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【発明の名称】 ハロゲン化銀写真感光材料
【発明者】 【氏名】橋本 斉和

【氏名】山之内 淳一

【目的】 現像処理後の巻きぐせが解消し易く、同時に熱変形温度の高い写真感光材料を提供する。
【構成】 ポリエステルフィルム支持体上に、少くとも1層の感光層を有してなる写真感光材料において、該ポリエステルフィルムが、ポリエチレンテレフタレートを主成分とし、これに吸水性を有する物質を混合して成ることを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料。
【特許請求の範囲】
【請求項1】ポリエステルフィルム支持体上に少くとも1層の感光層を有してなる写真感光材料において、該ポリエステルフィルムが、ポリエチレンテレフタレートを主成分とし、これに吸水性を有する物質と混合して成ることを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料。
【請求項2】該吸水性を有する物質が、スルホン酸基、スルフィン酸基、ホスホン酸基、カルボン酸基、およびこれらの塩、ポリアルキレンオキシ基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、スルファモイル基、カルバモイル基、アシルアミノ基、スルホンアミド基、ジスルホンアミド基、ウレイド基、ウレタン基、アルキルスルホニル基、アルコキシスルホニル基のうち、少くとも1つの官能基を有するポリマーであることを特徴とする請求項1記載のハロゲン化銀写真感光材料。
【請求項3】該吸水性を有する物質が、アルカリ金属、アルカリ土類金属、Si,Al,Zr,Mo,Fe,Sb,Pbの酸化物、硫化物、硫酸塩、亜硫酸塩、炭酸塩、水酸化物、ハロゲン化物、硝酸塩のうち少くとも1つの化合物であることを特徴とする請求項1記載のハロゲン化銀写真材料。
【請求項4】パトローネ本体内に回転自在に設けられたスプールをフィルム給送方向に回転させることにより、スプールに巻き付けられたハロゲン化銀写真感光材料先端をパトローネ本体のフィルム引出口から外部に送り出すパトローネシステムを有し、かつ抗磁力400 Oe以上の磁性体層を少くとも片面に、全面あるいはストライプ状に有するハロゲン化銀写真感光材料において、該支持体がポリエチレンテレフタレートを主成分とし、これと吸水性を有する物質とを混合して成る請求項1〜3記載のハロゲン化銀感光材料。
【発明の詳細な説明】【0001】
【産業上の利用分野】本発明は写真感光材料に関するものであり、特にポリエステル系の材料を支持体として用い、現像処理後のカール解消性の優れたハロゲン化銀写真感光材料(以下、写真感材または感材と称する。)に関するものである。
【0002】
【従来の技術】写真感光材料は一般的に、プラスチックフィルム支持体上に少なくとも1層の写真感光性層を塗布することによって製造される。このプラスチックフィルムとしては一般的にトリアセチルセルロース(以下「TAC」と記す)に代表される繊維系のポリマーとポリエチレンテレフタレート(以下(PET)と記す)に代表されるポリエステル系のポリマーが使用されている。
【0003】従来よりPETフィルムは優れた生産性、機城的強度、ならびに寸度安定性を有するためTACに代替するものと考えられてきたが、写真感光材料として広範囲に用いられているロール形態では巻きぐせカールが強く残留するため現像処理後の取り扱い性が悪く、上記の優れた性質がありながらその使用範囲が限定されてきた。
【0004】一般に写真感光材料としては、Xレイ用フィルム、製版用フィルム及びカットフィルムの如くシート状の形態のものと、ロールフィルムの代表的なものは、35m/m巾又はそれ以下の巾でパトローネ内に収められており、一般のカメラに装填して撮影に用いるカラー又は黒白ネガフィルムである。
【0005】一方、ロールフィルムに主として用いられているTACフィルムの写真用支持体としての最大の特徴は、光学的に異方性が無く透明度が高いことである。さらにもう一点優れた特徴があり、それは現像処理後のカール解消性についても優れた性質を有している点である。即ち、TACフィルムはその分子構造からくる特徴として比較的プラスチックフィルムとしては吸水性が高い為、ロールフィルムとして巻かれた状況で経時されることによって生じる巻きぐせカールが現像処理における吸水で分子鎖が流動し、巻き経時で固定化された分子鎖が再配列を起こす。
【0006】その結果一旦形成された巻きぐせカールが解消するという優れた性質を有している。この様なTACのごとき巻きぐせカール回復性を有さないフィルムを用いた写真感光材料では、ロール状態で用いられた際に、例えば現像後写真印画紙に画像を形成させる焼き付け工程等で、スリ傷の発生、焦点ボケ、搬送時のジャミング等の問題が生じてしまう。
【0007】ところで、近年写真感光材料の、用途は多様化しており撮影時のフィルム搬送の高速化、撮影倍率の高倍率化、ならびに撮影装置の小型化が著しく進んでいる。その際には、写真感光材料用の支持体としては、強度、寸度安定性、薄膜化等の性質が要求される。
【0008】しかし、上記TACでは剛直な分子構造からくる性質で製膜したフィルムの膜質が脆弱でこられの用途には使用できないのが現状であり、現像処理後も巻きぐせカールが問題になるロールフィルム分野においては、PETフィルムはその優れた機械的性質を有するものの使用出来ないという問題があった。
【0009】このような巻きぐせの問題は、従来から用いられているような、パトローネに入ったカラー又は黒白フィルムでも、大きな問題となるが、以下に示すような新規なパトローネシステムでは、さらに大きな問題となる。これは、このようなパトローネシステムは、カメラへの装填を容易にするために、カメラ内に入れると同時に、カメラ内のモーターによりパトローネの巻芯を回転させて、中に入っているフィルムを自動的に送り出せるようにしたものであり、このためには、密にパトローネ内にフィルムが巻かれて収納されていることが必要であり、従来型のパトローネより一層巻きぐせが付き易いシステムとなっているためである。
【0010】このため、特開平1−24446に記載されているような手法により、PETに金属スルホネートを有する芳香族ジカルボン酸と炭素数4−20の脂肪族ジカルボン酸を共重合させることにより、PETに吸水性を付与させ、現像処理後のカール解消性を図った例がある。しかし、この手法では、カール解消はするものの、熱変形温度が低下し耐熱性が不十分であるという欠点があった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】従って本発明の目的は、優れた透明性および機械的性質を有する支持体からなり、現像処理後の巻きぐせカールが解消し易く、同時に熱変形温度の高い写真感光材料を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】これらの課題は、ポリエステルフィルム支持体上に、少くとも1層の感光層を有してなる写真感光材料において、該ポリエステルフィルムが、ポリエチレンテレフタレートを主成分とし、これと吸水性を有する物質と混合して成ることを特徴とするハロゲン化銀写真材料によって達成された。
【0013】従来の方法(特開平1−244446)では、吸水性を付与するため金属スルホネートを有する芳香族ジカルボン酸をPETに共重合させることで、吸水性を付与し、現像処理後のカール解消性を付与した。しかし金属スルホネートを有する芳香族ジカルボン酸との共重合体は耐折強度が著しく低く、その改良のために共重合させた炭素数4〜20の脂肪族ジカルボン酸により、耐折強度の向上を図ったが、同時に、熱変形温度を低下させてしまい耐熱性に欠ける欠点を有していた。しかし、本発明では、吸水性を有する物質により、現像処理中に支持体中に吸水させカール回復を図る一方、耐熱性を有するPETと共存させることにより、耐熱性の低下をも両立させたものである。
【0014】吸水性を有する物質として、スルホン酸基、スルフィン酸基、ホスホン酸基、カルボン酸基およびこれらの塩、ポリアルキレンオキシ基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、スルファモイル基、カルバモイル基、アシルアミノ基、スルホンアミド基、ジスルホンアミド基、ウレイド基、ウレタン基、アルキルスルホニル基、アルコキシスルホニル基のうち少くとも1つ官能基を有するポリマーもしくは、アルカリ金属、アルカリ土類金属、Si、Al、Zr、Mo、Fe、Sb、Pbの酸化物、硫化物、硫酸塩、亜硫酸塩、炭酸塩、水酸化物、ハロゲン化物、硝酸塩の少くとも1つの化合物を含有する無機物質が挙げられる。また、これらの吸水性を有するポリマーと無機物質を併用しても良い。
【0015】上述の吸水性を有するポリマーの代表的な例の1つに親水性基を持つモノマーと供重合させたポリエステルがある。この共重合ポリマーはPETと構造が似ているため、他の親水性ポリマーと比べPETとブレンドした時、透明度の高いものを得やすい特徴がある。従ってまず、この親水性基を有するポリエステルについて詳しく説明する。
【0016】ポリエステルは二塩基酸とグリコールが主要な構成成分である。従来ポリエステル材料としてよく知られているものとして、ポリエチレンテレフタレート(PET)があり、本発明において親水性基を有するポリエステルとはPETに対して、より含水率の高いポリエステルを指す。本発明のポリエステルにおける親水性基は、構成成分である二塩基酸、あるいはグリコールのいずれに導入してもよい。
【0017】導入可能な親水性基としては、スルホン酸、スルフィン酸、ホスホン酸、カルボン酸あるいはその塩、ポリアルキレンオキシ基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、スルファモイル基、カルバモイル基、アシルアミノ基、スルホンアミド基、ジスルホンアミド基、ウレイド基、ウレタン基、アルキルスルホニル基、アルコキシスルホニル基等、種々の1ないし2価の置換基を挙げることができるが、この中でスルホン酸、スルフィン酸、ホスホン酸、カルボン酸あるいはその塩、ポリアルキレンオキシ基、ジスルホンアミド基が特に好ましい。
【0018】このような親水性基を有する構成成分のうち、好ましい二塩基酸としては5−ナトリウムスルホイソフタル酸、2−ナトリウムスルホテレフタル酸、4−ナトリウムスルホフタル酸、4−ナトリウムスルホ−2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,3,5−ベンゼントリカルボン酸モノナトリウム塩、【0019】
【化1】

【0020】
【化2】

【0021】等を挙げることができる。これらの二塩基酸において、ナトリウム塩を有する化合物は、水素原子や他の金属原子、たとえばリチウムやカリウムで置換されたものであってもよい。また、これらの二塩基酸におけるカルボキシル基は、製造上の必要等に応じて、エステル(アルキルまたはアリールエステル)化されていてもよいし、酸フロリドの形にして用いてもよい。
【0022】親水性基を有する好ましいグリコールとしては、HO−(CH−(OCHCH−O(CHOH(nは1ないし約20の整数を表す)。HO−(CH(CH)CHO)−H(nは2ないし約20の整数を表す)。
【0023】
【化3】

【0024】等を挙げることができる。
【0025】また、これらの他にジオール成分として、ヒドロキシポリエステル、ヒドロキシポリアセタール、ヒドロキシエステルアミド類も用いることができる。ヒドロキシ基を有するポリエステルは、多価(主として二価)アルコールと二塩基性カルボン酸との反応生成物である。ヒドロキシアセタールはグリコール(例えば、ジエチレングリコール)とホルムアルデヒドから得ることができる。ヒドロキシエステルアミドは、例えば二塩基性カルボン酸とアミノアルコール単独あるいはジアミン、ポリアミン類との混合物から得られる縮合物である。
【0026】本発明のポリエステルの構成成分としては、上記に挙げたもの以外に種々の化合物を用いることができる。使用可能な二塩基酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、無水フタル酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸、無水コハク酸、マレイン酸、フマル酸、無水マレイン酸、イタコン酸、無水シトラコン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ジフェニレン−p,p′−ジカルボン酸、テトラクロロ無水フタル酸、3,6−エンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、【0027】
【化4】

【0028】
【化5】

【0029】等を挙げることができる。
【0030】使用可能なジオールとしては、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,2−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,10−デカンジオール、1,12−ドデカンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジオール、1,1−シクロヘキサンジメタノール、カテコール、レゾルミン、ハイドロキノン、1,4−ベンゼンジメタノール、【0031】
【化6】

【0032】
【化7】

【0033】等を挙げることができる。
【0034】また、必要に応じて単官能または3以上の多官能の水酸基含有化合物あるいは、酸含有化合物が共重合されていても構わない。また、本発明のポリエステルには、分子内に水酸基とカルボキシル基(あるいはそのエステル)を同時に有する化合物が共重合されていても構わない。このような化合物の例としては、【0035】
【化8】

【0036】本発明のポリエステルは、その主成分がエチレングリコールとテレフタル酸からなる共重合ポリエステルが特に好ましい。このような共重合ポリエステル中に導入する前記親水性構成成分の量は、構成成分自身の親水性や生成するポリエステルの物理的性質(屈析率、機械的強度、等)により種々変わりうるが好ましくは、ポリエステルの全重量に対し1ないし50重量%、特に好ましくは2ないし40重量%である。
【0037】また、エチレングリコール、テレフタル酸、及び前記親水性構成成分以外の共重合可能な構成成分も、生成するポリエステルの親水性や屈析率透明性、ガラス転移温度、融点、耐折性等の物理的機械的性質を勘案して任意に導入することが可能であるが、その量は、ポリエステルの全重量に対し、好ましくは0ないし50重量%、特に好ましくは0ないし40重量%である。
【0038】本発明のポリエステルの合成は、従来公知のポリエステルの製造法に従って行うことができる。例えば、酸成分をグリコール成分と直接エステル化するか、または酸成分をジアルキルエステルとして用いる場合はグリコール成分とのエステル交換反応を用いることができる。あるいは酸成分を酸ハライドとしておき、グリコールと反応させてもよい。この際、必要に応じてエステル交換反応触媒あるいは重合反応触媒を用いたり、耐熱安定剤を添加してもよい。以上述べたポリエステル構成成分及び合成法については、例えば高分子実験学第5巻「重縮合と重付加」(共立出版、1980年)第103頁〜第136頁、「合成高分子V」(朝倉書店、1971年)第187頁〜第286頁の記載を参考に行うことができる。
【0039】本発明で用いるポリエステルの好ましい平均分子量の範囲は約3,000ないし約100,000である。次に本発明に用いるポリエステルの好ましい具体的化合物例を示すが、本発明がこれに限定されるものではない。
ポリエステル化合物例( )内の数字は各成分のモル比を表す。
【0040】P−1 TPA/AA/SSIA/EG (88/5.3/6.7/100)
P−2 TPA/AA/SSIA/EG (90/7.2/2.8/100)
P−3 TPA/AA/SSIA/EG (88/7.2/4.8/100)
P−4 TPA/SSIA/EG/DEG (95/5/85/15)
P−5 TPA/SSIA/EG/TEG (93/7/80/20)
P−6 TPA/AA/SPIA/EG (90/4/6/100)
P−7 TPA/PEG(4000)/EG (100/0.5/99.5)
P−8 TPA/IPA/SSIA/DEG(4000)/EG (95/4/1/0.3/99.7)
P−9 TPA/SSIA/SA/TEEG/EG (95/3/2/5/95)
P−10 TPA/SCPP/AA/EG (90/5/5/100)
【0041】P−11 TPA/AA/SSIA/EG/DEG (88/5/7/90/10)
P−12 TPA/PISB/AA/EG (94/3/3/100)
P−13 TPA/PISB/EG/DEG (97/3/95/5)
P−14 TPA/EG/DMPS (100/95/5)
P−15 TPA/SSIA/SA/EG/BHPP (90/2/8/95/5)
略称説明【0042】
【化9】

【0043】
【化10】

【0044】上記の共重合比は二塩基酸成分はいずれも仕込みモル比を表す。グリコール成分のうち、EG以外の成分は全酸性成分に対する仕込みモル百分率を表す。EGは、通常のエステル交換法を用いた合成に従い、酸成分に対して過剰に用いているが本具体例においては、最終生成物における二塩基酸とグリコールの量が各々100となる様に計算して表記した。
【0045】このような親水性基を有するポリエステル共重合体以外にも、種々の吸水性を有するポリマーを用いることができる。例えば、ポリアクリル酸やポリメタクリル酸およびその誘導体、ポリアクリルアミドおよびその誘導体、ポリエチレングリコールおよびその誘導体、ポリスチレンスルホン酸塩およびその誘導体ポリエチレンオキサイドおよびその誘導体等が挙げられる。これらのポリマーは多くの種類のものが市販されており容易に入手、利用できる。
【0046】これらの吸水性ポリマーとPETをブレンドして押し出し法等によってフイルムに成膜することができる。この時、PETとこれらのポリマーのブレンド比は、PETが20〜95重量%にするのが好ましく、30〜80重量%にするのが、より好ましい。これは、PETが多すぎると支持体中への吸水が不十分であり、また、少なすぎるとPETの耐熱性が低下するためである。これらのポリマーはPETと相容していても良く、また透明性を有している限りに於て相分離していても良い。また相容性を良化させる目的で種々の相容化捉進剤を添加しても良い。
【0047】このような吸水性を有するポリマーとPETの比は、1〜50重量%、好ましくは3〜30重量%で用いると良い。
【0048】また、上述の吸水性を有する無機化合物の代表的な例としては、シリカ、アルミナ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、カオリン、クレー、タルク、酸化チタン等が挙げられる。これらは市販されており容易に入手できる。これらの化合物は、そのままPETに添加しても良く、また、PETとの親和性を向上させるために、表面処理(例えば、長鎖脂肪酸の添加やシランカップリング処理)を行っても良い。
【0049】添加量は、少なすぎると、効果が無く、また多すぎるとヘイズの原因となるため、好ましくは、0.1〜30重量%、さらに好ましくは、0.2〜20重量%である。この添加は、ポリマー重合中あるいは重合後に、これらの無機化合物を添加しても良く、またこれらの無機化合物を前駆体の形でポリマー重合系に添加し、重合反応中に目的無機化合物としても良い。これらの吸水性の無機化合物の添加は、支持体への吸水性を増加し、現像処理後のカール解消性を促すのみならず、耐熱性の向上にも寄与する効果もあった。
【0050】さらに、本発明のポリエチレンテレフタレートフィルム中には種々の添加剤を含有せしめることができる。たとえば、ポリエステルフィルムを写真感光材料用支持体として使用する際に問題となる性質の一つに支持体が高屈折率であるために発生するふちかぶりの問題があげられる。写真用支持体としてはトリアセチルセルロース(TAC)ならびにポリエチレンテレフタレート(PET)に代表されるポリエステル系のポリマーが一般的に用いられているが、このTACとPETとの光学的性質の大きな差の一つは、屈折率である。この屈折率はPETが1.6程度に対してTACは1.5と小さい。一方、下びき層ならびに写真乳剤層にもっぱら用いられるゼラチンの屈折率は1.50〜1.55であり、ゼラチンの屈折率の比をとるとPETでは1.5/1.6と1より小さく、光がフィルムエッジから入射した時、べースと乳剤層の界面で反射しやすい。従って、ポリエステル系のフィルムはいわゆるライトパイピング現象(ふちかぶり)を起こす。
【0051】この様なライトパイピング現象を回避する方法としては染料を添加する方法等が知られている。フィルム染色に使用する染料については特に限定を加えるものでは無いが色調は感光材料の一般的な性質上グレー染色が好ましく、また染料はポリエステルフィルムの製膜温度域での耐熱性に優れ、かつポリエステルとの相溶性に優れたものが好ましい。染料としては、上記観点から三菱化成製のDiaresin、日本化薬製のKayaset等ポリエステル用として市販されている染料を混合することにより目的を達成することが可能である。
【0052】染色濃度に関しては、マクベス社製の色濃度計にて可視光域での色濃度を測定し少なくとも0.01以上であることが必要である。更に好ましくは0.03以上である。
【0053】以上、述べてきたようなフィルム形成材料、即ち、PET、吸水性を有する無機物質およびポリマー、色素等その他添加剤を乾燥した後、これらを混合し、溶融押出して、未延伸シートを形成する。次いでこれを2軸延伸および熱処理することにより、目的とするフィルムを得ることができる。
【0054】2軸延伸は、縦、横の遂次延伸あるいは2軸同時延伸のいずれでもよく、延伸倍率は特に限定されるものではないが通常は2.0〜5.0倍が適当である。また縦、横延伸後、縦、横方面のいずれかに再延伸してもかまわない。本発明における溶融押出前の乾燥方法としては、真空乾燥法、脱湿乾燥法が好ましい。本発明における延伸時の温度としては、縦延伸は70〜100℃,横延伸は80〜160℃であることが望ましい。熱固定温度としては150〜210℃、特に160〜200℃であることが好ましい。
【0055】本発明に用いた、吸水性物質とPETから成るフィルムの 厚みは写真フィルムの用途分野により適宜設定できるが、25〜250μが望ましく、更に望ましくは40〜150μの厚みが採用される。本発明により得られたフィルムは,本来PETが有している優れた透明性及び機械的強度は損なわれておらず、フイルムヘイズが3%以下で破断強度が8〜25kg/mm、初期弾性率が200〜500kg/mm、膜厚50μでの引き裂き強度が厚さ120μmで30g以上である。
【0056】本発明において透明性、破断強度,初期弾性率及び引き裂き強度は以下の如く測定する。
〔透明性〕フイルムのへイズをASTM−D1003−52に従って測定した。
〔破断強度および初期弾性率〕JIS−Z1702−1976に準じて、幅10mm、長さ100mmの短冊片で、引張り速度は破断強度の測定の際には300mm/分、初期弾性率は20mm/分で測定した。
〔引き裂き強度の測定〕軽荷重式引き裂き強度試験機(東洋精機(株)製)を用いサンプルサイズ51×64mmで13mmの切れ込みを入れ残り51mmを引き裂いた時の指示値を読み取った。
【0057】本発明で得られたフィルム支持体は現像処理後のカール解消性(以下、カール回復率と記す)が優れることに特徴がある。本発明に於ては以下の方法で測定に於てカール回復率が50%以上、特に80%以上であることが好ましい。
〔カール回復率の測定〕サンプルサイズ12cm×35mmのフィルムを直径10mmの巻芯に巻き、60℃×30%RH×72hrの処理を行い、その後、巻芯から解放し40℃の蒸留水に15分間浸漬後、50gの荷重をかけ55℃の空気恒温槽で3分間乾燥しサンプルを垂直に吊し、サンプル長さを測定し元の12cmのサンプル長にどれだけ回復したかを評価した。本発明で得られたフィルム支持体は、また、耐熱性が高いことにも特徴がある。本発明においては、以下の方法により、フィルム支持体の熱収縮、熱変形から耐熱性を評価した。
【0058】〔熱収縮の測定〕サンプルサイズ35mm×12cmに裁断後、25℃×60%RH×24hr調湿した後150℃×30min、空気恒温槽中で熱処理を行う。これを25℃×60%RH×24hr調湿した後、長手方向の長さを測り熱収縮を評価する。
【0059】〔熱変形の測定〕サンプルサイズ35mm×12cmに裁断後、直径25mmの巻き芯に巻き付け、マイラーテープで止める。これを80℃×7hr熱処理し、目視でフィルムの凹凸を評価する。
【0060】熱収縮は、好ましくは、2.0%以下であり、より好ましくは1.5%以下である。また熱変形は、好ましくは、厚み122μmのトリアセチルセルロース並みのわずかな熱変形であることであり、さらに好ましくは、厚み100μmのPETフィルム並みに熱変形しないことである。
【0061】本発明のポリエステルフィルムは接着性向上およびコーティング液のぬれ特性を改良するため、予めコロナ放電処理、薬液処理、火災処理などの各種表面処理を必要に応じて施すことができる。これらの表面処理の中で、本発明に最も好ましく用いられるのは、フィルム表面への低重合物の析出が少なコロナ放電処理である。本発明のポリエステル支持体は、その上に塗設される感光性層等の写真層との接着力を増す為に下びき層を有することが好ましい。下びき層としては、スチレン−ブタジエン系共重合体又は塩化ビニリデン系共重合体からなるポリマーラテックスを用いる下びき層、ゼラチンの如き親水性バインダーを用いる下びき層がある。本発明に好ましく用いられる下びき層は親水性バインダーを用いる下びき層である。本発明に使用する親水性バインダーとしては水溶性ポリマー、セルロースエステル、ラテックスポリマー、水溶性ポリエステルなどが例示される。水溶性ポリマーとしては、ゼラチン、ゼラチン誘導体、ガゼイン、寒天、アルギン酸ソーダ、でんぷん、ポリビニールアルコール、ポリアクリル酸共重合体、無水マレイン酸共重合体などであり、セルロースエステルとしてはカルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースなどである。ラテックスポリマーとしては塩化ビニル含有共重合体、塩化ビニリデン含有共重合体、アクリル酸エステル含有共重合体、酢酸ビニル含有共重合体、ブタジエン含有共重合体などである。この中でも最も好ましのはゼラチンである。
【0062】本発明に使用される支持体を膨潤させる化合物として、レゾルシン、クロルレゾルシン、メチルレゾルシン、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、フェノール、o−クロルフェノール、p−クロルフェノール、ジクロルフェノール、トリクロルフェノール、モノクロル酢酸、ジクロル酢酸、トリフルオロ酢酸、抱水クロラールなどがあげられる。この中で好ましいのは、レゾルシンとp−クロルフェノールである。
【0063】本発明の下びき層には種々のゼラチン硬化剤を用いることができる。ゼラチン硬化剤としてはクロム塩(クロム明ばんなど)、アルデヒド類(ホルムアルデヒド、グルタールアルデヒドなど)、イソシアネート類、活性ハロゲン化合物(2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−S−トリアジンなど)、エピクロルヒドリン樹脂などを挙げることができる。本発明の下びき層にはSiO、TiO、の如き無機物微粒子又はポリメチルメタクリレート共重合体微粒子(1〜10μm)をマット剤として含有することができる。本発明に係る下びき層は一般によく知られた塗布方法、例えばデップコート法、エアーナイフコート法、カーテンコート法、ワイヤーバーコート法、グラビアコート法、エクストルージョンコート法等により塗布することが可能である。本発明の感光材料には感光性層の他に、ハーレーション防止層、中間層、バック層、表面保護層の如き非感光性層を有することができる。バック層のバインダーとしては、疎水性ポリマーでもよく、下びき層に用いる如き親水性ポリマーであってもよい。
【0064】本発明の感光材料のバック層には、帯電防止剤、易滑剤、マット剤、界面活性剤、染料等を含有することができる。本発明のバック層で用いられる帯電防止剤としては、特に制限はなく、たとえばアニオン性高分子電解質としてはカルボン酸及びカルボン酸塩、スルホン酸塩を含む高分子で例えば特開昭48−22017号、特公昭46−24159号、特開昭51−30725号、特開昭51−129216号、特開昭55−95942号に記載されているような高分子である。カチオン性高分子としては例えば特開昭49−121523号、特開昭48−91165号、特公昭49−24582号に記載されているようなものがある。またイオン性界面活性剤もアニオン性とカチオン性とがあり、例えば特開昭49−85826号、特開昭49−33630号、US2,992,108、US3,206,312、特開昭48−87826号、特公昭49−11567号、特公昭49−11568号、特開昭55−70837号などに記載されているような化合物を挙げることができる。
【0065】本発明のバック層の帯電防止剤として最も好ましいものは、ZnO、TiO、SnO、Al、In、SiO、MgO、BaO、MoO,の中から選ばれた少くとも1種の結晶性の金属酸化物あるいはこれらの複合酸化物の微粒子である。本発明に使用される導電性の結晶性酸化物又はその複合酸化物の微粒子はその体積抵抗率が10Ωcm以下、より好ましくは10Ωcm以下である。またその粒子サイズは0.01〜0.7μ、特に0.02〜0.5μですることが望ましい。本発明に使用される導電性の結品性金属酸化物あるいは複合酸化物の微粒子の製造方法については特開昭56−143430号及び同60−258541号の明細書に詳細に記載されている。第1に金属酸化物微粒子を焼成により作製し、導電性を向上させる異種原子の存在下で熱処理する方法、第2に焼成により金属酸化物微粒子を製造するときに導電性を向上せる為の異種原子を共存させる方法、第3に焼成により金属微粒子を製造する際に雰囲気中の酸素濃度を下げて、酸素欠陥を導入する方法等が容易である。異種原子を含む例としてはZnOに対してAl、In等、TiOに対してはNb、Ta等、SnOに対してはSb、Nb、ハロゲン元素等が挙げられる。異種原子の添加量は0.01〜30mol%の範囲が好ましいが0.1〜10mol%であれば特に好ましい。
【0066】次に本発明の写真感材について詳細に述べる。本発明の感材はハロゲン化銀乳剤層、バック層、保護層、中間層、アンチハレーション層などで、構成されているが、これらは主に親水性コロイド層で用いられる。その場合の親水性コロイド層のバインダーとしては、例えばゼラチン、コロイド状アルブミン、カゼインなどの蛋白質;カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース化合物;寒天、アルギン酸ソーダ、でんぷん誘導体等の糖誘導体;合成親水性コロイド例えばポリビニルアルコール、ポリ−N−ビニルピロリドン、ポリアクリル酸共重合体、ポリアクリルアミドまたはこれらの誘導体および部分加水分散物、デキストラン、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリル酸エステル、ロジン等が挙げられる、必要に応じてこれらのコロイドの二つ以上の混合物を使用してもよい。この中で最も用いられるのはゼラチンあるいはその誘導体であるがここに言うゼラチンはいわゆる石灰処理ゼラチン、酸処理ゼラチンおよび酵素処理ゼラチンを指す。
【0067】本発明に於いては又アニオン、ノニオン、カチオン、ベタイン性含フッ素界面活性剤を併用することができる。これらの含弗素界面活性剤は特開昭49−10722号、英国特許第1,330,356号、特開昭53−84712号、同54−14224号、同50−113221号、米国特許第4,335,201号、同4,347,308号、英国特許第1,417,915号、特公昭52−26687号、同57−26719号、同59−38573号、特開昭55−149938号、同54−48520号、同54−14224号、同58−200235号、同57−146248号、同58−196544号、英国特許第1,439,402号、などに記載されている。これらの好ましい具体例を以下に記す。
【0068】
【化11】

【0069】
【化12】

【0070】
【化13】

【0071】
【化14】

【0072】
【化15】

【0073】
【化16】

【0074】
【化17】

【0075】
【化18】

【0076】
【化19】

【0077】
【化20】

【0078】
【化21】

【0079】本発明においてはノニオン性界面活性剤を用いてもよい。以下に本発明に好ましく用いられるノニオン界面活性剤の具体例を示す。
【0080】
【化22】

【0081】
【化23】

【0082】
【化24】

【0083】
【化25】

【0084】
【化26】

【0085】本発明で使用される含弗素界面活性剤及びノニオン界面活性剤の添加する層は写真感光材料の少なくとも1層であれば特に限定されず、例えば表面保護層、乳剤層、中間層、下塗層、バック層などを挙げることができる。本発明で使用される及び含弗素界面活性剤、ノニオン界面活性剤の使用量は写真感光材料の1平方メートルあたり0.0001g〜1gであればよいが、より好ましくは0.0005〜0.5g、特に好ましいのは0.0005g〜0.2gである。又、本発明のこれらの界面活性剤は2種類以上混合してもよい。
【0086】又、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,1,1−トリメチロールプロパン等特開昭54−89626号に示されようなポリオマール化合物を本発明の保護層あるいは他の層に添加することができる。本発明の写真構成層には他の公知の界面活性剤を単独または混合して添加してもよい。それらは塗布助剤として用いられるものであるが、時としてその他の目的、例えば乳化分散、増感その他の写真特性の改良等のためにも適用される。又、本発明に於ては、滑性化組成物、例えば米国特許第3,079,837号、同第3,080,317号、同第3,545,970号、同第3,294,537号及び特開昭52−129520号に示されるような変性シリコーン等を写真構成層中に含むことができる。
【0087】本発明の写真感光材料は写真構成層中に米国特許第3,411,911号、同3,411,912号、特公昭45−5331号等に記載のポリマーラテックスを含むことができる。本発明の写真感光材料におけるハロゲン化銀乳剤層およびその他の親水性コロイド層は各種の有機または無機の硬化剤(単独または組合せて)により硬化されうる。特に本発明で好ましいハロゲン化銀カラー写真感光材料の代表例としてカラーリバーサルフィルムとカラーネガフィルムをあげることができる。特に一般用カラーネガフィルムが好ましいカラー写真感光材料である。以下一般用カラーネガフィルムを用いて説明する。
【0088】本発明の感光材料は、支持体上に青感色性層、緑感色性層、赤感色性層のハロゲン化銀乳剤層の少なくとも1層が設けられていればよく、ハロゲン化銀乳剤層および非感光性層の層数および層順に特に制限はない。典型的な例としては、支持体上に、実質的に感色性は同じであるが感光度の異なる複数のハロゲン化銀乳剤層から成る感光性層を少なくとも1つ有するハロゲン化銀写真感光材料であり、該感光性層は青色光、緑色光、および赤色光の何れかに感色性を有する単位感光性層であり、多層ハロゲン化銀カラー写真感光材料においては、一般に単位感光性層の配列が、支持体側から順に赤感色性層、緑感色性層、青感色性の順に設置される。しかし、目的に応じて上記設置順が逆であっても、また同一感色性層中に異なる感光性層が挟まれたような設置順をもとりえる。上記、ハロゲン化銀感光性層の間および最上層、最下層には各層の中間層等の非感光性層を設けてもよい。該中間層には、特開昭61−43748号、同59−113438号、同59−113440号、同61−20037号、同61−20038号明細書に記載されているようなカプラー、DIR化合物等が含まれていてもよく、通常用いられるように混色防止剤を含んでいてもよい。各単位感光性層を構成する複数のハロゲン化銀乳剤層は、西独特許第1,121,470号あるいは英国特許第923,045号、特開昭57−112751号、同62−200350号、同62−206541号、同62−206543号、同56−25738号、同62−63936号、同59−202464号、特公昭55−34932号、同49−15495号明細書に記載されている。
【0089】ハロゲン化銀粒子は、立方体、八面体、十四面体のような規則的な結晶を有するもの、球状、板状のような変則的な結晶形を有するもの、双晶面などの結晶欠陥を有するもの、あるいはそれらの複合形でもよい。ハロゲン化銀の粒径は、約0.2ミクロン以下の微粒子でも投影面積直径が約10ミクロンに至るまでの大サイズ粒子でもよく、多分散乳剤でも単分散乳剤でもよい。本発明に使用できるハロゲン化銀写真乳剤は、例えばリサーチ・ディスクロージャー(RD)No.17643(1978年12月)、22〜23頁、“I.乳剤製造(Emulsion preparation and types)”、および同No.18716(1979年11月)、648頁、グラフキデ著「写真の物理と化学」、ポールモンテル社刊(P.Glafkides,Chemie et Phisique Photographique,PaulMontel,1967)、ダフィン著「写真乳剤化学」、フォーカルプレス社刊(G.F.Duffin,Photographic Emulsion Chemistry(Focal Press,1966))、ゼリクマンら著「写真乳剤の製造と塗布」、フォーカルプレス社刊(V.L.Zelikmanet al.,Making and Coating Photographic Emulsion,Focal Press,1964)などに記載された方法を用いて調製することができる。
【0090】米国特許第3,574,628号、同3,655,394号および英国特許第1,413,748号などに記載された単分散乳剤も好ましい。また、アスペクト比が約5以上であるような平板状粒子も本発明に使用できる。平板状粒子は、ガトフ著、フォトグラフィック・サイエンス・アンド・エンジニアリング(Gutoff,Photographic Science and Engineering)、第14巻、248〜257頁(1970年);米国特許第4,434,226号、同4,414,310号、同4,433,048号、同4,439,520号および英国特許第2,112,157号などに記載の方法により簡単に調製することができる。
【0091】結晶構造は一様なものでも、内部と外部とが異質なハロゲン組成からなるものでもよく、層状構造をなしていてもよい、また、エピタキシャル接合によって組成の異なるハロゲン化銀が接合されていてもよく、また例えばロダン銀、酸化鉛などのハロゲン化銀以外の化合物と接合されていてもよい。また種々の結晶形の粒子の混合物を用いてもよい。ハロゲン化銀乳剤は、通常、物理熟成、化学熟成および分光増感を行ったものを使用する。本発明の効率は、金化合物と含イオウ化合物で増感した乳剤を使用したときに特に顕著に認められる。このような工程で使用される添加剤はリサーチ・ディスクロージャーNo.17643および同No.18716に記載されており、その該当箇所を後掲の表にまとめた。
【0092】本発明に使用できる公知の写真用添加剤も上記の2つのリサーチ・ディスクロージャーに記載されており、下記の表に関連する記載箇所を示した。


【0093】また、ホルムアルデヒドガスによる写真性能の劣化を防止するために、米国特許4,411,987号や同第4,435,503号に記載されたホルムアルデヒドと反応して、固定化できる化合物を感光材料に添加することが好ましい。本発明には種々のカラーカプラーを使用することができ、その具体例は前出のリサーチ・ディスクロージャー(RD)No.17643、VII−C〜Gに記載された特許に記載されている。
【0094】水中油滴分散法に用いられる高沸点溶媒の例は米国特許第2,322,027号などに記載されている。水注油滴分散法に用いられる常圧での沸点が175℃以上の高沸点有機溶剤の具体例としては、フタル酸エステル類、リン酸またはホスホン酸のエステル類、安息香酸エステル類、アミド類、アルコール類またはフェノール類、脂肪族カルボン酸エステル類、アニリン誘導体、炭化水素類などが挙げられる。また補助溶剤としては、沸点が約30℃以上、好ましくは50℃以上約160℃以下の有機溶剤などが使用でき、典型例としては酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピオン酸エチル、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、2−エトキシエチルアセテート、ジメチルホルムアミドなどが挙げられる。ラテックス分散法の工程、効果および含浸用のラテックスの具体例は、米国特許第4,199,363号、西独特許出願(OLS)第2,541,274号および同第2,541,230号などに記載されている。
【0095】本発明の感光材料は乳剤層を有する側の全親水性コロイド層の膜厚の総和が28μm以下であり、かつ、膜膨潤速度T1/2が30秒以下が好ましい。膜厚は、25℃相対湿度55%調湿下(2日)で測定した膜厚を意昧し、膜膨潤速度T1/2は、当該技術分野において公知の手法に従って測定することができる。例えばエー・グリーン(A.Green)らによりフォトグラフィック・サイエンス・アンド・エンジニアリング(Photogr.Sci.Eng.)、19巻、2号、124〜129頁に記載の型のスエロメーター(膨潤計)を使用することにより測定でき、T1/2は発色現像液で30℃、3分15秒処理した時に到達する最大膨潤膜厚の90%を飽和膜厚とし、このT1/2の膜厚に到達するまでの時間と定義する。膜膨潤速度T1/2は、バインダーとしてのゼラチンに硬膜剤を加えること、あるいは塗布後の経時条件を変えることによって調整することができる。また、膨潤率は150〜400%が好ましい。膨潤率とは、さきに述べた条件下での最大膨潤膜厚から、式:(最大膨潤膜厚−膜厚)/膜厚に従って計算できる。
【0096】このようにして調製した写真感材は、所定の幅に裁断した後(例えば、135であれば、35mm幅、110であれば10mm幅)、パーフォレーション加工を行い、所定のパトローネ等に収納し、カメラ撮影に供する。
【0097】本発明に従ったカラー写真感光材料は、前述のRD.No.17643の28〜29頁、および同No.18716の615左欄〜右欄に記載された通常の方法によって現像処理することができる。本発明のハロゲン化銀カラー感光材料には処理の簡略化及び迅速化の目的で発色現像主薬を内蔵しても良い。内蔵するためには、発色現像主薬の各種プレカーサーを用いるのが好ましい。例えば米国特許第3,342,597号のインドアニリン系化合物、同第3,342,599号、リサーチ・ディスクロージャー14,850号及び同15,159号記載のシッフ塩基型化合物、同第13,924号記載されている。
【0098】次に、本発明の支持体を全く新規な写真システムへの応用例について説明する。このシステムの第一の特徴は、フィルムのカメラへの装填が容易であることである。従来の写真フィルムパトローネは写真フィルムがパトローネ内部でスプールに密に巻かれてはいず、巻きゆるんだ状態で収納されていたためスプールをフィルム巻き方向と逆の方向に回転させても写真フィルムをパトローネ外部に送り出すことはできなかった。このため、パトローネ外部に写真フィルム先端部を予め適当な長さだけ引き出しておき、撮影者がこの写真フィルム先端部をカメラ内のフィルム送り機構に装填するという操作を必要としていた。
【0099】しかし、この操作は手間がかかるものであるとともに、ある程度の熟練を要するので装填ミスを生じることも多く、装填ミスを生じた場合には未撮影の写真フィルムを露光してしまうという問題があった。このため、このような操作を必要としないカメラシステムが望まれていた。
【0100】かかるカメラシステムは写真フィルムをパトローネ内部から送り出し可能とすることにより実現することができる。写真フィルムをパトローネ内部から送り出し可能とすれば、フィルム先端を送り出すことによりフィルムをカメラ内のフィルム送り機構に係合させることができるので、フィルム端部をカメラ内のフィルム送り機構に装填する操作は不要となる。
【0101】このような目的には、従来から用いられているパトローネを用いることはできず、新たな様式のものを用いる必要がある。以下にこのパトローネについて説明する。このパトローネは、合成プラスチックを主成分とする。このプラスチックスの成形には、必要に応じて可塑剤をプラスチックスに混合する。可塑剤としては、例えば、トリオクチルホスフェート、トリブチルホスフェート、ジブチルフタレート、ジエチルセバゲート、メチルアミルケトン、ニトロベンゼン、γ−バレロラクトン、ジ−n−オクチルサクシネート、ブロモナフタレン、ブチルパルミテートなどが代表的なものである。
【0102】本発明に用いるプラスチックス材料の具体例を以下に挙げるが、これらに限定されるものではない。具体例にはポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリモノクロロトリフルオロエチレン、塩化ビニリデン樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合樹脂、メチルメタクリル樹脂、ビニルホルマール樹脂、ビニルブチラール樹脂、ポリエチレンテレフタレート、テフロン、ナイロン、フェノール樹脂、メラミン樹脂等がある。
【0103】本発明に特に好ましいプラスチック材料はポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレンなどである。更に本発明のパトローネは、各種の帯電防止剤を含有してもよい。帯電防止剤は特に限定されないが、カーボンブラック、金属酸化物粒子、ノニオン、アニオン、カチオン及びベタイン系界面活性剤又はポリマー等を好ましく用いることができる。これらの帯電防止されたパトローネとして特開平1−312537号、同1−312538号、に記載されている。
【0104】特に25℃、25%RHでの抵抗が1012Ω以下が好ましい。通常パトローネは、遮光性を付与するためにカーボンブラックや顔料などを練り込んだプラスチックを使って製作される。パトローネのサイズは現在のままでもよいし現在の25m/mのカートリッジの径を22m/m以下、好ましくは20m/m以下、14m/m以上とするとカメラの小型化に有効である。
【0105】パトローネのケースの容積は、30cm以下好ましくは25cm以下さらに好ましくは20cm以下とすることが好ましい。パトローネおよびパトローネケースに使用されるプラスチックの重量は1g以上25g以下好ましくは5g以上15g以下である。
【0106】パトローネのケースの内容積とパトローネおよびパトローネケースに使用されるプラスチックの比率は4〜0.7好ましくは3〜1である。
【0107】本発明における好ましい135カラー感材を内蔵したパトローネの場合、パトローネおよびパトローネケースに使用されるプラスチックの総重量は通常1g以上25g以下、好ましくは5g以上15g以下である。本発明のパトローネは、その形態について特に限定されない。
【0108】本発明の感材を内蔵したパトローネに適合する新たなカメラに用いる事が好ましくこれらの具体的なパトローネを図1に、更に内部構造については図2〜4へ、後述する磁気記録トラックは第5図に挙げる。また、このフィルムの断面図を図6に挙げた。さらに本発明で用いられるスプールを回転してフィルムを送り出すパトローネについて記す。そのパトローネの例として特願平1−21862号に記載のパトローネが挙げられる。
【0109】図7および図8に本発明に使用するパトローネを示す。写真フィルムパトローネ120はスプール101、スプール101に一端を係止してスプール101にロール状に巻かれた写真フィルム102及びパトローネ本体103からなる。スプール101はパトローネ本体103内部に軸線回りに回転可能に取り付けられ、パトローネ本体103外部から回転させることができる。パトローネ本体103には写真フィルム102を引き出すための写真フィルム引き出し口104が設けられており、この写真フィルム引き出し口104の内面にはパトローネ本体103内部を遮光状態に保つ遮光部材104aが取り付けられている。
【0110】この写真フィルムパトローネ120においては、パトローネ本体103の内面に沿って円周方向に延び、フイルム幅の15〜20%程度の幅を有する一対のリブ108がフィルム102の幅方向の両端部に設けられている。リブ108は写真フィルム102をフィルム引き出し口104から引き出すことができるようにフィルム引き出し口104の方向に開口している。また、フィルム102の先端106は写真フィルム引き出し口104の先端107に合わせて配置されている。
【0111】リブ108はフィルム102の最外周面に当接してロール状に巻かれたフィルム102を最外周面から押圧してフィルム102がスプール101に密に巻かれた状態を維持する。
【0112】スプール101の外径は次のように決定される。フィルム最内周面102aをスプール101外周に接触させたまま、フィルム102をスプール101にロール状に密に巻くことは前述の通り困難である。このため、フィルム最内周面102aとスプール101との間に隙間ができることを避けることができない。前述のように、フィルム最内周面102aとスプール101との間隔hが大きすぎると、図9に示したようなフィルム102の反転現象を生じる。このため、スプール101の外径はフィルム最内周面102aとスプール101との間に隙間ができたときの両者の間隔hが2mm以下となるように設定する。すなわち、スプールの外径aは、パトローネ本体内径をb、リブの厚さををt、フィルムの厚さをc、フィルム長さによって変わるロールの巻き数をdとすれば、b/2=a/2+h+c・d+tであるので、a/2=b/2−t−h−c・dとなる。間隔hはh=b/2−a/2−c・d−tであるので、h≦2mmとする場合のスプールの外径aはb/2−t−c・d−2≦a/2となる。
【0113】間隔hを2mm以下とすることにより、スプール回転トルクを0.8kgf・cm以下に設定すれば、写真フィルム2の反転現象を防止することができる。リブ108はパトローネ本体103の内面に沿って円周方向全体に設けることは必要ではなく、パトローネ本体103の内面の円周方向の一部にのみ設けてもよい。また、本実施例のようにフィルム102の幅方向の両端部においてのみ設けることの他、フィルム102の幅方向全体にわたって設けてもよい。
【0114】リブ108の材質は、例えばプラスチック等のようなフィルム102を傷つけにくいものを選ぶ(但し完壁ではない)。この場合、例えばウレタンのようにある程度の弾性を有する部材を選んでもよい。フィルム102をスプール101に密に巻いた状態でパトローネ本体103に装填するときに、ウレタンからなるリブ108が収縮するようにリブ108の厚さを決定すれば、収縮したリブ108の弾性力によってフィルム102のロールの外周が押圧されるので、フィルム102を相当程度の長さ引き出してフィルム102のロールの外径が小さくなってもフィルム102を密に巻いた状態を維持することができる。
【0115】なおフィルム引き出し口の遮光方法は任意である。従来のように「テレンプ」とよばれるフェルト状の遮光部材を設けてもよく、またフィルム引き出し口を開閉可能に形成して必要時以外は閉じた状態に保っておくようにしてもよい。また、フィルム102の先端106は必ずしもフィルム引き出し口104の先端107に合わせて配置する必要はなく、パトローネ本体103内部に収納されていればよいが、フィルム引き出し口104内に収納されていることが望ましい。
【0116】更に又、特願平1−172594号記載のパトローネも挙げることができる。これらはスプールフランジを変形させてフィルムロール最外周部の端面も押圧しながらスプールを回転させることによりフィルムを送り出す形式である。この写真フィルムパトローネを分解した状態を示す図10において、写真フィルムパトローネ201は、写真フィルム205をロール状に巻き回したスプール206と、これを収納するパトローネ本体207と、スプール206を回動自在に支持するとともに、パトローネ本体207を側方から光密に閉じる側板208,209とから構成される。
【0117】前記スプール206は、可撓性を有するように厚みを薄く形成したフランジ206aと、厚く形成した可撓性のないフランジ206bとを備え、プラスチックで一体に成形されている。写真フィルム205は、その終端部がフランジ206a,206b間のスプール206に固定され、それぞれの端面をフランジ206a,206bの内側に沿わせるようにスプール206にロール状に巻かれており、先端まで完全にパトローネ本体207内に巻き込まれている。前記パトローネ本体207には、遮光用のテレンプ211が接合されたフィルム出入り口212が設けられている。
【0118】前記側板208の中央部には、スプール206の端部206c(図11 参照)を回動自在に支持する軸受け開口208aが設けられ、また内壁面にはフランジ206aの一部を押圧する突条部208bが設けられている。前記側板209の中央部には、スプール206の端部206dを回動自在に支持する軸受け開口209aが設けられ、その近傍には、側板209の内壁面とフランジ206bとの摩擦を軽減するための突起209b(図11参照)が設けられている。
【0119】写真フィルムパトローネ201の縦断面を示す図9において、突条部208bと突起209bとの内側寸法はフランジ206a,206bの外側寸法より小さくなるように設定されており、突条部208bはフランジ206aを押圧して変形させる。これによって、内側よりも、外側の写真フィルム205の端面がより強くフィルム206a,206bに挟持される。したがって、スプール206を図10に示す矢印A方向に回転させれば、フランジ206a,206bと写真フィルム205端面との摩擦係合によって、写真フィルム205の先端部205aはフィルム出入り口212からパトローネ本体207の外部へ送り出される。
【0120】また、以上の構成においても、突条部208bと突起209bとの内側寸法をフランジ206a,206bの外側寸法より大きくすることができる。その場合は、カメラの部品にてスプール206をフランジ206bからフランジ206aの方向に押すことにより、フランジ206a,206bの内側寸法が写真フィルム205より小さくなって写真フィルム205の端面を押圧可能となり、写真フィルム205をスプール206の回転によってパトローネ本体207の外部に送り出すことができる。
【0121】更に又、US4834306号、同4846418号、同4832,275号記載のパトローネを好ましく使用される。(図12、13、14)それらの例として 図12に示すように、スプール75にロール状に密に巻かれた写真フィルム76はその両端部において一対のリング77a、77bによりスプール75に密に巻かれた状態に保持される。カートリッジ本体78内部にはリング77a、77bが嵌合する溝79a、79bがカートリッジ本体78の軸方向に対して傾いた角度をなすように形成されている。このため、図13図、図14に示すように、リング77a、77bはカートリッジ本体78内部では、スプール75の軸に対して傾いた角度で写真フィルム76のロールの外周に当接し、写真フィルム76の巻きゆるみを防止している。リング77a、77bは溝79a、79b内を摺動しながら、溝79a、79bに沿って回転可能である。
【0122】写真フィルム76はリング77a、77bによってスプール75にロール状に密に巻かれた状態を保っているため、スプール75をフィルム巻き方向と逆の方向に回転させると、写真フィルム76は写真フィルム引き出し口(図示せず)から送り出される。次にこのシステムの第2の特徴について述べる。これは、写真フィルム中に磁気記録層を有していることであり、ここに種々の情報を記入できるここである。
【0123】従来写真感材はカメラ撮影時の各種の情報(例えば、撮影日、天候、拡大比、プリント枚数など)を入力することはほとんど不可能であり、わずかに光学的に撮影日を入力できるのみであった。又、プリント時においても感材自身への情報入力は全く不可能であり、高速かつコストダウンへの大きな障害となっている。感材へ各種の情報を入力することは、今後のカメラの操作性アップ及びより簡便化を進める上で非常に重要な手段である。その情報入力手段として磁気記録方法は任意に入・出力ができること又安価であることから重要であり従来も研究されてきた。
【0124】例えば、磁気記録層に含有される磁化性粒子の量、サイズなどの適切な選択によって、撮影時感材に必要な透明性を有し、さらに粒状度への悪影響を与えない磁気記録層を透明な支持体を有する感材のバック面に設けることは、米国特許第3782947号、同4279945号、同4302523号などに記載されている。又、この磁気記記録層への信号入力方式が世界公開90−4205号、同90−04212号などに開示されている。
【0125】これらの磁気記録層の付与及び入出力法によって従来困錐であった各種の情報を感材中に組み込むことが可能となり、例えば撮影の日時、天候、照明条件、縮小/拡大比等の撮影時の条件、再プリント枚数、ズームしたい箇所、メツセツジ等の現像、プリント時の条件等を感材の磁気層に入出力できるようになった。更に又、テレビ/ビデオ映像へ感材から直接出力して画像とする場合の信号入出力手段としても応用できるという将来性を有するものである。
【0126】このような磁気記録層を有する写真感材は次のような方法により作ることができる。まず、前述の方法と同様にして、フィルム形成材料、即ちPET、吸水性を有する無機物およびポリマー、色素等の添加剤を乾燥した後、これらを混合し溶融押出して、これを2軸延伸して支持体を形成する。このようにして得られた支持体上に磁気記録層を塗設する。塗設は全面に透明に行っても良く、またストライプ状に透明又は不透明に行ってもよい。
【0127】この磁気記録用磁性体層に用いられる強磁性体としては、強磁性体酸化鉄、Co含有強磁性酸化鉄、強磁性二酸化クロム、強磁性金属、強磁性合金、バリウムフェライトなどが使用できる。強磁性合金の例としては、金属分が75wt%以上であり、金属分の80wt%以上が少なくとも一種類の強磁性金属あるいは合金(Fe、Co、Ni、Fe−Co、Fe−Ni、Co−Ni、Co−Fe−Niなど)であり、該金属分の20wt%以下で他の成分(Al、Si、S、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Cu、Zn、Y、Mo、Rh、Pd、Ag、Sn、Sb、B、Ba、Ta、W、Re、Au、Hg、Pb、P、La、Ce、Pr、Nd、Te、Biなど)を含むものをあげることができる。また、上記強磁性金属分が少量の水、水酸化物、または酸化物を含むものであってもよい。
【0128】これらの強磁性体の製法は既知であり、本発明で用いられる強磁性体についても公知の方法にしたがって製造することができる。強磁性体の形状・サイズは特に制限なく広く用いることができる。形状としては粉末の場合は針状、米粒状、球状、立方体状、板状等いずれでもよいが針状、板状が電磁変換特性上好ましい。結晶子サイズ、比表面積もとくに制限はないが、結晶子サイズ400Å以下、SBETで20m/g以上が好ましく、30m/g以上がとくに好ましい。強磁性粉末のpH、表面処理はとくに制限なく用いる事ができる(チタン、珪素、アルミニウム等の元素を含む物質で表面処理されていてもよいし、カルボン酸、スルホン酸、硫酸エステル、ホスホン酸、燐酸エステル、ベンゾトリアゾール等の含チッ素複素環をもつ吸着性化合物の様な有機化合物で処理されていてもよい)。好ましいpHの範囲は5〜10である。強磁性体酸化鉄微粉末の場合、2価の鉄/3価の鉄の比に特に制限されることなく用いることができる。
【0129】透明支持体1mあたりの強磁性微粉末の含有量は、4×10−4〜3g、好ましくは10−3〜2g、より好ましくは4×10−3〜1gである。本発明に用いられる磁気記録層の結合剤(バインダー)は従来、磁気記録媒体用の結合剤として使用されている公知の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、放射線硬化性樹脂、反応型樹脂およびこれらの混合物使用することができる。但し蒸着の場合は不用である。
【0130】上記樹脂のTgは−40℃〜150℃、重量平均分子量は1万〜30万、好ましくは1万〜10万である。上記熱可塑性樹脂としては、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル、酢酸ビニルとビニルアルコール、マレイン酸および/またはアクリル酸との共重合体、塩化ビニル・塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニル・アクリロニトリル共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体などのビニル系共重合体、ニトロセルロース、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート樹脂などのセルロース誘導体、アクリル樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリエステルポリウレタン樹脂、ポリエーテルポリウレタン、ポリカーボネートポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリアミド樹脂、アミノ樹脂、スチレンブタジエン樹脂、ブタジエンアクリロニトリル樹脂等のゴム系樹脂、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂、あるいは生分解性を有するバインダーを挙げることができる。
【0131】又放射線硬化型樹脂としては上記熱可塑性樹脂に放射線硬化官能基として炭素−炭素不飽和結合を有する基を結合させたものが用いられる。好ましい官能基としてはアクリロイル基、メタクリロイル基などがある。以上列挙の結合剤分子中に、極性基(エポキシ基、COM、OH、NR、NRX、SOM、OSOM、PO、OPO、ただしMは水素、アルカリ金属またはアンモニウムであり、一つの基の中に複数のMがあるときは互いに異なっていてもよい、Rは水素またはアルキル基である)を導入してもよい。
【0132】以上列挙の高分子結合剤は単独または数種混合で使用され、イソシアネート系の公知の架橋剤、および/あるいは放射線硬化型ビニル系モノマーを添加して硬化処理することができる。また、本発明の磁気記録層に親水性バインダーを使用できる。使用する親水性バインダーとしては、リサーチ・ディスクロージャーNo.17643、26頁、および同No.18716、651頁に記載されており、水溶性ポリマー、セルロースエステル、ラテックスポリマー、水溶性ポリエステルなどが例示されている。水溶性ポリマーとしては ゼラチン、ゼラチン誘導体、カゼイン、寒天、アルギン酸ソーダ、でんぷん、ポリビニールアルコール、ポリアクリル酸共重合体、無水マレイン酸共重合体などであり、セルロースエステルとしてはカルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースなどである。ラテックスポリマーとしては塩化ビニル含有共重合体、塩化ビニリデン含有共重合体、アクリル酸エステル含有共重合体、酢酸ビニル含有共重合体、ブタジエン含有共重合体などである。この中でも最も好ましいのはゼラチンである。
【0133】ゼラチンは、その製造過程において、ゼラチン抽出前、アルカリ浴に浸漬される所謂アルカリ処理(石灰処理)ゼラチン、酸浴に浸漬される酸処理ゼラチンおよびその両方の処理を経た二重浸漬ゼラチン、酵素処理ゼラチンのいずれでもよい。必要に応じて一部分をコロイド状アルブミン、カゼイン、カルボキシメチルセルローズ、ヒドロキシエチルセルローズなどのセルロース誘導体、寒天、アルギン酸ソーダ、デンプン誘導体、デキストランなどの糖誘導体、合成親水性コロイド、たとえばポリビニルアルコール、ポリN−ビニルピロリドン、ポリアクリル酸共重合体、ポリアクリルアミドまたはこれらの誘導体、部分加水分解物、ゼラチン誘導体などをゼラチンと併用してもよい。
【0134】ゼラチンを含む磁気記録層を硬膜するのは好ましく、磁気記録層に使用できる硬膜剤としては、たとえば、ホルムアルデヒド、グルタルアルデヒドの如きアルデヒド系化合物類、ジアセチル、シクロペンタンジオンの如きケトン化合物類、ビス(2−クロロエチル尿素)、2−ヒドロキシ−4,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジン、そのほか米国特許第3,288,775号、同2,732,303号、英国特許第974,723号、同1,167,207号などに記載されている反応性のハロゲンを有する化合物類、ジビニルスルホン、5−アセチル−1,3−ジアクリロイルヘキサヒドロ−1,3,5−トリアジン、そのほか米国特許第3,635,718号、同3,232,763号、英国特許第994,869号などに記載されている反応性のオレフィンを持つ化合物類、N−ヒドロキシメチルフタルイミド、その他米国特許第2,732,316号、同2,586,168号などに記載されているN−メチロール化合物、米国特許第3,103,437号等に記載されているイソシアナート類、米国特許第3,017,280号、同2,983,611号等に記載されているアジリジン化合物類、米国特許第2,725,294号、同2,725,295号等に記載されている酸誘導体類、米国特許第3,091,537号等に記載されているエポキシ化合物類、ムコクロル酸のようなハロゲンカルボキシアルデヒド類をあげることができる。あるいは無機化合物の硬膜剤としてクロム明バン、硫酸ジルコニウム、特公昭56−12853号、同58−32699号、ベルギー特許825,726号、特開昭60−225148号、特開昭51−126125号、特公昭58−50699号、特開昭52−54427号、米国特許3,321,313号などに記載されているカルボキシル基活性型硬膜剤などを例示できる。硬膜剤の使用量は、通常乾燥ゼラチンに対して0.01〜30重量%、好ましくは0.05〜20重量%である。
【0135】次に磁性体層に用いられる酸、アルカリ分解性バインダーあるいは生分解性バインダーについて記す。まず酸、又はアルカリ分解性バインダーとしては、酸性、又はアルカリ性条件下(一般に水溶液又は水混和性有機溶媒)で長時間(1時間以上)処理でその溶解性が急激に向上し支持体から遊離するもの、あるいは酸性、又はアルカリ性条件下で化学的に分解して支持体から遊離するものであれば特に限定されない。これらのバインダーで好ましいのは、セルロース誘導体類(モノアセチルセルロース、ジアセチルセルロース、プロピオニルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロースなど)、ポリ(メタ)アクリル酸エステル類(例えば、エステル残基としてヒドロキシアルキル−又はアリル基(例えばヒドロキシエチル、ヒドロキシエチルフェニル)、カルボキシアルキル−又はアリル基(例えばカルボキシエチル、カルボキシフェニルなど)、アミノアルキル−又はアリル基(例えばアミノエチル、アミノエチルフェニルなど)など)、ポリ(メタ)アクリルアミド類(例えば、ポリ(N,N−ジヒドロキシエチルアクリルアミド)など)を挙げることができる。
【0136】次に生分解性バインダーとして好ましいのは、ポリ(β−ヒドロキシアルカノエート)、ポリカプロラクトン、スターチ、スターチ含有ポリマー(ポリエチレン、ポリプロピレン)などを挙げることができ、より好ましいのはポリ(3−ヒドロキシバレート)、ポリ(3−ヒドロキシブチレート)、ポリ(4−ヒドロキシブチレート)を主体とするポリマー、スターチ含有ポリエチレン、スターチ含有ポリプロピレンである。これらは生分解性プラスチックス−海外動向調査報告書−(財団法人バイオインダストリー協会発行1989年6月)に詳細に記載されている。
【0137】本発明の酸・アルカリあるいは生分解性を有するバインダーからなる磁性体層あるいは支持体側の一層を形成するバインダー層を写真感材から除去して支持体を回収する際に、バインダーの溶解性や分解性を促進するために、写真感材を予め微細に裁断することが、好ましく、更に分解するための処理浴を適度に加熱したり攪拌したりあるいは空気を吹き込んだりすることは好ましい。この時酸、アルカリあるいは生分解性バインダーを有する写真感材を処理する場合は処理液を使用することが一般的であるが、使用する溶媒は特に限定されなく例えば水、アルコール(メタノール、エタノール、プロパノールなど)、ケトン(アセトン、メチルエチルケトン、アセトフェノンなど)が好ましくこれらの混合溶媒であっても良い。
【0138】又本発明で用いられる酸・アルカリ性を与える化合物としては、好ましくは、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、酢酸などの酸性化合物、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化カルシウム、アンモニアなどのアルカリ化合物を挙げることができ、この中でも特に塩酸、硫酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムが好ましい。更に生分解性バインダーを用いた場合の感材の分解処理方法について記す。
【0139】本発明においては、回収された感材をまず細かく裁断し、ゼラチン乳剤がある場合はゼラチン分解酵素(例えばアミラーゼ)で処理してゼラチン乳剤層を除去し、その後磁気記録層を除くために活性汚泥中で分解するのが好ましい。この時用いられる活性汚泥は特に限定されないが、例えば財団法人化学品検査協会化学品安全センター(CBC)の標準活性汚泥を利用することができる。これらは空気を吹き込んでかつ温度を20〜35℃に保つことによってより分解速度を速めることができる。本発明の生分解性ポリマーを上記方法で分解するのに要する時間は長い程良いが本発明では回収効率を考えると半日以上20日以内、より好ましくは1日以上7日以内である。本発明の酸、アルカリあるいは生分解性バインダーからなる磁性体層あるいは磁性体層より支持体側の構成層中には、架橋剤を加えてもよく例えばエポキシ系、イソシアネート系、シランカップリング系の架橋剤を使用することができる。
【0140】磁気記録層の厚みは0.1μ〜10μ、好ましくは0.2〜5μ、より好ましくは0.5μ〜3μである。本発明の磁気記録層は、感光材料の裏面に設けるのが好ましい。磁気記録層は、透明支持体の裏面に塗布又は印刷によって全面又はストライプ状に設けることができる。又、磁化粒子を分散したポリマーの溶液と透明支持体作成用のポリマーの溶液をストライプ状に共流延して、磁気記録層を有する透明支持体を作成することも好ましい。この場合、2種類のポリマーの組成を実質的に同一にするのが好ましい。
【0141】ストライプ状記録層の付与は、特開昭55−151639号、特公昭55−31455号、同29−4221号等に記載されている。この磁気記録層をストライプ状に塗布する方法としてはエアードクターコート、プレードコート、エアナイフコート、スクイズコート、含浸コート、リバースロールコート、トランスファーロールコート、グラビヤコート、キスコート、キャストコート、スプレイコート等が利用出来、その他の方法も可能であり、これらの具体的説明は朝倉書店発行の「コーティング工学」253頁〜277頁(昭和46.3.20.発行)に詳細に記載されている。
【0142】このような方法により、支持体状に塗布された磁性層は必要により層中の磁性粉末を直ちに乾燥しながら配向させる処理を施したのち、形成した磁性層を乾燥する。このときの支持体の搬送速度は、通常10m/分〜500m/分でおこなわれ、乾燥温度が20℃〜120℃で制御される。又必要により表面平滑化加工を施したりして、本発明の磁気記録体を製造する。これらは、例えば、特公昭40−23625号公報、特公昭39−28368号公報、米国特許第3473960号明細書、等にしめされている。又、特公昭41−13181号公報にしめされる方法はこの分野における基本的、且つ重要な技術と考えられる。
【0143】更に蒸着法でストライプ状に磁気記録層を付与しても良くその場合強磁性鉄を用いて、非ストライプ部を何らかの方法でおおう事で達成できる。例えば、非ストライプ部にテープを貼って蒸着させる方法、又は蒸着装置に窓を付けてストライプ状に蒸着する方法などを挙げることができる。これらは、例えば特開昭56−139095号、同56−181479号、同60−157717号等の技術を応用すればよい。本発明のストライプ状磁気記録層は、フィルムの画像以外の部分に存在することが好ましくその本数は1本以上であればよく例えば、フィルムの片方の端部に1本でもよく2本以上でもよい。その場合1本は多量の磁気材料を有し不透明で他方が少量の磁気材料を有したものでもよい。又ストライプ状磁気記録層をフィルムの両端に有していてもよく1方が不透明で他方が透明であってもよい。透明ストライプ状磁気記録層とすることでこの上に光学的な記録を付与することができ、従来の光学システムを損うことなく磁気記録層化できるというメリットを持たせることができる。又、ストライプが透明であっても特に間題はない。
【0144】更に又、本発明のストライプ状磁気記録層を付与した場合、非ストライプ部はストライプ部に比べ一般に陥没しているため種々の間題例えば感材が高温高湿下に長時間保存された時の密着の悪化、ストライプ周辺の写真性上の圧力カブリ、あるいは又ストライプ端部の粉落ち等の問題を生じる。この解決方法として、ストライプ状磁気記録層部と非ストライプ部を同一平面とすればよいことが挙げられる。すなわちストライプ状磁気記録層以外の非ストライプ部にストライプ層と同一の厚さの非磁気記録層を付与すればよい。この非磁気層部の付与方法は、どのような方法を用いても良い。例えば、磁気記録層を塗布、印刷、蒸着、転写などの方法でストライプ状に感材に塗設した後、他の非磁気記録層を磁気記録層と区別して後で塗設することで達成できる。
【0145】又、磁気記録層と非磁気記録層を同時に付与してもよく、例えば、同一平面に分割されたギーサーを用いて磁気記録層用塗布液と非磁気記録層用塗布液を交互に押し出してもよいし、グラビアコーターを用いる場合は同様に交互に各々の塗布液を付与してもよい。更に又同一平面に塗布液を押し出す方法以外に異なる塗布面に塗布液を押し出し分割してストライプを形成してもよく、こうすることによって、ストライプ状磁気記録層と非磁気記録層を同じ厚さとすることができる。
【0146】磁気記録層に、潤滑性向上、カール調節、帯電防止、接着防止などの機能を合せ持たせてもよいし、別の機能性層を設けて、これらの機能を付与させてもよい。必要に応じて磁気記録層に隣接する保護層を設けて耐傷性を向上させてもよい。磁気記録層を有する透明支持体の裏面をカレンダリング処理して平滑性を向上させ、磁気信号のS/N比を向上できる。この場合、カレンダリング処理を施した後に透明支持体上に感光層を塗布するのが好ましい。
【0147】このようにして調製した磁気記録層を有する支持体上に、前述の通常の形式の写真感材の調製法と同様にして、接着性改良のための表面処理、感光性層等の写真層との接着力を増すための下びき層の塗設、バック層の塗設を必要に応じて実施する。この後、前述の通常形式の写真感材と同様にして感材層を塗設する。写真感材層は、磁気記録層と反対の支持体面に塗設する方が好ましい。
【0148】このようにして得られた感光材料は、カメラやプリンターでフイルム搬送時に透明磁気記録層に信号入力が容易にできるロール状のフイルムが本発明の感光材料の好ましい形態である。このロール状フイルムにおいては、画像露光部1駒の面積が350mm以上1200mm以下とし、磁気的情報記録可能スペースが、上記の画像露光部1駒の面積の15%以上とするのが好ましい。具体的には、1画面あたりのパーフオレーシヨンの数を135フオーマツトより少くするのが好ましい。1駒あたりのパーフオレーシヨンの数を4コ以下にするのが特に好ましい。磁気的情報記録可能スペースに、LEDなどの発光体を使つて光学的に情報を入力することもできる。該スペースに、磁気的情報と光学的情報を重ねて入力することも好ましい。磁気記録フオーマツトは、世界公開90−04205号に開示された方式に従うのが好ましい。
【0149】この感光材料の現像処理は、前述の処理方法と同様にして行うことができる。
【0150】このようにして調製した、本発明のポリエチレンテレフタレートを主成分とし、これと吸水性を有する物質とを混合して成る支持体を用いることにより、現像処理後のカール解消性に優れ、かつ耐熱性の高いハロゲン化銀写真感光材料を達成することができた。
【0151】
【実施例】以下に具体例をあげて、本発明を更に詳しく説明するが、本発明は発明の主旨を越えない限り、実施例に限定されるものではない。
(実施例−1)
1)支持体の作成テレフタル酸ジメチル120重量部、エチレングリコール46重量部、5−ナトリウムスルホイソフタル酸ジメチル20重量部およびアジビン酸ジメチル14重量部に、酢酸カルシウム0.1重量部および三酸化アンチモン0.03重量部を添加し、常法によりエステル交換反応を行った。得られた生成物にリン酸トリメチルエステル0.05重量部を添加し、徐々に昇温、減圧にし、最終的に280℃、1mmHg以下で重合を行い共重合ポリエチレンテレフタレートを得た。
【0152】この共重合ポリエステル50重量部とPET50重量部を混合した後、常法で乾燥した後、280℃で溶融押出しし、未延伸シートを作成した。次いで、90℃で縦方向に3.5倍、95℃で横方向に3.7倍遂次延伸した後、200℃で5秒間熱固定して厚さ75μの2軸延伸フィルムを得た。フィルム特性は、ヘイズが1.2%、破断強度が16kg/mm初期弾性率が400kg/mmであり、透明性、機械特性は良好であった。なお、透明性、破断強度及び初期弾性率は以下の条件で測定した。
透明性:フィルムのヘイズをASTN−D1003−52に従って測定した。
破断強度および初期弾性率:JIS−Z1702−1976に準じて、幅10mm、長さ100mmの短冊片で、引張り速度は破断強度の測定の際には300mm/分、初期弾性率は20mm/分で測定した。
【0153】さらに本発明の比較例として、上述の方法で調製した吸水性を有する共重合体のみから成るフィルムを上と同じ方法で乾燥、押出し、延伸して厚さ75μmのフィルムを得た。このサンプルとさらにPET(75μm)、TAC(80μm)と本発明のサンプルを次のような方法で評価した。
【0154】2)カール回復率の測定上記の如く調整した本発明に係わるPETと吸水性ポリマーとをブレンドして成る該フイルム(厚さ75μm)と、市販のPETフィルム(同厚)及び市販のTACフィルム(厚さ80μm)について本発明の方法によりその含水率を測定した。さらに、下記方法によりカール回復力を測定し第1表に示す結果を得た。
[カールの評価方法]サンプルサイズ12cm×35mmのフィルムを直径10mmの巻芯に巻き、60℃×30%RH×72hrの処理を行い、その後、巻芯から解放し40℃の蒸留水に15分間浸漬後、50gの荷重をかけ55℃の空気恒温槽で3分間乾燥しサンプルを垂直に吊し、サンプル長さを測定し元の12cmのサンプル長にどれだけ回復したかを評価した。この結果を表1に示した。
【0155】〔含水率の測定法〕サンプルフィルムを23℃×30%RH×3hr調湿後23℃の蒸留水に15分間浸漬し、この後微量水分計(たとえば三菱化成(株)製CA−02型)を用いて150℃で行った。
【0156】
【表1】

【0157】第1表から明らかな如く、含水率0.7重量%の本発明に係わるフィルムはカール回復率が極めて優れていることが判る。
【0158】3)耐熱性の評価上記の如く調製した本発明に係わるPETと吸水性ポリマーとをブレンドして成る該フイルム(厚さ75μm)と、市販のPETフィルム(同厚)及び市販のTACフィルム(厚さ80μm)について下記方法によりその熱収縮性と熱変形を測定した。
〔熱収縮の測定〕サンプルサイズ35mm×12cmに裁断後、25℃×60%RH×24hr調湿した後150℃×30min、空気恒温槽中で熱処理を行う。これを25℃×60%RH×24hr調湿した後、長手方向の長さを測り、熱収縮を評価する。
〔熱変形の測定〕サンプルサイズ35mm×12cmに裁断後、直径25mmの巻き芯に巻き付け、マイラーテープで止める。これを80℃×7hr熱処理し、目視でフイルムの凹凸を評価する。これらの結果を表2に示した。
【0159】
【表2】

【0160】第2表から明らかな如く、熱収縮、熱変形とも吸水性ポリマー単独から成るフイルムと比べて、大きく良化しており、さらには、TACフイルムよりも良好であった。
【0161】4)写真感光材料の作成上記本発明のPETと吸水性ポリマーのブレンドフイルム(75μm)、比較例として、上記吸水性ポリマー単独からなるフイルム(75μm)、TAC(80μm)、PET(75μm)について写真感光層を塗設し比較検討した。
【0162】4−1)下びき層の塗設上記4種類の支持体のその両面にコロナ放電処理した後、下記組成の下びき層を設けた。コロナ放電処理の程度は、0.02KVA・分/mであった。
ゼラチン 3g 蒸留水 250cc ソジウムα−スルホジ−2−エチルヘキシルサクシネート 0.05g ホルムアルデヒド 0.02g【0163】4−2)帯電防止層の塗設上記4種類の各フィルムの片面に下記組成のバック層を塗設した。
〔酸化スズ−酸化アンチモン複合物分散液の調製〕塩化第二スズ水和物230重量部と三塩化アンチモン23重量部をエタノール3000重量部に溶解し均一溶液を得た。この溶液に1Nの水酸化ナトリウム水溶液を前記溶液のpHが3になるまで滴下し、コロイド状酸化第二スズと酸化アンチモンの共沈澱を得た。得られた共沈澱を50℃に24時間放置し、赤褐色のコロイド状沈澱を得た。赤褐色コロイド状沈澱を遠心分離により分離した。過剰なイオンを除くため沈澱に水を加え遠心分離によって水洗した。この操作を3回操り返し過剰イオンを除去した。過剰イオンを除去したコロイド状沈澱200重量部を水1500重量部に再分散し、600℃に加熱した焼成▲濾▼に噴霧し、青味がかった平均粒径0.2μの酸化スズ−酸化アンチモン複合物の微粒子粉末を得た。この微粒子粉末の比抵抗は25Ω・cmであった。
【0164】上記微粒子粉末40重量部と水60重量部の混合液をpH7.0に調製し、撹拌機で粗分散の後、横型サンドミル(商品名ダイノミル;WILLYA.BACHOFEN AG製)で滞留時間が30分になるまで分散して調製した。
【0165】下記処方〔A〕を乾燥膜厚が0.3μになるように塗布し、130℃で30秒間乾燥した。この上に更に下記の被覆層用塗布液(B)を乾燥膜厚が0.1μになるように塗布し、130℃で2分間乾燥した。
〔処方A〕
・導電性微粒子分散液 10重量部・ゼラチン 1重量部・水 27重量部・メタノール 60重量部・レゾルシン 2重量部・ポリオキシエチレンノニル・ フェニルエーテル 0.01重量部〔被覆層用塗布液(B)〕
・セルローストリアセテート 1重量部・アセトン 70重量部・メタノール 15重量部・ジクロルメチレン 10重量部・p−クロルフェノール 4重量部【0166】4−3)磁気記録層の塗設帯電防止層塗設後に下記組成の磁性体含有物をグラビアコーターを用い、塗布厚1.0μmになるように各サンプルに塗布した後90℃にて10分間乾燥し、磁気記録層を塗設した。
・コバルトドープ酸化鉄微粉末 (比表面積 45m/g) 1重量部 ( 〃 80m/g) 1重量部 ・バリウムフュライト微粉末 (比表面積 15m/g) 2重量部 ( 〃 40m/g) 2重量部 ・酢酸ブチル/塩化ビニル共重合体(モル比1:1) 20重量部 ・ポリウレタン樹脂 10重量部 ・トルエンジイソシアナート 40重量部 ・酢酸ブチル 100重量部 ・メチル エチル ケトン 50重量部【0167】4−4)すべり層の塗設磁気記録層を塗設した後、下記組成のすべり層を各サンプルに塗設した。
・ジアセチルセルロース 0.2g/m ・コロイダルシル(エアロジル) 0.02〃 ・C1531COOC4081 0.02〃 ・C2143COO(CHCHO)COC19 0.01〃 ・ポリ(二フッ化ビニリデン/四フッ化ビニリデン) 0.01〃 (モル比 9:1)
・ポリ(メチルメタクリレート/ジビニルベンゼン) 0.03〃 (モル比 9:1,平均粒径 1.0μm)
・シリカ(平均粒径 1.0μm) 0.005〃【0168】得られたベースの抗磁力は1000 Oeで角型比は0.6〜0.7であり、世界公開90−04205号に開示された信号入力方式が可能であることを確認した。
【0169】4−5)感光材層の塗設磁気記録層を有する面と逆の面に特開昭2−93641号実施例1に記載の感光材料層と全く同様にして、感光材料層を重層塗布し、多層カラー感光材料である試料を各支持体について作成した。
【0170】4−6)サンプルの加工各試料を35mm幅にスリットした後、36枚分の長さに裁断し、図1に示したようなパトローネに入れた。この後、強制的に巻きぐせを付けるために、40℃で10日間放置した。
【0171】4−7)現像処理巻きぐせの付いた写真フイルムは次のようにして現像処理を行った。
処理工程 温 度 時 間発色現像 38℃ 3 分停 止 38℃ 1 分水 洗 ″ 1 ″漂 白 ″ 2 ″水 洗 ″ 1 ″定 着 ″ 2 ″水 洗 ″ 1 ″安定 浴 ″ 1 ″用いた処理液は次の組成を有する。
発色現像液苛性ソーダ 2g亜硫酸ソーダ 2g臭化カリウム 0.4g塩化ナトリウム 1gホー砂 4gヒドロキシルアミン硫酸塩 2gエチレンジアミン四酢酸2ナトリウム2水塩 2g4−アミノ−3−メチル−N−エチル−N−(β−ヒドロキシエチル1アニリン・モノサルフェート 4g水を加えて 全量 1l停止液チオ硫酸ソーダ 10gチオ硫酸アンモニウム(70%水溶液) 30ml酢酸 30ml酢酸ソーダ 5gカリ明ばん 15g水を加えて 全量 1l漂白液エチレンジアミン4酢酸鉄(III)
ナトリウム・2水塩 100g臭化カリウム 50g硝酸アンモニウム 50gホー酸 5gアンモニア水 pHを5.0に調節水を加えて 全量 1l定着液チオ硫酸ソーダ 150g亜硫酸ソーダ 15gホー砂 12g氷酢酸 15mlカリ明ばん 20g水を加えて 全量 1l安定浴ホー酸 5gクエン酸ソーダ 5gメタホー酸ソーダ(4水塩) 3gカリ明ばん 15g水を加えて 全量 1l【0172】5)写真感光材料の評価5−1)巻きぐせの評価現像処理後のカールの状況は、現像後25℃×60%RH×3日調湿後、カール値(=1/カールがえがく円弧の直径)を測定した。通常のPETフイルムを支持体とする感光材料の場合は、巻きぐせがほとんど解消していなかったが、本発明のPETと吸水性ポリマーとのブレンド物を支持体とする感光材料および吸水性ポリマー単独フイルムを支持体とする感光材料、TACを支持体とする感光材料では、ほぼ完全にカール解消していた。これらの結果は表3に示した。
【0173】
【表3】

【0174】5−2)熱収縮性の評価現像処理後の写真フイルムを各々サンプルサイズ35mm×12cmに裁断した。これを25℃×60%RH×24hr調湿した後、50℃×1日空気恒温槽中で熱処理を行った。これを25℃×60%RH×24hr調湿した後、長手方向の長さを測り熱収縮を評価した。結果を表3に示した。吸水性ポリマー単一組成から成るフィルムを支持体とした場合、大きく熱収縮したが、本発明のPETと吸水性ポリマーとのブレンド物を支持体とした場合、PETには劣るもののTACに勝る熱収縮性を示した。
【0175】5−3)熱変形性の評価現像処理後の写真フイルムを各々サンプルサイズ35mm×12cmに裁断した。これを80℃×7hr、空気恒温槽で熱処理し、目視でフイルムの凹凸を評価した。この結果を表3に示した。吸水性ポリマー単一組成から成るフイルムを支持体とした場合、大きく熱変形したが、本発明のPETと吸水性ポリマーとのブレンド物を支持体とした場合、PETには劣るもののTACには勝る耐熱性を示した。
【0176】5−4)機械的強度の評価下記方法により、現像処理前の写真フイルムの機械強度の評価を行った。
〔破断強度および初期弾性率〕JIS−Z1702−1976に準じて、幅10mm、長さ100mmの短冊片で、引張り速度は破断強度の測定の際には300mm/分、初期弾性率は20mm/分で測定した。
〔引き裂き強度の測定〕軽荷重式引き裂き強度試験機(東洋精機(株)製)を用いサンプルサイズ51×64mmで13mmの切れ込みを入れ残り51mmを引き裂いた時の指示値を読み取った。この結果を表3に示した。このように本発明の吸水性ポリマーとPETのブレンド物を支持体とした場合、TAC以上のPETに近い高い機械的強度を有していた。
【0177】このように本発明のPETと吸水性ポリマーをブレンドした支持体を写真フイルムに用いた場合、TAC並みの巻きぐせ回復性とPET並みの高い機械的強度と耐熱性を有した優れた写真感光材料を達成することができた。
【0178】(実施例2)
1)支持体の作成以下に述べる方法により、PET中に吸水性物質として二酸化ケイ素等をブレンドした支持体を得た。まず、テレフタル酸100重量部、エチレングリコール100重量部をオートクレーブに入れ、220℃で1.5kg/cmの条件下で、直接エステル化反応を行い、反応率が40%を越えた所で、次の吸水性無機化合物をエチレングリコールと水でスラリーとしたものを添加した。

これに、さらに酢酸マグネシウム0.04重量部、三酢酸アンチモン0.03重量部を触媒として添加し、常法に従って重合を行い、極限粘度0.60の無機吸水物質含有PETを得た。この吸水物質含有PETを実施例1と同様の条件で乾燥、押出し、2軸延伸を行い、厚さ75μmのフイルムを得た。フイルム特性は、ヘイズが1.5%、破断強度は27kg/mm、初期弾性率は430kg/mmであり透明性、機械強度は良好であった。(これらの特性値は、実施例1に示した方法で行った。)
【0179】2)アール回復率・含水率の測定本発明の吸水性無機化合物を添加したPETと比較例として、PET、TACについて、実施例1の方法に従ってカール回復率、含水率を評価し、結果を表4に示した。
【0180】
【表4】

【0181】表4から明らかなように、本発明の無機吸水性化合物を含むPETは、吸水率が高く、カール回復率も良好であった。
【0182】3)耐熱性の評価実施例1の方法で、本発明の無機化合物含有PETと比較例としてPET、TACについて評価を行った。この結果を表5に示した。
【0183】
【表5】

【0184】第5表から明らかなように、熱収縮性、熱変形ともPETよりも良好であった。
4)写真感光材料の作成上記本発明(吸水性無機化合物とPETのブレンド)のフイルム(75μm厚)および比較例として、PET(75μm厚)、TAC(80μm)に写真感光層を塗設し、写真フイルムを作成した。
【0185】4−1)下びき層の塗設・帯電防止層の塗設実施例1と同じ方法で下びき層・帯電防止層を塗設した。
【0186】4−2)磁気記録層の塗設上記下びき層・帯電防止層を付与した各支持体上に、仕切り室を付けたギーサーを用いて、下記ドープ■、■、■を順番に厚さ2μmに塗布した。ドープ■を塗布した所は光学的に透明な磁性体層であり、ここに撮影条件等を記録でき、さらに、従来から行なわれているようなバーコーダー等による光学的な記録も可能である。ドープ■を塗布したところはバインダーのみであり、完全に透明な部分である。ドープ■および■で形成されたストライプ状磁性体の段差を埋めるための層であり、ここにカメラ等で撮影した時に画像がくるようにギーサーの仕切室の間隔を調整する。ドープ■で形成された所は不透明の磁性層であり、ここに高密度に情報を記入することができる。各ドープ■〜■の組成を以下に示す。
【0187】
・ドープ■ コバルトドープ酸化鉄微粉末 (ゼラチン分散体として含有 させた。平均粒径0.08μm) 2.5g/m ゼラチン 3.0g/m (CH=CHSONHCHCHNH)CO 0.1 〃【0188】
【化27】

【0189】

ドープ■ コバルトドープ酸化鉄微粉末 (ゼラチン分散体として含有 させた。平均粒径0.08μm) 0.2g/m ゼラチン 3 〃 (CH=CHSONHCHCHNH)CO 0.1 〃 A−1 0.02g/mポリ(エチルアクリレート)
(平均粒径0.08μm) 1 〃【0190】4−3)すべり層の塗設磁気記録層上に下記組成のすべり層を、各サンプルに塗設した。
ゼラチン 0.5g/m ポリメチルメタクリレート (平均粒径1.5μm) 0.02 〃 セチルステアレート (ドデ シルベンゼンスルホナート ナトリウムで分散) 0.01 〃 ソジウムジ(2−エチルヘキ シル)スルホサクシナート 0.01 〃 C17SON(C)CHCOOK 0.01〃セチルステアレートは、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダを固型分の3重量%添加して振動ボールミル(ジルコニアビーズ直径1mmを使用)を用いて微粉細化して塗布液に添加した。得られた微粉末の平均粒径は0.15μmであり、その90%以上(体積分布)は0.3μm以下であった。)得られたバック層の抗磁力は950〜1000Oeであった。
【0191】4−4)感光材層の塗設磁気記録層を有する前と反対側の面に特開平2−854号実施例1試料101記載の反転カラー乳剤層を全く同様にして塗設した。
【0192】4−5)サンプルの加工各試料を35mm幅にスリットし、36枚分の長さに裁断し、図1に示したようなパトローネに収納した。この後強制的に巻きぐせを付けるために、40℃で10分間放置した。
【0193】4−7)現像処理巻きぐせの付いた写真フイルムを次のようにして現像処理した。
【0194】
処埋工程 時間 温 度第一現像 6分 38℃水 洗 2〃 38〃反 転 2〃 38〃発色現像 6〃 38〃周 整 2〃 38〃漂 白 6〃 38〃定 着 4〃 38〃水 洗 4〃 38〃安 定 1〃 25〃各処理液の組成は、以下の通りであった。
第一現像液ニトリロ−N,N,N−トリメチレンホスホン酸・5ナトリウム塩 2.0g亜硫酸ナトリウム 30gハイドロキノン・モノスルホン酸カリウム 20g炭酸カリウム 33g1−フエニル−4−メチル−4−ヒドロキシメチル−3−ビラゾリドン 2.0g臭化カリウム 2.5gチオシアン酸カリウム 1.2gヨウ化カリウム 2.0mg水を加えて 1000mlpH 9.60pHは、塩酸又は水酸化カリウムで調節した。
反転液ニトリロ−N,N,N−トリメチレンホスホン酸・5ナトリウム塩 3.0g塩化第一スズ・2水塩 1.0gp−アミノフエノール 0.1g水酸化ナトリウム 8g氷酢酸 15ml水を加えて 1000mlpH 6.00pHは、塩酸又は水酸化ナトリウムで調節した。
発色現像液ニトリロ−N,N,N−トリメチレンホスホン酸・5ナトリウム塩 2.0g亜硫酸ナトリウム 7.0gリン酸3ナトリウム・12水塩 36g臭化カリウム 1.0gヨウ化カリウム 90mg水酸化ナトリウム 3.0gシトラジン酸 1.5gN−エチル−N−(β−メタンスルホンアミドエチル)−3−メチル−4−アミノアニリン硫酸塩 11g3,6−ジチアオクタン−1,8−ジオール 1.0g水を加えて 1000mlpH 11.80pHは、塩酸又は水酸化カリウムで調節した。
調整液エチレンジアミン4酢酸・2ナトリウム塩・2水塩 8.0g亜硫酸ナトリウム 12g1−チオグリセリン 0.4ml水を加えて 1000mlpH 6.20pHは、塩酸又は水酸化ナトリウムで調節した。
漂白液エチレンジアミン4酢酸・2ナトリウム塩・2水塩 2.0gエチレンジアミン4酢酸・Fe(III)・アンモニウム・2水塩 120g臭化カリウム 100g硝酸アンモニウム 10g水を加えて 1000mlpH 5.70pHは、塩酸又は水酸化ナトリウムで調整した。
定着液チオ硫酸ナトリウム 80g亜硫酸ナトリウム 5.0g重亜硫酸ナトリウム 5.0g水を加えて 1000mlpH 6.60pHは、塩酸又はアンモニア水で調節した。
安定液ホルマリン(37%) 5.0mlポリオキシエチレン−p−モノノニルフエニルエーテル(平均重合度10) 0.5ml水を加えて 1000mlpH 調整せず【0195】5)写真感光材料の評価5−1)巻きぐせの評価現像処理後のカールの状況は、現像後25℃×60%RH×3日調湿後カール値を測定した。結果を表6に示した。本発明のサンプルでは、TACにはおよばないものの、PETよりもかなりカール値が回復した。
【0196】
【表6】

【0197】5−2)熱収縮性・熱変形性の評価実施例1の方法に従って熱収縮性、熱変形性を評価した。結果を表6に示した。本発明のサンプルはPETよりも耐熱性、熱収縮性が向上するという良好な結果が得られた。
【0198】5−3)機械強度の評価実施例1の方法に従って機械強度(破断強度・初期弾性率・引き裂き強度)を測定した。この結果を表6に示した。本発明のサンプルでは、いづれの機械強度ともPET以上に増大し、良好な結果を示した。
【0199】(実施例3)
1)支持体の作成下記方法により、親水性基を有するポリマー中に、さらに吸水性を有する無機物質を混合させたポリマーを作った。まず、エチレングリコール46重量%に、下記吸水性無機物質を添加しホモジナイザーを用いて撹拌した。
・二酸化硅素 1.0重量部 (平均粒径 0.10μm 比表面積 20m/g、脂肪酸で表面処理したもの)
・酸化マグネシウム 1.0〃 (平均粒径 1.0μm 比表面積 80m/g)
・水酸化マグネシウム 1.0〃 (平均粒径 1.3μm 比表面積 10m/g)
・塩化ナトリウム 1.0〃(この後テレフタル酸ジメチル120重量部、5−ナトリウムスルホイソフタル酸ジメチル20重量部、およびアジビン酸ジメチル14重量部に酢酸カルシウム0.1重量部および3酸化アンチモン0.03重量部を添加し、常法によりエステル交換反応を行った。得られた生成物にリン酸トリメチルエステル0.05重量部を添加し徐々に昇温、減圧にし最終的に280℃、1mmHg以下で重合を行い共重合ポリエチレンテレフタレートを得た。この共重合ポリエステル50重量部と、実施例2で作った吸水性無機物質を添加したPET50重量部を混合した後、実施例1の方法で、乾燥、押出し、延伸を行った。このサンプルの特性は、ヘイズが2.0%、破断強度は26kg/mm、初期断性率は450kg/mmであり、透明性、機械強度伴に良好であった。(これらの特性値は実施例1と同じ方法で測定した。)
【0200】2)カール回復性・含水率の測定本発明の吸水性ポリマー、無機化合物をブレンドしたPETと比較例として、PET、TAC、さらに実施例1で記載した吸水性を有する共重合体のみから成るポリマーについて、実施例1の方法に従ってカール回復率・含水率を評価し結果を表7に示した。
【0201】
【表7】

【0202】表7から明らかなように、本発明のフイルムは吸水性が高くカール回復率も良好であった。
【0203】3)耐熱性実施例1の方法で、上記4サンプルについて比較評価を行った。この結果を表8に示した。
【0204】
【表8】

【0205】表8から明らかなように、熱収縮、熱変形とも吸水性ポリマー単独フイルムよりも大きく優れ、さらにPETと同等レベルであり、充分な耐熱性が得られた。
【0206】4)写真感光材料の作成上記発明(吸水性ポリマー、吸水性無機物質を含有するPET)のフイルム(75μm)および、比較例としてPET(75μm)TAC(75μm)、吸水性ポリマーのみから成るフイルム(75μm)に、写真感光層を塗設し、写真フイルムを作成した。
【0207】4−1)下びき層の塗設・帯電防止層の塗設実施例1と同じ方法で下びき層・帯電防止層を各サンプルに塗設した。
【0208】4−2)すべり層の塗設下びき層を塗設した後実施例1と同じ方法で、下びき層と逆の面に、各サンプルともすべり層を付与した。
【0209】4−3)感光層の塗設下びき層を有する面に、実施例1と同じ方法で感光層を各サンプルに塗設した。
【0210】4−4)サンプルの加工各サンプルを35mm幅にスリットした後、36枚分の長さに裁断し、135システムのパトローネに収納した。この後、強制的に巻きぐせを付けるために、50℃で5日間放置した。
【0211】4−5)現像処理巻きぐせの付いた写真フィルムを実施例1の方法で現像処理を行った。
【0212】5)写真感光材料の評価5−1)巻きぐせの評価現像処理後のカールの状況は、現像後25℃×60%RH×3日調湿後カール値を測定した。結果を表9に示した。
【0213】
【表9】

【0214】PETではほとんど巻ぐせは回復しないが、本発明のフイルムではほぼTAC並みに巻きぐせ回復していた。
【0215】5−2)熱収縮性・熱変形性の評価実施例1の方法に従って上記4つのサンプルの評価を行った。結果を表9に示した。従来の発明である吸水性ポリマーからだけから成るポリマーフイルムでは耐熱性も悪く、熱収率率も高かったが、本発明のようにPET中にブレンドすることにより、これらは大きく改善され、ほぼPET同等となった。
【0216】5−3)機械強度の評価実施例1の方法に従って、上記4種のポリマーフイルムについて比較検討を行った。この結果を表9に示した。このように本発明のフイルムはPETに勝る機械強度を有していることが明らかになった。
【0217】
【発明の効果】本発明は、ポリエチレンテレフタレートを主成分とし、これに、吸水性を有するポリマーまたは吸水性を有する無機物質を添加したものを加工しフイルムを形成し、この上に写真感光層を付与し写真感材とすることで、現像処理後、巻きぐせが回復し、かつ機械的強度、耐熱性の高い写真感材を作ることを可能にした。これにより、カール解消性は有するが、コストが高く、機械物性が弱いというTACの欠点を打ち破る写真感材用フイルムを作ることができた。この結果、従来巻きぐせ解消しないため、TACしか用いられなかった分野(例えば、カラーネガ、カラーリバーサル、フイルム)を、本発明の支持体に置き換えることができ、コストの低下、写真用ベースの強度アップを図ることができた。また本発明中に記載したような新パトローネシステムでは、さらにこの効果は著しく、TACに比べて大幅な強度アップと同時に、薄手化によるパトローネの小型化を行うことが可能となった。
【出願人】 【識別番号】000005201
【氏名又は名称】富士写真フイルム株式会社
【出願日】 平成3年(1991)1月21日
【代理人】
【公開番号】 特開平5−265137
【公開日】 平成5年(1993)10月15日
【出願番号】 特願平3−207116