開いて撚りまとめる手作業が一切不要になる。しかも、外皮とシールド部導線の切除作業、絶縁スリーブの挿入作業、外皮の加熱作業は全て自動化が可能であるから、この種の端末処理の生産性が大幅に向上するようになる。
【0021】また、シールド部導線とアースワイヤは半田で自動的に接続されるようになるので、安定した接続が得られ、接続不良が生じにくく、よって、電磁遮蔽効果が損なわれない。
【0022】さらに、シールド部導線が露出しないと共に、従来のように撚線のためのシールド部導線の切除が無いので、コアワイヤがシールド部導線により被覆されない領域を短くでき、その分、電磁遮蔽効果の低下も生じにくい。
【0023】さらにまた、シールド部導線接続用端子は絶縁スリーブと半田製リングとから組み合わせただけの簡単な構造からなるため、コスト安に製造でき、実用的価値の大なるものである。
【出願人】 【識別番号】000183406
【氏名又は名称】住友電装株式会社
【出願日】 平成4年(1992)1月20日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】青山 葆 (外1名)
【公開番号】 特開平5−198342
【公開日】 平成5年(1993)8月6日
【出願番号】 特願平4−7431