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【発明の名称】 池水浄化装置
【発明者】 【氏名】金子 政雄

【目的】 本発明は、池内の滞留水域の発生を防止してオゾン処理や紫外線処理による藻類、微生物の殺菌処理量を少なくし、処理装置のコンパクト化、運転費の大幅な低減化を図れることを最も主要な目的としている。
【構成】 本発明は、ゴルフ場、養魚場、公園等の池内から採水された池水中の藻類、微生物を、オゾン処理または紫外線処理により殺菌する処理装置と、池内に浸漬された池水循環用ポンプと、一端が池の水面付近に開口し、他端が池水循環用ポンプの入口側に取付けられた吸込み側配管と、一端が池の底付近に開口し、他端が池水循環用ポンプの出口側に取付けられた吐出側配管と、処理装置による処理水を、吸込み側配管または吐出側配管に導水する返送配管とを備えたことを特徴としている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ゴルフ場、養魚場、公園等の池内の水を浄化する池水浄化装置において、前記池内から採水された池水中の藻類、微生物を、オゾン処理または紫外線処理により殺菌する処理装置と、前記池内に浸漬された池水循環用ポンプと、一端が池の水面付近に開口し、他端が前記池水循環用ポンプの入口側に取付けられた吸込み側配管と、一端が池の底付近に開口し、他端が前記池水循環用ポンプの出口側に取付けられた吐出側配管と、前記処理装置による処理水を、前記吸込み側配管または吐出側配管に導水する返送配管と、を備えて成ることを特徴とする池水浄化装置。
【請求項2】 前記返送配管の一端を前記処理装置の処理水出口側に取付けると共に、前記返送配管の他端を前記吸込み側配管の開口部に挿入するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の池水浄化装置。
【請求項3】 前記返送配管の一端を前記処理装置の処理水出口側に取付けると共に、前記返送配管の他端を前記吸込み側配管の開口部以外に直接接続するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の池水浄化装置。
【請求項4】 前記返送配管の一端を前記処理装置の処理水出口側に取付けると共に、前記返送配管の他端を前記吐出側配管の開口部以外に直接接続するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の池水浄化装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えばゴルフ場、養魚場、公園等の池内の水を浄化する池水浄化装置に係り、特に処理装置のコンパクト化、ならびに運転費の大幅な低減化を図り得るようにした池水浄化装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、例えばゴルフ場、公園等の修景池や養魚場の養魚池等においては、藻類、微生物等の発生によって池内の水が汚濁しており、底にはこれらが沈殿し、汚泥として推積している場合が多い。この池内の汚濁は、美観だけでなく、魚類の生臭を脅かすことになる。また、悪臭発生による環境悪化という問題も生じることになる。
【0003】このため、従来から、池内の水を浄化する様々な方式の浄化装置が使用されてきている。この種の浄化装置は、藻類、微生物を殺菌することで浄化する装置であり、その処理には、塩素、銅、オゾン、紫外線が多く利用されている。そして、塩素と銅を注入した場合には、殺菌力が残留するため、継続的に浄化することはできるが、池内の魚類に悪影響を与えることから、最近では、オゾンまたは紫外線を利用することが多くなってきている。
【0004】すなわち、オゾンは、水中に注入後、短時間で分解してしまい、また紫外線は、当然のことながら照射時のみしか殺菌できないため、どちらも長時間または連続的に処理を実施する必要がある。そのため、通常は、池水をポンプ等で一定量採水し、オゾン処理または紫外線処理により殺菌したものを、再び池へ戻すようにしている。特に、オゾン処理では、脱臭、脱色も可能である。
【0005】しかしながら、このようなオゾン処理または紫外線処理を利用した殺菌による池水浄化装置では、池内に流れのない水域が多数でき(滞留水域の発生)、不十分な浄化しかできないことがある。そこで、この場合には、池内から大量の池水を採水し、これを処理することで対応しているが、処理装置が大型になるばかりでなく、運転費も膨大なものになるという問題がある。
【0006】特に、池の水面近くの水温と池の底付近の水温との差が大きい夏期には、対流が小さく、滞留水域が発生し易くなってしまう。発明者の実験によると、池水の汚濁の程度とオゾン注入濃度または紫外線の照射度にもよるが、一般的な注入率で処理した場合に必要となる処理量は、1日当たり池水全量の1〜5倍という量であった。従って、例えばオゾン処理時間を2分とすると、10000m3 の池水を処理するのに必要な反応槽の容積は、約15〜70m3 となる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、従来の池水浄化装置においては、池内に滞留水域が発生することから、オゾンや紫外線による藻類、微生物の殺菌処理量が多くなり、処理装置が大型になるばかりでなく、運転費も膨大なものになるという問題があった。
【0008】本発明の目的は、池内の滞留水域の発生を防止してオゾン処理や紫外線処理による藻類、微生物の殺菌処理量を少なくし、処理装置のコンパクト化、ならびに運転費の大幅な低減化を図ることが可能な極めて信頼性の高い池水浄化装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するために本発明では、ゴルフ場、養魚場、公園等の池内の水を浄化する池水浄化装置において、池内から採水された池水中の藻類、微生物を、オゾン処理または紫外線処理により殺菌する処理装置と、池内に浸漬された池水循環用ポンプと、一端が池の水面付近に開口し、他端が池水循環用ポンプの入口側に取付けられた吸込み側配管と、一端が池の底付近に開口し、他端が池水循環用ポンプの出口側に取付けられた吐出側配管と、処理装置による処理水を、吸込み側配管または吐出側配管に導水する返送配管とを備えて構成している。ここで、特に返送配管としては、その一端を処理装置の処理水出口側に取付けると共に、他端を吸込み側配管の開口部に挿入するようにしている。また、返送配管としては、その一端を処理装置の処理水出口側に取付けると共に、他端を吸込み側配管の開口部以外に直接接続するようにしている。さらに、返送配管としては、その一端を処理装置の処理水出口側に取付けると共に、他端を吐出側配管の開口部以外に直接接続するようにしている。
【0010】
【作用】従って、本発明の池水浄化装置においては、池水を池水循環用ポンプにより採水して処理装置へ送り、オゾン処理または紫外線処理によって、池水中の藻類や微生物を死滅させる。そして、この処理装置からの処理水を、返送配管を通して吸込み側配管または吐出側配管の内部に送水し、吸込み側配管の開口部から流入する池の水面付近の池水と共に、池水循環用ポンプにより池の底付近で吐出側配管の開口部から排出させる。
【0011】これにより、処理装置からの処理水を池内全体に供給できるため、池水全体を少量の処理水で迅速かつ確実に混合できる。よって、処理装置をコンパクト化できると共に、運転費を大幅に低減することができる。
【0012】
【実施例】以下、本発明の一実施例について図面を参照して詳細に説明する。
【0013】図1は、本発明によるオゾン処理を利用した池水浄化装置の全体構成例を示す概要図である。すなわち、本実施例の池水浄化装置は、図1に示すように、ゴルフ場、公園、養魚場等の池内の池水1を採水する採水ポンプ2と、採水ポンプ2で採水された池水1をオゾン処理により殺菌するオゾン処理装置3と、オゾン処理装置3へ、図示しないオゾン発生装置で発生させたオゾンを供給するためのオゾン注入器4と、池内に浸漬された池水循環用ポンプ5と、一端が池の水面付近に開口し、他端が池水循環用ポンプ5の入口側に取付けられた吸込み側配管6と、一端が池の底付近に開口し、他端が池水循環用ポンプ5の出口側に取付けられた吐出側配管7と、一端がオゾン処理装置3の処理水出口側に取付けられると共に、他端が吸込み側配管6の開口部に挿入された返送配管8とから構成し、池の水面付近の池水1をオゾン処理と共に、池の底付近へ送水するようにしている。次に、以上のように構成した本実施例の池水浄化装置の作用について説明する。
【0014】図1において、池水1が採水ポンプ2により採水されて、オゾン処理装置3へ送られ、また図示しないオゾン発生装置で発生させたオゾンが、オゾン注入器4からオゾン処理装置3内へ供給される。そして、オゾン3処理装置内で、オゾン処理によって池水1中の藻類や微生物を死滅させる。このオゾン処理水は、返送配管8を通して池内の池水循環用ポンプ5に取付けた吸込み側配管6へ戻される。
【0015】一方、この吸込み側配管6へは、オゾン処理水だけでなく、吸込み側配管6の開口部から池の水面付近の池水1も流入できるようになっており、池水循環ポンプ5を動作させることによって、オゾン処理水と池の水面付近の池水1が採水され、池の底付近で吐出側配管7から排出される。これにより、池の水面付近の池水1が池の底付近に送られることで、水温差の大きい夏期でも池水1の対流を確実に行なえるため、池内に滞留水域が発生せず、池全体の混合が可能となる。
【0016】また、オゾン処理水が、池の水面付近の池水1と同時に池水循環ポンプ5で池の底付近に送水されるため、オゾン処理水を迅速かつ確実に池内全体に供給することができる。これにより、オゾン処理による藻類、微生物の殺菌処理量を少なくすることが可能となる。
【0017】本発明者の実験によると、池水循環ポンプ5の流量が多いほど池内の混合が早く行なえるが、1日に池水全量の1〜2倍で十分であり、オゾン処理水量は1日に池水全量の1/5〜1/2で十分という結果が得られた。従って、例えばオゾン処理時間を2分とすると、10000m3 の池水1を処理するのに必要なオゾン3処理装置の容積は、約3〜7m3 となる。
【0018】上述したように、本実施例のオゾン処理を利用した池水浄化装置は、ゴルフ場、公園、養魚場等の池内の池水1を採水する採水ポンプ2と、採水ポンプ2で採水された池水1をオゾン処理により殺菌するオゾン処理装置3と、オゾン処理装置3へ、オゾン発生装置で発生させたオゾンを供給するためのオゾン注入器4と、池内に浸漬された池水循環用ポンプ5と、一端が池の水面付近に開口し、他端が池水循環用ポンプ5の入口側に取付けられた吸込み側配管6と、一端が池の底付近に開口し、他端が池水循環用ポンプ5の出口側に取付けられた吐出側配管7と、一端がオゾン処理装置3の処理水出口側に取付けられると共に、他端が吸込み側配管6の開口部に挿入された返送配管8とから構成し、池の水面付近の池水1をオゾン処理と共に、池の底付近へ送水するようにしたものである。
【0019】従って、オゾン処理水を池の水面付近の池水1と共に池の底付近で吐出させるため、オゾン処理水を池内全体に供給することができ、少量のオゾン処理水で迅速かつ確実に池内全体を混合することができる。これにより、オゾン処理装置3をコンパクト化できると共に、各種ポンプ2,5の運転費を大幅に低減することが可能となる。
【0020】具体的には、池水1の濁度とオゾン注入濃度とが同一の場合、従来の池水浄化装置のオゾン処理装置に比べて、その容積を1/5〜1/10に縮少することができる。また、オゾン発生装置と各種ポンプ2,5の運転費も大幅に削減することができる。尚、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、次のようにしても実施できるものである。
【0021】(a)上記実施例では、池水循環用ポンプ5に取付けられた吸込み配管6内に、その開口部から返送配管8の一端を挿入させる場合について説明したが、これに限らず池水循環用ポンプ5で採水できるものであればよく、例えば図2に示すように、返送配管8の一端を吸込み側配管6の開口部以外に直接接続するようにしてもよい。また、返送配管8の一端を吐出側配管7の開口部以外に直接接続するようにしてもよい。
【0022】(b)上記実施例では、オゾン処理を利用した池水浄化装置に本発明を適用した場合について説明したが、これに限らず紫外線による殺菌を利用した池水浄化装置についても、本発明を同様に適用して同等の効果を得ることができるものである。
【0023】(c)上記実施例において、池の底付近の池水1を採水し、池の水面付近に池水循環ポンプ5により吐出させるようにしても、同様の効果が得られるものである。
【0024】(d)上記実施例において、吸込み側配管6の開口部の一部を池の水面上に設け、ここにオゾン処理水または紫外線処理水を落下させたり、オゾン処理水または紫外線処理水を噴水として使用した後に集めて、吸込み側配管6に供給することも可能である。
【0025】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、池内から採水された池水中の藻類、微生物を、オゾン処理または紫外線処理により殺菌する処理装置と、池内に浸漬された池水循環用ポンプと、一端が池の水面付近に開口し、他端が池水循環用ポンプの入口側に取付けられた吸込み側配管と、一端が池の底付近に開口し、他端が池水循環用ポンプの出口側に取付けられた吐出側配管と、処理装置による処理水を、吸込み側配管または吐出側配管に導水する返送配管とを備えて構成するようにしたので、池内の滞留水域の発生を防止してオゾン処理や紫外線処理による藻類、微生物の殺菌処理量を少なくし、処理装置のコンパクト化、ならびに運転費の大幅な低減化を図ることが可能な極めて信頼性の高い池水浄化装置が提供できる。
【出願人】 【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
【出願日】 平成3年(1991)11月12日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】鈴江 武彦
【公開番号】 特開平5−293478
【公開日】 平成5年(1993)11月9日
【出願番号】 特願平3−295730